中折れとは、勃起していても挿入中に少しずつしぼんでいってしまう状態を指します。
中折れの改善方法とは?原因や対策を徹底解説
こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。
中折れは性行為時の挿入中に萎えてしぼんでしまう症状です。
幅広い世代に見られる症状で、性行為で満足を得られないだけでなく、パートナーとの関係への影響や、重大な病気のサインの可能性もあるため、放置してはいけない症状です。
このページでは、中折れの原因と改善方法について詳しく解説しています。
どの改善方法が合っているか診断できるYES/NOチャートもありますので、ぜひご活用ください。
中折れとは
中折れとは、性行為時の挿入後に萎えてしまい勃起の維持ができなくなる状態をいいます。
最後まで満足のいく性行為ができない場合もあるため、中折れも治療を必要とするED(勃起不全・勃起障害)の症状の一つと言えます。
しかし、中折れはEDとして認識されにくい、または気付かずにスルーされることがあります。
それは、主に以下の理由があるからです。
- 勃起して挿入できる
- 射精できる場合がある
- 症状がでない時もある
40代以降の中折れの症状は、EDの初期症状であり隠れた疾患のサインの場合もあります。
その他、パートナーとの関係にも影響するため、放置せず適切に対処することをおすすめします。
中折れ以外のEDの初期症状(朝立ちがなくなるなど)については以下で紹介しています。
日本国内の男性の性機能について(最新調査を紹介)
2023年に、日本性機能学会による男性の性機能についての全国調査が25年ぶりに行われました。
中折れ(ED)に関しては、1998年の前回調査(1130万人)より270万人増加し、およそ1400万人(約3人に1人)が症状に悩んでいることが分かりました。
この数値は、日本人男性6,228人(20~79歳)に対して行った調査から、EDの有病率30.9%を割り出し、日本人男性の人口に当てはめ算出されています。
EDの症状を、EHSの硬さのグレード2以下とした場合、表のように30代、40代に比べ、20代の有病率が高いことが分かりました。どちらかといえば50歳代の数に近いことが分かりました。
中折れやEDは人に相談しにくい症状のため、治療に踏み切れない場合が多いようです。
ですが、EDはED治療薬で改善できる症状ですので、お悩みの方は是非ご相談ください。
中折れの原因
中折れは、主に以下の原因が考えられます。
改善への近道は、中折れをEDと認識し、その原因をきちんと知っておくことです。
中折れで特に多い原因について、詳しく見ていきましょう。
心因性ストレス
性行為における強い緊張や不安、過去の失敗やトラウマなどの心因性ストレスにより中折れが起こることがあります。
体にストレスがかかると自律神経のバランスが崩れ、神経が高ぶり勃起が維持できなくなります。
中でも多いのは過去の失敗経験による性行為への不安です。
「また失敗してしまったらどうしよう」
「相手をがっかりさせているのではないか」
「不慣れで緊張する」
失敗したくないため不安になり、自分で解決しようとしてうまくいかずに、同じことを繰り返してしまう負のループに入るパターンがあるようです。
特に若年層の20代・30代でこのケースが多く見られ、中折れの他に早漏など他の勃起障害を併発する場合があります。
早漏を併発する場合がある
海外の研究によると、中折れおよびEDの症状のある男性の3人に1人は早漏を併発しているという報告がされています。
中折れと早漏の併発は、不安・抑うつ症の増加などと関連性が高くなります。
途中で萎える前に射精をしなければと考える不安や緊張から、交感神経が優位に働くことで早漏の症状に繋がります。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、中折れのリスクを高めます。
バランスの悪い食事や運動・睡眠不足、喫煙など、乱れた生活習慣の蓄積で血流の悪化を起こす高血圧症や糖尿病などの生活習慣病に繋がる恐れがあります。
生活習慣病により動脈硬化が起こり始めると、陰茎にある細かな血管まで勃起に必要な血液が届かなくなるため、勃起の維持が難しくなります。
つまり生活習慣病は中折れのきっかけになる症状です。
さらに動脈硬化が進行すると脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクも高まります。
その他、慢性的に寝不足が続くとテストステロンの分泌が低下し、中折れ発症のリスクとなります。
今後の人生のためにも、中折れを他の疾患の予兆と捉え、生活習慣の改善を行いましょう。
加齢
加齢による勃起への主な影響は以下のものです。
- テストステロン(男性ホルモン)の減少による性欲減退
- 血管の硬化による陰茎への血流減少
- その他勃起障害リスクの増加
生活習慣は自分で改善できますが、加齢は誰しもが避けては通れないものです。
特に、40代以降はテストステロンの分泌が減少し男性機能が低下していく年代です。
男性機能が低下することで、性欲や勃起を維持する筋力も低下し中折れが起こるケースが増えてきます。
性欲がなければ異性への興味が薄れ、性的興奮が起こらず勃起に繋がりません。
そのため、加齢が原因の中折れの方は、年齢との付き合い方を考えることが非常に重要です。
疾患からの影響
中折れが起こりやすい疾患には以下のものがあります。
- 糖尿病(動脈硬化)
- うつ病(性欲低下・薬剤性)
- 狭心症(勃起障害)
- 高血圧症(動脈硬化)
- 腎臓疾患(勃起障害)
- 神経障害(勃起障害)
- 脳梗塞(動脈硬化)
- 心筋梗塞(動脈硬化)
- 高脂血症(動脈硬化)
- 前立腺肥大症(術後ED)
- 男性更年期障害(性欲低下)
これらの疾患や症状および、治療に使用される薬の副作用により、性行為中に中折れが発症する場合があります。
※症状の個人差により、罹患していても中折れの症状が出ない方もいます。
自分に合った中折れの改善方法診断
中折れを改善するには、自分に合った改善方法に取り組むことが重要です。
場合によっては長期的な体質改善から行った方が良いケースもあります。
下のボタンからどの改善方法が合っているか診断してみましょう。
自分に合う改善方法とは?
まずは予約をするところから始めましょう。
中折れ改善に効果的な食材を取り入れて、目的に合った身体づくりを行いましょう。
生活習慣を整える
生活習慣を整えれば、「ED改善」「生活の質向上」という一石二鳥が期待できます。
今後の人生に目を向けるなら、これを機に生活を見直してみましょう。
具体的に何をしたら良いか、以下で解説します。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血管に大きなダメージを与えます。
血管へのダメージは血流悪化のリスクとなり、中折れの症状となって現れます。
喫煙は中折れだけでなく、がんの発症など様々な疾患リスクも高めるため、禁煙は望ましいと言えます。 ・過度な飲酒は控える
過度な飲酒により酩酊状態になると、中枢神経の働きを鈍らせ性的興奮の伝達がうまくできず、勃起に悪影響を及ぼします。
さらに、海外の研究でアルコール依存症患者の72%がEDを含む性機能障害を発症していることが報告されています。
目安として「ビール中瓶1本程度」「日本酒1合程度」が適正量とされています。 ・睡眠不足の解消
睡眠不足は男性ホルモン(テストステロン)の分泌を低下させます。
若い男性を対象にした試験で、睡眠時間が5時間以下になるとテストステロンの分泌量が10~15%低下することが分かっています。
必要な睡眠時間は年齢や人によって個人差がありますが、質の良い眠りで生活を整えていきましょう(6~8時間が理想)。
Sleep loss lowers testosterone in healthy young men:UChicago Medicine
食生活を変える
普段の食生活を中折れ改善に期待できる食べものに変えてみましょう。
普段の食事で血流良好な身体の基盤を作りつつ、プラスアルファで精力のつく食べ物を食べると良いでしょう。
〇和食を基本とした食事
中折れ改善のためにおすすめなのは、和食を基本とした低カロリーな食事です。
特に魚やキノコ、海藻類などをバランスよく取ってください。
煮汁も摂取できるスープや鍋にして、栄養分を余すところなく食べると良いでしょう。
中折れに良くないとされるのは以下の食べ物が多い食事です。
- 高カロリーな揚げ物など
- 脂質・糖質が多い食べ物
- 塩分が高い味付け
ご自身の身長や体重から、適切な摂取カロリーを確認し食べ過ぎに注意しましょう。
〇血管拡張作用のあるアルギニン
アルギニンは血管拡張作用のある一酸化窒素のもとになるため、勃起の維持が期待できる成分です。
主に以下の食べ物に多く含まれています。
- 肉類
- 魚
- 大豆・大豆製品
- ナッツ
食事の際は脂質を抑えた赤身肉または魚をメインに献立を立て、副菜で豆腐、おやつもアーモンドやくるみなどのナッツ類に変えてみましょう。
適度な筋トレ・運動
「身体を動かすのが好き」
「運動は苦でない」
そんな方は勃起力を高め、血流を改善する運動が効果的です。
以下のおすすめの筋トレ・運動をぜひお試しください。
・PC筋(骨盤底筋)を鍛える
お尻の穴を締めて緩めを繰り返すことで、勃起の力強さを高めることができます。
・スクワット
骨盤底筋に繋がる内転筋(内もも)を鍛えることで、力強い勃起に繋がります。
・ジョギングまたはランニング
有酸素運動は血流改善や、ストレス解消、肥満防止の脂肪燃焼にも繋がります。
サプリを飲む
「栄養まで気を配る余裕がない」
「ED治療薬に頼らない改善をしたい」
そんな方は中折れ改善をサポートするサプリを試してみてはいかがでしょうか。
今回は3つご紹介いたします。
亜鉛は男性ホルモンの分泌に関わるため、不足すると精力や勃起力の低下に繋がります。
その他にも精液量や精神面に影響するなど、男性に必要な栄養の1つです。
シトルリン
シトルリンは、勃起の過程で使われる一酸化窒素を増産し、勃起機能をサポートします。
吸収の過程でアルギニンに変わりますが、直接アルギニンを摂取するよりもシトルリンの状態で摂取した方が吸収率が高いです。
マカ
マカは南米ペルー原産の高山植物です。
球根にはミネラルやアミノ酸など多くの栄養素が含まれ、古代インカの時代から滋養強壮剤として利用されています。
カウンセリングを受ける
性行為に対し重度のトラウマやストレス・精神的苦痛がある場合は、心療内科やED専門のクリニックでカウンセリングを受けましょう。
「カタルシス効果」をご存じでしょうか?
カタルシス効果とは、自分の中のモヤモヤを解放して、心を浄化させることを言います。
モヤモヤしたものを吐き出すだけでもスッキリするので、誰かに話したりメモに書き出したりすることはストレス解消法として有効です。
心の問題は自分だけで克服しようとしても、うまくいかない場合があるものです。
なるべく問題が深刻化する前に吐き出し口を見つけ、早めの対処を心がけてください。
ED治療薬を使う
中折れする場合、最も有効とされるのがED治療薬の使用です。
ED治療薬は、勃起を抑える酵素PDE5の働きを阻害し、勃起をしやすい状態にサポートする薬です。
身体的・精神的な原因に対して効果的です。
ED治療薬には主に以下の3種類があります。
バイアグラ
【有効成分:シルデナフィル】
世界で初めて開発されたED治療薬。
強い勃起力とその知名度から、現在でも多くの人に使われている。
服用後30分~1時間ほどで効果が現れ、4~5時間持続する。
錠剤の他、服用しやすいODフィルムがある。
当院処方のバイアグラ
薬品名 | 用量 | 価格 |
---|---|---|
バイアグラ | 25mg | 1,300円/1錠 |
50mg | 1,600円/1錠 | |
バイアグラジェネリック | 25mg | 270円/1錠 ※お問い合わせください |
50mg | 700円/1錠 | |
100mg | 1,000円/1錠 |
レビトラ
【有効成分:バルデナフィル】
水に溶けやすい性質から、即効性が高く、勃起力はバイアグラより強い。
主な副作用はほてりや頭痛など、バイアグラに比べ食事の影響を受けにくい。
服用後15~30分ほどで効果が現れ、5~8時間持続する。
※現在レビトラは販売終了のため、レビトラジェネリックのみの扱いとなります。
当院処方のレビトラ
薬品名 | 用量 | 価格 |
---|---|---|
レビトラ | 20mg | ※現在生産中止 |
レビトラジェネリック | 10/11mg | 900円/1錠 |
20mg | 1,200円/1錠 |
シアリス
【有効成分:タダラフィル】
ゆっくり水に溶ける性質のため、効果が最長36時間持続する(効果は服用約1時間後に現れ始める)。
そのため、欧米では「ウィークエンドピル」と呼ばれ、ED治療薬のシェアはトップ。
ED治療薬の中で、作用はゆるやかで副作用は少なめ、最も食事の影響を受けにくい。
当院処方のシアリス
薬品名 | 用量 | 価格 |
---|---|---|
シアリス | 10mg | 1,500円/1錠 |
20mg | 1,600円/1錠 | |
シアリスジェネリック | 10/11mg | 700円/1錠 |
20/22mg | 1,200円/1錠 |
ED治療薬の副作用について
ED治療薬の主な副作用は、成分の持つ血管拡張作用に伴う症状です。
- ほてり
- 頭痛
- 鼻づまり
- 胃の痛み
副作用の度合いや症状、出現頻度はそれぞれの治療薬や個人差により違いがあります。
ただし、時間が経過し効果の消失と共に副作用は治まるので、特に心配する必要はありません。
頭痛や胃の痛みなどの症状が辛い場合は、ロキソニンなどの鎮痛剤を併用してください。
もし、持続勃起症(4時間以上勃起が続く症状)や、視覚喪失などの重篤な副作用が出た場合は、すぐにかかりつけの医療機関を受診してください。
まとめ:中折れは放っておかず適切な対処が必要
- 中折れはEDの初期症状の1つ
- 原因として加齢、生活習慣の乱れ、精神的ストレス、疾患の影響がある
- 中折れの症状は放っておかず適切な対処が必要
- 対策しても効果が不十分であればED治療薬を使用
中折れの症状は、人によっては一過性のものとしてスルーされ、EDの初期症状と気が付かない場合があります。
場合により、重大な疾患のサインとして現れることもあるため、放置しないでください。
症状に気が付いた場合は、適切な対策を行うことで改善が可能ですので、身の回りで出来ることを積極的に行いましょう。
それでも、改善に時間がかかる場合や、効果が出なかった時は並行して適切な治療を行う必要があります。
当院でも、専門医によるED治療を行っていますので、症状が気になる場合や、すぐに改善を望む方は是非ご相談ください。
中折れに関するよくある質問
中折れとは、勃起していても挿入中に少しずつしぼんでいってしまう状態を指します。
「EDは生活習慣病の前兆」と言われるほど、勃起の状態は健康状態の指標になっています。
肥満体型は血管に負担をかけやすく、そのまま動脈硬化に繋がってしまうと、陰茎に血液が渡りづらくなってしまい、うまく勃起できなくなります。
それを放置してしまうと脳梗塞や心筋梗塞になってしまうのです。 予防するには、根本的な生活習慣の改善が必要になります。
過度な飲酒は陰茎への神経伝達をしにくくしてしまい勃起不全に繋がります。
喫煙はニコチンが血液に影響を及ぼし、動脈硬化を進める原因になります。
これらを防ぐには、飲みすぎと喫煙を控えるのが一番です。
カロリー量を調整することで、血流などの体質改善に繋がります。
生活習慣に問題がない人は、血行促進作用のあるアルギニンの摂取がおすすめです。
肉や大豆製品のほか、エビやウナギなどに多く含まれています。
医薬品に抵抗がある方や体質的にED治療薬を使えない方などはサプリを使ってみると良いでしょう。 即効性に期待するならED治療薬がおすすめです。
生活習慣が原因の場合は食事や睡眠時間、飲酒や喫煙の仕方など、1つずつ見直してみてください。
精神的なトラブルの場合は、パートナーや医師への相談など人の力を借りることも大切です。
マッサージによる血流改善も勃起の一助となります。
どちらにしろ、生活の基盤や心の在り方を変えなければいけないので、時間はかかると考えた方が良いです。