AGA治療で処方される機会の多いプロペシア(フィナステリド)の服用で、脱毛量が増えることがあります。
「治療しているのに抜け毛が増える・・・」
矛盾しているように思えますが、これは健康な髪に生まれ変わる過程での「初期脱毛」と呼ばれる現象です。
このページでは初期脱毛が起こる仕組みや、どのくらい抜け落ちるのか脱毛量についても詳しく解説しています。
これから、または既にプロペシア(フィナステリド)を服用中の人も、今後の治療の参考にしてください。
初期脱毛はヘアサイクルが正常に戻る過程で起こる
初期脱毛は「休止期脱毛」と呼ばれる脱毛の一種で、新しい髪の成長にともなって古い髪が押し上げられるようにして自然に脱毛する現象です。
毛髪は毎日のように抜けては生えてを繰り返していて、その髪1本1本にはヘアサイクルが備わっています。
●ヘアサイクルの図解

このようにヘアサイクルは大きく3つの段階に分けられます。
ポイント
- 1サイクルは約2〜6年かけて1周する(個人差あり)
- 抜ける時期にあたる休止期の割合は毛髪全体の5〜10%
- 休止期の割合が多いほど抜け毛量は一時的に増加する
- ヘアサイクルには寿命がある
- 健康なヘアサイクルなら生涯で15〜20回
- AGAになると1サイクルの寿命が1年未満にまで短くなる
- 寿命(ヘアサイクルの上限)を迎えてしまった毛根からは髪が生えなくなる
プロペシア(フィナステリド)による初期脱毛はこの休止期における「生え変わりの時期」とも言え、誰にでも起こる正常な現象なので心配はありません。
一方、治療を行わずにAGAによってヘアサイクルが早く回転すると、15〜20回のサイクルが本来よりも早く終わってしまい、あっという間に毛根が寿命によって死滅してしまいます。
死滅した毛根からは髪は生えなくなるため、普段よりも明らかに抜け毛の量が増えているのであれば赤信号です。
プロペシア(フィナステリド)の初期脱毛について
AGA(男性型脱毛症)の治療に用いるプロペシア(フィナステリド)は、ヘアサイクルを乱す原因とされる男性ホルモン(DHT=ジヒドロテストステロン)を抑える薬です。
初期脱毛とは、服用をしばらく続けて薬が効いている場合、ヘアサイクルが正常に戻っていくにつれて一時的に抜け毛が増える現象です。
はじめは「薬を飲んでいるのに抜け毛が増える」と不安になるかもしれません。
しかし、初期脱毛によって弱く細い髪が新しい強く健康な髪に生え変わっているサインでもあるので良い兆候と考えることができます。
ただわかってはいても、大切な髪が抜け落ちていくのは気持ち的にも葛藤があるものです。
治療する上で不安に押し負けてしまわないためにも、プロペシアによる初期脱毛のメカニズムについて詳しく紹介します。
初期脱毛で抜ける脱毛量
成人男性の1日の髪の脱毛量は、50〜100本あたりが正常とされています。
しかしプロペシア(フィナステリド)を服用していると、200本あるいは多い日だと300本ほど抜ける時もあります。
一般的な脱毛量にくらべて2〜3倍ほど抜け落ちるので、驚く人がいるのは無理もないことです。
これはヘアサイクルの乱れによって休止期(抜ける時期)の髪の割合が増えているためで、新しい髪が生える過程で必要な現象です。
ただ、休止期にある髪が少ない人であれば、初期脱毛が気にならない、また気づかないレベルというケースもあります。
日によって、または休止期の割合によっても脱毛量は変化するので、1日ごとにチェックするのはあまりおすすめできません。
そのため、プロペシア(フィナステリド)を服用する際は、初期脱毛によって一時的に抜け毛が増えると割り切って服用をスタートすると良いでしょう。
初期脱毛が起こらない人もいる
プロペシア(フィナステリド)を服用しても、例外として初期脱毛が起こらない人もいます。
- 成長期にある髪が多かった
- もともとの毛量が多い
- AGAの初期段階
このような人は初期脱毛があったとしても、気づけない程度のレベルで脱毛している人もいます。
ここで注意しておきたいのが、「初期脱毛がない=効果がない」と考えてしまうことです。
毛量や症状の程度、治療開始時期、ヘアサイクルの割合などから、初期脱毛が起きるかは個人差が生じます。
このように人によって例外もあるため、抜け毛が増えないからといってプロペシア(フィナステリド)が効いていないとは限りません。
不安を感じないためにも初期脱毛を効果の目安にするのではなく、6ヶ月程度継続した時点での毛髪の変化で判断するようにしましょう。
女性の初期脱毛
女性の薄毛として、FAGA(女性型脱毛症)の治療中にも初期脱毛がみられることがあります。
ただ女性の場合、プロペシア(フィナステリド)によるものではありません。
そもそもプロペシア(フィナステリド)は、女性の薄毛への効果がないばかりか、胎児や乳児への影響からも服用は禁止です。
女性の薄毛治療には、その代わりとなる「スピロノラクトン」という薬を服用します。
同じように原因となる男性ホルモンを抑えることでヘアサイクルが変化するので、人によっては服用中に初期脱毛を起こすこともあります。
男女に限らず髪が抜けては生えてを繰り返す組織である以上、薄毛治療において初期脱毛はよくあるものと思っておきましょう。
初期脱毛が起こる期間
プロペシア(フィナステリド)による初期脱毛が起こる期間についてですが、服用した時のヘアサイクルの時期によっても個人差があります。
通常
⇨ 服用開始から1〜3ヶ月
早く起こる場合
⇨ 服用開始から1週間程度
いずれもプロペシアが身体に馴染んできたころに起こりやすい傾向です。
服用をはじめてからの抜け毛については多くの場合が初期脱毛であると考えられます。
また、初期脱毛は1回だけとは限らず、人によっては2回目を経験する人もいます。
2回目は服用開始から6ヶ月〜1年くらいに起こるとされ、1回目の初期脱毛によって生えてきた髪の成長が未熟であったため、さらに太く・丈夫な髪になろうと生え変わるためという理由です。
つまりAGAが悪化したというわけではなく、むしろ髪がより健康に向かっているポジティブサインです。
このタイミングで不安から服用をやめてしまうと元の薄毛に戻ってしまうので、根気強く服用を続けてみてください。
初期脱毛中の間は脱毛を気にしすぎない
初期脱毛はヘアサイクルを正常に戻し薄毛を改善するためには必要な脱毛とも言えます。
気になってしまうかもしれませんが、神経質になってしまうのは髪にもメンタルにも決して良い影響を与えません。
- 髪やその周辺を必要以上に触ってしまい頭皮が傷つく
- 本来抜けない髪も抜いてしまう
こうした行為からヘアトラブルを起こすこともあるので、毎日のシャンプー時も爪を立てゴシゴシ洗うのではなく、指の腹でやさしく洗い上げるようにします。
初期脱毛中はセンシティブになりがちですが、そこを乗り越えてしまえば薄毛改善に近づきます。
一時的なことと割り切って、必要以上に髪を触らないようにしましょう。
初期脱毛が終わらないときは
初期脱毛は、長くとも3ヶ月程度で終わります。
もし3ヶ月以上経っても抜け毛が治らないようであれば、次のようなことが考えられます。
- プロペシア(フィナステリド)が効いていない
- AGA以外の脱毛症の可能性
プロペシア(フィナステリド)は、国内での臨床試験で3年間服用した人の98%に何かしらの改善効果があったとのデータがプロペシアを販売するORGANON社より発表されています。
ただしこの試験は20歳以上50歳以下の心身ともに健康な男性が対象となっており、健康状態や体質、年齢によっては、残念ながら効果が期待できない人もわずかにいます。
プロペシア(フィナステリド)で効果が出ない場合でも、他の発毛薬との併用や、別のAGA治療薬に切り替えて結果が出ることもあります。
また、抜け毛を起こす病気はAGA以外にも、円形脱毛症や病気に付随して脱毛(甲状腺疾患、膠原病など)を起こすものもあります。
プロペシアはAGA以外に効果がないので、服用を続けたとしても薄毛改善効果は期待できません。
こうした可能性もゼロではないため、初期脱毛が治らない時には処方した医師に相談しましょう。
改めて治療方針を見直したり、必要とあれば治療薬の変更を検討してみてください。
初期脱毛はプロペシアではなくミノキシジルで起こる?
最近のAGA治療ではプロペシアとミノキシジルを治療中に併用するのがスタンダードとなっています。
そのため、併用して治療している人では、どちらで初期脱毛が起こっているかわかりません。
プロペシア
⇨ ヘアサイクルが休止期→成長期の移行にともなって起こる
ミノキシジル
⇨ 発毛効果によって古い髪が押し上げられて起こる
どちらの薬も初期脱毛を起こす可能性があるものの、それを比較したデータはありません。
つまりどちらの薬によって初期脱毛を起こしているとは一概に言えず、どちらにも起こりうると考えておくのが無難です。
初期脱毛チェックシート
「これって初期脱毛?」と気になる人のために、初期脱毛チェックシートを用意しました。
今起きている抜け毛が初期脱毛なのか、または別の病気による脱毛なのか、セルフチェックに役立ててみてください。
初期脱毛チェックシート
・直近1〜2ヶ月からプロペシアの服用をはじめた | |
・かゆいや炎症、赤みなどの頭皮トラブルはない | |
・抜けたところから産毛のような毛が生えはじめている | |
・急激なまとまった脱毛ではない | |
・AGA以外は心身ともに健康 |
「服用のタイミング」「頭皮・髪トラブル」以外にも、「脱毛スピード」「一度にどれだけの量が抜けているのか」もチェックポイントになります。
初期脱毛は休止期にある髪が徐々に抜け落ちていきますが、急激にまとまって抜けていると別の脱毛症の可能性もあるので要注意です。
プロペシア(フィナステリド)について
プロペシア(フィナステリド)は、60カ国以上で処方されている世界的にもポピュラーなAGA治療薬になります。
●フィットクリニックのプロペシア(フィナステリド)
製品 | 1ヵ月分 | 2ヵ月目以降 |
---|---|---|
フィナステリド1/1.3mg (海外製) |
1,500円 (初回限定) |
3,000円 |
プロペシア (ORGANON製) |
9,000円 |
国内の治療ガイドラインでも推奨度はもっとも高い「A※行うよう強く勧める」と評価され、AGA治療ではまず処方される必須薬のような位置付けとされています。
その治療効果も高く、服用した人の98%はAGAの進行がストップしたことが報告されています。
(ORGANON社サイトより抜粋)
1年服用
改善:58%
維持:40%
進行:2%
2年服用
改善:68%
維持:31%
進行:1%
3年服用
改善:78%
維持:20%
進行:2%
ここで注目したいポイントは、「改善」の割合が年々増加している点です。
これはプロペシア(フィナステリド)が短期の効果しかないのではなく、服用を続けるほど薄毛改善効果が期待でき、長期服用にも適している薬である裏付けと言えます。
このプロペシアはすでに特許を満了しているため、現在はコスパに優れたジェネリック医薬品を選択する患者さんが多くなっています。
AGAは健康保険が適用されない治療であることから、ジェネリックを選択して継続治療を行う人が増えているため、薄毛治療がより身近なものとなっています。
薄毛治療はオンライン診療が来院より便利
フィットクリニックは新しい診療サービスとして、オンライン診療に特化したAGA治療を行っています。
全国どこからでもAGA治療をスタートできるため、アクセス面で治療を断念していた人や、デリケートな悩みによって他人の視線が気になる男性たちからも好評を得ています。
初診から来院の必要なくオンラインでの受診が認められているので、抜け毛が気になったタイミングですぐに相談できる環境が整っています。
⇓
②電話による問診
⇓
③プロペシアの処方(郵送)
スマホ1台で予約から処方までをワンストップで完結させられることで、通院にかかるコストや負担を最小限に抑えられるのがオンライン診療です。
薬の郵送についても最短翌日には手元に届くため、診療翌日からプロペシアの服用をスタートさせることも可能です。
AGA治療は自宅でできる時代になってきており、この機会に髪の悩みはオンライン診療での受診を検討してみてください。
プロペシア(フィナステリド)の初期脱毛についてまとめ
ここまで解説してきたプロペシア(フィナステリド)の初期脱毛についてまとめてお伝えします。
- 初期脱毛はAGAによる抜け毛ではなく、ヘアサイクルの移行にともなう自然脱毛
- 初期脱毛は誰にでも起こる可能性がある
- 初期脱毛が起こらない人もいる
- 初期脱毛は起こりやすいのはプロペシア服用開始1~3か月後が多い
- 初期脱毛を2回経験する人もいる
- 脱毛が3か月以上止まらない場合、プロペシアが効いていない、または別の脱毛症の可能性もある
初期脱毛は、薄毛に悩む人にとっては心配になる状態であることは確かです。
しかし初期脱毛とはAGAによって弱った髪が新しく健康な髪に生まれ変わる前段階のポジティブな兆候です。
この点はプロペシア(フィナステリド)を服用する上で把握しておきましょう。
プロペシア(フィナステリド)は継続がなにより大切な薬です。
初期脱毛の不安から服用を中止したりせずに治療を続けてみてください。
よくある質問
「抜け毛=脱毛症悪化」と思われてしまうかもしれませんが、新しい髪が生え、古い髪が押し上げられるために起こる自然脱毛になります。
また初期脱毛による抜け毛の量については、毛髪全体を占める休止期(抜ける時期)の割合によって変わってきます。
健康な人は5〜10%程度とされていますが、AGAの人はさらに多いと考えられています。
休止期の割合で抜け毛量も左右されるので、多かれ少なかれ個人差があることは覚えておきましょう。
もし3ヶ月以上経っても治らないようであれば、AGA以外の脱毛症や、プロペシア(フィナステリド)との相性が悪く、薄毛が進行しているかもしれません。
それ以上悪化させないためにも、まずは医師にご相談ください。
そうすると本来抜ける時期にない髪が抜けてしまったり、頭皮へのダメージにもなりかねないので、必要以上に髪や頭皮を刺激しないよう注意してください。
毛根にダメージが及んでしまうと髪が発育障害を起こすこともあるので、まずは育毛剤の使用を中止して医師に相談してください。