こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
2026年2月2日より、緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」の市販が開始されました。
本記事ではアフターピルの市販化について詳しく説明しています。
また、これまでの市販化に向けた動きや、海外との違いについても解説していますのでぜひご確認ください。
2026年2月2日緊急避妊薬(アフターピル)の市販が開始
2026年2月2日より、一部の薬局やドラッグストアにて、緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」の販売が開始されました。
販売は、アフターピルの販売登録を受けた薬局・ドラッグストアに限られ、研修を受けた薬剤師から購入する必要があります。
医師の診察や処方箋は不要で、薬剤師のいる薬局で対面購入し、その場で服用します。
年齢制限は設けておらず、未成年の場合でも保護者の同意なく購入が可能です。
本人以外の購入や男性の購入は認められていません。
アフターピルの市販に関する議論
2017年からアフターピルのスイッチOTC化(市販化)に向けて議論が繰り返されていました。
市販化されれば手が届きやすくなる一方で、悪用等を懸念する声もあり議論が長引いていました。
これまでの議論の流れや賛成・反対の声など、アフターピル市販化の動きについて詳しく見ていきましょう。
議論の流れ
アフターピルの市販化をめぐる流れは以下の通りです。
- 2017年
-
検討会(厚生労働省による「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」[1])にて、アフターピルのOTC化が議題に上がる
→悪用や不十分な性教育などを理由に「時期尚早」として見送られる
- 2019年
- アフターピルのオンライン診療が可能になる
- 2020年
- 「第5次男女共同参画基本計画」の閣議決定により、アフターピルが処方箋なしでも薬局で入手できる市販薬化の方針が盛り込まれる
- 2021年
6月 - 「経済財政運営と改革の基本方針2021により、アフターピル市販化の検討を年度中に開始することを閣議決定
- 2021年
10月 -
検討会が再開され、産婦人科医のアンケート結果[4]等を用いた議論がなされる
→アフターピルのOTC化について海外調査を行い、次回会議にて結果報告をする方針
- 2022年
3月 -
海外の実態調査の結果を踏まえた検討会を実施[5]
→次回会議にて課題点の整理・解決策の検討を行う
- 2022年
4月 -
性暴力ワンストップ支援センターの現状の共有、海外実態調査報告書やOTC化の課題についての検討会議[9]
→次回会議にてパブリックコメント調査をどう進めるか議論
- 2022年
9月 -
パブリックコメント調査の進め方について議論[10]
→次回はパブリックコメントの調査結果を踏まえて会議
- 2022年
12月 - パブリックコメント募集開始[11]
- 2023年
5月 - パブリックコメントを受けての検討会議[12]
- 2023年
6月 - アフターピルのOTC化の試験的運用に向けての検討会議[14]
- 2023年
11月 - 全国145の薬局でアフターピルの試験販売を開始[15]
- 2024年
3月 - アフターピルの試験販売を来年度も継続することを発表
- 2025年
5月 - あすか製薬がアフターピル「ノルレボ」の市販化申請を公表
- 2025年
8月 - 厚生労働省が「ノルレボ」の市販化を了承
- 2025年
10月 - 厚生労働省が「ノルレボ」の市販化を承認
- 2026年
2月 - 一部薬局・ドラッグストアで「ノルレボ」の販売が開始
【2023/11/29追記】
2023年11月28日より、全国145の薬局で試験販売が開始されました。
【2024/03/04追記】
2024年3月に、来年度もアフターピルの試験販売を継続することが発表されました。
【2025/05/16追記】
2025年4月、全国336の薬局で試験販売が行われています。
2025年5月、あすか製薬から「ノルレボ」の市販化申請が公表されました。
【2025/09/01追記】
2025年8月29日、厚生労働省は「ノルレボ」の薬局での市販化を了承しました。
【2025/10/21追記】
2025年10月20日、厚生労働省は「ノルレボ」の薬局での市販化を承認しました。
【2026/2/17追記】
2026年2月2日、一部薬局やドラッグストアにて、緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」の市販が開始されました。
賛成の声
- 市販化によって、診察に対する心理的・費用的な問題が解決する
- 一刻も早く服用できる
- 病院が遠い地方でも入手しやすい
医師の処方が必要な現状では、アフターピル服用までに多くのハードルがあります。
市販化されれば、医師の診察が不要なため、心理的・費用的(診察料等)なハードルが解消されます。
さらに、近い場所で入手できれば妊娠阻止率が高い時間帯での服用が可能です。
2017年の検討会に伴なって集められたパブリックコメントでは、市販化について賛成320件、反対28件と賛成が圧倒的に多いものでした[6]。
しかし当時の検討会では、産婦人科医から「悪用の可能性がある」「薬剤師の知識が不十分」との意見があり、市販化が見送られました。
【2023/5/15追記】
2023年5月に行われた検討会では、新たに実施されたパブリックコメントにて、市販化について賛成 45,314件、反対412件、賛否不明586件と約98%が賛成意見だったことが発表されました。
一般市民の多くが、アフターピルを気軽に入手できる状況を求めていることが分かります。
懸念の声
- 転売の可能性がある
- コンドーム使用率の低下による性感染症リスク拡大の可能性がある
- アフターピル服用後の妊娠への対応が遅れる可能性がある
上記は2021年10月の検討会に伴なって実施された、アフターピルOTC化に関する産婦人科医へのアンケートで集まった意見です。[4]
SNS等での転売、性感染症予防に効果的なコンドーム使用率の低下、万が一妊娠していた場合の対応の遅れへの懸念が特に多くあがりました。
また、市販化されれば他の避妊方法への正しい理解を得るチャンスも失いかねず、今日の性教育が不十分として、市販化は時期尚早との声も。
リスクに対する慎重な姿勢がうかがえます。
一方で、一般女性からは、医師の診察なしでの服用について副作用などへの不安を感じる声もあります。
2023年夏、アフターピルを一部の薬局で試験的に販売へ
厚生労働省は2023年6月の会議で、一定の条件を満たす薬局にて医師の処方せんなしで緊急避妊薬(レボノルゲストレル)を試験的に販売する方針を発表しました。
一定の条件とは、以下の4点です。
試験運用が行われる薬局の条件
- 研修を受けた薬剤師が販売する
- 夜間・土日祝の対応可能
- 個室などがありプライバシーを確保できる
- 近隣の産婦人科などと連携できる
試験的運用は2023年11月下旬から2024年3月までを予定していましたが、現在2025年3月まで継続されることが決まっています。
2023年11月28日、全国145の薬局でアフターピルの試験販売が開始されました。
アフターピルの試験販売は2024年度も継続
2024年3月4日、厚生労働省は、医師の処方箋なしで購入できるアフターピルの試験販売の継続を発表しました。
試験販売を継続する中で、対象薬局の拡大と情報提供内容の見直しが検討されました。
当時は条件を満たす一部の薬局のみで販売されていたため都市部に偏り、購入できる人が限られていることが課題でした。
また、事前連絡やアンケート協力が必要で、性行為について話すことへの抵抗や偏見への不安から購入のハードルが高いという問題もありました。
2025年10月20日緊急避妊薬(アフターピル)の市販化を承認
2025年10月20日、厚生労働省はアフターピル「ノルレボ」の薬局での市販化を承認しました。
同年5月、あすか製薬はアフターピル「ノルレボ」の市販化を厚生労働省に申請したと発表しました。
参議院本会議で「改正医薬品医療機器法」が成立し、薬剤師との対面販売で購入できる「特定要指導医薬品」として、アフターピルが対象となる可能性が注目されていました。
こうした議論を経て、2026年2月にアフターピルの販売が開始されました。
フィットクリニックのアフターピル処方
フィットクリニックでは、アフターピルの外来診療を行っています。 ※オンライン診療は行っておりません
フィットクリニックのアフターピル処方
- 京王線笹塚駅から徒歩2分
- 診察は5分~10分で終了
- 診察後はすぐに院内処方
※17歳以下の方には処方できませんのでご了承ください。
最長120時間有効なエラのほか、試験販売で利用されているレボノルゲストレルも取り扱っております。
| 処方薬の種類 | 価格(税込) | 服用時間 |
|---|---|---|
| レボノルゲストレル(海外製) | 7,700円/2錠 (1回分) |
72時間 以内 |
| エラ(ella) | 8,800円/1錠 (1回分) |
120時間 以内 |
当院のアフターピル外来について、詳しくは以下のページからご確認ください。 アフターピル外来について
アフターピルは市販で購入できる時代へ
長い議論を経て、2026年2月からアフターピルの市販化が開始されました。
すべての店舗で購入できるわけではなく、販売条件を満たした店舗で、薬剤師から購入する必要があります。
アフターピルを薬局で購入したい場合は、必ず事前に対象店舗を確認してください。
フィットクリニック渋谷笹塚院では、外来にてアフターピルの処方を行っています。
リスクのある行為から120時間以内(5日以内)に服用可能なアフターピルも処方しています。
予約不要ですので、お近くでアフターピルの処方をご希望の方は、直接お越しください。
- ご来院の受付時間
- 来院受付時間は診療終了時間の
10分前までとなります。 - 月~土曜:
10:00~13:50 / 15:00~19:50
日曜・祝日:
10:00~13:50 / 15:00~17:50
アフターピルの市販化に関するよくある質問
-
- Q
アフターピルはいつ市販されますか?
- A
2026年2月2日より、一部薬局やドラッグストアにてアフターピルの市販が始まりました。
取り扱い店舗が限られているため、購入の際は事前に対象店舗をご確認ください。
- Q
-
- Q
アフターピルは海外ではどのように扱われていますか?
- A
日本は海外と比較すると“アフターピル後進国”であるといえます。
海外ではアフターピルの価格が安く、国によっては無料処方・配布をしていたり、自販機で購入できるなどとても身近な存在です。[17]
日本では試験販売を除き、医師の処方が必須で、なおかつ高額なので、海外に大きく遅れをとっている状態といえます。
- Q
-
- Q
アフターピルが必要な場合はどうすれば良いでしょうか?
- A
医療機関でアフターピルの処方を受けるか、一部薬局やドラッグストアで購入できる場合があります。当クリニックでは、対面診療にてアフターピルを処方しています。アフターピルは服用までのスピードが重要であるため、予期しない妊娠の可能性が生じた場合には速やかに受診するようにしてください。
- Q
参考資料
[1]第2回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[4]産婦人科における緊急避妊薬処方の現状~緊急避妊薬のOTC化に関する緊急アンケート調査より~(厚生労働省)
[5]第19回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[6]要望された成分のスイッチOTC化の妥当性に係る検討会議結果(案)について(厚生労働省)
[7]Emergency Contraception(WHO)
[9]第20回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[10]第22回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[11]「緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る検討会議での議論」に関する御意見の募集について(e-Govパブリックコメント)
[12]第24回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[14]第25回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚生労働省)
[15]緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課委託事業)|公益社団法人 日本薬剤師会
[16]緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課委託事業)|公益社団法人 日本薬剤師会
[17]「緊急避妊薬に関する海外実態調査 結果概要」(厚生労働省)
第17回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議 資料1-1 再検討の経緯(厚生労働省)
緊急避妊薬のスイッチOTC化について(審査等)(厚生労働省)
緊急避妊薬「ノルレボ」 市販薬としての販売を承認 厚生労働省(Yahoo! JAPANニュース)
緊急避妊薬 ノルレボ|街の薬局・ドラッグストアで買えるアフターピル|第一三共ヘルスケア
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この記事の監修
(はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務