禁煙に失敗してしまった方へ|原因や失敗を繰り返さない方法も解説

更新日:24/08/07
タバコをやめたい・禁煙したい方は必見!禁煙失敗の原因や簡単なやめ方を紹介

禁煙の失敗は珍しいことではありません。

ファイザー社の調査では、自力で禁煙を試みた人の7割が失敗しているという結果が出ています。

さらに当クリニックの独自アンケート調査でも、禁煙に成功した人の半数以上が一度失敗を経験していることがわかりました。

禁煙チャレンジ2回目以上で成功した人は多い

自己嫌悪せず、前向きに禁煙に取り組んでいきましょう。

本記事では、禁煙に失敗する原因や禁煙に失敗・成功した人のアンケート結果も掲載しています。

「なかなか禁煙できない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

禁煙失敗の原因は「3つの依存」

タバコをやめたいのにやめられないのは、ご自身の意志が弱いからではありません。

含まれているニコチンの強い依存性が原因で、タバコをやめようにもやめられない状態に陥っているためです。

薬物(合法・非合法)の依存度
薬物名 依存性スコアの平均値
ヘロイン 3.00
コカイン 2.39
タバコ 2.21
アルコール 1.93
アンフェタミン(覚醒剤) 1.67
マリファナ(大麻) 1.51

【出典】Nutt D, et al. Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse. Lancet 369:1047-53,2007.

依存性のみに関して、危険ドラッグと比較しても数値がほぼ変わらないため、タバコは嗜好品というより、むしろ薬物に近い依存性があります。

こうしたタバコへの依存を「ニコチン依存症」と呼び、身体に悪いとわかっているものの、喫煙による快感や欲求を満たすため、タバコに火を付ける行為が繰り返されます。

ニコチン依存には、「身体的依存」「心理的依存」「習慣的依存」の3つの依存があります。

身体的依存はニコチンへの依存。ニコチンが切れると離脱症状が現れる 心理的依存は「一服すると落ち着く」「コンディションが整う」など成功体験からの思い込み 習慣的依存は生活パターンにタバコが結び付き習慣化(起床時・食後など)

それぞれの依存について以下で詳しく解説します。

原因01:身体的依存

身体的依存とは、ニコチン依存症のことを指します。

身体がニコチンに依存する仕組みを見てみましょう。

ニコチンに依存する仕組み

タバコを吸うと気分が良くなり美味しさを感じるのは、ニコチンによりドーパミンを始めとした様々な脳内神経伝達物質が放出され、快感やリラックス、目が覚める感覚になるからです。

喫煙が繰り返されると、気分が良くなる脳内神経伝達物質の放出が自力では出来なくなり、 喫煙時のニコチン頼りになってしまいます。

そのため、ニコチンが欠乏すると脳内神経伝達物質の放出も無くなるため、脳が不快感を覚えるようになります。

これがいわゆる「ニコチン切れ」と呼ばれる離脱症状になり、イライラや集中力の欠如、喫煙が我慢できなくなるなどの症状が現れます。

またニコチンの特徴として、喫煙の回数が増えてくると同じニコチン量では満足できなくなり、より喫煙量が増えていきます。

依存の悪循環に陥り、タバコをやめようにも「ニコチン切れ=不快感・ストレス」と強く感じてしまい、禁煙失敗の原因になってしまいます。

原因02:心理的依存

タバコを吸うと、「ストレスの解消」「スッキリする」「気分が良い」「仕事がはかどる」などと感じる方も多いでしょう。

しかし、こうした気持ちは脳が起こしている錯覚で、「心理的依存」と呼ばれるものです。

心理的依存の例1 心理的依存の例2

あたかも喫煙によりコンディションやモチベーションをUPさせると思い込んでしまい、気付けばタバコが心の拠り所になってしまいます。

何か嬉しいことや良いことがあった場合の一服も、より充実感を感じるものとして結びつくようになります。

そしてそれは、喫煙歴が長い方ほど心理的依存が強くなり、思い込みだと自覚できない傾向にあるのです。

人によってはお酒を飲む時、パチンコ、食後など「タバコ=楽しみ」が結び付き、タバコが必要なものだと認識してしまう場合もあります。

錯覚や思い込みによるタバコに対する良かった思い出やプラスのイメージが、禁煙を失敗させる原因の1つになっていることは覚えておきましょう。

原因03:習慣的依存

事あるごとについ一服してしまうのが、習慣的依存です。

生活パターンの中に「タバコを吸う」ことが組み込まれてしまい、喫煙と行動が結びついてしまいます。

タバコを吸いたくなるタイミング

何かのアクションの前後に必ずタバコを吸いたい衝動にかられ、間が持たない場合など無意識にタバコに手が伸びてしまうこともあるでしょう。

長年染み付いた習慣はある種の癖のようなもので、わかっていても意識的に抑えるのが難しいです。

しかもタバコが吸いたくなるシチュエーションが所々にあるので、タバコをやめられない原因につながってきます。

【独自調査】禁煙経験者の失敗した理由

当院が独自に行ったアンケート調査では、以下のような結果が出ています。

禁煙に失敗した理由は何ですか?

禁煙に失敗した人に行った調査では、禁煙の失敗理由として「周りの喫煙者の影響」が55.5%を占め、最も多い結果となりました。

依存性の強さだけではなく、周囲の環境も禁煙の失敗に大きく関わっていることがわかります。

なお、禁煙に成功した人に行った調査では、禁煙に成功した理由として以下の項目が上位となりました。

■禁煙成功者へのアンケート~禁煙に成功した理由~

1位 自制心が強かった(60.5%)

2位 薬やパッチ、ガムなどのサポート(30.5%)

3位 周りの協力があった(21.0%)

禁煙には「今度こそ禁煙を成功させよう」という強い意志も大切ということが、調査結果にあらわれています。

禁煙失敗を防ぐ方法

禁煙に失敗してしまう理由と成功した理由を踏まえて、失敗を防ぐ習慣を身に付けていきましょう。

主な対策方法は以下の通りです。

タバコが吸えない環境に身を置く

禁煙のためには、自ら喫煙できない状況を作ることが大切です。

■タバコが吸えない環境を作る方法
  • タバコやライター、灰皿を処分する
  • 飲み会の参加を控える
  • 喫煙者に近寄らない
  • 喫煙所など吸いたくなる場所に行かない
など

特に飲み会など喫煙者が集まる場では、誘惑が多いため注意しましょう。

また、飲酒するとアルコール摂取によって判断力が欠如し、ついタバコに手が伸びてしまう可能性があります。

喫煙可能な場所は、できるだけ避けることが重要です。

周りに協力してもらう

周囲の協力も大きな助けとなります。

家族や友人、恋人に「禁煙する」と宣言することで、引くに引けない状況を作ることができます。

吸ってしまいそうになった時は、周りに止めてもらうのもひとつの手です。

また、周りに喫煙者が多い場合は一緒に禁煙に挑戦することで孤独が和らぎ、諦めそうな時でも励まし合えます。

低い目標からスタートする

「〇日から一生タバコは吸わない」など、はじめから大きな目標を立ててしまうと挫折する恐れがあります。

ファイザー社のアンケート調査では、自力で禁煙に挑戦した1,414人のうち、半数以上が1週間で再喫煙したことが明らかになりました。

再喫煙までの期間
  • 3日以内:31.8%
  • 4日〜1週間以内:22.9%
  • 1週間〜1ヶ月未満:22.9%

このデータからわかる通り、禁煙することは容易ではありません。

したがって、〇日我慢する、それができたら〇週間我慢するなど、大きな目標ではなく小さな目標を積み重ねていくことが大切です。

小さな成功体験が自信となり、禁煙のモチベーションアップにつながります。

■本数やタール量を減らすのはNG
完全にタバコを断たずに本数やタール量だけ減らした場合、かえって依存度が高まり離脱症状が酷くなる可能性があります。

タバコの代わりを見つける

タバコを口に加えたり、手に持ったりする動作も脳が記憶してしまっているため、タバコを吸いたくなった時に代替品を口に入れる方法も有効です。

例えば、朝の一服の代わりに水を飲む、ガムを噛む、低カロリーのおやつを食べるなど、手軽で健康的な選択肢を取り入れましょう。

また、今まで喫煙していた時間を使って、軽いストレッチや深呼吸などの「代替行動」をするのも良い気分転換となります。

禁煙後のメリットを想像する

当院で独自に行った調査では、禁煙成功後のメリットとして以下のような結果が得られました。

禁煙成功後どういったメリットがありましたか?

そのほか、部屋のにおいが改善される、喫煙所を探す手間が省けるなど、禁煙することで多くのメリットがあります。

禁煙後の明るい未来を想像することによって、モチベーションを維持していきましょう。

禁煙補助薬を服用する

禁煙を効率よく成功させたい場合、前述した習慣に加えて禁煙補助薬も使用しましょう。

禁煙を行う場合は、禁煙補助薬(ニコチンパッチ・ガム、内服薬のチャンピックス)による禁煙治療が推奨されています。

それぞれの特徴は以下の通りです。

薬剤名 使用方法 メリット 購入方法
ニコチンガム
ニコチンガム
1回1個を30~60分かけて噛む ニコチンを補うほか、禁煙による口寂しさを紛らすことができる ドラッグストア、通販など
ニコチンパッチ
ニコチンパッチ
身体(上腕・腹部・腰)に貼る 少量のニコチンを補うことで離脱症状を抑えられる ドラッグストア、通販など(※)
チャンピックスジェネリック
チャンピックスジェネリック
①1~3日目:0.5mgを1日1回服用
②4~7日目:0.5mgを1日2回服用
③8日目~:1mgを1日2回服用
  • 刺激作用と拮抗作用により、離脱症状を和らげタバコを不味いと感じさせる
  • ニコチンを含まない
医療機関
※当院でも処方可能

(※)・・・成分量の多いものは医療機関での処方となります。

これらの禁煙補助薬を使用すると、禁煙成功率は約1.5~3倍にまで引き上がることが研究で明らかになっています。

各禁煙補助薬の相対的な禁煙成功率

また、推奨される禁煙補助薬はニコチンの依存度によって異なります。

内服薬・ニコチンパッチ・ニコチンガム

以下のチェックリストで、ご自身のニコチン依存度をご確認ください。

質問 答え
0点 1点 2点 3点
目が覚めてから、どのくらいで
タバコを吸いますか?
61分以降 31〜60分 6〜30分 5分以内
喫煙できない場所でタバコを
我慢するのは難しいですか?
いいえ はい - -
1日のうちでタバコを恋しいと感じる
時間帯はいつですか?
目覚めの
1本以外
目覚めの
1本
- -
1日にタバコを
何本吸いますか?
10本以下 11〜20本 21〜30本 31本以上
目覚めてから2〜3時間に吸う本数は、
それ以降に吸う本数よりも多いですか?
いいえ はい - -
病気で1日寝ているような時でも、
タバコを吸いますか?
いいえ はい - -

合計得点を元に、次の表でニコチン依存度の判定をしてみてください。

点数 0〜3点 4〜6点 7〜10点
ニコチン依存度
ライトスモーカー

ミドルスモーカー

ヘビースモーカー

フィットクリニックの禁煙治療

フィットクリニックでの禁煙補助薬チャンピックスジェネリックの価格

フィットクリニックでは服用タイプの禁煙補助薬であるチャンピックスジェネリック0.5mg・1mgを使った禁煙治療を行っております。

診察料 無料
送料 無料

フィットクリニックで扱う禁煙プログラムは以下の3つです。

禁煙治療(自費診療) 価格(税込) 1日あたり
12週間禁煙プログラム 49,200円
/ 12週間分
585円
定期配送プログラム(全3回) 17,685円
/ 4週間分
631円
お試しプログラム2w 12,000円
/ 2週間分
678円

※1日当たりの価格は12週間分購入した場合の価格です。
※お試しプログラム2wを継続する場合、残り(10週分)45,000円の一括払いとなります。

各プログラムの要点
12週間禁煙プログラム チャンピックスでの治療では基本の期間である12週間をまるごとカバーできるプログラム。
3つのプログラムの中で一番コストパフォーマンスに優れている
定期配送プログラム 4週間分が都度配送されるプログラム。
3つのプログラムの中で唯一都度払いとなっている。
お試しプログラム2w 「本当に効果があるか気になる」という方のために2週間分がお試しできるプログラム。
ただし追加で10週間分の処方を受けたい方は45,000円となり、他のプログラムに比べて割高。

どの禁煙プログラムにするか迷われた場合は、一番コストパフォーマンスに優れ、禁煙成功率が高い「12週間禁煙プログラム」をフィットクリニックでは推奨しています。

来院が難しい場合でも、オンライン診療を利用できるため、「禁煙したい!」と思い立ったら面倒な手間なく禁煙治療を始めることができます。

禁煙を検討している方は、以下のボタンからご予約をお願いいたします。

まとめ:禁煙の失敗は珍しくない。つらければ薬の力を借りよう

ここまで、禁煙の失敗原因や対処法について解説しました。

最後に、記事の内容をまとめます。

  • 禁煙成功者でも半数以上が失敗を経験しているため、落ち込む必要はない
  • 禁煙の失敗には、依存性や環境が大きく関連している
  • 失敗を防ぐ方法として、喫煙できる環境を避ける、禁煙後のメリットを想像するなどが挙げられる
  • 禁煙補助薬の利用により、禁煙成功率が約1.5~3倍高まる
  • フィットクリニックでは内服薬の「チャンピックス」を取り扱っている

禁煙に失敗はつきものです。

また失敗してしまった、と諦めず、気軽な気持ちで禁煙治療に取り組んでいきましょう。

離脱症状がつらい場合は、禁煙補助薬の使用もご検討ください。

フィットクリニックでは、禁煙補助薬「チャンピックスジェネリック」をご自宅で受け取れるオンライン診療も行っております。

通院の手間が無いため、まとまった時間が取れない方でも継続して禁煙治療が可能です。

ドクター
禁煙に失敗しても、何度も挑戦することで必ず成功に近づけます。当院で禁煙治療に取り組んでいきましょう。

よくある質問

タバコをやめたい禁煙したい時によくある質問
Q1
タバコを自力でやめるのは難しい?
A1

ニコチン依存度にもよりますが、自力での禁煙は平均3〜4回チャレンジすることで生涯禁煙者になれるとされています。

そのため、1度の禁煙で成功させるのは難しく、自力での禁煙成功には経験を積むことが大切です。 一度ですっぱりとやめたい方は、禁煙補助薬をご利用ください。

Q2
1日1箱吸っていますが、どの薬がいいですか?
A2
1日1箱であれば、「ミドルスモーカー」あるいは「ヘビースモーカー」の可能性が考えられます。
医師との相談が必要ですが、概ね市販されているニコチンパッチ・ガムでは十分な効果が期待できない場合があるので、飲み薬のチャンピックスの処方という選択肢もご検討ください。
Q3
薬を使っても失敗することはあるか?
A3
薬を使っても、禁煙に失敗する可能性はあります。

薬を使っても禁煙に失敗する場合

  • 吐き気などの副作用
  • 自己判断で治療を途中でやめてしまった
  • 禁煙の意志が弱かった
など
上記のような理由があげられ、副作用が合わないことを除いては、禁煙する動機が弱かったケースが考えられます。
Q4
意思が弱くても禁煙できる?
A4
薬を使っても、禁煙に失敗する可能性はあります。
タバコに含まれるニコチンは依存性が高く、意思に関係なく脳の働きに影響するため、禁煙ができないのは意思が弱いわけではありません。
ただし「確実にタバコをやめたい」気持ちと、タバコをやめる理由が明確でないと個人差はありますが、禁煙は失敗しやすくなります。
特に禁煙から2、3日目は離脱症状が出やすく、最初の峠と言われています。
禁煙前の準備として、なぜタバコをやめたいのかをしっかり考え、禁煙補助薬を使用しての挑戦をおすすめします。
禁煙出来ない人の特徴などについては以下で詳しく解説しています。
Q5
タバコの上手なやめ方は?
A5
タバコをやめる際に、1日に吸う本数を徐々に減らしたりするとニコチン切れによる症状が強くなり、次の1本がとても美味しく感じてしまいます。
その結果、禁煙成功から遠のく可能性があります。
タバコをやめると決めたら、スッパリとやめることが上手なやめ方といえます。
とはいえ自力での禁煙は離脱症状が強く出るため、禁煙補助薬を使用するのがおすすめです。
Q6
禁煙したいけど吸いたくなったらどうすればいいですか?
A6
タバコを吸いたくなってしまった時は、以下のような他の行動に置き換えることで吸いたい気持ちをコントロールしましょう。
  • イライラ、落ち着かない⇨ 深呼吸する、水やお茶を飲む
  • スッキリしない(眠気や倦怠感)⇨ 軽めの運動
  • 口がさみしい⇨ アメやガム、フリスクなどの清涼菓子や歯を磨く
はじめは慣れないかもしれませんが、続けていればやがては習慣化されていくので、シチュエーションに応じて代替行動をしていきましょう。
Q7
タバコをやめた何日目が一番きついですか?
A7
ファイザーのアンケート調査によれば、自力で禁煙に挑戦した1,414人のうち、再び喫煙してしまうまでの期間の割合は3日以内が31.8%と一番多い結果となりました。
このことからタバコをやめて3日以内が一番きつい期間といえます。
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