AGA(男性型脱毛症)の薬としてはポピュラーなプロペシア(フィナステリド)ですが、実はこれだけを服用して髪が生えるのは一握りの人だけです。
発毛薬と誤解していると、服用し続けても効果が出ないということにもなりかねません。
ではなぜプロペシア(フィナステリド)だけで髪が生えてこないのか、このページではその理由について詳しくお伝えしていきます。
またプロペシア(フィナステリド)をいつまで飲み続ける必要があるのか、治療にはどのくらいの予算が必要なのかなどにも触れているので参考にしてみてください。
プロペシア(フィナステリド)だけで薄毛治療が十分ではない理由
薄毛治療において、プロペシア(フィナステリド)は必須といってもいい治療薬です。
「服用すれば毛量が増える」と期待して処方を受ける人がほとんどのはずですが、よほど薬が効きやすい患者さんでなければプロペシアのみで高い発毛効果を出すのは難しいというのが結論です。
なぜプロペシアのみの薄毛治療では十分な効果が出ないのか、それには理由がいくつかあります。
長く使い続ける価値のある薬であることは確かなので、まずは薄毛治療におけるプロペシアの役割について解説します。
プロペシア(フィナステリド)は脱毛を抑える「守りの薬」である
プロペシアは、AGAの脱毛から守ってくれる世界初のAGA治療薬です。
フィナステリドはプロペシアのジェネリック医薬品であり、同等の効果を持つ治療薬です。
先発薬の特許満了後に開発・製造することのできる後発医薬品のこと。
- 先発薬と同一の有効成分、および効果・効能
- 開発費を大幅に削減でき、先発薬に対し低コストで提供可能
- 欧米での普及率は80%を超える国が多い
- 日本政府も医療費削減のためジェネリックの選択を推奨している
- 先発薬と違う形状での製造が可能というジェネリックだけのメリットもある
その効能はプロペシアの添付文書にも以下の記載があることからもわかります。
※フィナステリドも同様
つまり、髪を生やすという効果ではなく、頭皮・毛髪には以下のような効果をもたらすということです。
- AGAによるヘアサイクルの乱れによって起こる「脱毛の抑制」
- ヘアサイクルを正常に戻す(その過程で病気の弱い髪から強い健康な髪に変わる)
つまり、発毛薬のミノキシジルを「攻めの薬」とするなら、プロペシアはその効果から「守りの薬」であると言えます。
具体的な作用機序については以下に簡潔にまとめて紹介します。
※DHT(ジヒドロテストステロン)とはテストステロン と 5αリダクターゼの結合
⇓
プロペシアは5αリダクターゼの働きをブロック
⇓
AGAの原因であるDHTの発生を抑える
⇓
抜け毛や成長不十分な軟毛化する髪を減らし、AGAがそれ以上進行するのを止める
このようにプロペシアはAGAの予防を目的とした薬になりAGA(男性型脱毛症)は改善します。
しかし、一定レベルにまで脱毛が進行した頭皮を改善させるには不十分と言えます。
そのため髪を生やすためには、プロペシアにくわえて別の薬も必要であることは覚えておきましょう。
プロペシア(フィナステリド)だけでもある程度改善する
プロペシアの効きが良い人の場合、一部の人には発毛も見られます。
ただその確率は決して高くはなく、3年間の服用で見てわかるほど発毛(中等度以上)するのは3人に1人ほどです。
頭部改善のデータ
<頭頂部>
■著明改善
1年後:1.5%
3年後:6.1%
■中等度改善
1年後:9.1%
3年後:37.4%
<前頭部>
■著明改善
1年後:0.8%
3年後:2.0%
■中等度改善
1年後:10.6%
3年後:32.3%
前頭部の薄毛になると効果がさらに出にくくなり、データからも明らかに髪が生えるのはほんの一握りの人となっています。
このようにプロペシアでも、ある程度の改善こそ期待はできるものの、それだけで薄毛対策できる人は限られてきます。
そのためAGAの進行が初期の人や、すでに別の治療によって髪が生えてきた際に、毛量を維持する目的でプロペシアを服用するのがおすすめです。
さらに効果的な薄毛治療薬とは?
より発毛効果を求めるのであれば、プロペシアの代わりになる薬や、発毛効果が認められた薬を用いてみてください。
- ザガーロ(デュタステリド)・・・プロペシアより強力なAGA治療薬であり、プロペシアにはない側頭部と後頭部にも作用する(プロペシアは前頭部と頭頂部)
- ミノキシジル・・・発毛効果が認められている薄毛治療薬。内服薬と外用薬があり、男女ともに使用可能。
いずれもプロペシアと並んで、処方される機会の多いポピュラーな薄毛治療薬です。
プロペシアで思うような効果が出なかった人が、ザガーロに切り替えたりミノキシジルを併用することで、高い効果が得られやすくなる可能性があります。
これら2つの薬について、もう少し詳しく見ていきましょう。
発毛を促す攻めの薬「ミノキシジル」
プロペシアが守りの薬であるならば、ミノキシジルは攻めの薬です。
ミノキシジルはAGAの原因を解消する治療薬ではありませんが、AGAによって弱まった頭皮の血流を改善する、発毛効果が認められた薄毛治療薬です。
血流とはいわば髪のライフラインであり、身体に取り込んだ栄養や酸素を毛根に送り届ける重要な役割があります。
⇓
今ある髪は太くなり、毛穴からは新しく丈夫な髪が成長する
⇓
髪の毛一本一本が太く健康になるため抜け毛を抑える
このようにミノキシジルはプロペシアとは薬理がまったく異なるため、2つの薬を組み合わせるのが一般的な男性の薄毛治療になっています。
どちらかの薬だけでは安定した治療効果を得るのは難しい症例も多く見られます。
そのため2つの薬を併用することによって「進行を抑え今ある髪を守り、毛根に栄養を送り新しく健康な髪を発毛させ、育てる」ことで、薄毛の改善を目指しやすくします。
プロペシアと同様の効果ながら、さらに強力な「ザガーロ(デュタステリド)」
2015年と比較的最近になって国内処方がスタートしたのが、ザガーロ(デュタステリド)です。
プロペシアと同じタイプのAGA治療薬ですが、より強くAGAの原因であるDHTを抑える効果があるとされ、発毛や髪の太さの変化への期待値も高まっています。
ザガーロの発毛効果(1インチ※2.54㎠あたり)
⇨ プロペシアの約1.6倍
ザガーロの毛髪の太さの変化(1インチ※2.54㎠あたり)
⇨ プロペシアの約1.45倍
しかしザガーロの唯一のデメリットとして、高い効果が期待できる分、副作用(男性機能の低下)のリスクが若干上がっています。
そのため以前として「プロペシア+ミノキシジル」による治療が主流ではあり、プロペシアで思うような効果が得られなかった時の代替薬として処方されるケースが多数です。
ザガーロとプロペシアの併用に関しては、必要以上に効果が強くなる、または違いが感じられず副作用のリスクだけ上がる可能性もあるので控えるようにしてください。
プロペシア(フィナステリド)はどういったときに服用する?
プロペシア(フィナステリド)だけを服用するケースとしてあげられるのが、AGAの初期症状が見られた時の予防のための服用です。
- 髪のハリやコシが失われている
- 抜け毛の量が明らかに増えている
- 細く短い産毛のような髪が増えている
このようにAGAは初期症状でも毛量や髪質に変化が起こります。
初期のタイミングで治療を始めることができれば、地肌が透けたり、生え際が後退する前にプロペシアだけの服用でも十分改善される見込みはあります。
また、もう1つの服用ケースとして、現状維持があげられます。
ミノキシジルとの併用治療によって薄毛が改善されたタイミングで減薬すれば、生え揃った髪をプロペシアのみで維持することもできます。
治療が早ければ早いほどコストも抑えられるので、気になったタイミングでプロペシアの服用をスタートすることをおすすめします。
プロペシア(フィナステリド)はいつまで服用を続ける?
「一生飲まないといけない」と思いがちのプロペシア(フィナステリド)ですが、やめ時を知っていれば服用を続ける必要はありません。
確かにプロペシアの効果によってAGAの進行を抑えているので、服用を中断すれば元の薄毛状態に戻っていく不安もあるでしょう。
しかし考え方の1つとして、「もう満足」というタイミングは誰にでも訪れるはずです。
- 結婚
- 周囲にも薄毛が増えて気にならなくなった
- 治療効果の限界
- 経済的な理由
このように、ご自身が治療に満足した時点でプロペシアの服用をやめてみるのも1つです。
気になれば再び服用することもできるので、それぞれの目標やライフプラン、ゴールに合わせて服用し、ご自身に合った治療を行うこともできます。
プロペシア(フィナステリド)の改善効果観察データ
プロペシア(フィナステリド)を服用する前に知りたいのが、どのくらいの期間で、どれだけの人が効果を実感しているのかということです。
この回答として、プロペシアの販売元であるORGANON(オルガノン)社が、1〜3年かけて臨床成績を発表したデータがあるので、簡単にご紹介させていただきます。
<1年間の服用>
改善:58%
維持:40%
進行:2%
<2年間の服用>
改善:68%
維持:31%
進行:1%
<3年間の服用>
改善:78%
維持:20%
進行:2%
データでは軽度改善以上の割合が、服用を続けるほど増加していることがわかります。
また、維持を含めれば98%の人が何かしら効果を実感できていることからも、薄毛改善にはプロペシアが必要不可欠な薬と言えます。
もしもプロペシア(フィナステリド)の服用をやめたら?
もしもプロペシア(フィナステリド)の服用をやめてしまうと、少しずつ元の薄毛状態に戻っていきます。
AGAは進行性の病気で、あくまでも薬で薄毛の進行をストップしているだけであり、根本的に治る病気ではないことは覚えておきたいところです。
それでも自己判断でプロペシアの服用を中止してしまうという人にはいくつかの理由が挙げられます。
- 副作用
- 期待した効果が得られなかった
- 経済的な理由
プロペシアは副作用がほとんど現れない治療薬ですが、ごく一部の人は体調面への懸念から、プロペシアの服用を長く続けることに不安を持ってしまうこともあるようです。
また、効果に関して、発毛を期待してプロペシアを服用しているケースもあります。
この場合は治療目的と期待する効果に対する誤解から服用を中止しているということになります。
プロペシアは高価なので長期継続するほど経済的に負担を感じるというケースもあります。
- プロペシアで副作用があれば別のAGA治療薬に変更する
- 発毛効果が得られない場合はミノキシジルを併用する
- 経済的な対策にはジェネリック医薬品(フィナステリド)に切り替える
服用を途中でやめてしまうとせっかくの治療効果も失ってしまうので、ネガティブに考えず無理のない範囲で治療を続けることを検討しましょう。
プロペシア(フィナステリド)の副作用
プロペシア(フィナステリド)は男性ホルモンに影響するため、副作用として稀に男性機能が低下する場合があります。
具体的な症状は以下の通りです。
- リビドー(性欲)減退
- ED(勃起不全)
- 射精障害
- 精液量の減少
こうした異常が認められる場合、服用を中止するなど適切な処置が必要になります。
ただ副作用が起こる確率は1〜5%未満と、100人服用しても1人に出るかどうかのレベルです。
気にしすぎてしまうと、精神的な面が影響してEDとなるおそれもあるので、プロペシアの服用中は気にしすぎないようにしましょう。
薄毛治療はいくらかかる?
薄毛治療を前向きに検討する上で、毎月かかる治療費がネックになる人もいるはずです。
健康保険が適用されないため、一般的な保険診療にくらべてしまうと決して安くはありません。
さらに、医療機関ごとで自由な価格設定ができるため、どこで治療を受けるかで自己負担額も大きく変わってきます。
実際どのくらいの費用を目安にしておけばいいのか、フィットクリニックをベースに治療ごとの料金をご紹介していきます。
プロペシア(フィナステリド)だけの治療
製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
---|---|---|
フィナステリド1/1.3mg (海外製) |
1,500円 (初回限定) |
3,000円 |
プロペシア (ORGANON製) |
9,000円 |
プロペシア(フィナステリド)のみで治療する場合、1日あたりの価格は次のとおりです。
プロペシア(ORGANON)
⇨ 約321円 ※28錠
フィナステリド(海外製)
⇨ 50円〜 ※30錠
フィットクリニックでは「まずは薬を試してみたい」という声にこたえ、フィナステリドを初回の1ヶ月分、通常の半額で処方しております。
先発薬とジェネリックは処方価格の差が大きいため、ジェネリックを選択することは薄毛治療を継続させる大きなポイントです。
ミノキシジルを併用する場合
製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
---|---|---|
フィナステリド1/1.3mg + ミノキシジルタブレット5mg |
8,500円 (初回限定) |
10,000円 |
薄毛治療としてはスタンダードな「フィナステリド+ミノキシジル」ですが、フィットクリニックではセットプランとして処方しており、月10,000円ではじめることができます。
薄毛治療は長期になるので、先々のことまで見通すのはそう簡単なことではありません。
それと同時に、2、3か月で簡単に健康な髪が生えそろうといったこともないため、継続治療でしっかりを効果を出す計画を立てられるよう、しっかりと医師と相談するのが重要です。
クリニック独自のオリジナル治療薬で効果的に治療
製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
---|---|---|
Reborn Neo A フィナステリド1/1.3mg ミノキシジル5mg オリジナル発毛サプリ(HGPα) |
10,500円 (初回限定) |
11,200円 |
フィットクリニックではオリジナル治療薬の処方も行っており、フィナステリドとミノキシジルに育毛サプリもくわえた「スピード発毛プラン」があります。
こうしたサプリメントの機能については半信半疑の人もいますが、髪は栄養をエネルギーとして成長します。
いくら治療薬を服用したところで、肝心の栄養が不足していれば思うような効果が出にくいものです。
しかし、毎日の食事だけで完璧にコントロールするのは難しいからこそ、オリジナルサプリも組み合わせることで、より効率的に薄毛改善を図ることができます。
薄毛治療は最低6か月の継続が重要
薄毛治療はいずれも、最低6ヶ月毎日継続することで効果が現れます。
長いと感じてしまうかもしれませんが、AGA治療薬はその原因を取り除いたり、新しい髪の成長こそ期待できるものの、髪の成長スピードまで変えることはできません。
人の髪は1ヶ月に伸びても1cmほどで、目で見て効果を実感できる長さは2〜3cmほどに成長したタイミングです。
このように髪が抜ける時期(休止期)の髪から、成長期に移行して新しい髪が生えてくるまでには時間がかかります。
休止期にある髪の量によっては早く効果を実感できることもありますが、そこまで大きな差はありません。
また、新しい髪の成長にともない、服用から2〜3ヶ月ほどで古い髪が一気に抜けることがあります。
これは「初期脱毛」と呼ばれる現象で、薬が効いているサインです。
不安になるかもしれませんが、そのまま服用を続け、心配なら医師に相談しましょう。
よくある質問
プロペシア(フィナステリド)は予防に分けられ、AGAの原因に直接アプローチして脱毛がそれ以上進行するのを抑える薬です。
もし発毛を期待してプロペシアだけを服用を考えているのであればおすすめできず、発毛が認められているミノキシジルとセットで治療するのが望ましいでしょう。
理由としては、効果が認められていないのはもちろん、含まれる成分が胎児や授乳中の子供の発育に影響を及ぼすおそれがあるためです。
また、服用だけでなく、触れることも原則禁止です。
皮膚からも吸収されるので、取扱いには十分に注意してください。
錠剤はフィルムコーティングされていますが、何かの拍子に割れてしまうと中身の成分に触れる心配があるので、男性も不用意にカットするのは控えましょう。
⇨ 先発薬
フィナステリド
⇨ プロペシアのジェネリック医薬品
そのため後発であるジェネリック医薬品でも、変わらず同等の効果が期待できます。
また治療コストは、ジェネリックの方が安い傾向です。
少なくとも服用6ヶ月目から効果が確認できることから、長い目で見るAGA治療ではジェネリックのコスト面でのメリットを大きく感じます。
そのため大きな違いはないものの、ザガーロの方がAGAの原因であるDHTの発生をより強く阻害してくれることがわかっています。
また、効果部位にも違いがあります。
(フィナステリド)
⇨ 前頭部・頭頂部・後頭部
ザガーロ
(デュタステリド)
⇨ 頭頂部・後頭部
体質や健康状態に合わせて、ご自身に合った方を選ぶのがポイントです。
どちらがいいか比較することはできず、より高い効果を期待するのであれば、どちらも服用するのが望ましい場合が多くなっています。
実際、薄毛治療は「プロペシア(フィナステリド)+ミノキシジル」で行うのが一般的なので、脱毛の進行具合によっては併用を検討してみてください。