口元にできる皮膚トラブルの中でも、特に混同されやすいのが口唇ヘルペスとニキビです。
どちらも「できもの」が発生するため、一見すると見分けがつきにくいですが、実は原因や症状が異なります。
正しい見分け方を知っておくことで、適切な対処法を取ることができ、症状の悪化や感染予防につなげることが可能です。
本記事では、口唇ヘルペスとニキビの違いについて詳しく解説し、それぞれの治療法や予防策についてもご紹介します。
ニキビかヘルペスかわからず困っている方、早めに対処したい方はぜひ参考にしてください。
口唇ヘルペスとニキビの見分け方
口唇ヘルペスとニキビは、その見た目が非常に似ているためどちらかを見分けるのが難しいです。
しかし、症状の現れ方や刺激の感じ方、発生する部位に注目すると、その違いがわかります。
口元の「できもの」に違和感を覚えたら、次で紹介するそれぞれの特徴をもとに適切に対処しましょう。
口唇ヘルペス:ピリピリした刺激、水泡があらわれる
口唇ヘルペスは、初発・再発、年齢などによって症状の現れ方には個人差が生じやすいです。
一般的には、以下の症状がみられます。
- 赤く腫れる
- 唇やその周辺にピリピリ感やかゆみを伴う
- 水ぶくれが多数現れる
- 風邪に似た全身症状(リンパ節の腫れ、痛み、発熱、だるさなど)
- 再発の前触れとなる前駆症状(ピリピリ、チクチクなど)
- 赤く腫れた場所に水ぶくれができる
- 全身症状は軽度である傾向にあり、局所的な症状が中心
また、口唇ヘルペスは毛穴のない部分(粘膜)に症状が現れ、唇だけでなく、口の中にも症状が出ることもあるのが特徴です。
ニキビ:できものの中に白い芯があらわれる
ニキビは、毛穴の中に皮脂やアクネ菌がたまり、やがて炎症を起こすことで皮膚が小さく盛り上がる症状が特徴です。
最初は「コメド」と呼ばれる小さなできものとして現れますが、症状が進むと中に芯のような白い塊ができるようになります。
この状態から悪化すると、酸化や化膿の影響からニキビの色は次第に変わっていきます。
また、ニキビは炎症が周囲に広がったり、見た目以外で痛みを伴うこともあります。
口唇ヘルペスとニキビの原因
口唇ヘルペスとニキビは、症状だけでなく、その原因も大きく異なります。
どちらも一見似た症状を引き起こしますが、治療では原因に応じた適切な対処が必要です。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
口唇ヘルペス:ウイルスの感染によって起こる
口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」と呼ばれるウイルスを原因とした感染症です。
このウイルスにはⅠ型とⅡ型の2つのタイプがあり、口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスⅠ型(HSV-Ⅰ)の感染によって引き起こされます。
一度ウイルスに感染してしまうと、治療しても体内から完全にウイルスを取り除くことはできません。
このため、肉体的・精神的なストレス、生理前や体調不良などによる免疫力低下により、ウイルスがふたたび活動しはじめ、再発を繰り返す場合があります。
なお、口唇ヘルペスの原因が自然発生することはなく、人から人への感染により発症します。
これはニキビとの大きな違いです。
ニキビ:毛穴の詰まり・炎症によって起こる
ニキビの原因の1つとなるのが、アクネ菌です。
アクネ菌は誰の皮膚にも存在している常在菌で、本来は肌を守る役割を果たしています。
しかし、毛穴つまりや皮脂分泌の増加により、それをエサとするアクネ菌が異常に増殖し、炎症を引き起こすことでニキビが発生します。
ニキビは他人に感染させる心配はありませんが、真皮(肌の深い層)まで炎症が到達してしまうとクレーター(ニキビ跡)になる場合があります。
肌の見た目はQOL(生活の質)を下げる要因となりえます。
アクネ菌を増やさないためにも、日常的なスキンケアと生活習慣の見直しが大切です。
ニキビを発症してしまった場合は、医療機関を受診し、早期の治療に取り組みましょう。
口唇ヘルペスとニキビの治療方法
口唇ヘルペスとニキビの治療方法は、以下のとおりです。
口唇ヘルペス:抗ウイルス薬で治療
ニキビ:塗り薬や抗菌薬で治療
口唇ヘルペスとニキビは、前述したとおり原因が異なります。
ニキビは、できたタイミングで適切に治療すれば比較的短期間で改善することが多いです。
しかし、口唇ヘルペスは一度発症すると再発リスクがあるため、再発頻度によっては症状を抑えるだけでなく、再発抑制のための治療も検討しなければなりません。
ここからは、それぞれの原因に対して行われる治療方法について詳しく解説していきます。
口唇ヘルペス:抗ウイルス薬で治療
ウイルスが原因である口唇ヘルペスには、抗ウイルス薬を治療に用います。
「内服薬」と「外用薬」の2種類あり、症状によって使い分けたり、場合によっては併用することもあります。
■外用薬(軟膏・クリーム)
症状が軽く、再発を頻繁に繰り返さない場合に使用します。また、水ぶくれやただれといった症状が広がらないようにする効果も期待できます。
※市販薬もありますが、再発時のみ購入可能
■内服薬
内服薬は、目に見えている症状だけでなく、神経細胞に棲みついたウイルスの増殖を抑えることが可能です。
内服薬については以下のような種類があります。
抗ウイルス薬の種類 | 有効成分 | 用法用量 |
---|---|---|
ファムビル | ファムシクロビル | 1日3回、1回250mgを5日間 |
バルトレックス | バラシクロビル | 1日2回、1回500mgを5日間 |
口唇ヘルペスは、症状の予兆が出た際に内服薬を服用するのが望ましいです。
回復が早く、神経細胞に戻るウイルス量を減らして再発しにくくなるので、口まわりにピリピリ、チクチクなどを感じたタイミングでの治療が効果的になります。
フィットクリニックでもバルトレックスの処方を行っており、オンライン診療を利用すれば最短即日発送も可能です。
初発・再発を問わずスピード処方が可能なので、治療の適切なタイミングを逃さずに安心してご利用いただけます。
ニキビ:塗り薬や抗菌薬で治療
ニキビの治療で最も一般的なのが、抗菌薬による治療です。
ただし、ニキビの症状や段階によっては、抗菌薬以外の薬が用いられることもあります。
たとえば、初期段階の白ニキビや赤ニキビでは、皮脂の過剰分泌や角化異常を抑制する外用薬が効果的です。
一方、赤ニキビや黄ニキビのように症状が悪化した場合には、アクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑える効果がある抗菌薬を用いた治療を行います。
■抗菌薬
- クリンダマイシン
- ドキシサイクリン
- ビブラマイシン
- ミノサイクリン
- ロキシスロマイシン
など
■抗菌薬以外の薬
- アダパレン
- 過酸化ベンゾイル
- ビタミン剤
- 漢方薬
-
イソトレチノイン
など
市販薬やニキビケア用品などをむやみに用いると、ニキビが悪化する可能性があります。
そのため、症状に応じた適切な治療を行うことが非常に重要です。
医師の診断・指導のもと、最適な治療法を選び、健康な肌を保つよう心がけましょう。
口唇ヘルペスとニキビを防ぐ日常的な対策
口唇ヘルペスもニキビも、免疫力を下げないための体調管理と衛生管理が予防に効果的です。
どちらも再発を繰り返すことがあるので、正しい方法で日常的なケアを怠らないようにしていきましょう。
主な対策としては以下のようなものがあります。
■口唇ヘルペス
- 十分な休息をとる
- 体調管理のための手洗い・うがい
- 強い紫外線を避ける
- 栄養バランスの取れた食事
■ニキビ
- 丁寧なスキンケア
- 十分な睡眠
- 肌乾燥を避ける
- 皮膚に必要以上の刺激を与えない
- 肌に触れるものは清潔にする
- 栄養バランスの取れた食事
まとめ:口唇ヘルペスとニキビの判別は難しい。医療機関での診断が安心
最後に、口唇ヘルペスとニキビの違いについてまとめてお伝えします。
- どちらも「できもの」ができる
- 口唇ヘルペスはウイルス、ニキビはアクネ菌が原因
- 口唇ヘルペスは毛穴がないところにもできる
- どちらも再発のリスクがある
- 治療は薬物療法(抗ウイルス薬や抗菌薬)
- 体調管理と衛生管理がどちらも予防に効果的
口唇ヘルペスとニキビは、症状の見た目が似ているため、自己判断が難しい場合があります。
どちらか判断できない場合、または症状が悪化している場合は、早期に医療機関で診断を受けることで症状の悪化や再発防止になります。
特に口唇ヘルペスは、症状の前触れを感じたタイミングでの治療が非常に効果的です。
「ヘルペスかも…」と迷った際は、早めにフィットクリニックまでお気軽にご相談ください。
オンライン診療を通じて、最短即日で「バルトレックス」をお届けすることが可能です。
早期の治療で、安心して日常生活を過ごせるようサポートいたします。
よくあるご質問
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- Q口唇ヘルペスとニキビの見分け方はありますか?
- A口唇ヘルペスとニキビは見た目が似ていますが、いくつかの特徴で見分けることができます。
- 口唇ヘルペス:くちびるにピリピリ、チクチクといった刺激感や水ぶくれ
- ニキビ:くちびるの周りに炎症や化膿にともなう腫れ
- Q
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- Q口唇ヘルペスは市販薬で治りますか?
- A再発した口唇ヘルペスは比較的症状が軽く、市販薬で治療できます。しかし、あくまでも表面に出ている症状のみに有効なため、再発を繰り返さないようにするには医師処方の内服薬の服用が望ましいです。
- Q
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- Q口唇ヘルペスとニキビの違いは何ですか?
- A口唇ヘルペスとニキビの違いは、主に原因と症状にあります。
口唇ヘルペスはウイルスが原因で、主にくちびるに水ぶくれができるのが特徴です。
一方、ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖することで発生するため、くちびるの周りに腫れを伴います。
どちらか判断が難しい場合は、医療機関での診断を受けることが安心です。
- Q
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