従来の抗ウイルス薬であるゾビラックスを改良したプロドラッグになり、成分の吸収率が高まったことで服用回数を減らせます。
またジェネリックも2013年から登場しています。
※医師の判断によりお薬が処方できない場合があります。
このページでは、性器ヘルペスの治療薬であるバルトレックスについて詳しく解説しています。
薬についての基本情報をはじめ、効果や副作用、使用方法や注意点(併用注意・禁忌)などにも触れていますので治療時の参考にお読みください。
フィットクリニックではバルトレックスの処方を行っております。
お電話、WEB、LINEでのご予約に対応しており、WEB、LINEは24時間いつでもご予約可能です。
バルトレックス(valtrex)とは、ヘルペスウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬です。
よく知られる性器や口唇にできるヘルペスをはじめ、帯状疱疹の治療などにも用いられます。
日本をはじめ欧州など世界100カ国以上で使用されており、ヘルペスウィルス治療の第一選択薬として用いられる機会も多い薬となっています。
総称名 | バルトレックス |
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一般名 | バラシクロビル塩酸塩 |
適応症 | 性器ヘルペスや口唇ヘルペスなどの単純疱疹(単純ヘルペス)、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症の発症抑制、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制 |
製造販売 | GSK(グラクソ・スミスクライン) |
2006年に「性器ヘルペスの再発抑制」が新たに適応症に追加され、初発・再発に関わらずバルトレックスの使用が可能となっています。
また、バルトレックスは従来の抗ウイルス薬であるゾビラックスの体内での吸収性を改善させた医薬品(プロドラッグ)となります。
※プロドラッグとは、体内に入ってから患部に到達するまでは薬効成分が分解されないよう、化学構造を変換した薬のこと
バルトレックス:54.2%
ゾビラックス:10〜20%ほど
薬が体内で利用される割合が高いため、ゾビラックスよりも服用回数が少なく済むのが特徴です。
バルトレックスはヘルペスウイルスの増殖を抑えることで、性器や口唇などウイルス感染部位での症状を和らげたり、再発を抑える効果を発揮します。
ヘルペスウイルスのDNAに作用
↓
DNAを複製する酵素であるDNAポリメラーゼの働きを阻害
↓
新たなヘルペスウイルスの増殖を抑える
治療効果も非常に高く、成人を対象に国内で行われた臨床試験では、単純疱疹に対して90%以上の有効率があることがわかっています。
また再発リスクの低下率についても、一度も再発しなかった人の割合は71%あったことから再発の抑制にも非常に効果的となっています。
なお、性器ヘルペスは再発を繰り返しやすいため、初感染時の治療が特に重要です。
早期に十分な治療を行うことで再発回数を減らせる可能性があるため、性器へのかゆみや違和感、水ぶくれといった症状がある場合にはすぐにご相談ください。
バルトレックスの用法用量については、以下を参考にしてください。
初感染
1回500mgを1日2回、5〜10日間
再発
1回500mgを1日2回、5日間
再発抑制(年6回数以上)
1回500mgを1日1回、1年間
初感染時については、症状の経過によって服用期間に個人差があります。
上記はあくまで参考ですので自己判断はせず、必ず医師の服薬指導どおりに服用するようにしてください。
なお、抗生物質(抗生物質や抗真菌薬など)は避妊薬であるピルの効果を不安定にしますが、バルトレックスについては飲み合わせによる影響はありません。
ピルの避妊効果を失ったり、バルトレックスの効果を不安定にすることもないので安心して併用いただけます。
バルトレックスの主な副作用ですが、まず発生頻度別で以下のように報告されています。
●0.5%以上
●0.5%未満
●頻度不明
また、重大な副作用として以下の報告もあります。
精神神経症状に関しては薬剤投与中止により回復するとされます。
なお、腎障害または機能低下、高齢者の方は、精神神経系の症状が現れやすい傾向です。
上記に当てはまる方は、診察時に医師にご相談ください。
バルトレックスには、飲み合わせが禁止されている併用禁忌の指定はありません。
ただし、バルトレックスの成分あるいはゾビラックス(アシクロビル)に対してアレルギー(過敏症)の既往歴がある場合には服用できません。
次の服用で、「アナフィラキシー」と呼ばれるショック症状が出るおそれがあるため服用が禁止されています。
また、バルトレックスと飲み合わせに注意が必要な併用注意がいくつかあります。
併用によって必要以上に薬の作用が増強されたり、副作用が出やすくなることがあります。
普段から服用している薬があれば、医師に申し出るようにしてください。
バルトレックスは2013年からジェネリック医薬品も発売されています。
ジェネリック医薬品には国内製、海外製が存在します。
ジェネリック医薬品の安全性や有効性については、次の4つの試験によって判断されます。
品質試験
⇨ 有効成分の純度や量を確認する試験
溶出試験
⇨ 薬から溶け出した有効成分量を確認する試験
生物学的同等性試験
⇨ 先発薬とジェネリックを交互に服用し、血液中の成分濃度を比較する試験
安定性試験
⇨ 温度や湿度などによる状態変化が基準内にあるかを確認する試験
これらの試験をクリアしたものだけが、「先発薬と同等」であることが国から認められます。
そのためジェネリックだから安かろう悪かろうといった心配はなく、先発薬と変わらない治療が可能です。
現在、国内で販売が認められている国内ジェネリックメーカーは20社を超えます。
佐藤製薬、辰巳化学、岩城製薬、武田テバファーマ、第一三共エスファ、ニプロ、沢井製薬、持田製薬、陽進堂、etc…
また、医師が安全性や有効性を確認し輸入している海外製ジェネリックもあります。
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)1型または2型の感染によって、性器に潰瘍や水ほうをつくる性感染症です。
はじめて感染した時には、通常2〜10日間ほどの潜伏期間を経て症状が現れます。
しかし「非初感染初発」といって症状が現れないままウイルスが潜伏し、疲労やストレスなど免疫力が低下したタイミングで症状が出るケースもあります。
男性:亀頭、冠状溝(カリ)、包皮など
女性:外陰部や子宮頸部など
男女で症状はほとんど変わりませんが、痛みや不快感といった症状は女性の方が強い傾向にあるとされています。
排尿痛や排尿困難、歩行障害などもみられ、人によっては入院が必要なケースもあります。
なお、性器ヘルペスの6〜7割は再発です。
一度感染すると神経節にウイルスが棲みついてしまい、現代のいかなる治療薬を用いてもウイルスを完全に除去することはできません。
再発対策によるウイルスのコントロールが重要であり、初発時に十分な治療をすることで再発回数を減らせる可能性があることは覚えておきましょう。
性器ヘルペスは初めて症状が出た時の症状はわかりやすく、性器にできた赤いブツブツや水ほうは数個〜数十個できます。
専門の医師であれば患部を観察しただけでおおよその判断がつきますが、より正確な診断を行うためにも検査を行います。
皮膚拭い検査(抗原検査)
⇨ 患部から検体を採取しウイルスそのものを調べる検査
血液検査(抗体検査)
⇨ 採血によって血液中のウイルスに対する抗体を調べる検査
性器ヘルペスは「皮膚拭い検査」を行うのが一般的で、感染機会から24時間以上が経過していれば検査が可能です。
また血液検査については、水ぼうそうや帯状疱疹など過去の既往歴によって陽性反応が出てしまうことがあります。
ヘルペスを見逃すリスクがあり、正確な判断が難しいことから推奨度の低い検査方法となります。
治療後もウイルスは神経節に残っているので、心身の疲れなどによって再発することがあるのでご注意ください。
なお、再発時には「前駆症状」といって次のような症状が現れやすいです。
水ぶくれなどができるサインとなるので、異常を感じたタイミングで医師にご相談ください。
また、性器ヘルペスに感染の感染経験がある方は、病変や自覚症状がなくても性行為によってパートナーに感染させてしまう可能性があります。
症状がある時に性行為は避けるのはもちろん、症状がなくとも感染リスクを下げるためにコンドームを使うよう心がけてください。
フィットクリニックでは先発薬バルトレックスの処方を行っております。
バルトレックス 500mg |
20錠 | 15,000円 |
10錠 | 8,000円 |
フィットクリニックではオンライン診療・処方も行っております。
誰にも知られず性器ヘルペスの治療を行うことができますので、以下よりご予約ください。
最後に、バルトレックスについて重要なポイントをまとめてお伝えします。
バルトレックスは有効性・安全性が高く、服用回数も従来の抗ウイルス薬にくらべて少なく済むので服用負担も減らせます。
性器ヘルペスは治癒させられるものの、完治はさせられません。
生涯付き合っていかなければならないので、初発・再発に関わらずバルトレックスを使ってウイルスをコントロールすることが大切です。
初感染
1回500mgを1日2回、5〜10日間
再発
1回500mgを1日2回、5日間
再発抑制(年6回数以上)
1回500mgを1日1回、1年間