「このニキビ、放っておいて大丈夫?」と感じたら、それは皮膚科に行くべきかもしれません。
ニキビは日本人の90%以上が経験するありふれた皮膚疾患ですが、放置すると悪化して治りにくい跡として残ることもあります。特に繰り返すニキビや炎症が強いニキビは、セルフケアだけでは改善が難しいことが少なくありません。
本記事では、皮膚科を受診するべきタイミングやニキビの状態について詳しく解説し、皮膚科と美容皮膚科の違いについてもご紹介します。
適切な治療で、ニキビの悩みを根本から解決しましょう。
ニキビができたら皮膚科に行くべき?
ニキビができたら、早めに皮膚科を受診することを推奨します。
皮膚科では専門の医師が診察を行い、原因や症状に合わせて自分のニキビの状態にあった治療を提案してくれます。ニキビの原因は人それぞれで、ホルモンバランスや生活習慣の乱れ、炎症によるものなどさまざまです。
自己判断でケアを続けても改善しない場合や悪化することがあるため、専門の医師に相談することで早く治す近道になります。また、たとえ一つの小さなニキビでも、「跡を残したくない」と思うなら早めの治療が欠かせません。
早期に対処すれば、悪化を防いでニキビ跡が残りにくくなり、その後も新しいニキビができにくくなるからです。
特に、炎症が進んだニキビを放置すると、色素沈着や肌に凹凸ができることもあります。
軽い症状だからといって放っておくと治りづらくなることもあるため、気になったタイミングで積極的に皮膚科にかかることを推奨します。
どのタイミングで皮膚科に行くべきか
ニキビができたら、以下のタイミングで皮膚科を受診を検討してみてください。
- 市販薬を使っても改善しない
- 赤みや痛み、化膿などの症状が強くなっている
- 繰り返し同じ場所にニキビができる
- 複数のニキビが一度にできる
- 「ニキビ跡を残したくない」「悪化を防ぎたい」と思った
初期のニキビであれば、市販薬やセルフケアで様子を見ることも1つの選択肢です。
しかし、改善しない場合や症状が悪化した場合には、できるだけ早めに皮膚科を受診することが大切です。
ニキビ跡や悪化のリスクを最小限に抑えるためにも、症状の重さに関わらず適切なタイミングで皮膚科に受診しましょう。
繰り返すニキビ・重症ニキビは受診を推奨
ニキビを何度も同じ場所に繰り返したり、顔全体に炎症が広がる重症ニキビは、早めに皮膚科を受診することが推奨されます。
繰り返すニキビは毛穴に詰まった角質が原因で再発しやすく、自己流のケアでは改善が難しいことがあります。
また重症ニキビは、炎症に伴い痛みや赤み、化膿といった症状が強く出てしまい、その見た目からQOL(生活の質)を低下させてしまうこともあります。
こうした炎症性ニキビ(赤・黄・紫ニキビ)は時間が経つほど、ニキビ跡やクレーター状の凹凸、ケロイド状の盛り上がりが肌に残ってしまうリスクも高いです。
繰り返したり悪化したニキビは自然に治ることが少ないため、自己判断せず皮膚科で適切な治療を受けることが将来の肌の健康を守ることにつながります。
症状によっては市販薬やセルフケアで様子を見ても問題ない
ニキビの症状によっては、市販薬やセルフケアで改善することもあります。
- 白ニキビ(コメド):毛穴に皮脂が詰まって白くポツンと盛り上がって見える状態
- 黒ニキビ:白ニキビの毛穴が開き、詰まった皮脂が酸化して黒く見える状態
これらはニキビの初期段階で、非炎症性ニキビと呼ばれ、毛穴に皮脂や角質が詰まっている状態です。
ニキビの数も少なく、炎症を起こしていないようであれば、市販薬の成分や正しいスキンケアを行うだけでも十分な効果が期待できます。
ただし、過度なケアや誤った方法を続けると肌のバリア機能が低下し、かえって炎症を起こす引き金になってしまうこともあります。
セルフケアに不安があったり、症状の改善がみられないようであれば、迷わず医療機関を受診するようにしてください。
皮膚科と美容皮膚科、どちらを選ぶべき?
ニキビ治療を検討する際、皮膚科と美容皮膚科のどちらを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。
- 皮膚科:現在できているニキビの症状改善を目的とした治療
- 美容皮膚科:根本治療とニキビ跡治療
皮膚科は保険適用のため、保険診療でカバーできる範囲での治療が受けられます。
一方、美容皮膚科は自由診療となるため、日本では未承認の治療法や医療機器を用いたアプローチが可能です。
ニキビの状態や目指している目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
以下で、それぞれの治療内容について詳しく見ていきましょう。
皮膚科で受けられるニキビ治療
皮膚科で受けられるニキビ治療の特徴は以下の通りです。
■治療内容:
- 外用薬
- 内服薬
- 院内施術(面ぽう圧出など)
■治療目的:
ニキビの症状を改善し、再発を防ぐこと
■メリット:
保険の範囲内となるため治療内容は限られるものの、その分治療にかかる費用を抑えられる
■デメリット:
対症療法となるため、ニキビ跡の改善や根本的な肌質改善を目指す場合には十分でない場合が少なくない
皮膚科での治療は、できるだけ費用を抑えつつ、今あるニキビをしっかり治したい方に適しています。
美容皮膚科で受けられるニキビ治療
美容皮膚科で受けられるニキビ治療の特徴は以下の通りです。
■治療内容:
- 皮膚科の治療
- 院内施術(ケミカルピーリング、イオン導入、RF(高周波))
- 重度ニキビに高い効果が期待できるイソトレチノインなどの内服薬
■治療目的:
今あるニキビの改善にとどまらず、肌質そのものの改善やニキビ跡のケアなど、幅広い肌の悩みの改善を目指せる
■メリット:
国内外のさまざまな治療法を用いて、一人ひとりの肌の状態や悩みに合わせた治療提案が受けられる
■デメリット:
自由診療となるため費用は全額自己負担
美容皮膚科での治療は、中長期的なニキビ予防のための肌質改善も含めて、トータルで美しい肌を目指したい方に適しています。
皮膚科に行っても治らない場合は美容皮膚科(自由診療)
皮膚科では抗菌剤の内服薬や外用薬を使用した治療が基本です。
しかし、これらの薬はすべての方に合うわけではなく、長期間続けても症状が改善しないことがあります。
薬が肌に合わず赤みや乾燥が悪化してしまうケースや、治療を続けても繰り返しニキビができてしまうケースも考えられます。
また治療期間が長引くことで耐性菌(薬が効きにくい菌)が増え、十分な治療効果が得られないこともあります。
このような場合、美容皮膚科(自由診療)を検討することで新たな治療の可能性が広がります。
皮膚科とは異なるアプローチにより、症状の改善が見込めるだけでなく、再発しにくい肌へと導くことも期待できます。
まとめ:自分の目的に合わせて皮膚科と美容皮膚科を選びましょう
ニキビは症状が軽くても、放置すると悪化したり跡が残ることがあります。
特に繰り返しできるニキビや炎症が強いニキビは、自己判断せず早めに医療機関を受診することが大切です。
皮膚科では、症状に合わせた適切な治療が受けられ、早い段階で対処すれば悪化を防ぎ、跡も残りにくくなります。
一方で、重症ニキビや繰り返しできるニキビ、さらにニキビ跡などが気になる場合には、美容皮膚科(自由診療)を検討するのも1つの方法です。
大切なのは、症状の軽い・重いにかかわらず、気になったタイミングで早めに医療機関に相談することです。
ニキビの悩みを放置せず、きれいな肌を目指していきましょう。
ニキビ皮膚科行くべきかのよくある質問
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- Q
ニキビは病院に行った方がいいですか?
- A
ニキビが気になる場合には、積極的に病院に受診するのがおすすめです。
症状に合わせて適切な薬を処方してもらえるため、市販薬で改善しないニキビや炎症が強いニキビにも効果的です。
悪化するとニキビ跡やクレーターなどのリスクも高まるので、肌トラブルを増やさないためにも早めに相談してみてください。
- Q
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- Q
皮膚科でニキビの診察を受ける時はなんていえばいいですか?
- A
皮膚科でニキビの診察を受ける際は、自分の症状や治療の目的を伝えることが大切です。
「ニキビがどのくらい続いているか」「炎症があるか」「繰り返しできてしまうのか」など、具体的な肌の状態を伝えましょう。
また、根本的に治したいのか、今ある症状を抑えたいのか、希望する治療の方向性も伝えるとスムーズです。
なお、診察時には身体全体の健康状態や他の治療中の病気、服用中の薬がある場合、それらの情報も共有しましょう。
医師が安全に治療を進めるためにも、わかる範囲で正確な情報を伝えるよう心がけてください。
- Q
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- Q
ニキビで皮膚科を受診するのは大げさですか?
- A
ニキビで皮膚科を受診するのは、決して大げさではありません。
日本では皮膚疾患としての認識が十分に浸透しておらず、実際に90%の方がニキビを経験するにもかかわらず、医療機関に受診するのはわずか10%とも言われています。
しかし最近では美意識が高まりやスキンケアへの関心が強くなっているので、ニキビ治療のために皮膚科を受診する方も少しずつ増えてきています。
- Q
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- Q
中学生・高校生の思春期のニキビは皮膚科に行くべきですか?
- A
中学生や高校生に多い思春期ニキビも、皮膚科を受診することをおすすめします。
思春期は、学校生活や部活動、受験勉強など、なにかと忙しい時期です。
そんな中でニキビの悩みが重なると、人間関係や自己肯定感にも影響し、心の負担が大きくなることがあります。
また放置すると悪化してしまい、将来にわたってニキビ跡やクレーターが残るリスクも高まります。
心と体の健康を守るためにも、できるだけ早い段階で皮膚科を受診し、適切な治療を受けることで前向きな日々を過ごすことができます。
- Q
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- Q
20代以上の大人になってからのニキビは皮膚科に行くべきですか?
- A
20代以上の大人でも、ストレスや生活習慣の乱れ、乾燥肌などが原因でニキビができやすくなります。
自己流のスキンケアや肌に合っていない化粧品を使うと、かえって悪化することもあるため注意が必要です。
大人ニキビは症状が長引きやすい傾向にあるため、早めに皮膚科で医師に相談することが改善への近道となります。
- Q
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- Q
ニキビが再発しないようにすることはできますか?
- A
ニキビの再発を防ぐためには、規則正しい生活習慣と自分に合ったスキンケアが欠かせません。
バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理を意識し、肌に負担をかけないケアを心がけることが大切です。
また、繰り返すニキビにはイソトレチノインという治療薬が効果的とされています。
イソトレチノインは、体重に合わせた適切な量と服用期間を守ることで効果を最大限に発揮します。
一般的に体重1kgあたり合計120~150mgを服用することで、再発のリスクが低くなるとされています。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
イソトレチノインについて | |
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未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
・FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。 ・胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。 ・妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。 |
医薬品副作用被害救済制度について |
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |