カンジダの治療‐治るまでの期間や再発治療、自然治癒の可能性を解説

更新日:2025/06/30
カンジダの治療方法とは?治療期間や初発・再発の治療の流れも解説

本記事では、カンジダの治療方法について解説しています。

いつごろ治るのか、再発時の治療、自然治癒の可否など、カンジダの再発に悩まされている方にも役立つ内容です。

正しい治療を知れば、再発を防ぐ生活習慣の見直しにもつながります。ぜひ参考にしてください。

カンジダの症状や原因など、基本情報は以下のページで解説しています。 カンジダ(カンジダ症)とは

カンジダの治療方法は投薬が中心

カンジダの治療は、原因となる真菌(カンジダ菌)を抑えるための薬を用いた投薬治療が中心です。

症状の重さや再発の有無に応じて、膣錠や内服薬など複数の治療法の中から医師が適切な治療を判断します。

次で、具体的に解説します。

治療法1.膣錠・膣坐剤

女性の膣カンジダには、イミダゾール系抗真菌薬である膣錠・膣坐剤を使用するのが最も一般的な治療方法です。

膣内に挿入することで中で薬が溶け崩れ、膣内にいるカンジダ菌に直接作用して菌のバランスを整えます。

膣錠・膣坐剤が推奨されるケース
  • おりものの異常
  • 膣のかゆみ・チクチクするといった不快感
  • 痛み

など

また膣の外(外陰部)にもかゆみや赤み、痛みなどの症状がある場合、塗り薬と併用して治療を行います。

当院でも、イミダゾール系抗真菌薬の「オキナゾール膣錠600mg」を処方しております。

通常1回の治療で90%前後の人の膣カンジダは治癒するため、気になる症状がおありでしたらご相談ください。

オキナゾール膣錠 600mg オキナゾール膣錠 600mg
処方数/日 膣錠:1錠 / 1日間
費用 7,700円
用法用量 1週1回1錠を膣深部に挿入
副作用 局所発赤 、皮膚刺激感 、接触皮膚炎 、皮膚そう痒 、局所皮膚腫脹 など

治療法2.クリーム・軟膏

クリーム・軟膏は、カンジダによる男女の皮膚症状に対して用いられる治療方法です。

患部に直接塗布することで、皮膚表面にいるカンジダ菌に対して抗真菌作用を発揮します。

クリーム・軟膏が推奨されるケース
女性
  •  ・皮膚のただれ
  •  ・ヒリヒリとした痛み
  •  ・かゆみや赤み
  •  など
男性
  •  ・亀頭のかゆみやただれ
  •  ・白苔(白いカス)
  •  ・赤み
  •  ・小さな水疱(水ぶくれ)
  •  など

注意点として、クリーム・軟膏もイミダゾール系抗真菌薬ですが、膣内や尿道など粘膜への使用ができません。

性器の外にある症状に対してのみ使用できる薬となります。

当院では、「オキナゾールクリーム」を処方しております。

ジュクジュクした湿った患部にも使用でき、皮膚の保護効果も期待できるのが特徴です。

オキナゾールクリーム 1% 10g オキナゾール膣錠 600mg
処方数/日 1本 / 7日間
費用 7,700円
用法用量 1日2〜3回患部に塗布する
副作用 発赤 、過敏症 、発疹 、刺激感 、ひりひり感 、そう痒感 、疼痛

治療法3.内服薬

内服薬として用いられるのが、フルコナゾールなどのトリアゾール系抗真菌薬です。

内服薬が推奨されるケース
  •  ・膣錠の挿入が難しい
  •  ・外用薬の副作用により治療継続が難しい
  •  ・再発を繰り返す難治例(年4回以上の再発)
  •  ・男性の尿道感染
  •  など

内服薬を治療方法として選ぶのは特定のケースに限られるので、通常のカンジダ治療に用いることはほとんどありません。

治療法4.点滴・注射

点滴・注射については、カンジダ菌の感染が臓器や血管にまで及んだ症例に対しての治療で用いられます。

点滴・注射が推奨されるケース
  •  ・重症例
  •  ・難治例
  •  など

静脈から素早く正確な量の抗真菌薬を全身投与できるため、緊急性のある重症のケースで点滴・注射を行うことがほとんどです。

カンジダの治療期間は、使用する薬の種類によって若干異なります。

カンジダの治療の流れ

カンジダ治療は、初発と再発で治療手順が少し異なります。
初発時は医療機関での検査・診断が必要で、再発時は市販薬で治すことも可能です。

ここでは、それぞれのケースに応じた治療の流れを解説します。

初めてのカンジダの治療

初発のカンジダでは、まず症状がカンジダによるものかどうかを確認する必要があります。
治療の流れは、以下の通りです。

STEP1.検査
  • 女性は膣分泌物を採取しての検査、男性は尿検査が一般的です。
  • 痛みはほとんどなく、医療機関または郵送検査キットで対応可能です。
性病検査キットの詳細
STEP2.診断・治療
  • カンジダと診断された場合は、症状に応じて抗真菌薬(膣錠・クリーム・内服薬など)が処方されます。
  • 女性では膣と外陰部の両方に感染があれば、膣錠とクリームを併用する場合もあります。
  • 医師の指示に従い、処方された薬は最後まで使用してください。

再発したカンジダの治療

再発が疑われる場合、以前にカンジダと診断されたことがあれば、必ずしも医療機関を受診する必要はありません。

2008年4月から、カンジダの治療薬を市販で購入できるようになっているためです。

再発の場合は、以下の流れで治療を進めていきます。

STEP1.薬の用意

ドラッグストアで購入できる第1類医薬品(膣錠・クリームなど)を使用する場合は、薬剤師の説明を受けて購入します。

以前と同じ成分の市販薬を選ぶと、副作用のリスクが少なく、治療効果も得やすいとされています。

!

注意点
初発時は自己判断での市販薬使用は避け、必ず医療機関を受診してください。
年齢や再発頻度によっては、市販薬では対応できないケースもあります。
例:15歳未満、60歳以上、年4回以上再発する場合など

STEP2.治療開始

市販薬や処方薬を使用する際は、症状が軽快しても途中で使用をやめず、決められた使用期間を守ってください。

市販薬での治療は再発時のみ

カンジダ治療に市販薬が使えるのは、「再発時のみ」になります。

初めての発症では別の性感染症の疑いもあるので、自己判断により発見が遅れてしまうと症状悪化のリスクを伴うためです。

以前にカンジダと診断されている方は判断がしやすいので、市販薬でも治療が認められています。

また年齢や再発頻度によっては同じ再発であっても自己判断が難しいため、医療機関への再受診が必要になります。

医療機関の受診が必要な再発のケース
  • 15歳未満の方
  • 60歳以上の方(他の病気や他の菌との複合感染のリスクが高まるため)
  • 年4回以上の再発を繰り返す場合(発症の誘因を探るため)

上記の注意点も踏まえた上で、市販薬と医師の処方薬を上手く使い分けてみてください。

女性のカンジダ治療

女性のカンジダ治療は、主に抗真菌薬を用いた投薬治療が行われます。

女性のカンジダ治療法
  • 軽度の膣カンジダは膣錠やクリームで治療
  • 症状が広範囲(肛門まわりや皮膚)に及ぶ場合は内服薬を使用
  • 妊娠中・授乳中などは使用できる薬剤に制限あり

女性のカンジダの詳細は、以下のページをご覧ください。 女性のカンジダについて

生理中のカンジダ治療

生理中はカンジダ治療が行えません。

膣錠や塗り薬が経血で流されてしまうことで作用が弱まり、十分な治療効果が得られないためです。

また治療中に生理がきた場合も同じ理由から膣錠や塗り薬の使用は一旦中止し、生理後にふたたび治療を再開します。

なお、生理中は検査精度が落ちるため検査も受けられません。

そのため生理予定日も考慮しつつ、カンジダの検査・治療を受けるようにしてください。

男性のカンジダ治療

男性のカンジダ治療も、症状に応じて抗真菌薬が使われます。

女性に比べて自然治癒するケースは多いですが、症状がある場合は治療が必要です。
また、パートナーへの感染予防のためにも医療機関へ相談するようにしましょう。

男性のカンジダ治療法
  • 軽症(皮膚症状)の場合は抗真菌クリームなどの外用薬で対応
  • 重症(尿道感染など)の場合は内服薬を併用

症状が長引く場合は、他の性病の可能性も考慮し検査を受けることが望ましいです。
適切な治療と検査で、早期の改善を目指しましょう。

カンジダの治療期間

カンジダの治療期間は、おおむね数日〜1週間程度が目安です。

ただし、使用する薬剤の種類や用法により治療期間は多少異なります。

治療薬別の使用期間(目安)は以下の通りです。

治療薬ごとの治療期間
膣錠600mg 1錠×1日
膣錠100mg 1錠×6日
クリーム 1日2~3回×約1週間

カンジダは自然治癒するのか

カンジダは、軽症であれば体の免疫機能によって数日〜1週間程度で自然に治癒する場合もあります。
特に男性では、無症状のまま気づかないうちに治っているケースも少なくありません。

ただし自然治癒が期待できるのは、あくまでも症状が軽い場合に限られます。

かゆみやおりものの異常、腫れなどが強く現れている場合や数日経っても改善が見られない場合には、医療機関を受診して治療を受けてください。

症状を放置すると、炎症が広がって悪化したり、掻きむしりによる傷から二次感染を起こすリスクもあります。
また、自然治癒を待っている間に慢性化する可能性もあるため、早めの対応が重要です。

再発を繰り返す方や症状が改善しない方には、抗真菌薬による治療を推奨します。

男性のカンジダの自然治癒

男性のカンジダは、女性と比べて自然治癒しやすい傾向があります。

症状が軽い場合や免疫力が保たれている場合には、治療を行わなくても自然に回復することがあります。
一方で、女性は膣内環境の乱れによって再発を繰り返しやすく、自然治癒は期待しにくいとされています。

ただし、男性でも症状が現れている場合や長引く場合は、放置せず医療機関を受診することが大切です。

カンジダの自然治癒にヨーグルトは関係ない

「カンジダにはヨーグルトが良い」と言われることがあり、いくつもの研究が重ねられています。

確かに、膣内の環境を保つには乳酸菌が必要ですが、膣内の乳酸菌は「デーデルライン桿菌」といってヨーグルトの乳酸菌とは別物です。

そのためヨーグルトには、異常増殖したカンジダ菌を鎮める効果はないようです。

こうした研究結果からも、ヨーグルトを薬の代わりに食べ続け、カンジダの自然治癒を期待するのは現実的ではありません。

症状が長引いたり、他の感染症を見逃す原因にもなりかねないので、自覚症状が現れた時点で検査・治療を受けるようにしてください。

カンジダを放置するとどうなるか

カンジダを治療せずに放置すると、症状の悪化や慢性化、感染の広がりといったリスクが高まります。

具体的には、以下のような問題が起こる可能性があります。

カンジダの放置によるリスク
  • かゆみや炎症が強くなり、日常生活に支障が出る
  • 再発を繰り返して慢性化し、完治までに時間がかかる
  • 湿疹が広がり、まれに全身性カンジダ症へ進行する
  • 他の性感染症との見分けがつかず、適切な治療が遅れる
  • 妊娠中の場合、胎児へ感染し鵞口瘡(がこうそう)などを引き起こす可能性がある
  • 性行為を通じてパートナーに感染する

カンジダは早期に治療を行えば、通常1週間ほどで改善できます。
軽い症状でも自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

カンジダ治療後は再検査しなくていい

カンジダ治療後の再検査は不要です。

カンジダ菌は健康な人の身体にも存在する常在菌なので、治療をすべて終えて菌のバランスが正常に戻れば症状が治るためです。

もともとカンジダは日和見感染を起こす病気で、菌の有無ではなく症状の有無によって治癒したかどうかを判断することは覚えておきましょう。

カンジダ治療中の注意点

カンジダの治療期間中は、デリケートゾーンのケアやタオルの共用を避けるなど、生活面で意識すべきことがあります。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

カンジダ治療中の注意点
  • デリケートゾーンはぬるま湯で優しく洗う
  • 入浴や水泳の後は、外陰部をしっかり乾かす
  • 痒みがあっても患部を掻かないようにする
  • タオルや下着の共用は避ける
  • 生理中に薬を使用する場合は、医師に相談する
  • 市販薬で改善しない場合は、早めに医療機関を受診する
  • 性交渉は、症状が治まるまで控える

上記を実践することで、症状の早期改善が期待できます。

カンジダの再発原因と予防法

カンジダは再発しやすい感染症で、生活習慣や体調の変化が主な原因です。

膣や外陰部にはカンジダ菌が常在しており、免疫力の低下やホルモンバランスの変化によって増殖・再発を繰り返すことがあります。

カンジダ再発の主な原因
  • 免疫力の低下
    (疲労・睡眠不足・ストレスなど)
  • ホルモンバランスの変化
    (生理前・妊娠中など)
  • 通気性の悪い下着や締め付けの強い服
  • 長時間のナプキン・おりものシートの使用
  • 膣の洗いすぎによる常在菌の乱れ
  • 性行為による刺激や菌の影響

再発を繰り返さないためには、生活習慣やデリケートゾーンのケアを見直すことが大切です。

カンジダ再発の予防方法
  • 通気性の良い綿素材の下着を選ぶ
  • 入浴後は外陰部をしっかり乾かす
  • ナプキン・おりものシートはこまめに交換する
  • 膣内を洗いすぎないよう注意する
  • バランスの良い食事・十分な睡眠・ストレス管理を心がける
  • パートナーも検査・治療を受ける

日々のセルフケアが、カンジダの再発予防につながります。

まとめ:カンジダは放置せず早めに治療しよう

カンジダはきちんと治療をすれば、おおむね1~2週間で90%前後の方が治癒します。

放置すると周りにも感染を拡げてしまう原因にもなりかねません。

なお、フィットクリニックでもカンジダの治療薬(オキナゾールクリーム・膣錠)を取り扱っております。

カンジダの治療を受けたい方は、ぜひ当院へご相談ください。 オキナゾールクリーム・膣錠通販(オンライン診療)

カンジダ治療のよくある質問

  • Q
    カンジダが治らない原因はなんですか?
    A
    カンジダが治らない原因は、カンジダ菌が膣内の常在菌のひとつであるためです。体調の変化やストレス、ホルモンバランスの乱れ、デリケートゾーンの環境が原因で、再び増殖しやすくなります。治療で一時的に症状が改善しても、これらの要因が続くと、再発を繰り返すことがあります。
  • Q
    カンジダが治ったサインはありますか?
    A
    かゆみやおりものの異常などの症状が消失すれば、基本的に治癒したと判断されます。
    ただし、一時的に症状が落ち着いているだけのこともあるため、再発を繰り返す場合や不安がある場合は、再度医療機関を受診するのが安心です。
  • Q
    男性のカンジダ治療はどのようなものですか?
    A
    男性もカンジダに感染することがあり、症状が出た場合は抗真菌薬による治療が行われます。
    軽度であれば塗り薬(抗真菌クリーム)を使用し、症状が強い場合は内服薬が処方されることもあります。
    自然治癒するケースもありますが、パートナーへの再感染を防ぐためにも、症状がある場合は早めに治療を受けてください。
  • Q
    カンジダのかゆみを和らげる方法はありますか?
    A
    治療薬を使用するのが最も確実な方法です。
    自己判断でかゆみ止めや市販薬を使うと悪化することもあるため、まずは医療機関の診断を受けてください。
    そのほか、刺激の少ない下着を着用し、デリケートゾーンを清潔・乾燥に保つことも、かゆみの軽減に効果的です。
  • Q
    カンジダは何日で自然治癒しますか?
    A
    軽症であれば数日〜1週間程度で自然に治ることもありますが、ありますが、日数には個人差があり、明確な目安はありません。
    とくに妊娠中や症状が強い場合は、自然治癒に頼らず早めの受診を推奨します。
  • Q
    カンジダが早く治る食べ物はありますか?
    A
    ヨーグルトや発酵食品などが腸内環境を整えることで、間接的にカンジダの予防・改善に役立つとされています。
    ただし、食事だけで治すことは難しいため、薬による治療が基本です。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

参考サイト

関連記事

関連記事

性病治療(オンライン診療)

性病にかかってしまった際は、検査で性病を特定し、各性病ごとの正しい治療が必要となります。 当院では性病の治療薬と検査キットをご用意しています。来院不要のオンライン診療にて処方を行っております。

関連記事

カンジダの詳細

女性に多いカンジダの症状や原因について。性行為により男性にうつる場合があります。感染した際の検査や治療、予防法を紹介します。

関連記事

カンジダの薬の通販(オンライン診療)

カンジダに効く薬とは?処方薬と市販薬はどっちがいい?女性・男性それぞれのカンジダ治療薬や市販薬を使ってはいけない人などカンジダの薬にまつわる疑問にお答えします。

関連記事

オキナゾールクリーム・膣錠通販(オンライン診療)

オキナゾールを通販(オンライン診療)で購入可能。来院不要・患部は見せずにOK・最短当日発送。

関連記事

オキナゾール膣錠の詳細

こちらのページでは、オキナゾール膣錠の膣カンジダ症への有効性、その効果や用法・副作用などについて詳しく解説しています。

関連記事

オキナゾールクリームの詳細

オキナゾールクリームの効果・副作用・使用方法について徹底解説します。オキナゾールクリームは主にカンジダ治療で使用する外用薬です。

この記事の監修

服部圭太院長画像
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務