このページでは、正しい避妊方法について詳しく解説しています。
いずれも100%近い避妊方法ばかりですが、自分にあった方法を男女それぞれが併用するのが理想的です。
もし妊娠することへの不安を抱えている人は、こちらを参考に今後に役立ててみてください。
また誤った避妊方法についても解説していますので、これまで誤った避妊をしていた方は正しい避妊方法を身につけるきっかけになればと思います。
さまざまな避妊方法とその成功率
子作りのためではない性行為を行う時、いくら避妊をしていても妊娠への不安は完全に拭えるものではありません。
ただ心配しすぎは楽しさも半減するため、パフォーマンス低下にもつながりやすくなります。
避妊と言えばコンドームが代表的かもしれませんが、避妊の方法はそれだけではありません。
ここからは男性だけでなく女性もできる避妊方法をお伝えしつつ、それぞれどのくらいの避妊率があるのか解説していきます。
もし妊娠を心配するなら、まずは性行為前にお互いができる準備をしっかりしていきましょう。
コンドーム
●コンドームの避妊成功率:98%日本では「避妊と言えばコンドーム」のような風潮が強く、世界でも類を見ないほどのコンドーム大国です。
もちろんお互いが妊娠を望まないのであれば装着するのは男性側のエチケットですが、実は思っている以上に避妊率は高くありません。
正しく使えてこの確率のため、実際のところ85% くらいにまで避妊率は下がると考えておきましょう。
避妊率を下げてしまう原因には、ゴムの劣化、ピンホール(穴)、性行為中に破れるなどがあげられます。
ゴムという性質上、使用期限があるだけに、装着前の状態チェックが避妊率を左右することは覚えておいてください。
またコンドームは避妊だけでなく、性感染症予防としての役割も持っています。
感染しない、広げない、お互いの健康を気遣うという意味でもコンドームはきちんと装着しましょう。
IUD(避妊リング・子宮内避妊器具)
●IUDの避妊成功率:99.4%IUD(避妊リング・子宮内避妊器具)は、女性が自らの選択で装着できる避妊具です。
器具に付加された銅が子宮内の環境を変化させたり、精子の動きを抑え、避妊効果を発揮してくれます。
避妊率についても高く、飲み薬とは違って全身に作用しないのがメリットと言えます。
子宮内に装着することで数年にわたり避妊が可能になり、出産経験をお持ちの方や長期の避妊を望む女性に適しています。
また妊娠を望むタイミングで取り外せば、ふたたび妊娠することも可能です。
経口避妊薬(ピル・OC)
●経口避妊薬(ピル・OC)の避妊成功率:99.7%経口避妊薬(ピル・OC)は、毎日の服用によって避妊効果を発揮してくれる飲み薬です。
「ライフデザインドラッグ」とも呼ばれ、女性ホルモンをコントロールすることで月経トラブルの改善にも役立てられています。
経口避妊薬を正しく服用できた場合の避妊率については、次のようになります。
ピルの避妊率はとても高いですが、飲み忘れた場合は避妊率は低下します。
飲み続けることが大切なだけに、お薬を毎日飲む習慣がない方は初めに慣れが必要になるかもしれません。
IUS(子宮内避妊システム)
●IUS(子宮内避妊システム)の避妊成功率:99.9%IUS(子宮内避妊システム)は、経口避妊薬の高い避妊効果とIUDの長期避妊の2つの特徴を兼ね備えた避妊具です。
子宮内に装着し、付加された薬剤(黄体ホルモン)が子宮内膜の増殖を抑えることで避妊効果を発揮してくれます。
また子宮内膜が薄くなるため、経血(生理)量を減らせるというメリットもあります。
IUSの避妊率ですが、理想的な使用と一般的な使用に差がないのが特徴です。
ほぼ100%の確率で避妊でき、ピルのように飲み忘れる心配もないことから、より確実な方法を選択したい方にはおすすめです。
もちろんIUDのように妊娠を望むタイミングで取り外せば、ふたたび妊娠することは可能となっています。
避妊手術
避妊手術とは、これまでお伝えしてきた避妊方法と違い、生殖能力を失わせる目的で行う手術になります。
ただし後戻りが難しいため、パートナーとよく相談の上で慎重に選ぶことが望まれます。
■卵管結紮術(らんかんけっさくじゅつ) ●卵管結紮術の避妊成功率:術後1年で99.5%以上手術名からイメージできるかもしれませんが、卵管を縛ることで卵子と精子が出会って受精卵にならないようにする手術になります。
避妊率について言及しているデータは多くはありませんが、ある文献では次のような結果が得られているようです。
100%避妊できるというわけではありませんが、生涯にわたって避妊効果が続くだけに妊娠を望まないのであれば選択肢に入ってくるでしょう。
また手術の方法によってお腹を切る・切らないの2通りの方法がありますが、いずれも入院が必要になります。
■精管結紮術(せいかんけっさくじゅつ) ●精管結紮術の避妊成功率:99.8%(2,000人に1人の確率)アメリカ泌尿器学会のガイドラインによれば、避妊率は上記のようになっています。
男性は聞いたことがあるかもしれませんが、いわゆる「パイプカット」と呼ばれる手術です。
精子の通り道である精管をカットし、切れ端の両端をそれぞれ糸で縛り、精子が射出されないようにします。
避妊率が100%ではないだけに、定期的に性液検査を受けて確認することが望まれます。
また日帰りで受けることができるため、女性とくらべると比較的簡単な手術と言えるでしょう。
間違った避妊方法
男女ともにさまざまな避妊方法があるにも関わらず、間違った避妊方法によって望まない妊娠を避けられないケースが後を絶ちません。
厚生労働省のデータ(令和2年1月〜12月)によれば、人工中絶件数は次のようになっています。
●人工中絶件数:145,340件人工中絶は心身に大きな負担がかかる施術です。
それだけに正しい方法を身につけるだけでなく、まちがった避妊方法についても知っておく必要があります。
これまで大丈夫と思っていた方法があるかもしれないので、これを機に改めていきましょう。
安全日
安全日は妊娠しづらいとされる時期という意味で使われ、逆に排卵日の付近を危険日なんて呼ぶこともあります。
ただ性行為をする上で安全日というのはなく、妊娠を望まないのであれば避妊なしで性行為できる日は1日もないことは覚えておきましょう。
一度子宮内に侵入した精子の寿命は、最長で1週間とも言われています。
そのため排卵日付近を避けたとしても、精子が生きていれば妊娠する可能性は十分にあります。
いつ避妊するかではなく、いつでも避妊するよう心がけましょう。
膣洗浄
膣内に射精された精子は、すぐに子宮の奥へと進んでいきます。
「膣を洗えば大丈夫」と考える人もいるようですが、中出しした後では手遅れです。
どの器具で洗浄するかも関係なく、トイレのビデ、シャワー、コーラー、etc…、いずれの方法も避妊効果はまったくありません。
むしろ膣炎や性感染症にかかりやすくなったり、洗いすぎによって皮膚が荒れてしまう原因にもなるので控えましょう。
膣外射精
一部の男性たちは「膣内に射精(中出し)しなければ大丈夫」と考えているようですが、膣外射精の避妊効果はあってないようなものです。
精子は射精時だけでなく、カウパー腺液(いわゆる我慢汁)の中にも妊娠するだけの十分な量が含まれています。
精子の生命力は強く、わずかな量でも妊娠する可能性は十分にあります。
また興奮状態の最中に、射精のタイミングをコントロールするのは簡単ではありません。
膣内にわずかな精液を漏らしたり、勢い余って完全に射精することも考えられるだけに、膣外射精もあやまった避妊方法として覚えておいてください。
避妊できていないと思ったらアフターピルを服用
「避妊できていないかも…」と感じたり、正しい避妊を行えなかった時には、緊急の対応方法としてアフターピルという避妊薬もあります。
名前の通り性行為後に服用するタイプのピルになり、万が一膣内射精があったとしても高い避妊効果が期待できます。
ただし1つ注意として、毎回アフターピルを服用すると身体へ負担が大きくなります。
継続的な避妊は低用量ピル、緊急時のみアフターピルと使い分けることが望ましいです。
ここからアフターピルの種類や購入方法について確認していきましょう。
アフターピルの種類
緊急時にのみ服用するアフターピルには、72時間タイプと120時間タイプの2種類があります。
時間は一定の避妊効果が得られるタイムリミットを表しており、どちらも避妊効果は時間とともに低下していきます。
まずは時間経過によって、避妊率がどの程度変わるのか確認してみましょう。
こうしたデータから、72時間を超えても避妊効果はあるものの、63.0%まで下がるので避妊効果は不確実なものになってきます。
そのため服用には以下の2つのポイントが重要です。
- できるだけ早く服用する
- 遅くとも3日以内(72時間以内)
この2つのポイントを抑えておくと、緊急時であってもお薬による避妊効果が期待できます。
ただし表にあるように、72時間を超えて服用しても一定の効果はありますので、どうするのがよいか自己判断せず、医師に相談して下さい。
アフターピルの購入方法
緊急時にすぐアフターピルを服用できるよう、フィットクリニックでは2つの購入方法を設けています。
- フィットクリニックに近い方(渋谷笹塚)
⇨ 院内処方(診察後その場で処方) - 関東圏内在住あるいは遠方の方
⇨ オンライン処方+アフターピルの郵送(エリアによっては最短60分のバイク便も利用可)
人によってシチュエーションもさまざまですので、ご都合の良い方をご選択ください。
また、今すぐアフターピルが必要ない人も、「頼れるクリニックがある」と覚えておいていただけると万が一の時に焦らず行動できるはずです。
ご予約・処方の詳しい内容については、以下からご覧ください。
まとめ
避妊にはさまざまな方法があり、それぞれわずかな差ですが避妊率も変化します。
さらに装着タイプ、服用タイプ、手術、選択肢も多岐にわたるだけに、あなたにあった避妊スタイルを選んでみてください。
また誤った避妊方法は、いくつも存在します。
特にインターネット上にはさまざまな方法が紹介されているだけに、これまで鵜呑みにしてしまっていた人もいるでしょう。
ただ避妊は正しい方法を用いなければ難しく、不確実な方法は余計に心配ごとを増やします。
これを機に正しい避妊方法を身につけ、それでも失敗した時は1人で抱え込まず、医師に相談してアフターピルの服用も検討してみてください。