ポルノ依存症は、アダルトコンテンツ(AVなど)に過度に依存してしまう症状です。依存の程度により、日常生活にも悪影響を及ぼします。
克服には時間はかかりますが、改善できる疾患です。
本記事ではポルノ依存症の詳細や原因、治し方などを解説しています。
ポルノ依存症に悩んでいる方や、自分がポルノ依存症ではないか、と不安に感じている方は、是非参考にしてください。
ポルノ依存症(中毒)とは?
ポルノ依存症とは、ポルノコンテンツ(AVや成人向けアニメなど)に過剰に依存した結果、日常生活にも支障が出てしまう疾患です。
「強迫的性行動症」という精神疾患の一つとしてWHO(世界保健機関)に認定され、欧米でも多くの研究が進んでいます。
ポルノ依存症は、脳の報酬系に過度の刺激を与えます。程度によっては他の依存症と同様に治療が必要です。
以下の症状に当てはまる方は、ポルノ依存症の可能性があります。
- AVの視聴がやめられなくなる(日常生活に支障が出るレベルで)
- AVの視聴をやめると、余計に見たくなる
- 楽しいと感じていなくても、AVを見てしまう
- 現実の女性や性行為に興奮できない
麻薬やギャンブルに並ぶ有害性
ポルノ依存症の有害性は、麻薬やギャンブルに匹敵します。
高い中毒性により「やめたいがやめられない」人が増えるなど、社会問題に発展するほどです。
ポルノコンテンツは自慰行為を誘発し、脳内で依存性のある物質(具体的にはオピオイドやドーパミン)を生成します。
オピオイドやドーパミンは、ヘロインなどの薬物と異なり直接体内で生成されるため、特有の依存性があると明らかにされました。
ギャンブル依存症も、快楽を感じるホルモンであるドーパミンの過剰な分泌を求める点で、ポルノ依存症と似ています。
そのため、ポルノ依存症はギャンブル依存症や薬物依存症と同じくらい、あるいはそれ以上に回復が難しいのです。
ポルノ依存症で現れる症状
ポルノ依存症には明確な診断基準はありませんが、以下の症状に悩まされる場合があります。
次の章で、順に説明していきます。
強い刺激が無いと興奮しなくなる
刺激への慣れにより、より過激で刺激の強いポルノコンテンツや自慰行為でないと興奮・射精出来なくなります。
脳が求める快感のレベルが上がってしまうためです。
依存が進行するにつれ個人の性的健康や人間関係にも深刻な影響を及ぼします。
そのため、ポルノ依存症は早期の治療が必要です。
遅漏やED(勃起不全)になる
ポルノコンテンツへの慣れにより、自慰行為はできても実際の女性と性行為をすると遅漏やEDの症状が現れる場合があります。
遅漏やEDはパートナーへの負担にもなるため、根本の原因であるポルノ依存症を治すことが望ましいです。
また、実際の女性に勃起しない、興奮できない症状は「心因性ED」のひとつでもあります。
心因性のEDには、性的機能に直接働きかけるED治療薬の服用が効果的です。
遅漏が進行すると、そもそも勃起することが困難となるため、進行を食い止めるためにも早めの治療をご検討ください。
なお、EDの初期症状については以下で紹介しています。
日常生活への影響
冒頭で述べた通り、ポルノ依存症は日常生活にも支障をきたします。
ネットでポルノコンテンツを長時間探してしまったり、仕事や勉強に集中できなくなったりなど、スムーズな日常生活を送れず悩んでいる方は少なくありません。
その他、以下のような事例があります。
- 人との約束を断ってまでもポルノコンテンツに夢中になってしまう
- ポルノコンテンツを見たいあまり、学校や会社を欠席、欠勤してしまう
なぜポルノ依存症になる?
ポルノ依存症になる原因は以下の2つです。
- 時代的な背景
- 精神的な疾患
時代的な背景
前述した通り、昨今では年齢問わずインターネットで気軽にアダルトコンテンツやAVが見られるようになりました。
その時代背景により、ポルノ依存症は蔓延しています。
精神的な疾患
そもそもポルノ依存症の人は、不安や憂鬱感を紛らわすためにアダルトコンテンツを利用している傾向があります。
日常的に不安感を抱いていたり、抑うつ状態に陥っていたりするため、精神疾患に起因するポルノ依存症の事例も多いのです。
前述の通り、そもそもポルノ依存症自体が「強迫的性行動症」のひとつで、分類は精神疾患となります。
興奮が得られやすく強い依存・中毒性があり、自分で性的な欲求をコントロールできない状態が続くため、一度発症してしまうと克服に時間が必要です。
ポルノ依存症の改善方法
ポルノ依存症の改善方法は、以下の3つです。
以下、順に解説していきます。
ポルノコンテンツの視聴をやめる
ポルノコンテンツの視聴を強制的にやめることで、依存心を和らげることが可能です。
- スマートフォンの設定でアダルトコンテンツをブロック(非表示)する
- アダルト関係の広告表示をオフにする
- 有害サイトのフィルタリングソフトを利用する
- 想像のみで自慰行為を試みる
以上のような対策を取り、日常的にポルノコンテンツを利用できない環境を作りましょう。
自慰行為を控える
自慰行為自体を控える方法も有効です。
「性欲の原因(ポルノコンテンツ)」を避けることで身体を「ポルノコンテンツや自慰行為を必要としてない状態」に慣らしていくことが改善への第一歩となります。
スマートフォンやPCなどでインターネットに繋げないように設定するなど、ポルノコンテンツに触れられないように工夫しましょう。
他の趣味に打ち込むことも自慰行為の制限に有効です。
例えばスポーツなど身体を使った趣味は、程よい疲れと爽快感が得られるため自慰行為への欲求が落ち着きます。
その他、以下の活動も効果的なストレス発散方法です。
- 映画やアートなど芸術に触れる趣味
- マインドフルネス(瞑想)など心身をリラックスさせる行動
- プラモデル製作など集中力を要する趣味
性的な衝動を起こさせない活動で、時間を有効に使いましょう。
性行為時にED治療薬を服用する
ポルノ依存症は、ED治療薬の服用で改善できる可能性があります。
その理由は以下の通りです。
- 性行為時のパフォーマンスが上がる
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パートナーとの性行為に自信がつく
※成功体験が増え、ポルノコンテンツに頼る必要がなくなる
ノーマルな性行為が増えることで、脳が新しく健全な報酬回路を覚えます。
その結果、ポルノコンテンツを絶つことができるという仕組みです。
ED治療薬はその過程において大きな助けとなります。
遅漏についても同様です。
ポルノ依存症が原因で遅漏の症状が現れている場合は、ED治療薬を使用し女性との性行為への自信を取り戻しましょう。
ED治療薬によって遅漏やEDの症状が緩和されれば、パートナーとの性行為に満足感が増し、ポルノコンテンツへの依存を緩和できます。
ポルノ依存症によるED・遅漏でお悩みの方は、ぜひED治療薬を検討してみて下さい。
まとめ:ポルノ依存症は時間がかかるが克服できる症状
ここまで、ポルノ依存症の原因や改善方法について解説してきました。
最後に、記事の内容をまとめます。
- ポルノ依存症とは、性的コンテンツに(日常生活に支障が出るレベルで)依存してしまう症状のこと
- 強い刺激が無いと興奮できない、遅漏、勃起不全(ED)の症状があらわれることがある
- ポルノ依存症の蔓延には、時代背景や現代の精神疾患者の増加が関係している
- ポルノ依存症は、自慰行為の抑制やED治療薬の服用により改善の見込みがある
ポルノ依存症は改善が困難で時間がかかります。
できることから、少しずつ改善していきましょう。
また、パートナーがいる方はED治療薬を併用することで通常の性行為に自信が生まれ、ポルノコンテンツに頼らずとも日常生活を送れる可能性があります。
ぜひED治療薬の服用を検討してみて下さい。
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当院では通いやすいようにオンライン診療も行っております。診察料は0円、初診からオンライン対応可能です。是非お気軽にご相談ください。
ポルノ依存症(中毒)によくある質問
Q1.自慰行為の回数を減らせばポルノ依存症は改善できますか?
自慰行為の回数を減らす行為は大変有効ですが、減らすだけでは不十分な場合があります。ポルノ依存症は性的行動だけでなく、精神的な依存や行動パターンにも深く根ざしており、総合的なアプローチが必要だからです。以下の方法が効果的とされています。
- スマホやPCでアダルトコンテンツを閲覧できないようにする
- ED治療薬を服用する
- 運動や趣味、社交活動に注力する
- ポルノコンテンツに触れられない環境を作る
ポルノ依存症は複雑な問題であり、自己管理だけでなく、医療機関で専門的な支援を受けることが重要です。
Q2.ポルノ依存症が原因で中折れする場合はある?
はい、あります。ポルノ依存症の患者は、ポルノコンテンツの刺激に慣れてしまっており通常の性行為では中折れの症状があらわれるケースが多いです。中折れを改善するためには根本の原因であるポルノ依存症の治療が有効ですが、並行してED治療薬の服用を推奨します。ED治療薬は性機能に直接働きかけるため、中折れにも有効です。