イソトレチノインは脂腺増殖症に効果がある?治し方についても解説

更新日:2024/12/26
イソトレチノインは脂腺増殖症に効果がある?治し方についても解説

脂腺増殖症は、皮膚に小さな盛り上がりや膨らみが現れる皮膚疾患です。
特に顔のTゾーンや頬部にできやすく、美容面で悩む方も少なくありません。

このような症状に対し、注目されている治療薬のひとつが「イソトレチノイン」です。 もともと重度のニキビ治療に用いられるこの薬は、皮脂腺の働きを抑える作用があり、脂腺増殖症への効果も期待されています。

本記事では、脂腺増殖症の特徴や原因、治し方を詳しく解説しながら、イソトレチノインの効果や他の治療法(塗り薬など)との比較についても取り上げます。
脂腺増殖症を改善したいと考える方に向けて役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

イソトレチノインの詳細

脂腺増殖症の特徴|症状と原因

イソトロインとは

脂腺増殖症とは、皮脂腺(皮脂を分泌する器官)が大きくなる皮膚疾患です。
Tゾーンや頬といった皮脂腺の多い部位に、ニキビやイボのような丘疹が目立ってくることがあります。

脂腺増殖症の基本情報
原因 男性ホルモンによる皮脂腺の刺激
症状 黄色や白の皮膚のふくらみ(丘疹)
大きさ 直径1〜5mm
できやすい人 オイリー肌(皮脂腺が多い)
特徴 中心が凹んで見え、多発することもある

一般的には健康に影響を及ぼすことはないとされていますが、放っておいても自然に消えることはありません。
年齢とともに数が増えたり、次第に大きくなったりする傾向にあるため、外見上の影響が気になるようであれば治療をご検討ください。

イソトレチノインの脂腺増殖症に対する効果

脂腺増殖症の治療においてイソトレチノインが注目される理由は、皮脂腺そのものの働きを抑え、目立つ丘疹を改善できる点にあります。
症状の根本にアプローチすることで、皮膚の状態を整え、美容面での悩みを軽減することが期待されています。

特に注目すべきは、以下の3つの効果です。

イソトレチノインの脂腺増殖症に対する効果

以下で、これらの効果が脂腺増殖症の改善にどのように役立つか詳しく解説していきます。

脂腺の縮小

イソトレチノインには、皮脂腺の大きさと機能を抑制する効果があります。
この効果により、過剰に発達し肥大した脂腺が小さくなり、脂腺増殖症の症状である丘疹を減らすことが可能です。
また多くの場合、治療後も皮脂腺の肥大が抑えられた状態が維持され、再発リスクの低減にもつながります。

脂腺増殖症の治療は外科的治療が一般的ですが、丘疹の数や瘢痕(傷跡)が残ることを考慮するとイソトレチノインが有効な選択肢となります。

皮脂の分泌量の減少

イソトレチノインは皮脂腺の活動を直接抑制し、皮脂の分泌量を大幅に減少させる効果があります。
過剰な皮脂分泌は皮脂腺の活動をさらに活発化させ、肥大を助長する間接的な原因となり得ます。
そのため、皮脂の分泌を減らすことは肥大サイクルを断ち切ることにつながります。
皮脂腺を縮小させる効果と相まって、皮脂分泌をコントロールすることは脂腺増殖症の治療において役立ちます。

皮膚の正常化

イソトレチノインはターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促進し、皮膚の角化異常を正常化する効果があります。
この効果により皮脂腺周囲の詰まりが解消され、皮脂の排出がスムーズに保たれます。

ただし、脂腺増殖症の丘疹は皮脂腺の肥大によるものであり、ターンオーバーが直接的にこれを解消するわけではありません。
ターンオーバーの改善は肌環境を整え、症状の悪化を防ぐ補助的な役割を果たすため、治療後の肌の安定を支える効果が期待できます。

脂腺増殖症の治し方

脂腺増殖症は自然治癒することがないため、以下のような治療が行われます。
時間の経過とともに丘疹が大きくなることがあるため、健康上に問題はないものの、外見が気になる場合には治療を検討しましょう。

治療法 効果 リスク・副作用 ダウンタイム 特徴
外用薬治療
(塗り薬)
皮膚表面のみ 効果が不十分なことが多い なし 深い層には届かないため非推奨
レーザー治療 高い効果 赤み・色素沈着・麻酔 あり 定期メンテナンスが必要な場合も
外科的手術 確実な除去が可能 傷跡・出血のリスク あり 美容面の考慮が必要(顔など部位によって傷跡が目立つ場合がある)
液体窒素治療 凍結・破壊 色素沈着・瘢痕・不完全治癒 場合による 複数回の治療が必要なことが多い
イソトレチノイン 内服で効果を発揮 医師の管理が必須 なし 麻酔不要・瘢痕リスクを抑える

◾️外用薬(塗り薬)治療
外用薬(塗り薬)は皮膚の表面に作用するため、真皮(皮膚の深い層)にまで薬剤が届きにくいです。そのため皮脂腺の肥大には十分な効果が得られないことが多く、特に進行した症例では効果が期待できないことも珍しくありません。

◾️レーザー治療
炭酸ガス(CO2)レーザーなどを使用して、増殖した脂腺組織を蒸散させる方法です。効果は高いものの、治療後に赤みや色素沈着が生じる可能性があり、ダウンタイムも生じます。また、麻酔の使用や定期的なメンテナンスが求められる場合もあります。

◾️外科的手術(くり抜き法)
増殖した脂腺を直接切除する方法です。確実に丘疹を除去できますが、手術に伴う出血や傷跡が残るリスクがあります。特に顔などの目立つ部位では美容面での考慮が必要です。

◾️液体窒素(冷凍凝固)治療
液体窒素を用いて病変部を凍結・破壊する方法です。治療後に色素沈着や瘢痕が生じる可能性があり、完全に治癒しない場合もあります。また複数回の治療が必要となることがあります。

◾️イソトレチノイン
他の治療法と比較してダウンタイムがなく、内服するだけで治療が進められるため、麻酔や特別な処置を必要としません。また、丘疹の数や瘢痕(傷跡)が残るのを避ける際にも有効な選択肢となります。ただし、注意事項が多い薬となるので、使用には適切な医師の判断が求められます。

また、イソトレチノインの治療を補助する選択肢として、皮脂分泌を抑制する働きがあるビタミンCを配合したサプリメント「Lypo-C(リポシー)」を併用することも有効です。
こうしたサプリメントの利用によって、治療効果を高めることが期待できます。

Lypo-C(リポシー)の美肌効果
服部院長

イソトレチノインの基本情報

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体を主成分とする内服薬で、皮脂腺の活動を抑制する効果を持つ治療薬です。
特に、一般的な治療では改善が難しい重度のニキビに対しても高い有効性が認められています。

イソトレチノイン10mg/20mg 
基本情報

イソトレチノイン10mg/20mg
一般名 イソトレチノイン (Isotretinoin)
有効成分 ビタミンA誘導体
適応症 尋常性ざ瘡(ニキビ)、酒さ(赤ら顔)、脂腺増殖症

この薬はニキビを根本から改善することができ、ニキビ肌が改善されることで再発を抑えることにもつながります。
ただし強力な作用を持つため、全身の乾燥など副作用には注意が必要です。必ず医師の指導のもとで治療を進めましょう。

イソトレチノインの詳細を見る

イソトレチノインは脂腺増殖症の根本治療に効果的。まずは医療機関で相談しよう

ここまでの内容を整理すると、脂腺増殖症は自然に治ることがなく、ニキビやイボのような外見上の悩みにつながる場合があります。

脂腺増殖症のまとめ
  • 脂腺増殖症は皮脂腺が肥大する皮膚疾患
  • 健康面に影響はないが、外見上の悩みになることがある
  • 自然治癒しないため気になる場合は除去を検討を推奨
  • 外科的治療が一般的だが、傷跡が残ったり色素沈着することがある
  • イソトレチノインは内服するだけで脂腺増殖症を改善できる

脂腺増殖症は健康に影響を与える疾患ではありませんが、見た目に悩む方にとっては適切な治療が重要です。

症状が気になる場合は、医療機関で相談し、自分に合った治療法を見つけることが改善への第一歩となります。
特にイソトレチノインを使用する際は、医師の指導のもとで安全に治療を進めましょう。

服部院長

よくある質問

  • Q
    脂腺増殖症は自分で治せますか?
    A
    ホームケア製品や市販薬を使用して自分で治すことは難しいです。
    脂腺増殖症は、真皮層にある皮脂腺が肥大することで発生する皮膚疾患のため、医療機関での治療が必要となります。また、放っておいても自然に消えることはありません。ただし、良性の疾患であるため健康面には大きな影響はないため、外見が気になる場合は、医療機関に相談して適切な治療を受けることを推奨します。
  • Q
    脂腺増殖症にヨクイニンは効きますか?
    A
    ヨクイニン(ハトムギエキス)は、イボや肌荒れの改善に使われることがある薬ですが、脂腺増殖症に対する効果は医学的には確認されていません。
    脂腺増殖症は皮脂腺の肥大が原因であり、根本的な改善を目指すには医療機関での治療が必要です。
  • Q
    脂腺増殖症の見分け方は?
    A
    脂腺増殖症は、主に顔のTゾーンや頬に現れる黄色や白色の小さな丘疹(皮膚の盛り上がり)が特徴です。触ると柔らかく痛みもなく、丘疹は直径1~5mm程度で、中心がわずかに凹んで見える場合もあります。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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イソトレチノインの詳細

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