ニキビが重症化したらどうすればいい?重症ニキビの原因と治し方を解説

更新日:2025/01/06
ニキビが重症化したらどうすればいい?重症ニキビの原因と治し方を解説

ニキビがひどくなると炎症や痛みが増し、セルフケアでは改善が難しくなることがあります。そのため繰り返しケアしても一向に治らない重症化したニキビは、適切な治療を受けることが大切です。

このページでは、重症ニキビの原因や治療法に加え、皮膚科の保険診療で改善しない場合の選択肢まで詳しく解説しています。
重症化したニキビに悩んでいる方や、治療方法に迷っている方は、ぜひ最後までお読みください

重症ニキビの原因

重症ニキビの治し方

重症ニキビとは

重症ニキビとは

重症ニキビは炎症が肌の深部にまで進行し、赤みや腫れが強く、膿やしこりを伴う状態を指します。
「結節性ニキビ」や「膿疱性ニキビ」、「嚢胞性ニキビ」とも呼ばれ、顔だけでなく首や背中など広範囲に及んでしまうこともあります。
また炎症が広がると隣接する複数のニキビが密集し、あたかも一体化しているように見えることもあるのが特徴です。

このような重症ニキビを放置してしまうと、クレーター状(凹凸)のニキビ跡や色素沈着、さらにはケロイド状の盛り上がりが肌に残ってしまうことがあります。
一度残った跡を完全に消すのは難しいため、「ただのニキビ」と軽視せず、できるだけ早期に適切な治療を受けることがポイントです。

ニキビの重症度の判定基準

ニキビの重症度は、顔(片顔)における炎症性ニキビの数を判定基準として4段階に分類されます。

重症度 炎症性ニキビの数(片顔)
軽症 5個以下
中等症 6〜20個以下
重症 21〜50個以下
最重症 51個以上

現時点でニキビの数が少なくても、適切なケアと治療を怠るとさらに数が増える可能性や、炎症が悪化するリスクがあります。
早めに肌の状態を確認し、将来の肌トラブルを未然に防ぎましょう。

重症ニキビの原因

重症ニキビの原因

重症ニキビは、炎症が肌の深い層である真皮層にまで進行することで発生します。
初めに毛穴が皮脂や角質で詰まると、毛穴内部でアクネ菌が増殖し炎症がはじまります。
この段階では、まだ軽度のニキビにとどまることが一般的です。

しかし炎症が深部に及ぶと、毛穴周辺で慢性的な炎症が続くようになり、この過程で正常な皮膚の修復機能が阻害され、毛穴の環境が変化・悪化します。
その結果、皮脂が過剰に分泌されて毛穴がより詰まりやすくなり、アクネ菌が増殖する条件が整ってしまいます。
この「炎症→皮脂の詰まり・アクネ菌繁殖→慢性的な炎症」という悪循環が繰り返されることでニキビはひどくなっていきます。

重症ニキビを発症しやすい人

重症ニキビは、どの年齢層の方でも発症しますが、できやすい人には特徴があります。
以下が年代別に重症ニキビを発症しやすい人の特徴と理由です。

【重症ニキビを発症しやすい人の特徴と理由】

◾️10代:成長期の影響

成長期に活発化する男性ホルモン(アンドロゲン)が皮脂の分泌を増加させ、毛穴詰まりが起きやすくなります。またストレスや不規則な生活が炎症を悪化させ、重症化しやすくなります。

◾️20代~30代:乾燥しやすい肌

ホルモンバランスは安定しますが、肌の乾燥が進みやすい年代です。乾燥によるバリア機能の低下やストレスが、大人ニキビを重症化させることがあります。

◾️40代以降:ホルモンバランスの乱れ

男性ホルモンの相対的な増加や更年期によるホルモンの変動が原因で、皮脂分泌が増え、重症化ニキビを引き起こすことがあります。

重症ニキビは、ホルモンバランスの影響を受けやすいです。
それぞれのライフステージで肌に起こりやすい変化を理解することが、重症化のリスクを減らすきっかけになります。

重症ニキビが皮膚科の保険診療や市販薬で改善しない場合

ニキビ治療には、薬局などの市販薬や皮膚科の保険診療の治療薬といった選択肢があります。
それぞれの特徴を確認してみましょう。

【薬局の市販薬と皮膚科の治療薬の特徴】

◾️薬局などの市販薬

  • 成分:抗炎症作用、殺菌作用
  • 適応:非炎症性ニキビ(白ニキビ、黒ニキビ)が中心
  • デメリット:症状に適していない薬を使用するリスク

◾️皮膚科の保険診療の治療薬

  • 成分:毛穴詰まりや炎症を抑える作用、アクネ菌の増殖を抑制する作用
  • 適応:非炎症性ニキビと炎症性ニキビ(赤ニキビ、黄ニキビ、紫二キビ)
  • デメリット:市販薬よりも強い副作用が出るリスク

市販薬や保険診療で使用できる薬には限りがあり、重症化したニキビには十分な効果が得られないこともあります。
肌トラブルの改善を感じられないようであれば、自由診療を検討してみるのもひとつです。
自由診療では保険診療で使用できない治療薬も選択肢に含まれるため、これまでの治療で改善が見られなかった重症ニキビにも効果的にアプローチできる可能性が高まります。

重症ニキビの治し方

重症ニキビの治し方

重症ニキビの治し方は、内服薬と外用薬を組み合わせて使用することが一般的です。

【ニキビ治療の内服薬と外用薬の特徴】

◾️内服薬

  • 重症ニキビには主に抗生物質を使用
  • 効果:体内からアクネ菌の増殖を抑えて炎症を軽減
  • 注意点:耐性菌のリスクがあるため用法用量を守る

◾️外用薬

  • 外用薬は肌表面から直接的にニキビに作用
  • 効果:炎症の抑制、毛穴の角質を除去
  • 特徴:耐性菌のリスクが低い外用薬もあり、寛解維持期(再燃・再発を防ぐ時期)の治療にも適する

これらの治療薬にはさまざまな種類があるため、肌の状態に合わせた適切な治療薬を使用することで、症状の改善や新たなニキビの発生を抑えることができます。
早期に治療をはじめることで、肌への負担を最小限に抑えられます。

イソトレチノイン

イソトレチノイン

イソトレチノインは、これまで様々な市販薬や皮膚科の保険診療の内服薬や外用薬を使用しても改善されなかった重症ニキビに高い効果が認められている治療薬です。
日本では未承認薬ですが、欧米などでは40年以上にわたり重症化したニキビ治療の選択肢として使用されています。

【イソトレチノインの特徴】

  • 皮脂腺を縮小させて皮脂の分泌量を抑える
  • 毛穴の詰まりを防ぎ、アクネ菌の増殖を抑える
  • ニキビの悪化と新しいニキビの発症を防ぐ
  • 治療後もニキビができにくい状態を維持する

重度ニキビに高い効果が期待できるイソトレチノインですが、副作用のリスクも伴います。
治療は必ず医師の管理下で行い、体重に基づいて決められた投与量や治療計画に沿って慎重に進めることで安全な使用が可能です。

イソトレチノインの詳細

重症ニキビを発生させない予防方法

重症ニキビを発生させない予防方法

生活習慣の改善やスキンケアで重症化してしまったニキビを短期的に早く治すことは難しいです。
しかし、重症ニキビの治療と並行して、新しい重症ニキビの発症を防ぐためには、以下のことも意識してみてください。

【重症ニキビの予防方法】

  • 生活習慣の改善(食事や睡眠、運動やストレスなど)
  • 自分の年齢や肌質、季節にあったスキンケア(化粧水や洗顔など)

こうした日常的なケアの積み重ねは、肌のターンオーバーを正常化させ、皮脂の過剰分泌を抑えることにつながります。

また、数個のニキビだからと油断せず、初期段階(白ニキビや黒ニキビ)のうちに医療機関に相談することでニキビがひどくなるのを未然に防ぐことが可能です。

まとめ:重症ニキビを治すには医療機関を早期に受診

重症ニキビは炎症が肌の深い層にまで到達し、ひどくなるとニキビ跡などの後遺症が残ってしまうこともあります。こうした肌へのダメージは一度発生すると完全に改善するのが難しいです。ニキビがひどくなってしまう前に医療機関に受診し、適切な治療とケアを実践することが大切です。

重症ニキビのよくある質問

  • Q
    重症のニキビはどうやって治しますか?
    A
    重症のニキビには、医療機関で処方される内服薬や外用薬を使用した治療が一般的です。
    皮膚科の保険診療では抗生物質が中心ですが、それでも改善されない場合には、通常の保険診療では扱われない治療も選択できる自由診療を検討するのもひとつです。
  • Q
    ニキビの最重症の基準はどうやって決まりますか?
    A
    最重症のニキビは、片顔に51個以上の炎症性ニキビがある状態を指します。
    顔を覆うほどのニキビができている状態で、ニキビ跡やクレーターなどが残るリスクも高まるので早めに医療機関に受診することを強くおすすめします。
  • Q
    ニキビの数以外でひどいニキビの見分ける方法はありますか?
    A
    ひどいニキビは数だけでなく、色によっても判断できます。

    【色によるニキビの進行度】

    ◾️非炎症性ニキビ(軽症)

    マイクロコメド→白ニキビ→黒ニキビ

    ◾️炎症性ニキビ(中等症〜重症)

    赤ニキビ→黄ニキビ→紫ニキビ

    炎症が進むほど色が変化していき、それに伴い炎症や化膿といった症状がみられます。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示 ・FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
・胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
・妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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