
ダイエット注射として話題の「サクセンダ」と「マンジャロ」。
どちらが自分に合っているのか、迷っていませんか?
結論から言うと、効果をしっかり出したい方には「マンジャロ」、
使いやすさや安心感を重視する方には「サクセンダ」が向いています。
本記事では、この2つの注射薬を「効果」「用法」「副作用」などの観点から徹底比較。
自分に合った治療を選ぶヒントとして、ぜひお役立てください。
比較表の詳細は、右側の「確認」リンクからチェックできます。
サクセンダとマンジャロの比較表
比較 項目 |
サクセンダ | マンジャロ | 詳細 |
---|---|---|---|
有効 成分 |
リラグルチド (GLP-1受容体作動薬) |
チルゼパチド (GIP/GLP-1デュアル作動薬) |
確認 |
体重 減少 効果 |
やや高い 約5〜7%減 |
高い 約15〜22%減 |
確認 |
血糖 改善 効果 |
やや高い HbA1cが 平均0.8〜1.0% 低下 |
高い HbA1cが 最大2.3%低下 |
確認 |
注射 頻度 |
毎日 | 週1回 | 確認 |
副 作用 |
吐き気、 便秘など |
吐き気、便秘、 抜け毛など |
確認 |
価格 | 13,600~17,000円/本 ※当院価格 |
25,200円~28,000円/月 ※当院価格 |
確認 |
切り 替え 可否 |
〇 (医師判断で可) |
〇 (医師判断で可) |
確認 |
サクセンダ、マンジャロそれぞれの基本情報(効果・副作用など)は、以下のリンクをご覧ください。 サクセンダの詳細 マンジャロの詳細
サクセンダとマンジャロの違い|有効成分・作用
サクセンダは「リラグルチド」を有効成分としたGLP-1受容体作動薬です。
インスリン分泌を促し胃への排出を遅らせ、食欲を抑える作用があります。
一方、マンジャロは「チルゼパチド」を有効成分としたGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1の両方に作用するデュアル作動薬です。
食欲抑制と代謝促進の両面でアプローチできるマンジャロは、新世代の作用機序を持つ薬剤として注目されています。
サクセンダとマンジャロの違い|体重減少効果
サクセンダとマンジャロの体重減少効果の違いは、以下のとおりです。
試験の条件や投与期間の違いはありますが、マンジャロの方がより顕著な減量結果が出ていることがわかります。
サクセンダとマンジャロの比較表
比較項目 | サクセンダ | マンジャロ |
---|---|---|
平均体重減少 | 約5〜7% | 約15〜22% |
投与期間 | 通常20〜24週 | 72週 |
体重100kgの場合 | 約5〜7kg減 | 約15〜22kg減 |
※効果には個人差があります。
Seinoらの研究(2016)では、2型糖尿病患者に対してリラグルチド(サクセンダとと同一の有効成分)0.9mgを24週間使用したところ、平均で約5kgの体重減少が認められました。
治療前の体重はおおよそ61〜73kg程度の人が多く、治療後は54〜70kg程度まで減少したという結果です。
体重の減り方には個人差があり、なかには10kg以上減量した人もいたと考えられます。
一方で、マンジャロは2022年に発表されたSURMOUNT-1試験(肥満者を対象とした大規模な臨床試験)において、平均で22.5%の体重減少という非常に高い効果が確認されました。
体重100kgの方であれば、20kg以上の減量が見込める計算です。
これはサクセンダと比較してもおよそ3〜4倍の減量効果にあたります。
サクセンダとマンジャロの違い|血糖改善効果
サクセンダとマンジャロは、いずれも本来は2型糖尿病の治療薬として開発された注射薬です。
血糖値を下げる作用があり、糖尿病治療の現場で長年使用されてきました。
実際に、日本人の2型糖尿病患者を対象とした研究では、サクセンダ(リラグルチド)によりHbA1c(血糖コントロールの指標)が平均で約1.0%低下したことが報告されています。
※HbA1cの数値が低いほど、血糖値が良好な状態を示しています。
一方、マンジャロ(チルゼパチド)はGLP-1とGIPの両方の受容体に作用する薬剤であることから、より強力な血糖改善効果が期待されています。
日本人を対象とした別の研究では、マンジャロ15mgの使用によりHbA1cが平均2.83%低下したことが確認されました。
マンジャロはサクセンダと比較して、より高い血糖改善効果があると示唆されています。
サクセンダとマンジャロの違い|注射頻度
サクセンダは毎日1回の皮下注射が必要なのに対し、マンジャロは週1回の皮下注射で済むため、注射の頻度が大幅に少なく継続しやすいです。
一方で、サクセンダは毎日の体調や生活リズムに合わせて微調整しやすいという利点もあります。
いずれの薬剤も、用量の調整には必ず医師の判断が必要なのでご注意ください。
サクセンダとマンジャロの違い|副作用
両薬剤ともに共通して現れやすい副作用としては、吐き気・胃の不快感・便秘・下痢などの消化器症状が挙げられます。
比較項目 | サクセンダ (リラグルチド) |
マンジャロ (チルゼパチド) |
---|---|---|
吐き気 | 約26.7〜47.6% | 約22% |
下痢 | 約16.5〜25.6% | 約17% |
便秘 | 約11.9〜26.9% | 約6% |
頭痛 | 約5%以上 | 軽度の報告 |
倦怠感 | 軽度の報告 | 軽度の報告 |
脱毛 (休止期脱毛) |
明確な報告なし | 約4.9〜5.7% (一時的で自然回復) |
※本表は代表的な臨床試験を参考にしたものですが、
試験の条件や対象者により差が出る場合があります。
マンジャロでは特に、「急激な体重減少に伴う一時的な抜け毛(休止期脱毛)」の報告があり、使用者の一部(約5〜6%)にみられました。ただし、多くは一時的であり自然に回復するとされています。
サクセンダでは、頭痛や倦怠感などの報告がやや目立ちますが、副作用の傾向や強さには個人差があるため、どちらも医師の管理のもとで使用すれば安全です。
サクセンダとマンジャロの違い|価格
サクセンダとマンジャロの価格の違いは、以下のとおりです。
項目 | サクセンダ | マンジャロ |
---|---|---|
費用目安 | 13,600~17,000円/月(※1) | 25,200円~28,000円/月(※2) |
取扱い | 当院で取り扱いあり | 取り扱い予定 (準備中) |
※1:最も少ない0.6mgから投与をスタートした場合
※2:最も少ない2.5mgから投与をスタートした場合
(はじめて使用する方は2.5mgを1ヶ月分のみ処方となります)
マンジャロはサクセンダよりもやや高額に感じるかもしれませんが、週1回の注射で済む手軽さや、高い減量効果を評価する声も多くあります。
価格だけではなく、注射の頻度や効果の高さを考慮し、無理なく続けられる方を選びましょう。
サクセンダとマンジャロの切り替えについて
サクセンダからマンジャロへの切り替えは、医師の判断により可能です。
副作用や効果の強さ、注射の負担などを理由に切り替えを希望する方も増えています。 ただし、作用機序や投与量が異なるため切り替えには医師の指導が必須です。
サクセンダの投与を終了するタイミングやマンジャロの初期投与量の調整など、個別に対応が必要になります。
一方、マンジャロからサクセンダへの切り替えも理論上は可能です。
副作用などを理由にサクセンダへ切り替えるケースが一般的ですが、体重減少効果はマンジャロの方が高いとされているため、マンジャロからサクセンダへ切り替えると効果は感じにくくなります。
切り替えにあたっては医師と十分に相談した上で判断してください。
サクセンダとマンジャロの違いのまとめ
サクセンダとマンジャロにはそれぞれに特徴がありますが、
より高い効果を重視するならマンジャロ
使いやすさと安心感を重視するならサクセンダ
というように、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。
どちらを選ぶ場合も、医師の指導のもとで安全に治療を進めましょう。
なお、フィットクリニックでもサクセンダとマンジャロ両方を取り扱っております。
どちらが自分に合っているか知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
-
- Q
サクセンダとマンジャロはどっちが痩せますか?
- A
マンジャロの方が、体重減少効果・血糖改善効果ともに高い効果を示した研究報告があります。
ただし、効果の出方には個人差があり、生活習慣や体質によっても異なります。医師と相談のうえ、自分に合った治療法を選びましょう。
- Q
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- Q
サクセンダとマンジャロで安いのはどちらですか?
- A
1回あたりの費用はサクセンダの方が安価ですが、マンジャロは週1回投与のため、マンジャロの方が長期的に費用を抑えられる可能性があります。
ただし、どちらの薬剤も自由診療のため、各クリニックで価格設定が異なる点にはご注意ください。
- Q
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- Q
サクセンダとマンジャロの効果の持続時間に違いはありますか?
- A
はい、違います。
それぞれの薬剤の投与間隔が実質的な効果の持続時間と考えられています。
サクセンダは毎日投与が必要なため、効果はおよそ1日程度、マンジャロは週1回投与で、1週間前後の効果が期待されます。
なお、薬の体内での持続時間(半減期)には個人差があるため、詳細は医師と相談の上で使用しましょう。
- Q
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- Q
サクセンダが向いている人、マンジャロが向いている人の違いは?
- A
サクセンダが向いている人は「副作用や価格を抑えて着実に効果を実感したい人」マンジャロが向いている人は「即効性を求める人、注射の頻度を少なくしたい人」です。
ただし、効果や副作用の発現には個人差がありますので、それぞれの薬剤の特性を考慮したうえで、医師と相談しご検討ください。
- Q
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- Q
サクセンダとマンジャロ、どちらが保険適用されますか?
- A
両者ともダイエット目的で使用する場合は自由診療(保険適用外)となります。
なお、マンジャロは2型糖尿病の患者に対しては条件付きで保険適用されることがありますが、体重減少(ダイエット)目的での使用には当てはまりませんのでご注意ください。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
参考サイト
NEJM: Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity (SURMOUNT-1)
Safety and efficacy of liraglutide treatment in Japanese type 2 diabetic patients|Diabetes Research and Clinical Practice(2016)
Effect of tirzepatide on glycaemic control and weight loss compared with other glucagon-like peptide-1 receptor agonists in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus|Diabetes, Obesity and Metabolism
医薬品リスク管理計画(RMP)提出品目一覧|PMDA
Do Ozempic, Wegovy, Mounjaro & Zepbound cause hair loss?|Drugs.com