AGA・薄毛

「プロテインはハゲる」「プロテインで育毛」2つの噂の真相を調査!

AGA・薄毛

プロテインはハゲるとする噂がある一方で、プロテインには育毛効果があるという噂もあります。

この矛盾する2つの噂は将来の毛量を左右する可能性があるだけに、どちらが正しいのかはっきりさせておきたいところです。

このページでは医学的な視点から2つの噂について詳しく調査したので、その結果を解説していきます。

「プロテインでハゲる」という噂について

筋トレ、朝食に換えてなど、プロテインをとる理由はさまざまあります。

ただ「プロテインでハゲる」という噂があり、これから取り入れようか踏ん切りがつかない人もいるでしょう。

まずプロテインについて簡単にお話しておくと、プロテインとは「タンパク質」のことを指します。

そしてタンパク質は2種類にわけられます。

動物性 肉、魚、卵、乳製品に含まれるタンパク質
植物性 大豆や大豆製品に含まれるタンパク質

このように「何由来か」によってわけることができ、目的に応じて使い分けるのが良いとされています。

このことを踏まえ、プロテインでハゲるという噂の真相について一緒に見ていきましょう。

プロテインで男性ホルモンが増加して薄毛になる?

まず結論からお話してしまうと、薄毛にはなりません。

しかしこの説明だけで納得するのは難しいと思うので、もう少し詳しく解説していきます。

プロテインがハゲるという噂が広まった理由としてあげられるのが、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンです。

プロテイン摂取 → 男性ホルモン増加 → ハゲる

この考え方がいつの間にか、「プロテイン=ハゲ」として誤った方向に広まっていったものと考えられます。

確かに薄毛は、男性ホルモンが原因です。

ただ、それはプロテインによって増えるテストステロンではなく、別の種類の男性ホルモンになります。

つまりプロテイン摂取によって男性ホルモンが増えたところで、薄毛の心配をする必要はないと言えます。

また、男性ホルモンは男らしさの源でもあります。

男らしさに関わるのはもちろん、代謝や血行促進、生殖機能の向上、さらにはモチベーションUPなど、肉体のみならず精神面の健康にも関係してきます。

薄毛を心配する必要はなく、むしろプロテインは積極的に摂取しても問題ありません。

プロテインの副作用とは?

初めにもお話したように、プロテインは動物や植物といった自然由来の食品になるので副作用はありません。

ただし全くリスクがないという訳でもありません。

ここで覚えておきたいのが、プロテインを摂取しすぎると内臓疲労を起こすということです。

まず、タンパク質を摂ってから排泄されるまでの流れを確認しておきましょう。

合成・分解を繰り返す

余ったものは分解され、窒素となる

窒素がアンモニアに変わる

肝臓でろ過し、腎臓から尿として排泄

この時にタンパク質を必要以上に摂りすぎてしまうと、より多くの窒素を尿へと変換するため肝臓や腎臓にかかる負担は大きくなります。

これが続いてしまうと腎・肝機能が衰える、あるいはまったく機能しなくなることもあります。

特にプロテインは人工的に作られた食品になり、食べ物とは比べものにならないほど大量のタンパク質が含まれています。

腎臓や肝臓は、一度ダメになってしまうと元通りにはならないため、必要以上の摂取は控えるようにしましょう。

筋トレと脱毛

プロテインとセットのイメージが強い筋トレですが、「筋トレによって脱毛する」という噂もあります。

ただ根拠はなく、あくまでも噂の域を出ないと言えるでしょう。

まず、筋トレとプロテインが筋肉に及ぼす関係は以下の通りです。

筋トレ 筋肉を壊す
プロテイン 筋肉を修復する

ここに男性ホルモンであるテストステロンの分泌も加わり、壊して・修復するを繰り返して筋肉は大きく育っていきます。

薄毛の原因となる男性ホルモンはテストステロンではなくジヒドロテストステロン(DHT)の増加です。

対して、筋トレによって男性ホルモンの分泌は増えますが、プロテインと同じように増えるのはテストステロンであるため脱毛を起こすことはありません。

ただし、健康維持のためにも適度な運動が推奨されるため、プロテインは飲むだけでなく、セットで筋トレも取り入れましょう。

「プロテインで育毛」という噂について

ここからはプロテインがハゲるという噂とは対極にある、「プロテインで育毛」という噂についても解説します。

噂が真実であればプロテインを既にとっている人には朗報になり、将来の毛量に不安を抱える人にとっても取り入れるきっかけになるはずです。

そこで、プロテインと髪に関係する、調査した噂は2つあります。

  1. プロテインは髪の主成分
  2. プロテインは白髪の改善にも有効?

プロテインが髪にどんな影響を与えるのか、ここから詳しくお伝えしていきます。

プロテインは髪の主成分

髪は、その80%以上が「ケラチン」と呼ばれるタンパク質の一種で作られています。

髪の構成成分
  • タンパク質:80〜85%(ケラチンが80%を占める)
  • メラニン:4.5%
  • 水分:11〜13%
  • 脂質:1〜6%

また髪は外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの3層で作られており、髪の太さや硬さは「コルテックス」の量で決まります。

つまりタンパク質が不足すればコルテックスが少なくなり、うぶ毛のような弱った髪が増えたり、抜け毛が目立つようになるなど薄毛の原因となります。

このことから髪とプロテインの関係は以下のことが言えます。

効率よくタンパク質を摂取できるプロテインは、髪にとってプラスになる

しかも髪は身体の中でも特に代謝が活発なため、成長するためにはタンパク質やそれをエネルギーに変える栄養を多く必要とします。

毎日の食事からバランス良く栄養をとるのはもちろん、タンパク質が不足しているならプロテインで補うのも1つになります。

白髪の改善にも有効?

髪の色は、メラニン色素の種類と量によって決まります。

ユーメラニン 黒褐色系
フェオメラニン 黄赤系

ユーメラニンの総量が多いと黒髪、メラニンそのものが少ないのがブロンドとなってきます。

白髪についてはどちらのメラニン色素もほとんど含まれていない状態で、髪になる細胞である毛母細胞に渡されなかったために色のない白髪となって成長します。

このことからプロテインと白髪の関係は以下のことが言えます。

タンパク質を摂ってもメラニン色素に影響はなく、白髪が改善されることはない

プロテインの種類

ひとくちにプロテインといっても、いくつかの種類に分けられます。

種類によって摂取タイミングも異なり、育毛効果にも違いがあります。

以下の表はそれぞれの違いを簡単にまとめたものです。

ホエイ
プロテイン
ヨーグルトの上澄みにできる液体(ホエイ・乳清)に含まれるタンパク質。水溶性で体内への吸収速度はスムーズ
カゼイン
プロテイン
牛乳を主成分とするタンパク質で、カゼインは生乳の80%を占めるタンパク質のこと。不溶性で体への吸収速度がゆっくり
ソイ
プロテイン
大豆のタンパク質部分だけを粉末状にしたもの。消化吸収速度がゆっくり

タンパク質なのでどれも育毛には有効ですが、ソイプロテインはそれだけではありません。

ダイエットや美肌、老化予防といったことも期待でき、プラスαの機能が備わっているプロテインと言えるでしょう。

というのも、ソイプロテインには「大豆イソフラボン」が含まれています。

大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ており、以下のような効果が期待できます。

  • 肌の弾力、しわの改善
  • コレステロールを減らす
  • 髪にハリやツヤを出す

こうしたさまざま機能が大豆イソフラボンにあることがわかっています。

そのため、髪も含めたエイジングケアも兼ねるならソイプロテインがおすすめです。

プロテインの飲み方

プロテインの飲み方は、至ってシンプルです。

プロテイン15〜30g に対し 水や牛乳150〜200ml

※あくまでも目安になり、製品ごとで1食分のグラムは変わります。

これらをシェイカーの中に入れ、あとはよく混ざるようシェイクするだけです。

水であれば吸収スピードを早められ、牛乳は吸収スピードが緩やかになるものの、髪にも良いビタミンB群やカルシウムなど他の栄養も補えるのがポイントです。

さらに髪への機能が期待される成分が含まれる、コーヒー(無糖)や豆乳で割るのもおすすめです。

ただし、注意したいのが、次の3点です。

●好きな飲み物で混ぜる

⇨ 糖分が多いとAGEs(週末糖化産物)の発生により髪の成長を悪くすることがあります。

●作り置き

⇨ 作り置きすると雑菌などが繁殖するため、飲む直前に作るようにしてください。

●食事を基本とする

⇨ 食事で摂取できないタンパク質を補うものなので、基本は食事から摂りましょう。

また、プロテインは男性ホルモンのイメージがありますが、女性にも同じように有効です。

男女問わず、トレーニングやダイエットなど必要に応じてプロテインを摂るとよいでしょう。

薄毛・抜け毛の相談はクリニックへ

ここまでプロテインや筋トレにまつわる薄毛の噂について解説してきましたが、すでに薄毛が気になっている人はプロテインだけでは薄毛を改善できません。

なぜなら、薄毛にはそれぞれ原因があり、原因に合わせた適切な治療が必要になるためです。

また、ここで覚えておきたいのが、髪にも寿命があるということです。

髪1本1本にはヘアサイクルが備わっており以下のような目安となっています。

1サイクル 2〜6年
生涯通算 15〜20サイクル

こうして生えては抜けてを繰り返し、最終的に毛根そのものが寿命を迎えます。

そして薄毛(脱毛症)は1サイクルを1年未満にすることから、髪の寿命を大幅に短くします。

それだけに放っておかず、気づいたタイミングで早めに医師に相談しましょう。

今の髪の状態を知りたい人の相談も承っていますので、薄毛・抜け毛の相談は以下からお気軽にご予約ください。