性器ヘルペスの治療法 - 再発しない方法や治療薬についても解説

更新日:2025/05/12
性器ヘルペスの治療法 - 再発しない方法や治療薬についても解説

性器ヘルペスは、主に性行為を通じて感染する性感染症のひとつです。
一度感染すると再発率が高くなりますが、適切な治療や日常生活の工夫により再発予防が可能です。
本記事では性器ヘルペスの治療法や再発予防の方法について詳しく解説しています。

当院では性器ヘルペスの治療薬「バルトレックス(内服薬)」を処方しており、再発予防としての継続的な服用にも対応しています。

性器ヘルペスの詳細

性器ヘルペスの治療方法

性器ヘルペスの治療方法には、以下の3つの治療法があります。

性器ヘルペスの治療法は、基本的に男女での違いはありません。
感染の疑いがあれば検査を実施し、感染が認められれば、症状に応じた以下の抗ヘルペスウイルス薬を用いてウイルスの増殖を抑えます。
抗ヘルペスウイルス薬の使用は治癒までの期間を明らかに短縮できます。

【性器ヘルペス治療薬の市販薬は無い】

性器ヘルペスの治療薬は市販されていないため、検査結果に基づいた医師の診断による治療薬の処方が必要です。

医師の指導のもとで治療を進めることが重要であり、自己判断で市販薬(口唇ヘルペス薬)を使用するのはお控えください。

①飲み薬による治療

飲み薬による治療が性器ヘルペス治療の基本です。

性器ヘルペスの治療に
用いられる飲み薬
  • バラシクロビル錠(バルトレックス)
  • アシクロビル錠(ゾビラックス)
  • ファムシクロビル錠(ファムビル)
  • アメナメビル錠(アメナリーフ)

など

これらは抗ヘルペスウイルス薬と呼ばれ、継続服用することでウイルスの増殖を抑制し、症状を緩和する作用があります。
内服薬は皮膚や粘膜といった表面に出る症状だけでなく、身体の中(神経細胞)で増えるウイルスの増殖も抑えることができます。

初発の場合

初発の場合、治療薬をしっかりと服用することで、身体内に潜伏するウイルスの量を減少させ、再発の回数を減らす可能性が高まります。
そのため初発時は「早期治療」と「十分な量の薬の服用」が重要です。

性器ヘルペス初発時の
薬の飲み方
  • バラシクロビル錠(バルトレックス)
    ⇒500mgを1日2回、5~10日間
  • アシクロビル錠(ゾビラックス)
    ⇒200mgを1日5回、5~10日間
  • ファムシクロビル錠(ファムビル)
    ⇒250mgを1日3回、5~10日間

5〜10日の服用が基本となり、特に初発時は症状が強く出やすい傾向にあるので十分な治療が必要です。

再発の場合

再発の場合は発症してから1日以内に服用をスタートしなければ、ヘルペスウイルス抑制効果が思うように得られないことがあります。
初発にくらべ再発は症状が軽い傾向にあるため、服用期間が5日間と短くなります。

性器ヘルペス再発時の
薬の飲み方
  • バラシクロビル錠(バルトレックス)
    ⇒500mgを1日2回、5日間
  • アシクロビル錠(ゾビラックス)
    ⇒200mgを1日5回、5日間
  • ファムシクロビル錠(ファムビル)
    ⇒250mgを1日3回、5日間

②塗り薬による治療

塗り薬(外用薬)としては、以下の薬があげられます。
ただし、性器ヘルペス治療の基本は飲み薬です。
症状が進行してしまうと塗り薬での治療は難しいため、症状が出ている部位や程度によって医師の判断で使い分けられます。

性器ヘルペスの治療に
用いられる塗り薬
  • アシクロビル軟膏
  • ペンシクロビルクリーム

など

これらの塗り薬はウイルスの増殖を防ぐ点では飲み薬と同じですが、直接患部に塗布できるため、局所的に現れている不快症状を軽減できます。
また、軟膏やクリームは薬剤が患部にとどまりやすいため、患部を保護することにも優れています。

③点滴による治療

点滴による治療は、以下のようなケースに限られます。
点滴による治療は設備の整った医療機関でしか行われません。
飲み薬や塗り薬のように自宅で行える治療ではなく、医師のもとで実施されます。

性器ヘルペスで点滴治療が
行われるケース
  • 初発の重症例
  • 合併症を起こしている(脳炎、髄膜炎)
  • 免疫不全を伴う重症例

点滴治療は静脈に直接薬剤を入れるため、胃腸での消化を介さずに血液中に直接薬剤を送ることが可能です。
これにより、飲み薬よりも早く効果を期待でき、皮膚・粘膜の表面に現れている症状だけでなく、神経に棲みついたウイルスの増殖も抑えられます。
上記のような重症例に適しており、全身に薬剤を行き渡らせることで、ウイルスの活動を迅速かつ効果的に抑制します。

フィットクリニックの性器ヘルペス治療薬

フィットクリニックでも性器ヘルペスの治療薬「バルトレックスジェネリック」を取り扱っています。

フィットクリニック 
バルトレックスの処方価格
バルトレックスジェネリック 500mg バルトレックスジェネリック 500mg 10錠 7,700円
20錠 13,200円

※10錠は【再発時】の服用量、20錠は【初発時】の服用量です。

バルトレックスは初感染だけでなく、再発の予防・治療にも効果的です。
この薬は「プロドラッグ」とも呼ばれ、成分の吸収率が高く設計されています。

バルトレックスの成分吸収率の高さ
バルトレックス 54.2%
ゾビラックス 10〜20%ほど
アメナリーフ 非公表

バルトレックスは、より高い血中濃度を維持してウイルスの増殖を抑えられるため、従来の性器ヘルペス治療薬に比べて少ない服用回数で症状を抑えることが可能です。
また、再発の繰り返し(年6回以上)がある場合でも、1年間の服用継続によって再発を予防できます。
長期服用にも適していることから、「性器ヘルペス治療の第一選択薬」として選ばれている薬です。

再発時には早く服用を開始する必要がありますが、フィットクリニックのオンライン診療なら、最短当日お薬を発送しております。
お届けの目安は以下をご覧ください。

地域別による発送日数の目安

※通常配送はヤマト運輸の配達となります。

すぐに相談や処方を受けたい方は以下よりご予約が可能です。

WEB・LINEのご予約は24時間受付

性器ヘルペスの治療期間

性器ヘルペスの治療期間は、症状の程度によって異なります。
目安としては、以下のとおりです。

性器ヘルペスの治療期間の目安
  • 初発(初感染):5〜10日間
  • 再発:5日間

性器ヘルペスの症状は初発時が重く、再発時は比較的軽くなる傾向です。

そのため、初発時の方が治療期間は長くなりがちですが、この期間に十分な治療を行うことで予後の再発回数を抑えられる可能性があります。
また、性器ヘルペスの症状を早く治すには医療機関で治療薬を処方してもらう方法が一番です。
性器に異常を感じた場合は、速やかに医師に相談することが早期回復への近道になります。
加えて、その他の性病(STD)にも似たような症状が見られるので自己判断は控え医師に相談することをおすすめします。

治療薬の長期服用で再発を予防する再発抑制療法

ヘルペスの再発を年間6回以上繰り返す場合は、長期投与による再発抑制療法を行うことがあります。
以下の服用方法で、最大1年間を目安に服用を続けることで60〜70%の方が再発を抑制できます。

再発抑制治療の薬の飲み方
  • バラシクロビル錠(バルトレックス)
    ⇒500mgを1日1回
  • アシクロビル錠(ゾビラックス)
    ⇒400mgを1日2回

大規模な臨床試験から、ヘルペスの再発や無症候性排泄(病変がない状態でウイルスが排泄される状態)の頻度が低下することがわかっています。
なお、抑制治療中に再発した場合には「バラシクロビル錠を1日2回に増量」し、治癒したタイミングで元の服用方法に戻します。

日常生活での予防方法

性器ヘルペスを予防するには、
日常生活で意識しておきたいポイントがいくつかあります。

日常生活で性器ヘルペスを予防するポイント
性交時の注意
性交時の注意
  • コンドームを必ず装着する
  • チクチク、ヒリヒリなど、再発の前触れとなる神経症状があれば性行為を控える
  • 同様に前触れの神経症状があれば速やかに医師に相談する
ストレス管理や
免疫力の向上
ストレス管理や免疫力の向上
  • 十分な睡眠を摂る
  • バランスのとれた食事を摂る
  • 定期的にストレスを発散する
衛生管理の徹底
衛生管理の徹底
タオルや下着類は共有しない

再発を防ぐために、治療薬の服用と併せて日常的に対策していきましょう。
性器ヘルペスの再発症状や予防について不安がある場合は、医師に相談して早期発見・治療につなげることが大切です。
フィットクリニックでは、性器ヘルペスに関する相談や診療を行っています。

性器ヘルペス治療薬の妊娠・授乳への影響

抗ウイルス薬であるアシクロビルやバルトレックス(バラシクロビル)は、妊娠中および授乳中に使用しても比較的安全とされています。
これらの薬の使用は、流産や催奇形性(胎児の奇形)が生じるリスクはほとんどなく、授乳中に安全に使用できる薬の中にも含まれています。

また、母子感染といって、新生児ヘルペスのリスクがあることから、抗ウイルス薬による治療が妊娠中でも勧められています。

性器ヘルペスが
母子感染する確率

初感染:50%

再発:0〜5%

ただし、再発抑制治療中に妊娠がわかった場合、服用が長期に及ぶことから、医師の判断によっては治療薬の使用が中断になることもあります。
なお、フィットクリニックで処方するバルトレックスは、妊娠中や授乳中でも問題なく服用が可能です。
医師の管理下で適切に治療を行うことで、母体と胎児の健康を守ることができます。

一方、場合によっては帝王切開による分娩を勧められることもあるので、必ず担当医に相談して適切な治療を受けるようにしてください。
なお、授乳中については、乳児への影響はほとんどないと考えられてはいるものの、十分な症例がないため、自己判断で薬を服用せず担当の医師に相談してください。

性器ヘルペスの基本情報

性器ヘルペスは、HSV(単純ヘルペスウイルス)によって引き起こされる性感染症のひとつです。

性器ヘルペスの基本情報
感染経路 1、性的な接触を含む性行為を通じて感染
  • 性行為
  • オーラルセックス(口から性器への感染)
  • キス(唾液)
2、タオル、食器類(コップや箸)、トイレ、バスチェアといった生活用品
感染原因
  • 性器ヘルペスの初感染の約70%はHSV-1ウイルス
  • 上記外の場合の性器ヘルペスはHSV−2ウイルス
病変 増殖したウイルスによって水疱や潰瘍が感染部位に現れる
症状 すぐには現れず感染後2〜20日間の潜伏期間を経て、性器やその周辺に症状がみられる
感染後
  • 一度HSVに感染すると現代医療では完全に取り除くことができない
  • 初感染による治療後、ヘルペスウイルスは神経節に潜伏する
  • 治療した後もウイルスが再び増殖しないよう注意が必要

まとめ:性器ヘルペスは早めの治療が大切

ここまで、性器ヘルペスの治療法や予防策について解説してきました。
最後に、この記事のポイントをまとめてお伝えします。

性器ヘルペスの治療について
  • 性器ヘルペスの治療は、飲み薬・塗り薬・点滴の3つがある
  • 飲み薬が性器ヘルペス治療の基本
  • バルトレックスは初発・再発を問わず選ばれる第一選択薬
  • 妊娠中や授乳中でも抗ヘルペスウイルス薬は使用可能
  • 日頃の体調管理は再発予防に役立つ

残念ながら、現在の研究では性器ヘルペスを「完治」させる方法は見つかっていません。
ただし、抗ヘルペスウイルス薬の服用や日常的な対策によって、再発をコントロールすることが可能です。
性器やその周辺に水ぶくれや潰瘍といった特徴的な症状が現れた場合、速やかに医師の判断を仰ぎましょう。

フィットクリニックはプライバシー面を気にされる方や家族に知られたくない事情がある方でも、気軽にご相談いただける環境を整えています。
診察料は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

性器ヘルペス治療に関するよくある質問

  • Q
    性器ヘルペスはどのように治療しますか?
    A
    性器ヘルペスの治療の基本は飲み薬です。ほかに塗り薬や重症の場合の点滴があります。
  • Q
    性器ヘルペスは完治しますか?
    A
    性器ヘルペスは完治することはありません。現在、性器ヘルペスウイルスを完全に死滅させる薬はなく、ワクチンの開発段階でも効果的な結果は得られていません。しかし、治療薬を使用することで再発を予防することが可能です。
  • Q
    性器ヘルペスの再発は予防できますか?
    A
    はい、防ぐことは可能です。心身の健康が崩れたタイミングで性器ヘルペスは再発しやすいため、体調管理が再発防止につながります。また、再発を繰り返す場合、治療薬の長期服用が推奨されます。
  • Q
    性器ヘルペスはどれくらいで治りますか?
    A
    自然治癒の場合、治癒には約2〜4週間かかります。性器ヘルペスの治療薬を服用すると、5日〜10日程度です。治療を受けると症状が和らぎ、回復も早まります。感染のリスク低減も期待できます。
  • Q
    性器ヘルペスは口唇ヘルペスの市販薬で治りますか?
    A
    性器ヘルペスは処方薬で治療が可能で、口唇ヘルペスの市販薬では治療できません。
    また、性器ヘルペスの内服薬は市販されていません。
  • Q
    性器ヘルペスは自然に治りますか?
    A
    性器ヘルペスの症状は自然に治まることはありますが、約2〜4週間かかります。また、ウイルスは神経に潜伏しており、完治とは言えません。
    初回の発症では、適切な治療により再発回数を減らせる可能性があります。再発を繰り返すと精神的な負担も大きくなるため、早期治療を心がけてください。
  • Q
    性器ヘルペスを早く治す方法はありますか?
    A
    性器ヘルペスを早く治すには、治療薬の使用が最も効果的です。治療薬はウイルスの増殖を抑え、回復を早めます。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

参考サイト

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この記事の監修

フィットクリニック院長・服部圭太
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務