このページでは妊娠したくない方向けに、女性自らの意思ではじめられる避妊方法について詳しく解説しています。
男性任せのコンドームだけが避妊ではなく、自分の身を守る最良な選択をするための参考にしてみてください。
また、避妊に失敗した緊急時に必要となるアフターピルについても触れているので、万が一の時には服用を検討してみましょう。
アフターピルが必要という方は以下からご予約をお願いいたします。
妊娠したくない人へ!絶対に妊娠しない方法とは
絶対に妊娠しない方法は、禁欲以外にありません。
ただ性行為は子作りを目的とするだけでなく、パートナーへの愛情表現の1つでもあるだけに禁欲は現実的な避妊方法とは言えないでしょう。
どんな避妊具を用いても妊娠してしまう可能性はわずかにあるものの、避妊具の種類や正しい使い方を身につけておけば妊娠のリスクは限りなく抑えられます。
「性行為=妊娠」と考えてしまうのではなく、妊娠しないためにできることをパートナーと考えていくと良いでしょう。
また避妊方法としてポピュラーなのがコンドームですが、その他にも女性の意志ではじめられる避妊方法がいくつもあります。
ここからさまざまな避妊方法をご紹介していくので、自分にあった避妊方法を見つけてみてください。
性行為前にできる効果的な避妊方法4選
性行為前にできる避妊方法としてあげられるのが、表にある4つの方法です。
妊娠の確率(理想的な使用) | 価格 | |
---|---|---|
コンドーム | 15%(8%) | 10個で約700円~ |
低用量ピル | 8%(0.3%) | 1シート約2,200~3,000円 |
IUD(子宮内避妊具) | 0.8%(0.6%) | 約30,000~40,000円 |
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム) | 0.1%(0.1%) | 約40,000~55,000円 |
服用を続けるタイプや数年に渡って避妊効果が続くものまであり、治療費もさまざまです。
もちろんいずれの避妊方法も、使用を中止すれば再び妊娠できます。
そのためご自身のライフプランから、どの避妊方法が理想的か参考にしてみてください。
避妊法①:コンドーム
コンドームは世界的に見ても日本での使用率が高い避妊方法です。
まずはメリット・デメリットについてみてみましょう。
- 特別な知識がいらない
- 入手しやすい(コンビニなどでも購入できる)
- 性感染症の予防になる
- 正しく装着できないと避妊効果は得られない
- アクシデント(ピンホールや行為中に外れるなど)
- 男性の協力が必要
妊娠する確率(理想的な使用):15%(8%)
コンドームはもっとも手に取りやすい避妊具ではありますが、アクシデントが起こりやすいため失敗率はやや高めです。
ただ性感染症の予防にも役立つため、妊娠を望まない性行為であればコンドームの装着は男性のエチケットとも言えます。
またコンドームには使用期限があるため、常に新しいものを使用するに越したことはありません。
よくありがちな財布に保管していたものなどは、古くなってゴムの劣化や摩擦によってアクシデントを招く原因にもなるので注意してください。
なお、コンドームの正しい使用方法は以下の記事を参考にしてください。
避妊法②:低用量ピル
低用量ピルは、毎日決まった時間に服用を続けることで避妊効果を発揮してくれる女性ホルモン剤です。
- 99%以上の高い避妊効果
- 生理日の調整
- 生理トラブルの解消
- 子宮内膜症の予防・治療
- 飲み忘れによる避妊失敗
- マイナートラブルが起こることも(吐き気や頭痛など)
- 血栓症のリスク
- 保険適用外(避妊目的の場合)
妊娠する確率(理想的な使用):8%(0.3%)
低用量ピルは避妊効果にくわえ、生理トラブル(生理痛や貧血、肌荒れなど)にも役立てられることから「ライフデザインドラッグ」とも呼ばれています。
女性の意志ではじめられる安心感があり、女性ができる避妊の中ではもっともポピュラーな方法です。
ただし健康状態などから服用できない人もいるので、まずは産婦人科に相談してみてください。
避妊法③:IUD(子宮内避妊具)
もともとは円形の器具だったため避妊リングや子宮内リングとも呼ばれるIUD(子宮内避妊具)は、T字型の器具を子宮内に装着する避妊具です。
- 一度の装着で避妊効果が長く続く
- 全身に作用しない
- 授乳中でも使用できる
- 長期に避妊することが前提になる避妊方法
- 出産経験がないと装着が難しいことも
- 生理の量が増えることがある
- 医師による装着・除去が必要
妊娠する確率(理想的な使用):0.8%(0.6%)
IUD(子宮内避妊具)は一度装着してしまえば、避妊のために内服したり準備が不要なことからわずらわしさがありません。
そのため長期間の避妊には向いているものの、数ヶ月だけ避妊したい人にとっては不向きな方法です。
こうした特徴からも産後の避妊を考えている人は、IUD(子宮内避妊具)による避妊が特に適していると言えます。
避妊法④:IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)は、黄体ホルモンが放出される特殊な器具を子宮内に装着する避妊方法です。
- 一度の装着で避妊効果が最長5年続く
- もっとも避妊効果が高い方法
- 生理の量が減少する
- 全身に作用しない
- ピルが使用できない人でも装着できる
- 長期に避妊することが前提になる避妊方法
- 装着したては月経以外の出血が増えることがある
- 医師による装着・除去が必要
妊娠する確率(理想的な使用):0.1%(0.1%)
このようにIUSは、IUD(子宮内避妊具)と低用量ピルの良いとこどりのような特徴があります。
避妊効果も非常に高く、避妊目的以外にも、過多月経や更年期のホルモン療法のサポートとしても広く使われています。
合併症や年齢、生活習慣などの理由から低用量ピルが使えない人は、産婦人科に相談してみると良いかもしれません。
効果がない避妊方法5選
避妊方法はさまざまありますが、その中には実は避妊効果がない方法も存在しています。
望まぬ妊娠を避けるためにも、ここからは実践しない方がいい効果のない避妊方法を5つご紹介していきます。
避妊効果なし①:膣洗浄
膣洗浄によって、侵入した精子を外に出すことはできません。
これは膣に入った精子は1分間で2〜3mmのスピードで前身していき、射精後約1〜2時間ほどで卵子がいる卵管までたどり着いてしまうためです。
また無理にかき出そうとすれば膣内を傷つけてしまったり、膣洗浄が原因で雑菌の侵入を許してしまい炎症の原因にもなりかねません。
突然起こる避妊具のトラブルやアクシデントで焦ってしまうかもしれませんが、膣洗浄に避妊効果はなく、むしろ状況を悪化させる可能性もあるので控えるようにしてください。
避妊効果なし②:生理中の性行為
生理中の性行為は、排卵がないから安全日と誤解している人も少なくありません。
しかし性行為に安全日というのはなく、膣に入った精子の寿命は約3日あるとされています。
つまり生理後に生き残った精子が卵子と出会う可能性は十分にあるため、妊娠しない安全日とは言い切ることができません。
また生理中の性行為は妊娠だけでなく、子宮内膜症や性感染症、尿道関連の疾患などのリスクが高まります。
女性にも男性にもリスクがある行為なので、できれば生理中の性行為は控えるようにしたいところです。
避妊効果なし③:コンドーム2枚重ね
コンドームを2枚重ね付けすれば、精子の侵入をより防げると考える人もいます。
しかしコンドームメーカーはそういった使用は勧めておらず、ゴム同士の摩擦が大きくなってしまい破損や脱落の原因につながることがあります。
1枚よりも2枚の方が安心できると思うかもしれません。
しかし1枚でも正しく使えば避妊効果は得られるので、自己流でのコンドームの使用は注意が必要です。
避妊効果なし④:安全日
リズム法(オギノ式)と呼ばれる、排卵日をチェックする方法があります。
これを避妊方法の1つと考えて安全日か危険日かを判断する人がいますが、この方法はあくまでも妊娠しやすいタイミングを「予測」するにとどまります。
排卵日や生理日というのは、その時々の体調によっても変わります。
そのため不確実な方法であり、安全日と思い込んで避妊具なしでの性行為をしてしまうと妊娠する可能性は十分にあり得ます。
避妊効果なし⑤:膣外射精
コンドームを付けると感度が下がるという理由から、膣外射精(外出し)を実践している人もいるでしょう。
しかし精子は、射精時だけに放出される訳ではありません。
いわゆる我慢汁(カウパー液)の中にも少量含まれており、射精時にくらべれば精子量は少ないものの妊娠するには十分な量となっています。
しかも我慢汁は無意識に分泌されるので、コントロールができません。
「中に出さなければ大丈夫」と思っているならそれは大きな間違いであり、お互いに妊娠を望んでいないのであれば性器を直に挿入するのは控えるようにしてください。
おすすめの避妊法は「W」の避妊
避妊はパートナーのどちらか一方が実践するだけでも問題はありませんが、理想的なのはコンドームと低用量ピルを使用したダブルの避妊です。
女性の避妊方法としてポピュラーな低用量ピルは高い避妊効果こそあるものの、性感染症への予防効果はありません。
一方のコンドームは低用量ピルにくらべ避妊率こそ低いものの、ゴムによって性器が直に接触するのを防げるので性感染症予防に対しても有効な手段です。
より確実に避妊するだけでなく性感染症を予防するという意味でも、男性はコンドーム、女性は低用量ピルを用いて、お互いの身体を守れるようにしてみてください。
性行為後にできる避妊方法はアフターピル
もし避妊に失敗してしまった時には、薬で避妊できる最後の手段としてアフターピルを服用するという方法もあります。
コンドームのアクシデント、低用量ピルの飲み忘れ、誤った避妊など、緊急時に服用すれば約99%の確率で妊娠を回避できます。
アフターピルは、有効時間が72時間のものと120時間のものがあります。
フィットクリニックで取り扱っているのは以下の3種類です。
レボノルゲストレル錠(海外製) |
レボノルゲストレル錠(日本製) |
エラ |
|
有効時間(性交後) | 72時間 (3日) |
72時間 (3日) |
120時間 (5日) |
---|---|---|---|
価格 | 7,000円/ 2錠 |
12,000円/ 1錠 |
8,000円 / 1錠 |
なおアフターピルは時間の経過とともに避妊成功率が低下していくので、とにかく早く服用する必要があります。
経過時間別の避妊成功率
アフターピルは性行為後から服用までの時間が早ければ早いほど効果的なため、お急ぎの方はフィットクリニックまでお電話ください。
よくある質問
もし服用2時間以内に嘔吐してしまうと避妊効果が得られない可能性があるので、当クリニックでは不安な方には2回分処方も行っています。
行為中にコンドームが破れてしまうと、我慢汁や精液が膣内に入ってしまっているおそれがあります。妊娠の可能性は捨てきれないので、できるだけ早めにアフターピルの服用を検討してみてください。
ご自身の服用状況にもよりますが、もし不安に感じるようであればアフターピルの服用をおすすめします。
まとめ:正しい避妊法を知って妊娠を防ぎましょう
避妊は誰のためでもなく、自分のために行うことが大切です。
確実に避妊したいのであれば「性行為をしない」というのも1つですが、欲求を抑え込んだり、みすみす幸せな時間を捨ててしまうのは決して良いこととは言えません。
だからこそ正しい避妊法を身につけ、男性はコンドーム、女性なら低用量ピルの服用をそれぞれが実践していきましょう。
また誰にでも失敗はつきものです。
もし避妊に失敗してしまった際に妊娠を望まないのであれば、できるだけ早めにアフターピルの服用を検討してみてください。