ニキビといえば皮脂の過剰分泌が原因と思われがちですが、実は肌が乾燥している状態でも発生する場合があります。乾燥によるバリア機能の低下や外部刺激が影響し、肌トラブルが引き起こされるためです。
本記事では、乾燥肌なのにニキビができる理由をはじめ、効果的な治し方や日常生活でできるスキンケアのポイントについて解説します。
乾燥肌によるニキビを防ぐために、今日からできるケアを始めてみましょう。
乾燥肌でもニキビができる理由
乾燥肌でもニキビができるのは、肌のうるおいを保とうとする生理反応が過剰に働くためです。
肌乾燥ニキビの発生メカニズム
肌が乾燥(水分と皮脂の不足)
↓
うるおいを補うために皮脂が出過ぎてしまう
↓
毛穴詰まりやターンオーバーの乱れが発生
↓
ニキビができる
乾燥肌は、肌を守ろうとする働きがかえって逆効果となり、ニキビを引き起こす原因になります。
さらに乾燥が進むと、肌のバリア機能が低下し外部からの刺激や雑菌が侵入しやすくなるため、ニキビができやすい状態に陥ってしまいます。
乾燥肌ニキビができやすい人の特徴
乾燥肌によるニキビは、ライフスタイルや生活環境が大きく影響します。
普段の何気ない習慣が、知らないうちにニキビを引き起こす原因になっていることも少なくありません。
乾燥肌ニキビになりやすい人の特徴
- 水分不足
- 空気の乾燥(エアコンや季節)
- 誤った洗顔の繰り返し
- 加齢
- ビタミンBの不足
- カフェインの摂りすぎ
- 運動不足
- 入浴温度が高い(40℃を超える)または長時間の入浴
これらの特徴に当てはまる場合、乾燥肌ニキビができる可能性は高まります。
自身の生活習慣や環境を振り返り、どの特徴が当てはまるのか確認しましょう。
乾燥肌によるニキビの見分け方
乾燥肌によるニキビは、多くの場合発生部位や肌の状態から判断できます。
乾燥肌の発生部位や肌の状態
発生しやすい部位:Uゾーン(目の横、頬やあごなどのフェイスライン)
肌の状態:洗顔後の肌のつっぱり、カサカサ
肌質の変化:肌表面だけでなく、内側まで乾燥しているような感覚がある
乾燥肌ニキビに効果的な治療薬
乾燥肌によるニキビには、適切な治療薬を使用するのが効果的です。
いくつか治療薬がありますが、中でもイソトレチノインは皮脂腺を小さくして皮脂分泌を抑える治療薬として広く知られています。そのため、乾燥による皮脂の過剰分泌を抑える効果が期待できます。
イソトレチノインの効果や副作用について簡単にまとめているので、乾燥肌ニキビの治療を検討する際の参考にしてください。
イソトレチノイン10mg/20mg 基本情報 | |
---|---|
一般名 | イソトレチノイン (Isotretinoin) |
有効成分 | ビタミンA誘導体 |
適応症 | 尋常性ざ瘡(ニキビ)、酒さ(赤ら顔)、脂腺増殖症 |
イソトレチノインを使用する際は、効果だけでなく副作用にも注意が必要です。
皮脂分泌を抑える効果により乾燥が進みやすくなるため、乾燥肌の方は特に肌の保湿ケアを徹底することが重要です。
使用にあたっては、用法用量を守りながら、肌の状態を確認しつつ治療を進めるようにしてください。
日常生活でできる乾燥肌ニキビの治し方・ケア
乾燥肌ニキビの改善のためには、治療薬を服用しつつ、日常生活でのケアもしっかりと行うことを推奨します。
乾燥を招く日々の習慣を見直すだけで、乾燥やそれによるニキビのリスクを抑えることが可能です。
服用治療と並行したい日常のケア
どれも自宅で簡単に取り組めるものばかりです。
毎日コツコツと続けることで、少しずつ肌の変化を実感できるようになります。
できることから積極的に実践し、乾燥肌ニキビの改善を目指していきましょう。
浴室から出たらすぐ保湿をする
お風呂上がりの肌は一見しっとりしているように感じても、実は乾燥が始まっています。浴室から出てわずか10分後には、肌の水分量は入浴前と同じ状態に戻ってしまうほどです。
そのため、浴室から出た直後のスピーディーな乾燥対策が欠かせません。
乾燥を防ぐには、洗顔後に顔を拭いてから30秒以内に化粧水を塗布するのが理想的です。
肌がまだ水分を保持しているうちに保湿を行うことで、水分をしっかりと肌に閉じ込めることができます。
その後、乳液やクリームでフタをすることで、うるおいを長時間キープできます。
シャワーを直接顔に当てない
シャワーを直接顔に当てると水圧によって肌の薄い角質層が刺激を受け、ダメージを受ける可能性があります。
特に乾燥肌の方は、このダメージが肌のバリア機能の低下を招いて乾燥がさらに進むだけでなく、肌トラブルを悪化させる原因にもなるため注意が必要です。
洗顔をシャワーで行う場合は、水圧を弱めに調節することがポイントです。
それでも肌への負担を最小限に抑えたい場合には、洗面器にためた水でやさしくすすぎ洗いを行うと良いでしょう。
ぬるま湯で洗顔する
洗顔時に高温のお湯を使うと、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥の原因になります。
皮脂は肌の保護膜としての役割があるため、過剰に取り除くと乾燥によるニキビが発生しやすくなることもあります。
乾燥を防ぐためには、30℃前後のぬるま湯を使って洗顔するのが理想的です。
ぬるま湯は、皮脂をやわらかくして汚れを落としやすくしつつ、肌に余計な負担をかけません。
一方で冷たすぎる水は皮脂が十分に落ちず、汚れが残りやすくなるため避けるようにしましょう。
洗顔料・化粧水などスキンケアを保湿系のものにする
乾燥肌によるニキビを防ぐには、スキンケアに保湿力の高いアイテムを取り入れることが重要です。
保湿力の高い成分
- ヒアルロン酸
- セラミド
- ヘパリン類似物質 (ヒルドイドローションなど)
これらの成分を含んだ保湿化粧品は、肌の水分保持力を高め、乾燥を防ぐ効果が期待できます。
化粧水だけでなく、乳液やクリームなど複数の保湿アイテムを併用し、肌に必要な油分を補うのもポイントです。
まずは化粧水で水分を与え、次に乳液やクリームでその水分を閉じ込めることで肌のバリア機能をサポートできます。
生活習慣を整える
生活習慣が崩れると、ターンオーバーの周期が乱れてしまい、代謝が遅れることで水分を保持する角質層の健康を保てなくなります。
肌の水分が蒸発して乾燥するのを防ぐためにも、内側からのケアを意識することがポイントです。
乾燥肌の改善に理想的な生活習慣
適度な運動:血行を促進し、肌への栄養供給をサポート
栄養バランスの整った食事:ビタミン・ミネラルを摂り、カフェインを控えめに
こまめな水分補給:肌のうるおいを内側から保つ
良質な睡眠:7〜8時間の睡眠で肌のターンオーバーを正常化
日々の生活習慣を整えることで、肌の乾燥やニキビの改善だけでなく、健康的で美しい肌へと近づけます。
できることから少しずつ取り入れて、肌の内側から健やかさを育みましょう。
乾燥肌によるニキビが気になったら医療機関で相談しよう
乾燥肌なのにニキビができるのは、水分不足による過剰な皮脂分泌が原因のひとつです。
肌がカサカサしているだけではなく、乾燥によってバリア機能が低下し敏感になることで、ニキビが発生しやすい肌環境になってしまいます。
乾燥肌によるニキビのまとめ
- 乾燥肌ニキビができるのは「水分と皮脂が不足した状態を補おうとする防御反応」が過剰に働くため
- ライフスタイルや生活環境により乾燥が進むとニキビができやすくなる
- 乾燥肌ニキビはUゾーンにできやすい傾向にある
- 乾燥による過剰な皮脂分泌を抑えるにはイソトレチノインがおすすめ
- 生活習慣を整えることで乾燥肌ニキビができにくくなる
セルフケアを試しても改善しない場合やニキビが繰り返しできる場合には、早めに医療機関で相談することを推奨します。
専門的な診断と治療を受けることで肌トラブルを効率的に改善し、健康的で美しい肌を取り戻しましょう。
よくあるご質問
-
- Q乾燥肌によるニキビの治し方はありますか?
- A乾燥肌によるニキビは、スキンケアと治療を組み合わせることで改善が期待できます。
保湿力の高いスキンケアアイテム(ヒアルロン酸、セラミド、ヘパリン類似物質を含む)を使用し、洗顔後すぐに保湿することが基本です。
また、乾燥による過剰な皮脂分泌を抑えるためには、イソトレチノインが効果的です。
皮脂腺を小さくして皮脂分泌を抑える働きがあり、繰り返すニキビの改善や再発予防にも役立ちます。
- Q
-
- Qニキビには乾燥と保湿どっちが効きますか?
- A乾燥肌によるニキビの場合、保湿が効果的です。
乾燥により肌のバリア機能が低下し、皮脂が過剰に分泌されることがニキビの原因になるため、肌にうるおいを与える保湿ケアが重要です。
保湿は化粧水だけでなく、乳液やクリームを併用して水分を閉じ込めるのがポイントです。
ただし、過剰な油分の使用は逆効果になる場合もあるため、肌質に合ったアイテムを選びましょう。
- Q
-
- Q乾燥肌によるニキビの特徴は何ですか?
- A乾燥肌によるニキビは、主にUゾーン(目の横、頬やあごなどのフェイスライン)にできやすいのが特徴です。
洗顔後のつっぱり感や肌のカサカサ感が見られる場合も、乾燥が原因である可能性があります。乾燥が進行すると、肌全体のうるおいが失われ、毛穴が詰まりやすくなることでニキビが発生します。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
---|---|
未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
・FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。 ・胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。 ・妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。 |
医薬品副作用被害救済制度について |
---|
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
フィットクリニックでもニキビ治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。