禁煙に失敗・成功した人へアンケート 禁煙失敗の理由1位は「周りの喫煙者の影響」、成功の理由1位は「自制心が強かった」
近年はタバコの価格上昇や公共の喫煙スペースの減少などから、以前よりも喫煙しづらい状況になってきています。
また、コロナ禍を経験したことによる健康志向の高まりや、各自治体による路上喫煙防止条例の制定なども進み、世間全体で禁煙への意識が高まっています。
ただ、長い間喫煙してきた人が禁煙を試みると離脱症状がひどく出て、思うように禁煙できないケースも多いようです。
そこで当院では、禁煙に成功するには何が必要なのか調査するため、禁煙に失敗した人・成功した人を対象にアンケートを実施しました。
調査対象:
- 禁煙に失敗した人200名
- 禁煙に成功した人200名
- 医療機関での禁煙に成功した人100名
調査日 :2023年10月24日
調査方法:インターネット調査
調査結果サマリー
- 禁煙に失敗した理由
1位:周りの喫煙者の影響(55.5%) - 禁煙に成功した理由
1位:自制心が強かった(60.5%)
一方で、金銭面や健康面で辞めざるを得なくなった人も一定数いた
- 医療機関での禁煙に成功した人
100人のうち93.0%が病院やクリニックでの禁煙治療をおすすめする
アンケートの結果詳細
ここからはアンケートの集計結果をそれぞれ詳しく紹介します。
禁煙に失敗した人に対するアンケート
Q1:禁煙に失敗した理由は何ですか?(複数回答可)
- 少し気を抜いたらいつも通り吸っていた
- 辞められたのにふとした時にまた吸ってしまった
- イライラすることが続いて吸ってしまった
- ふと吸いたくなり、軽い気持ちでまた吸ってしまった
禁煙に失敗した理由を聞いたところ、「周りの喫煙者の影響(55.5%)」が最も多く、次いで「離脱症状に耐えられなかった(44.0%)」「本気ではなかった(20.5%)」「代わりになるものが無かった(18.0%)」が続きました。
喫煙者が近くにいると、ふと吸いたくなる人が多いようです。そのため禁煙に成功するには、喫煙者と距離を取ったり、飲み会を欠席するなどの物理的な対処が必要となりそうです。
Q2:禁煙にチャレンジした回数を教えて下さい
禁煙にチャレンジした回数を聞いたところ、「3回(44.5%)」が最も多い結果となりました。次に多いのは「2回(30.5%)」でした。
中には「5回以上(13.5%)」の人もいて、全体で見ると9割程度の人が2回以上失敗していることがわかります。
禁煙がいかに難しいことか、数字となって表れた形です。
Q3:禁煙を成功させるためには何が必要だと思いますか?(複数回答可)
- タバコに関するものを身の回りから可能な限り遠ざける
- 食後の一服などの習慣を止める
- 生活習慣の改善
- 追い込まれた状況
禁煙を成功させるために何が必要だと思うか聞いたところ、「自制心(67.0%)」が最も多く、続いて「薬やパッチ、ガムなどのサポート品(41.5%)」、「周りの協力(20.0%)」となりました。
周りの喫煙者の影響を受けず、離脱症状にも負けない強い自制心を持つことは大前提として、禁煙補助のアイテムや周りのサポートを得ることでさらに禁煙成功に繋がると考える人が一定数いました。
Q4:タバコの離脱症状を抑えたり、吸いたい気持ちを和らげたりする治療薬があったら使いたいですか?
タバコの離脱症状を抑えたり、吸いたい気持ちを和らげたりする治療薬があったら使いたいか聞いたところ、200名全員が「使いたい」と答えました。
離脱症状がいかに禁煙の弊害となっているかがうかがえます。
ただ、実際にそのような禁煙治療薬はあるのですが、それを知らないまま禁煙に挑む人が多いようです。
禁煙治療薬は自制心に自信がない人や、離脱症状に耐えられなかった人こそ検討すべき選択肢となります。
禁煙に失敗した人のアンケート結果まとめ
- 禁煙に失敗した理由は「周りの喫煙者の影響」「離脱症状」が多かった
- 禁煙に複数回挑戦してもなかなか成功しないケースが多い
- 禁煙に成功するためには「自制心」「薬などの禁煙サポート品」が必要と考える人が多かった
- 離脱症状や吸いたい気持ちを抑える薬があったら、200名全員が「使いたい」
上記の結果から、禁煙の成功には「周りの喫煙者から影響を受けない・離脱症状に負けない強い自制心」が重要であることがわかりました。
周りの喫煙者に対しては、禁煙していることを伝えて物理的な距離を取るなど状況に合わせた対処が必要となりそうです。
また、離脱症状に対して、症状を抑える禁煙治療薬は実際に存在します。
そのため、なかなか禁煙に成功できない方は、まずは専門の医療機関に相談すると良いでしょう。
禁煙に成功した人に対するアンケート
Q1:禁煙に成功した理由は何だと思いますか?(複数回答可)
- 経済的に苦しくなってタバコを購入できなくなった
- タバコ代の高騰が負担になるため、禁煙をがんばろうと決意した
- 妊娠で強制的に吸えなくなった
- 「病気をしないと辞められない」と冗談も含めてよく言っていたら本当に病気になってタバコを辞められた
- ある日、急に右半身だけ異常に冷たいのを感じ病院に行ったら「とりあえずタバコを辞めて下さい」とかなり強い口調で言われた
- 飛行機で長旅がしたかった
禁煙に成功した理由は何だと思うか聞いたところ、「自制心が強かった(60.5%)」が最も多く、「薬やパッチ、ガムなどのサポート(30.5%)」、「周りの協力があった(21.0%)」が続きました。
この質問は他の質問よりその他の回答が多く寄せられましたが、主に経済的問題・健康的問題・妊娠など、「喫煙を辞めざるを得ない状況」が禁煙に繋がったとする回答が多く見られました。
Q2:禁煙にチャレンジして何回目で成功しましたか?
禁煙にチャレンジして何回目で成功したかの質問に対して、「1回目(41.0%)」が最も多い結果となりました。
きっぱり辞められる人は、1回の挑戦で辞められるようです。
ただ、結果を「1回目」と「2回目以上」で分けると2回目以上で成功した人の方が多数派です。
そのため禁煙が1回で成功しなくても、失敗したと落ち込んだり、禁煙をあきらめたりする必要はないと言えます。
Q3:禁煙成功後どういったメリットがありましたか?(複数回答可)
- 部屋のヤニ汚れが無くなり拭き掃除が楽になった
- 体臭、口臭が改善された
- いちいち喫煙所を探すという無駄な時間の節約ができた
- タバコを吸うための時間を、仕事やほかのことに使えるようになり、禁煙に成功してからは過去の自分の愚かしさに気づくことができた
- 自信がついた
禁煙成功後どういったメリットがあったか聞いたところ、「節約できた(79.5%)」が約8割と圧倒的に多くなりました。そのほか「ごはんがおいしく感じる(43.5%)」、「体の不調が改善した(41.5%)」などが続きました。
その他の回答では、身体や口、部屋の臭いが改善されたり時間の節約ができたりなどが挙げられ、禁煙した人は多方面でメリットを実感していることがわかります。
Q4:禁煙中で1番つらかった時期はいつですか?
- 時期というより、飲み会などのタイミングがつらかった
- 新たな習慣に慣れるまではずっとつらくて、タバコに興味がなくなるまではずっとつらいのだと思った
- やめてから3年ぐらいは1本吸ったらいつでも喫煙者に復帰できるという感覚があった
- 自分でも意外だが、つらかった印象はなかった
- 禁煙治療で飲んでいた薬の効果のおかげで、つらいと思ったことはなかった
禁煙中で1番つらかった時期については、「1週間目(42.5%)」が最も多く、「3日目(36.5%)」、「1か月目(17.0%)」が後に続きました。
この結果から、最初の1週間を乗り越えればある程度楽になる傾向があるようです。
その他の回答では、「『つらかった時期』というより『タイミング』」との声が複数ありました。
飲み会や運転中など特定のシチュエーションで吸いたくなるため、その状況を避けるなどの対策をとると良さそうです。
また、「禁煙治療薬の効果によってつらいと思わなかった」という声もあり、薬を使うことで禁煙の難易度が下がることが読み取れます。
禁煙に成功した人のアンケート結果まとめ
- 禁煙に成功した理由は「自制心が強かった」「薬などのサポート品」が多かった
- 禁煙1回目で成功した人が最も多いが、2回目以上で成功した人が多数派
- 禁煙後のメリットとして8割近くの人が「節約できた」と金銭的メリットを感じた
- 禁煙で1番つらかった時期は「1週間目」が最も多かった
実際に禁煙に成功した人の声から、禁煙成功には「自制心」「薬などのサポート品」が必要であることがわかりました。
禁煙は1回で成功しないと自己嫌悪におちいる人もいますが、2回以上挑戦して成功する人の方が多いため気にする必要はないと言えます。
心の準備をするためにも、「最初の1週間が正念場である」と覚えておくと成功しやすいかもしれません。
また、タバコは1箱600円と考えると、禁煙によって1か月で18,000円、365日で219,000円の節約になります。
そのため「節約できた」が最も多いメリットであるのも納得できます。
これらの結果から、禁煙には実に多くのメリットがあることがわかりました。
医療機関での禁煙に成功した人に対するアンケート
Q1:これから禁煙したいという方に、病院やクリニックでの禁煙治療をおすすめしたいですか?
医療機関での禁煙が成功した人に対し、これから禁煙しようと考えている人に病院やクリニックでの禁煙治療をおすすめしたいか聞いたところ、93.0%が「おすすめする」と回答しました。
この結果から、多くの人にとって禁煙治療が有効だったことがわかります。
Q2:禁煙はつらかったですか?
医療機関での禁煙に成功した人に対し禁煙はつらかったか聞くと、最も多かったのは「最初だけつらかった(45.0%)」でした。
一方で40.0%もの人が「つらくなかった」と答えており、禁煙治療の効果の1つである「離脱症状の抑制」は、実際に影響を最小限にできていることがわかりました。
Q3:1か月の治療費用はいくらでしたか?
1か月の治療費用はいくらだったか聞いたところ、5,000円~15,000円の価格帯が全体の8割を占めたことがわかりました。
禁煙治療の費用は保険診療や自由診療によっても異なるため、金額に差があるのではないかと考えられます。
また、1日1箱600円分のタバコを吸うと考えると、1か月で18,000円となるため、タバコを吸うよりも禁煙治療の方が安いことがわかります。
Q4:禁煙成功までの治療期間をお聞かせください
禁煙成功までの治療期間を聞いたところ、「3か月~半年以下」が42.0%と最も多いことがわかりました。次いで「半年~1年以下」が36.0%と続きました。
つまり今回のアンケートでは、医療機関で禁煙に成功した人の8割近くが1年以内には成功したことになります。
医療機関での禁煙に成功した人に対するアンケート結果まとめ
- 93%がこれから禁煙する人に向けて医療機関での禁煙をおすすめする
- 禁煙について「最初だけつらかった」「つらくなかった」が多数派で、「つらかった」は15%
- 1か月の治療費は、5,000円~15,000円の価格帯が約8割
- 半年で4割、1年で8割近くの人が禁煙に成功した
医療機関での禁煙治療は、禁煙の難点である離脱症状を軽減できるため、禁煙の成功に繋がりやすいことがわかりました。
治療費についても、タバコ代を月18,000円とすると、治療の方が安く済むことが読み取れます。成功すればタバコ代が浮くことも考えると、禁煙を始めること自体が節約に繋がると言えそうです。
アンケートの結果を受けて
禁煙に失敗した人・成功した人それぞれにアンケートを実施しましたが、禁煙に必要なものはどちらも「自制心」と認識が一致していました。
自制心が必要となる場面での適切な対処に加え、補助アイテムでそもそも自制心が必要とならない状態にしておくことが成功の秘訣であるとも言えます。
病院やクリニックでの治療によって禁煙に成功した人の9割以上が医療機関での治療をおすすめしているため、なかなか禁煙できずに困っている人や、離脱症状などの負担を抑えて禁煙したい人はぜひご検討ください。
なお、フィットクリニックでも、少しでも禁煙成功への手助けができるよう、禁煙治療薬を処方しています。
「離脱症状に耐えられず、なかなか禁煙できない」とお悩みの方はぜひ当院にご相談ください。