アフターピルの服用後に、「消退出血」が起こることがあります。
消退出血は避妊できた可能性が高いことを示す1つのサインとなっています。
ただ、出血は妊娠時に起こる「着床出血」の可能性もあり、見分けるのは非常に難しいです。
このページではアフターピル服用による消退出血について詳しく解説するとともに、着床出血との違いについてもお伝えしていきます。
消退出血とは
消退出血とは、アフターピルの服用後、子宮内膜が剥がれて起こる出血のことをいいます。
この出血のメカニズムは、通常の生理とほぼ同じです。
また消退出血は、避妊の成功を知らせるサインでもあります。
アフターピルの効果があったかを確認するためにも、消退出血については次のようなことをチェックしましょう。
ここからそれぞれの項目について、詳しく解説していきます。
消退出血の起こる時期
消退出血は、アフターピル服用から平均すると4~7日で起こることが多いです。
しかし、タイミングについては個人差があります。
早い人 | 平均 | 遅い人 |
---|---|---|
2~3日後 | 4~7日後 | 最長で3週間後 |
このことから3週間以内に出血があれば、避妊に成功した可能性が高いと言えるでしょう。
ちなみに出血する期間は生理と比べても短く、だいたい2〜3日ほどとなっています。
また服用の時期によっては、「生理が2回きた」と感じることも。
排卵前や排卵期に服用したのであれば、消退出血が終わった後にふたたび生理が起こることがあります。
決して不自然なことではないということは覚えておきましょう。
消退出血の量
消退出血は、出血量が少ないことも特徴的です。
アフターピルには子宮内膜を薄くする働きがあり、通常よりも経血量が少ない場合がほとんどとなっています。
ただし出血量がとても多かったり、いつまでも止まらないという場合は、不正出血や妊娠初期の出血など、別の原因で出血している可能性も考えられます。
そのため、避妊に成功したかは次の生理がきたかで判断するのがもっとも確実と言えるでしょう。
消退出血の色
消退出血の色は、以下のどちらかが多いです。
- 茶色をしたおりもの状
- さらさらとした鮮血
ただ、経血の色は個人差が大きく、当てはまらない人もいます。
色だけでは判断しにくいので、上記でお伝えした「時期」や「量」を含めて確認するようにしてください。
着床出血との違い
着床出血とは、受精卵が着床し、子宮内膜に入り込む際に傷がついて起こる出血のことです。
ただし妊娠した人が必ず着床出血を起こすということはなく、だいたい4人に1人以下の割合で起こると考えられています。
妊娠のサインとも言える着床出血ですが、消退出血との区別は非常に難しいです。
1つの目安として、それぞれの違いを表にまとめたものが次のようになります。
消退出血 | 着床出血 | |
---|---|---|
服用後平均7~10日 (早くて2日、遅くて3週間) |
時期 | 妊娠4週目 (生理予定日に近い) |
2~3日(個人差あり) | 期間 | 2〜3日(個人差あり) |
少ない | 量 | 少ない |
基本的に赤や茶色っぽい | 色 | ピンク、赤、茶色など |
サラサラ、おりもの状 | その他 | おりものに混ざった状態 |
表からもわかるように、タイミング以外は見ただけではほとんど区別がつきません。
しかしアフターピルを服用し3週間以上経ってから出血した場合は、着床出血の可能性が高いので妊娠を疑った方が良いでしょう。
消退出血がない場合
消退出血がない場合、2つのケースが考えられます。
避妊が成功したのか不安が続くと、精神的に大きな負担がかかります。
それぞれのケースでその後の対処が変わってくるので、詳しく見ていきましょう。
排卵後にアフターピルを服用した
アフターピルを排卵後に服用した場合は、消退出血と生理が同時に起こる可能性があります。
その場合は生理予定日周辺で出血が起こるケースがほとんどです。
そうなると、消退出血がないまま避妊に成功したことになります。
まずはご自身の排卵日がいつごろか確認し、アフターピルを服用したのは排卵前なのか・後なのか確認してみてください。
妊娠した可能性がある
アフターピル服用から3週間経っても、消退出血や生理が訪れない場合には妊娠を疑った方が良いでしょう。
もし妊娠の可能性がありながら放置してしまうと、中絶を希望する場合に処置が難しくなることもあります。
服用日から数えて3週間出血が確認できない場合には、まずお近くの産婦人科にご相談ください。
その前に、まずご自身でできる最低限の確認事項について解説します。
妊娠検査薬を使用する
妊娠検査薬を使って陽性が出た場合は、妊娠している可能性が高いです。
妊娠検査薬は生理予定日の1週間後またはアフターピルを服用した3週間後に使用可能となります。
陰性であれば一先ず安心ですが、判定後1週間たってもまだ生理がない場合は、再度妊娠検査薬を使うか、医療機関で尿検査や超音波検査などの必要な検査を受けて総合的に判断してもらうようにしましょう。
また、生理予定日の1日目から検査できる「早期妊娠検査薬」は当院でも取り扱っておりますので、ご希望の方は診察時にお声がけください。
あくまでも妊娠の判断は服用3週間後が目安になるので、一般的な妊娠検査薬を使うことが望まれます。
妊娠初期症状を確認する
妊娠初期は心身がどんどん変化していく時期になり、ホルモンバランスの崩れによってさまざまな症状が現れます。
早い人では妊娠3週目ごろから症状を感じ始めます。
なお妊娠週数は、「前回の生理開始1日目を0週0日」とする数え方です。
妊娠週数は「満」で表記されるので、数え方を間違えないようにしましょう。
また初期症状については、以下のものを参考にしてみてください。
- 少量の出血
- 胸の張り
- 下腹部痛
- 腰痛
- 頭痛
- 胃のむかつき
- おりものの変化
- だるさ・眠気
- 感情の激しい起伏
- 体温の上昇
生理前と似た症状が出るので、これだけで妊娠を判断するのは難しいです。
また、生理とは違う出血が続く場合は別の病気の可能性もあります。
不安な症状がある場合は産婦人科を受診しましょう。
まとめ
アフターピル服用から3週間以内に起こる消退出血は、避妊の成功を確認できる1つの目安です。
もちろん消退出血がなにかしらの理由で確認できないこともありますが、判断に迷った時にはまず医師に相談することが大切です。
また最後に覚えておきたいのが、アフターピルの避妊効果は100%ではありません。
避妊を必ず保証してくれるものではなく、約20%の人は避妊に失敗する可能性があります。
望まない妊娠を避けるためにも、日常的に確実な避妊を心がけましょう。
なお当院ではアフターピルの処方を行っております。
お薬をご希望の場合は以下よりお申し込みください。
よくある質問
それはアフターピルを排卵後に服用すると消退出血も兼ねた月経(生理)が起こるためで、人によっては「消退出血がなかった」と感じることもあります。
そのため"消退出血がない=妊娠"と結びつけるのは服用後3週間まで待ちましょう。
通常の生理と同じような出血が確認できたときに、避妊に成功したと確定できます。
もし中絶を希望する場合は、妊娠週数によっても母体への負担が変わってきます。
妊娠12週未満での中絶を「初期中絶」、12週〜22週未満を「中期中絶」と呼びますが、施術の方法は妊娠週数によって異なります。
22週を超えると「後期中絶」と呼ばれますが、母体保護法では基本的に認められていません。
簡単な決断ではありませんが、最善の選択をなるべく早めにするようにしてください。