休止期脱毛症はいつ治る?原因や対策を解説!

休止期脱毛症はいつ治る?原因や対策を解説!

このページでは、男女問わず起こりうる「休止期脱毛症」について詳しく解説しています。

原因や対策方法はもちろん、休止期脱毛症ごとの違いや見分け方についても触れていますので、抜け毛が気になっている方は参考にしてみてください。

そもそも休止期とは

休止期とは、成長・退行を繰り返すヘアサイクルの中でも髪の成長がストップする時期を指します。

休止期について
特徴:毛球(毛の根本)が退化し、脱毛する
期間:3〜4ヵ月
髪全体の休止期毛の割合:約10%

成長が止まり休止期に入った古い髪は、下から生えてくる新しい髪によって押し出されるようにして自然に抜け落ちていきます。

この一連の流れをヘアサイクル(毛周期)と呼び、「成長期→退行期→休止期」を1サイクルとして一生で約15〜20回繰り返されます。

休止期脱毛症とは

休止期脱毛症とは、何らかの原因で多くの毛が休止期毛となり、抜け毛が増える症状です。

症状の特徴として、次のような例が挙げられます。

休止期脱毛症の特徴
  • 長い硬毛が抜ける
  • 側頭部も含めた頭部全体から脱毛する
  • 軟毛(うぶ毛のような髪)にはならない

AGAや女性のびまん性脱毛症は軟毛化する特徴があるので、休止期脱毛症と少し異なります。

また休止期脱毛症はさらに以下の種類に分けられます。

  急性休止期脱毛症 慢性びまん性休止期脱毛症 慢性休止期脱毛症
症状 髪が急激に抜ける 6ヵ月以上かけて髪が抜ける 6ヵ月以上かけて髪が抜ける
原因 ストレス、高熱、手術、大量出血、栄養失調、出産によるホルモンバランスの乱れなど 甲状腺疾患、膠原(こうげん)病、慢性腎不全、肝障害、糖尿病などの慢性的な病気や、薬剤性のものなど 左に当てはまらないもの、原因不明のもの
治し方 自然に治ることが多い
原因を取り除くことで回復することが多い
根本の原因を改善したら治ることが多い 原因がわからず対処が難しいため、まず髪を育てる対処をする

原因も多岐にわたり、複数の原因が重なることで休止期脱毛症になることもあります。

なお、薄毛治療薬を併用することで効果的に回復しやすいです。
※身体の状態や病状によっては薄毛治療薬を使えない場合もあるため、かかりつけの医師に相談してください

当院では薄毛治療薬のオンライン処方を行っておりますので、お気軽にご連絡ください。

急性休止期脱毛症

急性休止期脱毛症は、短期間で髪が抜けていく脱毛症です。

成長期にある髪が急に休止期へと移行してしまうことで頭部全体が薄くなるのが特徴です。

精神的・肉体的な強いストレス、高熱、手術や感染症など、大きな負担がかかってから2~3ヵ月後に起こります。

人によっては一気に脱毛が進むこともあるので、円形脱毛症などほかの症状と判断し誤った対処をしないためにも、医師の診察を受けるようにしましょう。

慢性びまん性休止期脱毛症

慢性びまん性休止期脱毛症は、6ヵ月以上をかけて頭部全体の髪密度が低下していきます。

  • 慢性の全身疾患(内分泌疾患や膠原病、肝・腎機能障害 など)
  • 栄養不良状態(貧血やダイエット など)
  • 薬剤の影響

このような原因から起こる慢性びまん性休止期脱毛症は、病気の1つの症状として起こることがあるため、健康上のトラブルを知らせる身体からのサインになることも。

また根本的な原因が取り除かれることで毛量が回復していきますが、もし難治性の病気であれば脱毛の改善が難しくなることもあります。

慢性休止期脱毛症

慢性休止期脱毛症は、頭頂部や側頭部などの髪が6ヵ月以上かけてゆっくりと抜けていく症状です。

ゆっくり抜けていくので慢性びまん性脱毛症と似ていますが、慢性休止期脱毛症は「原因がわからない」という点で異なります。

加齢による抜け毛とは言えないような若い女性にも起こる可能性があります。

特に原因が見当たらないのに髪全体のボリュームダウンや地肌の透け感が気になるなどがあれば慢性休止期脱毛症を疑った方が良いかもしれません。

休止期脱毛症の原因

休止期脱毛症の原因は、身近なことから、病気、ライフイベントなど、多岐にわたります。

ここからは休止期脱毛症の代表的な原因について、いくつかご紹介します。

ストレス

ストレスは"万病のもと"と言われていますが、これはストレスによって免疫力が低下し、全身の機能を低下させるからだと言われています。

髪も例外ではなく、精神的あるいは肉体的なストレスによって自律神経のバランスが保てなくなり、血行不良によって脱毛を起こします。

ストレス社会とされているだけに、現代人は日々何かしらのストレスに晒されて生活をしています。

溜め込まないことも大切ですが、ストレスとどう付き合うかを考えるのも非常に重要です。

栄養不足

身体の栄養不足は髪の成長にダイレクトに影響します。

理由① 髪は身体の中で最後に栄養が届けられる器官だから
理由② 髪は生命維持に関係ないから

身体の必要な部分に優先して栄養が届けられるため、生命維持に関係のない髪は抜けていくのです。

過度なダイエットはもちろん、偏食なども必要な栄養を補えないため、食生活には注意が必要です。

出産

妊娠時、大量に分泌されていたエストロゲンが出産後に元のホルモンバランスに戻ることで、成長期にある髪が一気に休止期に入ってしまい脱毛の原因になることがあります。

脱毛のタイミング

⇨ 産後2〜3ヵ月

回復のタイミング

⇨ 産後6ヵ月〜

エストロゲンには髪の成長期を維持する働きがあるため、大量に分泌される妊娠中には髪の健康が保たれているのです。

産後の抜け毛は多くの人が経験するため過度に心配する必要はありませんが、あまりにも長く続くようであれば医師への相談も検討してみてください。

全身疾患

全身疾患に付随して脱毛が1つの症状として現れる場合があります。

休止期脱毛症を起こしやすい疾患には、以下の例があります。

休止期脱毛症を起こしやすい疾患
  • 甲状腺機能障害
  • 膠原病
  • 腎臓や肝臓の障害
  • 糖尿病
など

上記のほかにも「貧血」によって抜け毛が起こることもあります。

身体全体の調子が、髪にも影響を与えることがわかります。

疾患自体を治療することで、脱毛も改善されるケースが多いです。

薬剤投与

お薬の影響で休止期の髪の割合が増え、これにより服用期間中に脱毛が増えることがあります。

その種類もとても多いので、すべてのご紹介はできませんが、代表的な薬剤には次のようなものがあげられます。

抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗てんかん薬、高脂血症薬、レチノイド、インターフェロン製剤、β遮断薬、ヘパリンなど

その他、ビタミンA製剤の過剰摂取や薄毛治療薬の使用開始に伴って髪が抜けていくことがあります。

また抗がん剤による脱毛は、成長期が急に中断されて起こる「成長期脱毛」のケースもあります。

休止期脱毛症はいつ治る?

個人差はありますが、休止期脱毛症は目に見える改善が実感できるまでには、6ヵ月ほどを目安にすると良いでしょう。

休止期(3ヵ月) + 成長期(3ヵ月) = 6ヵ月

ヘアサイクルの関係で、対処を始めて回復し始めるのが3ヵ月、回復した髪が成長するのに3ヵ月必要です。

ただし病気に付随して休止期脱毛を起こしている場合、その病気の治療期間によっては改善までに時間がかかることがあります。

あくまでも上記期間は目安となるので、医師の指示に従って必要な対処を行うようにしてください。

休止期脱毛症の対策

休止期脱毛症の対策は、原因によっても異なります。

誤ったケアによって状態を悪化させないためにもご紹介する対策方法を参考にしてみてください。

原因に対処する

もし休止期脱毛症の原因が病気や服用中のお薬である場合は、まずは原因に対してできる対処をしましょう。

病気が原因の場合

⇨ 病気の治療

服用中のお薬が原因の場合

⇨ 主治医の判断で治療継続するか判断

こうした選択肢がありますが、自己判断で行動すれば病気が悪化することもあります。

治療後に休止期脱毛症が回復するケースもあるので、今必要な治療はなにかを主治医に相談し判断を仰ぐようにしてください。

薬剤で治療する

休止期脱毛症を薬剤で治療する場合、頭皮の血流を改善し発毛を目指すミノキシジルを使用するのが一般的です。

弱った血流を改善することで髪細胞へのエネルギー(栄養や酸素)供給を安定させ、発毛や育毛といった効果を期待することができます。

ミノキシジルは当院でも処方を行っておりますので、気になる方はぜひご相談ください。

名称 1ヵ月分
ミノキシジルタブレット2.5mg 6,000円
ミノキシジルタブレット5mg 7,000円
ミノキシジル外用薬 8%【男性】 12,000円/4本
ミノキシジル外用薬 8%【女性】 6,000円/2本

※ミノキシジル外用薬はまとめ買いで割引がございます

また男性で、もしAGAの傾向が認められればフィナステリドという薬剤を用いることも効果的です。

メソセラピー治療を受ける

メソセラピー治療とは、髪の成長を促進する有効成分を薄毛箇所に直接注入する治療方法になります。

弱った髪細胞を活性化すると考えられており、薬剤による治療を後押しするために用いられることも。

またメソセラピー治療は、クリニックごとで独自の調合を行っているケースが多いです。

薄毛治療の中でも高額となるため慎重に検討することが望まれます。

生活習慣を整える

規則正しい生活習慣は健康な髪の成長を支える土台とも言えるほど重要です。

食事

⇨ 髪が成長するためのエネルギーを補給できる

睡眠

⇨ 睡眠時に成長ホルモンがもっとも分泌される

運動

⇨ 代謝を高め、血行促進にもつながる

少なくともこの3つは見直す必要があります。

またストレスに感じていることがあれば、その原因から一定の距離を取ったり、好きなことをして定期的に発散するようにしてみてください。

バランスの良い食事をする

「髪の3大栄養素」を意識的に採りながら、バランスの良い食事を心がけましょう。

髪の3大栄養素
  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • 亜鉛(ミネラル)

タンパク質は髪の材料になる栄養であり、その他の栄養は代謝がスムーズになるようサポートします。

いくらお薬を使って治療していても、肝心の栄養が摂れていなければ髪はうまく成長しません。

バランスを考えた食事は健康を維持するためにも大切です。

治療と平行してバランスの取れた食生活を心がけてみてください。

帽子などで隠す

休止期脱毛症の一番楽で簡単な対処法は、帽子やウィッグで「隠す」ことです。

根本的な解決にはなりませんが、休止期脱毛症によって周りの視線が気になりストレスが起こるのであれば、一時的に帽子などで隠すのも1つです。

ある研究ではかつらによる薄毛患者のQOL(生活の質)の向上が確認されており、「ストレス→抜け毛→ストレス…」といった悪循環を防ぐのにも有効と言えるでしょう。

ただし休止期脱毛症そのものを改善できるわけではないので、治療と平行しながら必要に応じて取り入れてみてください。

コロナ後遺症による抜け毛について

2019年に発生した新型コロナウィルスの感染によって、そのストレスから脱毛が起こる「コロナ抜け毛」も休止期脱毛症に分類されています。

コロナ後遺症による抜け毛について

脱毛する時期:コロナ感染から約2ヵ月後
コロナ抜け毛の割合:4人に1人
脱毛する平均期間:76.4日

こうしたデータがあり、身近に起こりうる脱毛症として注目されています。

コロナ抜け毛は一定期間後に自然に回復していくとの見方もありますが、新型コロナウィルス自体が詳しく解明されておらず、抜け毛が治るかについては定かではありません。

症状によっては治療薬で対処できるので、もし気になる方はクリニックまでお気軽にご相談ください。

まずはクリニックに相談を

休止期脱毛症は治療薬を用いることで対処できるケースもあるため、症状を悪化させないためにも気づいたタイミングで医師に相談しましょう。

脱毛範囲が広がる前であれば改善までも早いため、1人で抱え込まず、当クリニックのような専門医がいるクリニックまでお問合せください。

よくある質問

Q1
休止期脱毛症とFAGAの違いを教えてください
A1
FAGAは女性の薄毛の総称とも呼べるのですが、あえて違いを言うならFAGAの多くは細くて弱い毛が抜ける一方、休止期脱毛症では太くて長い毛が抜けることが多いです。
Q2
男性にも休止期脱毛症はありますか?
A2
男性でも休止期脱毛症を起こすことはあります。
ただし症状から見て、生え際や前頭部、頭頂部といった部分から脱毛の進行がみられればAGA(男性型脱毛症)の可能性が疑われます。
Q3
休止期脱毛症とAGAの治し方は同じですか?
A3
完全に同じではありませんが、共通してミノキシジルが有効と考えられています。
またAGAであればミノキシジルにくわえ、原因にアプローチできるフィナステリドと呼ばれる抜け毛予防薬も有効となっています。