イソトレチノインの副作用は怖い?安全に服用するためのポイントを徹底解説

更新日:2024/12/27
イソトレチノインの副作用は怖い?安全に服用するためのポイントを徹底解説

医療機関で適切なアドバイスを受けながら使用すれば、イソトレチノインは「怖い薬」ではなく、安心して使用できる治療薬のひとつです。

イソトレチノインは、重度のニキビ治療で高い効果が認められている医薬品です。長年悩まされ続けてきたニキビ肌を改善できる一方で、その強力な効果から副作用や安全性について不安を感じる方も少なくありません。 本記事ではイソトレチノインが「怖い」と言われる理由や、安全に服用するためのポイントを詳しく解説します。

イソトレチノインの服用に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

イソトレチノインの詳細

イソトレチノインが「怖い」と言われる3つの理由

イソトレチノインが「怖い」と言われる3つの理由

イソトレチノインは高い治療効果を持つ一方で、多くの方が「怖い」と感じる不安要素も抱えています。特に以下の3つの理由は、よく挙げられる理由です。

以下で、これらの理由をひとつずつ詳しく解説していきます。

身体への影響が不安視されているから

イソトレチノインは、ニキビ、毛穴トラブル、酒さなど、幅広い肌悩みの改善に効果を発揮する薬です。
しかし、幅広い適応範囲ゆえに、望ましくない副作用が現れてしまうこともあります。
報告されている主な副作用は、以下のとおりです。

■イソトレチノインの主な副作用
  • 乾燥(皮膚、口、鼻、目の粘膜)
  • 胃腸の不調(吐き気や嘔吐など)
  • 精神的な変化(気分の落ち込みや不安感)
  • 催奇形性(胎児に先天的な奇形を引き起こす)
  • 好転反応(治療初期の一時的な症状悪化)

副作用はイソトレチノインに限らず、あらゆる薬に共通して起こり得ます。
重要なのは、気になる症状が現れた場合は自己判断で対応せず、必ず医師に相談することです。適切な対処を受けながら治療を続ければ、イソトレチノインの高い効果を安全に引き出すことが可能です。

特に妊娠を考えている女性や妊活を考えている男性は注意が必要です。 一定期間は必ず妊娠・授乳を避ける必要があります。

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金銭的な負担が大きいから

金銭的な負担が大きいから

イソトレチノインは最低4ヶ月にわたる治療が必要であり、自由診療でのみ処方されるため治療費がかさみやすい点が課題です。
しかしニキビを根本から改善するだけでなく、再発も長期にわたって抑制できるため、費用対効果では他の治療よりも結果的にコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。

イソトレチノインによる治療が適しているかどうかは、ニキビの重症度や肌の状態に左右されます。
一度医療機関で診察を受け、自分にとって最適な治療法や費用を確認することが大切です。
医師との相談を通じて適切な治療計画を立てることで、安心して治療を始めることができます。

日本で未承認の医薬品だから

イソトレチノインは未承認薬ですが、医師の管理のもとであれば国内でも処方は可能です。ただし、未承認の海外製医薬品となるため、その使用に不安を感じる方も少なくありません。
未承認である主な理由として、以下のようなことがあげられます。

■イソトレチノインが日本で未承認薬である理由
  • 国内での使用実績が少ない(自由診療のみ)
  • 催奇形性リスクが高いため、特に女性の使用に関して慎重な管理が必要
  • 軽度から中等度のニキビであれば国内の治療法で対応可能と考えられている

一方海外では、イソトレチノインは重度のニキビ治療薬として広く使用されています。
1982年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から認可を受けて以来、40年以上の使用実績があり、他の治療法で改善がみられない場合に処方されています。

ニキビの状態に応じて適切に使用できれば、これまで何を試しても改善がみられなかったニキビ肌にも高い効果を発揮することが期待されます。
そのため不安がある場合には、医師に相談して治療計画を立てることで安心して治療を進めることが可能です。

イソトレチノインの服用で異常が出たときの対処法

服用して異常が見られた場合は服用を直ちに中止し医師に相談する

イソトレチノインの服用中に異常がみられた場合、症状によっては一時的に症状の悪化する「好転反応」である可能性もあります。
自己判断で対応するのは難しいので、ニキビがひどくなったと感じる時はまず医師にご相談ください。
一方で、強い副作用によって体調面が優れない場合、医師が服用中止や投与量の調整、対症療法などの対応を行います。

服用中に心身に異常を感じた場合も、早めに医師にご相談ください。副作用に応じて最適な方法を提案してくれるため、リスクを最小限に抑えながら効果的な治療を受けることができます。

イソトレチノインを安全に服用するためのポイント

イソトレチノインを安全に服用するためのポイント

イソトレチノインは強力な効果を持つ一方で、副作用リスクを抑えるために正しい使い方が求められます。
安全に治療を進めるためには、以下のポイントを押さえましょう。

これらのポイントを守ることで、副作用を最小限に抑えながら、イソトレチノインの高い治療効果を得られます。
それぞれのポイントについて、次の章で詳しく解説していきます。

定期的に医師の診察を受ける

イソトレチノインを服用中は、定期的に医師の診察を受けることが非常に重要です。

■医師との確認事項
イソトレチノインを安全に服用するためのポイント
  • 治療効果の有無
  • 体調の変化についてのヒアリング
  • 服用期間の管理
  • 用法用量を守れているか

これらはイソトレチノインを安全に使用するうえで欠かせない基本的なポイントです。
特に強い効果を持つ薬であるため、治療が長期化すると副作用のリスクが高まる可能性があります。
慢性的な服用を避けるためにも、定期的な診察で健康状態をしっかりと把握し、治療の適切な終了時期を医師と共に判断することが安全で効果的な治療につながります。

医療機関以外で入手しない

定期的に医師の診察を受ける

イソトレチノインを医療機関以外で購入した場合、製品が偽物である、品質が保証されていないなどのリスクが高まります。
これにより期待した治療効果が得られないだけでなく、予期せぬ副作用を引き起こす可能性もあります。

医療機関で処方されるイソトレチノインは、医師が正規ルートで輸入している品質が保証されている製品です。
安全に治療を進めるためにも、医療機関以外での入手はお控えください。

イソトレチノインの通販購入について

保湿を怠らない

保湿を怠らない

イソトレチノインは皮脂の分泌を抑えるため、ほとんどの方に副作用として乾燥がみられます。
特に目や唇といったデリケートな部位は乾燥が進みやすく、ドライアイや唇の荒れを防ぐには適切な保湿ケアが欠かせません。

乾燥を防ぐためには、部位ごとに保湿剤をこまめに使用するのがポイントです。

■部位ごとに推奨される保湿方法
部位ごとに推奨される保湿方法

身体:ボディークリームまたはオイル
(保湿力が高いセラミドやヒアルロン酸含有のものを推奨)
唇:リップ
目:ドライアイ用の目薬

乾燥が気になる部分のケアを習慣化することで、治療を快適に続けることができます。

一定期間は必ず妊娠・授乳・献血を避ける

保湿を怠らない

イソトレチノインは催奇形性が報告されているため、妊娠中に服用すると胎児が重い先天異常を起こす可能性があります。したがって「治療前1ヶ月・治療中・治療後1ヶ月」は、必ず避妊をしてください。

■使用可能な避妊具
  • 子宮内避妊器具(IUD)
    子宮内避妊器具
  • 避妊薬(ピル)
    避妊薬(ピル)
  • コンドーム
    コンドーム

また治療中および治療後1ヶ月間は血液中に成分が残るため、胎児への影響を考慮して以下のことも避けなければなりません。

■その他 イソトレチノイン服用中の禁止事項
  • 授乳
    授乳
  • 献血
    献血
    男性も含め、他者への輸血を通じてリスクが及ぶ可能性を避けるため

イソトレチノインの服用終了後は将来的な妊娠に問題はないとされていますが、不安がある場合には医師に相談し納得の上で治療を進めるようにしてください。

まとめ: イソトレチノインは正しく服用すれば安全で高い効果を得られる

いつまでも治らないニキビに悩む方にとって、イソトレチノインは治療の選択肢として検討される薬です。
その効果の高さから注目されていますが、強力な効果に伴い副作用や使用上の注意が多いため、安全に服用するためには正しい理解と管理が必要です。

  • 欧米では40年以上にわたって重度ニキビ治療に用いられている薬
  • 日本国内では未承認薬だが医療機関(自由診療)で処方可能
  • 副作用対策を徹底することで安全に使用できる
  • 妊娠・授乳・献血(男性含む)を避ける

適切な管理のもとで正しく服用すれば、イソトレチノインは「怖い薬」ではありません。
安心して治療をはじめるためにも、不安や疑問がある方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。

服部院長

よくある質問

  • Q
    イソトレチノインの身体への影響が怖くて服用をためらっています。
    A
    イソトレチノインには確かに副作用のリスクがありますが、医師の管理のもとで用法用量を守り、正しく服用することで安全に治療を進めることが可能です。
    重度のニキビに対して非常に高い効果が期待できる薬なので、不安がある場合は医師に相談し、副作用への対策や治療計画をしっかり確認したうえで服用をご検討ください。
  • Q
    イソトレチノインは胎児奇形の可能性がありますか?
    A
    イソトレチノインの副作用として、催奇形性が報告されています。
    妊娠中に服用すると胎児に重い先天異常を引き起こすリスクがあります。
    そのため、服用1ヶ月前・服用中・服用開始前後1ヶ月は妊娠を避ける必要があります。
    将来的な妊娠に問題はありませんが、不安がある場合は医師に相談し、納得のいく説明を受けて治療を進めてください。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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