「性行為中にコンドームが破れた…」
そんな緊急時には、妊娠を避けるためにアフターピルを服用しましょう。
緊急避妊にはタイムリミットがあるため、避妊に失敗した場合は速やかに医師に相談してください。
なお当院ではアフターピルのオンライン処方を行っております。
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※なお、効果時間内のお届けが難しい場合は、お近くの産婦人科を受診するようにしてください。
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緊急の避妊を行う
緊急時の避妊方法は次の2つに限られます。
この2つの方法について解説していきます。
①アフターピルを使用する
アフターピルとは、避妊に失敗した時や避妊が十分ではなかった時に、望まない妊娠を避けるために使うホルモン薬です。
避妊失敗から24時間以内に1錠飲めば、避妊成功率は99%もあります。
WHO(世界保健機構)からも"エッセンシャルドラッグ"(必要最低限欠くことができない薬)に指定され、世界的にもスタンダードな緊急避妊方法となっています。
以下の3つが主な避妊効果です。
- 排卵抑制
- 受精阻害
- 着床阻止
女性ホルモンの1つ"黄体ホルモン"を一時的に増やし、排卵後と同じ体内環境にすることで避妊できるとされています。
薬剤なので副作用の可能性はありますが、飲むだけで高確率で妊娠を回避できるので一番簡単で最もスタンダードな緊急避妊方法です。
なお、当院でもアフターピルの処方を行っております。
アフターピルが必要な場合は、こちらからお申し込みください。
②銅付加IUDを使用する

銅付加IUD(子宮内避妊具)とは子宮内に設置する小さなT字型の避妊具で、"避妊リング"とも呼ばれています。
避妊失敗の緊急時であっても"120時間以内"の設置であれば避妊効果が期待できます。
また、1度装着すればその効果は2〜5年間続き、報告ごとでも異なりますが1年間のPI指数(ある避妊法を100人の女性が1年間使用した際の妊娠数)は0.6〜0.8% と極めて低いです。
緊急時の1回だけでなく継続した避妊効果が期待できるため、高額にはなりますが妊娠の予定がない人は銅付加IUD(子宮内避妊具)を検討してみるのも1つでしょう。
コンドームが破れた場合の妊娠確率
避妊方法はさまざまありますが、日本ではもっともメジャーなコンドームのPI指数(ある避妊法を100人の女性が1年間使用した際の妊娠数)について詳しくみてみましょう。
※PI指数は確率とは少し意味合いが異なりますが、0~100で表現するため%で表示しています。数字が大きいほど妊娠する可能性は高くなります。
避妊方法 | PI指数(%) |
---|---|
コンドームを装着 | 18 |
未装着(避妊なし) | 85 |
「コンドームが破れた」状態は、何も避妊していない状態とほぼ同じです。
その場合、PI指数は85%まで跳ね上がります。
そのため、コンドームが破れた場合のPI指数は18~85%となり、妊娠のリスクがとても大きい状態になります。
普段から行う避妊
ここからは、避妊の選択肢について男性と女性にわけてご紹介していきます。
コンドームが破れた際に焦ることがないよう、普段からより確実な避妊を"男女ともに"行うことが大切です。
なお、日本は「コンドーム大国」とも言えるほど、コンドームの使用率が高い国です。
一方で女性が主体となって避妊できるピルやIUDの使用率は、アメリカやドイツにくらべるとかなり低くなっています。
男性だけでなく女性が主体となって避妊することで、より確実な避妊を行うことができます。
各避妊方法の使用率
コンドーム | ピル | IUD | |
---|---|---|---|
![]() |
34.90% | 2.90% | 0.40% |
![]() |
9.30% | 13.70% | 8.30% |
![]() |
10% | 31.70% | 6.80% |
男性の避妊
男性にできる避妊方法として最低限必要なのは、コンドームの装着です。
ちなみに、膣外射精についてはまったく避妊になりません。
それは、射精のタイミングはコントロールできないこと、挿入中にはカウパー腺液(いわゆる我慢汁)も出ていることが理由です。
カウパー腺液にも精子が混ざっている可能性もあるため、妊娠を望まないのであればコンドームを正しく装着しましょう。
コンドームについて、詳しくご説明します。
コンドーム
コンドームは一般的な使用でPI指数が18%と、完璧ではありません。
しかしコンドームは性感染症(STD)予防に非常に有効なアイテムのため、避妊には完璧でないとしてもきちんと使用しましょう。
また理想的な使い方に近づけるためにも、次のようなポイントをチェックすることが大切です。
自分に合ったサイズである | |
ひっかけないように爪は短くしてある(エチケットのためにも) | |
使用期限を過ぎていない | |
日の当たらない場所で保管している | |
穴があいていない(装着前に確認) |
コンドームを装着していても妊娠する可能性があり、その多くが誤った使用方法やゴムの劣化・損傷によるものです。
特に、財布の中に忍ばせておいたコンドームは古く劣化していることもあるため使用前のチェックも大切です。
また慎重を期すために2枚重ねに使用する男性もいるようですが、逆にゴム同士の摩擦によって破れる可能性があるので控えましょう。
我慢汁(カウパー液)でも妊娠する?外出しでもダメな理由について
女性の避妊
女性が主体となってできる避妊方法は主に以下の2つです。
妊娠した時、身体に大きな変化が起こるのは女性です。
思いがけない妊娠を避けるため、自分自身の身体を守れる方法を知っておきましょう。
低用量ピル
低用量ピル(OC)は"ライフデザインドラッグ"とも呼ばれ、毎日の服用によって避妊効果だけではなく、充実した日々を過ごすのにも役立ちます。
しかもPI指数は0.3%とほぼ100%に近い避妊効果を誇り、うまく使用していけば女性の強い味方になってくれます。
避妊効果としては初めにお伝えしたアフターピルと変わらず、以下の3つにより妊娠を回避します。
- 排卵抑制
- 受精阻害
- 着床阻止
また低用量ピルには避妊以外の効果も期待できます。
- 生理痛や生理不順の解消
- 月経困難症や子宮内膜症の治療
- ニキビなどの肌荒れ改善
避妊目的ではなく、治療のために低用量ピルを服用している人も多いです。
ライフスタイルを快適にするサポートをしてくれるため、この機会に低用量ピルの服用を検討してみると良いでしょう。
IUD/IUS
長期避妊法であるIUD/IUSは、子宮内に装着する小さな避妊具です。
2つの違いについてですが、以下の表を参考にしてみてください。
IUD | IUS | |
---|---|---|
形状 | ![]() |
![]() |
PI指数 | 0.6%~0.8% | 0.2% |
作用する成分 | 銅イオン(銅付加IUD) | 黄体ホルモン |
持続性 | 2〜5年 | 最長5年 |
効果 | ・軽い炎症によって精子の侵入を阻害する ・受精卵の着床を防ぐ |
・子宮内膜を薄くして着床を防ぐ ・子宮の入り口の粘液を変化させ精子の侵入を防ぐ |
主な副作用 | 月経量が増えることがある | 装着後に生理以外の出血や下腹部痛、腰痛が起こることがある |
妊娠したくなった時 | 抜去すれば妊娠可能 | 抜去すれば妊娠可能 |
IUDであれば薬剤ではないので授乳中でも使用できるメリットがあります。
一方でIUSは黄体ホルモンがピンポイントで子宮内膜に作用するため、全身への副作用が少ないとされています。
どちらも一度装着すれば高い避妊効果が年単位で持続するため、長期的に妊娠の予定がない人にはおすすめです。
効果的な避妊方法

ここまで男性と女性の避妊方法についてお伝えしてきましたが、効果的な避妊方法はどちらか一方ではなく、お互いが避妊具(薬)を使用することです。
特に取り組みやすいのは、男性はコンドーム・女性は低用量ピルで避妊する方法です。
これを「デュアルプロテクション(二重防御法)」と呼んだりしますが、妊娠を計画していないのであれば男女共に避妊方法を取り入れることが推奨されます。
また一部の男性には「(パートナーが)ピルを飲んでるから」といって、コンドームを使用しない人もいるようです。
しかしコンドームは避妊具としてだけでなく、性感染症を広げないためにも有効なため、きちんと装着しましょう。
誰もつらい思いをしないよう、避妊はもちろん、相手を気遣い思いやる気持ちを忘れないことが大切です。
まとめ
日本でもっともポピュラーな避妊具はコンドームですが、100%確実な避妊方法ではありません。
そのため、万が一の時にはアフターピルがあることを覚えておきましょう。
また避妊は、「自分ごと」として考えることが大切です。
予期していなかった妊娠は身体だけでなく、心にも大きなダメージを与えることになります。
男性のコンドームと併用して、女性が主体となってできる低用量ピルやIUD/IUSといった避妊方法も検討してみてください。
よくある質問
精子の寿命は最長で1週間ほどです。
子宮内に精子が侵入してしまうと、仮に安全日だったとしても妊娠する可能性はあるので、気になる人はまず医師に相談しましょう。
不安が残るようであれば、医師に相談しアフターピルの服用をおすすめします。
アフターピルの服用は早ければ早いほど効果が高いので、避妊に失敗した際は速やかに医療機関を受診してください。