テストステロンとは? - 補充剤のテストステロンジェル・クリームについても解説

更新日:2025/3/3
テストステロンとは? - 補充剤のテストステロンジェル・クリームについても解説

テストステロンとは、体形や性機能、精神状態など男性らしさを形成する上で重要なホルモンです。テストステロンが減少するとEDや更年期障害などの不調の原因となります。
その改善薬である男性ホルモンの塗り薬は「テストステロンジェル」や「テストステロンクリーム」とも呼ばれ、男性更年期障害の治療にも用いられる医薬品です。

結論から言うと、テストステロン塗り薬は「男性ホルモンの分泌低下によるED」には効果を発揮します。
ただし、ストレスや薬の副作用に起因するEDには効果が期待できません。

本記事ではテストステロンについて、男性ホルモンの塗り薬の主な効果、トノスやグローミンなどの使用方法、分泌を高める改善方法などについて解説しています。
その他の塗り薬についても触れていますので、男性ホルモンの減少や性機能の衰えにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

EDの治し方

4月1日より処方価格が変更となります。詳しくは以下でご確認ください。

治療薬の価格改定について

テストステロンとは

テストステロンとは男性の成長に欠かせない男性ホルモンの1つです。
筋肉、骨格、ヒゲ・体毛、体脂肪減少、性機能など男らしさを作る働きを持つため、"男性の源"と言い換えることもできます。
また、テストステロンは身体の変化のみならず、モチベーション維持(自信)やバイタリティー(活力)、性欲など精神面の健康や欲求にも重要な役割があります。

男性は、テストステロンの約95%が睾丸で合成され分泌されると言われています(残り5%は副腎)。
テストステロンの分泌は主に20代~30代がピークとなり、加齢とともに減少します。
その他分泌が減少する要因として、ストレスや運動・睡眠不足があります。

テストステロン減少による影響

テストステロンが減少すると、男性は勃起機能の低下やEDなど性機能の減退が見られるようになります。
その他にも、更年期障害や薄毛(AGA)などの不調も現れます。

テストステロンの減少による影響

ED:
テストステロンの減少により、勃起機能の低下、性欲の減退、肥満によるEDのリスクが高まる

薄毛(AGA):
薄毛はテストステロンの活性化したDHT(ジヒドロテストステロン)が原因

更年期障害:
筋力の衰え、体脂肪増加、ほてり、発汗、疲労感、不眠、イライラ などの症状

テストステロンの減少は、男性機能の低下に繋がります。
勃起は性機能のバロメーターと言われ、朝立ち(早朝勃起)の減少はEDの初期症状の1つです。

症状により個人差はありますが、心身共にさまざまな不調が起きる場合があるため、気になる症状があれば医師に相談するのが望ましいでしょう。

テストステロン(男性ホルモン)補充剤について

不足したテストステロンを効果的に取り入れることで、EDなどの更年期障害の諸症状の改善につながる場合があります。

男性ホルモン補充剤には、主に以下の種類があります。

  • クリームやジェル
  • 注射剤
  • 錠剤

中でも塗り薬やジェルなどの外用薬は、飲み薬と違い肝臓で分解されないため、成分が体内に巡りやすいというメリットがあります。

テストステロンジェル・クリーム(男性ホルモンの塗り薬)

テストステロン(男性ホルモン)を補充する塗り薬には以下の種類があります。

特徴や効果、塗り方などについて以下でまとめています。

トノス

トノス
トノス
分類 第一類医薬品
特長
  • 3つの局所麻酔成分により射精遅延効果が期待できる
  • 陰嚢部に塗布することでより効果的に吸収される
  • アレルギー体質を考慮した成分処方
効果
  • 男性更年期障害
  • 男性性器神経衰弱症(勃起力の減退、性器不全、精力減退、早漏など)
塗り方・塗る頻度 チューブの先から5㎜程度を目安に指先に取る
※勃起力・精力改善の場合は、陰のう部全体に擦り込むように塗布
※男性更年期障害の場合は、患部に約0.1g(小豆大)ずつ擦り込む

1回/日
症状改善後は1回/日か週2回程度
副作用 発疹、かゆみ、じんま疹、にきび など
入手方法 薬剤師が在籍する全国の薬局・ドラッグストア
※フィットクリニックでは取り扱っておりません

グローミン

グローミン
グローミン
分類 処方箋医薬品
※一部クリニックでのみ取扱い
特長・効果
  • 海外製のためテストステロンの含有量が高い
  • 体内の男性ホルモンを増加させる
塗り方・塗る頻度 0.5ml程度を朝1回/日、陰のう、あご下、腹部などの全体に塗布する
副作用 赤み・発疹・かゆみ・かぶれ・腫れ・水ぶくれ・にきび など
副作用 発疹、かゆみ、じんま疹、にきび など
入手方法 医療機関で処方を受ける
※市販品ではありません
※フィットクリニックでは取り扱っておりません

プリズマホルモン軟膏

プリズマホルモン軟膏
プリズマホルモン軟膏
分類 第一類医薬品
特長・効果
  • 肝臓への負担が少ない
  • 男性ホルモン分泌不足による勃起力減退
  • 男性更年期障害の改善
塗り方・塗る頻度 約0.1g(小豆大)/回、1日1~2回、表皮の薄い部位や亀頭部、陰のうに塗布
副作用 発疹・発赤、はれ、かぶれ、かゆみ、水疱、にきび
入手方法 薬剤師が在籍する一部の薬局・ドラッグストア
Amazonや楽天などの通販
※フィットクリニックでは取り扱っておりません

アンドロフォルテクリーム

アンドロフォルテクリーム
アンドロフォルテクリーム
分類 処方箋医薬品
※一部クリニックでのみ取扱い
特長・効果
  • 海外製のためテストステロンの含有量が高い
  • 体内の男性ホルモンを増加させる
塗り方・塗る頻度 0.5ml程度を朝1回/日、陰のう、あご下、腹部などの全体に塗布する
副作用 多毛・多血症・にきび・肝機能障害・女性化乳房 など
入手方法 医療機関で処方を受ける
※市販品ではありません
※フィットクリニックでは取り扱っておりません

画像引用元:アンドロフォルテクリーム5%(テストステロン)

1UPフォーミュラ

1UPフォーミュラ
1UPフォーミュラ
分類 処方箋医薬品
※一部クリニックでのみ取扱い
特長・効果
  • 市販薬に比べテストステロンの含有量が高い
  • 体内の男性ホルモンを増加させる
塗り方・塗る頻度 人差し指第一関節分程度の量をを1日1回
太ももの内側、上腕の内側などに塗布
副作用 にきび・多血症・肝機能障害・凝固能 亢進など
入手方法 医療機関で処方を受け、提携薬局より郵送
※市販品ではありません
※フィットクリニックでは取り扱っておりません

テストステロンの塗り薬に期待できる効果

テストステロンの塗り薬の主な効果は以下です。

テストステロンの塗り薬に期待できる効果

勃起力の改善
勃起力の低下が「男性ホルモンの減少」に起因する場合は、男性ホルモンの塗り薬で勃起力の改善効果が期待できます。
ただし、効果が現れるまで時間がかかるため即効性はありません。
※心因性のEDや薬剤性のEDなど、男性ホルモンの低下に起因しないケースは改善効果は見込めない場合があります

早漏の改善
テストステロンの塗布により陰茎に伝わる感度が適度に調整され、射精までの時間を遅らせることができます。

男性更年期障害の改善
男性の更年期障害である、精力低下、肥満、筋力低下、ほてり・発汗、不眠、モチベーションの低下、倦怠感など心身の不調の改善が期待できます。

テストステロンジェルやクリームの中には市販で購入できるものもありますが、成分量が低いため重度の症状では効果が得られない場合があります。
成分量の高いものでも、EDの症状に対しては効果が現れるまで時間がかかります。
即効性を求めるのであれば、服用後すぐに勃起力の高まるED治療薬の使用が効果的です。

フィットクリニックではテストステロンジェルやクリームの処方は行っていません。

ED治療薬の種類と比較

今すぐにできるテストステロンを高める方法

テストステロンの補充以外に、今すぐにできるテストステロンの分泌を高める方法として食事、筋トレ・運動があります。

テストステロンを高める方法

食事の改善

良質なタンパク質の摂取はテストステロンの分泌にかかせません。
タンパク質には2種類(動物性・植物性)あり、お肉などの動物性タンパク質はもちろん、植物性の大豆たんぱく質にもテストステロンの分泌量UPが期待されます。

その他、亜鉛やマグネシウムなどのミネラル、分泌をサポートするセリ科の野菜、玉ねぎ・ニンニクなどの香味野菜、山芋、ブロッコリーが効果的とされます。

特に亜鉛は"セックスミネラル"と称され、性機能向上に重要な役割を果たすミネラルです。
亜鉛の吸収効率のUPには、ビタミンCやクエン酸が好ましいとされます。

過度なダイエットは、必要な栄養素が不足しテストステロンの分泌の妨げとなります。
そのため、減量を行う際には専門の指導を受ける、または栄養不足にご注意ください。

筋トレ・運動

比較的大きな筋肉(僧帽筋・臀筋・ハムストリングスなど)を中心に、適切な筋トレを行い筋肉量を増やすことでテストステロンの分泌を高めます。
さらに基礎体力の向上にもなるので一石二鳥であり、体を動かすことはモチベーションアップにもつながりやすいです。
また週に2〜3回を目安に、30分ほど適度な運動(ウォーキングやランニング、水泳など)を取り入れるのもオススメです。

ただし、激しい運動については控えましょう。
急に負荷をかければ身体がついてこないのはもちろん、血中のテストステロンを一気に下げてしまうおそれもあります。
できる範囲での運動を心がけてみましょう。

テストステロンと男性ホルモン塗り薬についてのまとめ

このページの内容をまとめています。

このページのまとめ
  • テストステロンとは男性の体形や意欲、精神状態に重要な影響を与えるホルモン
  • テストステロンが減少するとEDや更年期障害などさまざまな不調が現れる
  • テストステロンジェルやクリームは、テストステロン値減少によるEDなどさまざまな不調を改善する働きがある
  • テストステロンジェルやクリームは使用してから効果が出るまで時間がかかる
  • EDの改善に即効性を求める場合、ED治療薬の服用が推奨される
  • すぐにできるテストステロン値を高める方法として食事の改善や筋トレ・運動がある

テストステロンは20代をピークに減少し、さらに40代以降の分泌量はさらに下り坂になります。
ピークがわかっているだけに、さまざまな心身の不調に悩まされないためにも日頃から予防を心がけるようにしましょう。

テストステロンの補充療法により、勃起力の改善に繋がる場合もありますが、即効性や強い効果は得られません。
心因性EDや薬剤性EDの場合、ED治療薬を使った治療が効果的です。

性機能の衰えを感じ始めた方や、塗り薬よりも即効性や強い効果が欲しいという方は是非一度ご相談ください。

ドクターイラスト

ED治療

テストステロンに関してよくある質問

  • Q
    テストステロンを増やす塗り薬はありますか?
    A
    一般的なテストステロンジェル(補充剤)として「グローミン」「トノス」があります。陰のう部に直接擦り込むことで、男性ホルモン経皮吸収させる血中のテストステロン濃度を上昇させる仕組みです。飲み薬と違い、肝臓で分解される前にテストステロンが血中に入るため、高い吸収性が期待できます。これらの塗り薬は男性更年期障害による諸症状の改善や、早漏、潜伏睾丸の改善に効果的です。
  • Q
    テストステロンの塗り薬は何に効きますか?
    A
    男性性器神経衰弱症(勃起力の減退、性器不全、精力減退、早漏など)や男性更年期障害、潜伏睾丸など、テストステロンの減少によって起こる諸症状に効果的です。テストステロン欠乏によるED(勃起不全)の改善にも用いられます。
  • Q
    テストステロンの塗り薬はどれくらいで効きますか?
    A
    効果の発現期間には個人差があります。塗り薬によっても異なりますが、テストステロン補充剤である「グローミン」を例に挙げると、およそ3ヶ月程で効果が得られたという報告があります。なお、即効性を求めて用量を多くしても効果の増進は見込めませんので、用法・用量を守って使用しましょう。
    EDの改善で即効性を求める場合はED治療薬をぜひお試しください。
  • Q
    EDを治す塗り薬はありますか?
    A
    海外で販売されている「eroxon(エロクソン)」は塗るタイプのED治療薬です。現在日本では未承認のため、医療機関で処方を受けることはできません。
    性機能に直接アプローチできるのはED治療薬のみとなります。
  • Q
    テストステロンの塗り薬を毎日使用してもいいですか?
    A
    テストステロンの塗り薬の使用頻度は薬剤によって異なり、さらに症状の改善具合によっても変わってきます。1日に1回の塗布から、症状が改善次第2週間に1回の塗布にするなど、変化に合わせて塗布の回数を使い分けるのが一般的です。ご使用の薬剤の使用方法については十分にご確認ください。
  • Q
    テストステロンの塗り薬で毛深くなりますか?
    A
    正常の範囲内で使用すれば、毛深くなることはありません。ただしもともとテストステロンの分泌が少ない方は、正常範囲内の男性ホルモン補充であっても体毛が濃くなる場合がありますので様子を見ながら使用してください。副作用としては、過剰投与による多血症などが報告されていますが、用量を守った使用方法であれば副作用に関して過度な心配は不要です。
  • Q
    塗り薬以外の男性ホルモン剤はありますか?
    A
    筋肉注射剤の「テスチノンデポー」や、テストステロンを補充する経口剤もあります。これらは市販はされていないため、医療機関での処方となります。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

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