AGA・薄毛

オナニーでハゲるって本当?噂の理由と本当の原因とは

こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
AGA・薄毛

物心がつけば誰でも経験するであろうオナニー(自慰行為)が、ハゲの原因になるというにわかには信じがたい噂があります。

将来の毛量を気にする方にとっては、この噂が本当か嘘かは気になるところでしょう。

このページでは、上記内容についてクリニックの視点で解説します。

抜け毛や髪の薄さが気になる際に疑われるのがAGA(男性型脱毛症)ですが、AGAは進行するため、早期にAGA治療することが肝心です。
AGA治療について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

オナニーでハゲる可能性は低い

結論からお話すると、オナニーが薄毛の直接的な原因になってしまうことはありません

“ オナニー=ハゲ ”は多くの誤解の中で生まれた、いわば都市伝説とも言えるでしょう。

ここからなぜ「オナニーでハゲる」と言われているのか、いくつかある理由について詳しく見ていきましょう。

「オナニーでハゲる」と噂される理由

オナニーでハゲるという噂には、思わず納得してしまいそうな理由がいくつかあります。

いずれも憶測の域を出ることはありませんが、男らしさに関わるホルモンや毎日の栄養の消費が薄毛に影響すると耳にすれば不安になる方もいるでしょう。

不安を解消するためにも、なぜオナニーはハゲないのかを一緒に見ていきましょう。

「オナニーで男性ホルモンが増えるから」?

そもそも抜け毛は、「男性ホルモンと、頭皮にある酵素が結合することで起こる」というメカニズムがあります。

このことから「男性ホルモンが増えれば抜け毛も増える」という説があると推測されます。

実際にオナニーの後7日かけて男性ホルモンの一種「テストステロン」の分泌が増えるというデータもあります。

しかし薄毛の原因となるのは、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という悪玉の男性ホルモンです

ジヒドロテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素とテストステロンが結合することで生成されます。

そのジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結合することで、抜け毛が起こるのです。

薄毛に大きく関係するのは、結合の相手となる「5αリダクターゼ」や「男性ホルモン受容体」であるため、テストステロンが増えたからといってハゲることはほとんどないと言えるでしょう。

ただオナニーをしすぎると、性行為で射精できなくなる「膣内射精障害」などのリスクもあります。

そのため週1回程度に抑えるのが望ましいです。

「オナニーで亜鉛が消費されるから」?

男性はオナニーによって射精すると、精液を放出します。

その精液中の成分は主に以下のものです。

  • 精漿(せいしょう)
  • タンパク質、アミノ酸
  • 果糖
  • 亜鉛
など

精液にはさまざまな栄養が含まれていることがわかります。

中でも亜鉛は精子をつくる上で欠かせない栄養である一方で、髪を作るためにも欠かせません。

そのため" オナニーによる亜鉛の消費⇨ハゲる "という噂が浮上した可能性があります。

ただ精液中に含まれる亜鉛の量はごくわずかであるため、オナニーをしたからといって大量の亜鉛が消費されることはあまり考えられません。

よって、「オナニーで亜鉛が不足して薄毛になる」とは考えにくいでしょう。

ハゲる本当の原因はAGAかも!AGAに多い脱毛パターン

薄毛といっても、その種類はさまざまです。

ただ次にあげる脱毛パターンに当てはまるのであれば、その薄毛はAGA(男性型脱毛症)の可能性が高いです。

AGAは10代や20代でも発症する可能性がある症状です。

それぞれ詳しく解説します。

M字はげ

AGAの典型的な脱毛パターンの1つにあげられるのが、M字はげです。

生え際の剃り込み部分が後退していき、正面から見た時に「M」に見えることからM字はげと呼ばれています。

生まれつき生え際がMに見える方もいますが、短い髪やうぶ毛が生え際に目立つようであれば、AGAを疑った方が良いかもしれません。

O字はげ(つむじはげ)

O字はげはAGAの中でも、日本人に特に多いとされる脱毛パターンです。

上から見た時に頭頂部の脱毛箇所が「O」に見えることからO字はげと呼ばれ、つむじ周りから脱毛が進行していきます。

M字はげと同じように軟毛化した髪(細く短いうぶ毛)はもちろん、以下のような特徴が見られると、O字はげの可能性は高まります。

  • つむじ周りの頭皮が透けて見える
  • つむじ周りの頭皮が赤っぽいor茶色っぽい
  • つむじの毛流れがわかりづらい

普段は見えない部分であるため、定期的にセルフチェックする癖をつけてみてください。

AGAは遺伝によるものが多い

「オナニーで男性ホルモンが増えるから」?でも触れましたが、AGAの原因はDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる活性型の男性ホルモンが原因であることがわかっています。

ただDHTが発生する可能性は男性であれば誰にでもあるものの、いくつになっても毛量を保っている方もいます。

このAGAのなりやすさの違いは、遺伝による影響が大きいとも考えられています。

遺伝による影響を受けやすいものとしてあげられるのは以下の2つです。

5αリダクターゼ活性度 ⇨ 優性遺伝(両親から引き継ぐ) 男性ホルモン受容体の感受性 ⇨ 隔世遺伝(祖父母など世代を超えて引き継ぐ)

特に男性ホルモン受容体の感受性は、母方の遺伝子から引継ぎやすいとされています。

親戚にAGAの方がいる場合は特に上記の遺伝子を引き継いでいる可能性があるため、早めの予防が大切です。

もし気になる方は次のAGA診断チャートを使って、その可能性を確かめてみましょう。

また親族に薄毛の人がいないにもかかわらず薄毛に悩んでいる場合は、AGA以外の薄毛の疑いもあるので併せて次のページも確認してみてください。

AGAを治療するには

AGAを改善するためには、有効成分が含まれる治療薬を使った治療がもっとも効果的です。

AGA治療薬は主に以下の2種類が使われます。

進行の程度に合わせてこれらを組み合わせることで、より効率的に改善できます。

それぞれどのようなお薬なのか、もう少し具体的に見ていきましょう。

※未成年の方は治療薬をご利用いただけません。頭皮環境や栄養の見直しをして、頭皮の土台を整えておきましょう。

抜け毛を抑える「プロペシア」(フィナステリド)

抜け毛を抑える予防薬に位置付けられるのが、プロペシア(有効成分フィナステリド)です。

AGAの原因であるDHTの生成に関わる「5αリダクターゼ」の働きをブロックすることで抜け毛の進行を抑えます。

また予防薬としてだけではなく、薄毛が改善された際の維持治療にも役立てられるため、プロペシアはAGA治療にはほぼ必須のお薬であることは覚えておきましょう。

名称 1か月分の価格
プロペシア
(ORGANON社)
9,000円
フィナステリド1/1.3mg
(海外製ジェネリック)
3,000円
(初回1,500円)

発毛を促す「ミノキシジル」

頭皮まで栄養を届けて発毛を促す治療薬が、ミノキシジルです。

内服薬と外用薬の2タイプがあり、症状や身体の状態、好みによって剤形を使い分けます。

当院では内服薬を取り扱っております。

血管を拡張する作用があり、血流が改善されることで頭皮まで届きにくくなっている髪の栄養や酸素の供給をスムーズにしてくれます。

その結果、毛母細胞(髪のもと)の分裂・増殖が活性化され、新しい髪の成長を期待することができます。

またプロペシアとも相性が良いため、併用によって予防と発毛のW処方でAGA治療を進めていくこともあります。

名称 1か月分の価格
ミノキシジルタブレット2.5mg 6,000円
ミノキシジルタブレット5mg 7,000円
フィナステリド1/1.3mg
+ミノキシジルタブレット5mg
10,000円
(初回8,500円)

まずはクリニックにご相談を

クリニックに相談することで、心理的な負担を抑えてAGA治療を行うことができます。

また、これまで一般的だった対面診療だけでなく、新型コロナウィルスの影響から通院せずに処方が可能なオンライン診療を行うクリニックも増えてきています。

<オンライン診療の特徴>
  • 気になる疑問や不安を医師に相談できる
  • 自宅まで薬を郵送してもらえる
  • 海外通販のような偽物や粗悪品の心配がない

電話で医師の診察を受けることで、早く安全にAGA治療薬が入手できます

近年、AGAの治療は特に身近になってきているので、髪の悩みはまず医師に相談してみてください。

まとめ

オナニーが原因でハゲることはありませんが、薄毛の中でも特に多いAGAは気付かぬうちに進行していることもあります。

薄毛を知らせるサインとしてわかりやすい"抜け毛"はもちろん、生え際の後退、つむじ周りのボリュームダウンなども気になってきたら医師に相談しましょう。

早めの治療は治療効果も出やすいため、気になったタイミングが相談の時期であることは覚えておきましょう。

よくある質問

最近ハゲてきた気がします。親戚に薄毛の人はおらず、心当たりと言えば毎日のオナニーだけなのですが、それでもAGAが原因でしょうか?
自慰行為は薄毛の原因にはなりませんが、かといって現状の髪の悩みを一概にAGAと判断することもできません。
薄毛の原因には男性ホルモン以外にも、生活習慣の乱れ、頭皮環境の悪化、ストレス、さらには病気によって脱毛している可能性も考えられます。
原因によっては治療方法も異なるため、まずは髪を専門に扱うクリニックや病院(皮膚科)などで診察を受けるようにしてください。
抜け毛を防ぐ方法は何がありますか?
抜け毛を防ぐ方法として以下のものがあげられます。
  • 頭皮マッサージ
  • 睡眠時間と質を高める
  • 髪に必要な栄養の補給(亜鉛やたんぱく質、ビタミンなど)
  • 頭皮環境の改善
など
「抜け毛を防ぐ」というよりは「抜けにくい強い髪の毛を作る」意味合いが強いです。
しかし、むやみにセルフケアをすれば抜け毛が悪化してしまうこともあります。
原因にあわせて必要なケアを施してあげるのが、抜け毛改善の1番の近道になります。
また抜け毛が治らない場合には、お薬を用いることも検討してみてください。