
デュタステリド(ザガーロ)は、抜け毛の進行を抑え、髪の成長サイクルを正常化するAGA治療薬です。
本ページでは「デュタステリドの効果はいつから現れるのか」「どれくらい持続するのか」といった疑問にお答えし、効果が出るまでの期間や持続時間の目安を解説します。
効果を実感しにくい人の特徴にも触れているので、ぜひご参考ください。
デュタステリド(ザガーロ)の基本情報については、以下のリンクよりご覧いただけます。
デュタステリド(ザガーロ)の効果
デュタステリドは、このDHTを生み出す5αリダクターゼI型・II型の両方を抑制することで薄毛の進行を抑え、髪の成長環境を整える効果があります。

DHTは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、頭皮にある酵素「5α還元酵素5αリダクターゼ」に変換・結合することで生まれます。
このDHTが毛根にある受容体と結合すると、脱毛を促す因子(TGF-βなど)が活性化され、髪の成長が妨げられます。
デュタステリド(ザガーロ)に発毛・増毛効果はあるのか
デュタステリドには発毛・増毛効果があります。
臨床試験において「毛髪数が増加した」「毛の太さや硬さが改善した」とする報告があり、発毛や増毛を示唆するデータも残っています。
実際、グラクソ・スミスクライン社が実施した0.5mgを24週間服用した試験では直径2.5cmの範囲内で平均約90本の毛髪増加が確認されました。
デュタステリドはミノキシジルのような「発毛剤」ではなく、DHTの抑制を通じて髪の成長環境を整える「進行抑制薬」という位置づけではありますが、発毛や増毛に一定の効果があると言えます。
デュタステリド(ザガーロ)の効果が現れる期間
デュタステリドの効果は、服用から数か月〜1年ほどかけて徐々に現れます。
早い人では3か月ほどで抜け毛の減少を感じることもありますが、一般的には6か月以降に「髪が太くなった」「密度が増えた」といった変化を実感しやすくなります。
実際に、デュタステリドを0.1mgまたは0.5mgを1日1回6か月間服用した調査では、血中DHT(ジヒドロテストステロン)濃度が約65〜90%、頭皮内のDHTも40〜50%程度減少したという報告があります。
ただし、見た目の変化には時間がかかるため短期間で判断せず、根気強く継続することが大切です。
治療効果を正しく判断するためには、医療機関で定期的な経過観察を受けましょう。
デュタステリド(ザガーロ)の効果が出やすい部位
デュタステリドは、頭頂部(つむじ周辺)や前頭部、側頭部など広い範囲に効果を発揮しやすいとされています。
一方で、生え際(いわゆるM字部分)は毛根の働きが弱まっていることが多く、効果を感じにくいケースもあります。
ただし、これは薬が効かないのではなく、部位によって回復のスピードに差があるためです。
毛髪の成長には時間がかかるため、特に気になる部位がある方は長期的な視点で治療に臨む必要があります。
デュタステリド(ザガーロ)の効果が持続する時間
デュタステリドの効果は、服用している間は持続します。
デュタステリドは血清中濃度半減期が約3日~7日と長く、1日1回の服用でも数日~1週間程度は効果が持続するとされています。
ただし、服用をやめると体内の有効成分が徐々に減少し、数か月以内にDHTの産生が再開されるため、再びAGAが進行してしまいます。
効果を長く維持するには休薬期間は極力設けず、自己判断での中断は避け、医師と相談しながら継続しましょう。
一部では、デュタステリドの長い半減期を理由に、週に数回の服用を推奨する意見も見られます。
しかしこれらの情報は十分な臨床的根拠に基づいておらず、治療法としては推奨されていません。
安定した血中濃度を保つためにも、毎日の服用が必要です。
デュタステリド(ザガーロ)が効かない人の特徴
デュタステリドは、すべての人に効果が現れるとは限りません。
AGAが非常に進行している場合や、すでに毛根が消失している場合は十分な効果を感じにくいことがあります。
デュタステリドが効かない人の特徴は、以下のとおりです。
効かない人の特徴
- AGAが進行し過ぎている
- 毛根が消失している
- 服用期間が短すぎる
- 飲み忘れが多い
- 生活習慣が乱れている
最低でも半年以上は継続し、必要に応じてミノキシジルなどの発毛薬との併用も検討しましょう。
次の章では、デュタステリドの効果をより高めるための具体的な工夫について解説します。
デュタステリド(ザガーロ)の効果を高めるポイント
デュタステリドの効果を高めるポイントは、以下のとおりです。
効果を高めるポイント
- 毎日決まった時間に服用する
服用タイミングを一定に保つことで、血中濃度が安定し、薬の効果をしっかり発揮できます。 - 飲み忘れを防ぐ仕組みをつくる
服薬アラームやピルケースなどを活用して、継続的に服用できる環境を整えましょう。 - ミノキシジルとの併用を検討する
デュタステリドは「抜け毛を防ぐ薬」、ミノキシジルは「発毛を促す薬」。併用することで相乗効果が期待できます。 - 生活習慣を整える
睡眠不足や栄養バランスの乱れは、髪の成長に悪影響を及ぼします。規則正しい生活を意識しましょう。
デュタステリドの効果を最大限に引き出すには、薬を正しく継続することに加えて、日々の生活習慣も見直すことが大切です。
できることから少しずつ取り入れて、無理のないペースで治療を継続していきましょう。
まとめ|継続することでデュタステリドの効果を最大化
最後にデュタステリドの効果についてまとめます。
効果のまとめ
- AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制
- 5αリダクターゼI型・II型の両方をブロック
- 抜け毛の進行を防ぎ、髪の成長サイクルを正常化
- 頭頂部・前頭部など広い範囲に効果が期待される
- 毛髪の太さや硬さが改善したという報告もあり
- 見た目の毛量が増加したとする臨床データも存在
デュタステリドの効果はすぐに現れるものではなく、実感までに3か月〜1年ほどかかるのが一般的です。
「効かない」と感じたときも、まずは服用や生活習慣を見直しながら、焦らず継続しましょう。
なお、フィットクリニックではデュタステリドのオンライン診療も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
AGAは進行性のため、迷ったら早めのご相談を推奨します。
デュタステリド(ザガーロ)の効果に関するよくある質問
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- Qデュタステリド(ザガーロ)にはどのような効果がありますか?
- Aデュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の進行を抑える内服薬です。脱毛の原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、抜け毛を防ぎ、髪の成長を促します。特に頭頂部での改善効果が報告されています。
- Q
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- Qデュタステリド(ザガーロ)の効果はいつから出ますか?
- A効果の実感には個人差がありますが、早ければ3か月、一般的には6か月〜1年程度で変化を感じる方が多いです。
まず抜け毛が減り、徐々に髪が太くなったり密度が改善したりすることが期待されます。
- Q
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- Qデュタステリド(ザガーロ)だけで効果は出ますか?
- Aはい、デュタステリドだけでも効果は期待できます。
DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、抜け毛の進行を食い止め、髪の成長を助ける効果が期待できます。ただし、発毛をより促したい場合はミノキシジルとの併用療法が効果的です。
- Q
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- Qデュタステリド(ザガーロ)は筋肉を増やす効果がありますか?
- Aいいえ、デュタステリドには筋肉増強作用はありません。
筋肉を増やすにはテストステロンの働きが重要ですが、デュタステリドはホルモンの代謝を抑制する作用があるため、筋肉に対して直接的な効果は期待できません。
- Q
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- Qデュタステリド(ザガーロ)が効果なしなのはなぜですか?
- A効果が出にくい主な原因は、毛根の萎縮が進行している、服用期間が短い、飲み忘れが多いなどが挙げられます。
また、生活習慣の乱れや体質によっても個人差が出ます。半年以上の継続とミノキシジルとの併用療法が効果的です。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
参考サイト・文献
・GSK Clinical Study Report(Protocol No. 206807)-p27
・Olsen EA et al.(2006)「The importance of dual 5α-reductase inhibition in the treatment of male pattern hair loss」Journal of the American Academy of Dermatology, Vol.54(5), pp.722–729.
・ザガーロ(デュタステリド)カプセル0.1mg/0.5mg