ピルの種類やアフターピルと低用量ピルの違い
ピルにはいくつか種類があり、効果や使用用途、服用方法なども異なります。
現在、多くの方が利用している「アフターピル」や「低用量ピル」、最近では使われなくなった「高用量ピル」など、大きく分けて6種類があります。
- 避妊に失敗して焦っている
- PMSや生理痛を改善したい
- 生理周期を正したい、月経を移動させたい
こうした目的も様々ですので、自分に合ったピルを選んで服用することが重要です。
ここではピルの特徴や効果などを比較しながら種類別に紹介していきます。
ピルとは
ピルとは、女性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)を主成分としたお薬です。
経口避妊薬と呼ばれることもありますが、最近では避妊以外にも、肌荒れやニキビ改善をはじめ、生理痛の改善やPMS(月経前症候群)の軽減といった月経トラブルにも活用されています。
そのほか服用方法次第では、月経周期の安定化や時期の調整もできるなど使用するメリットが大きいのも特徴的です。
ピルの分類
一口にピルと言えど、ホルモンの含有量によっていくつかに分類することができます。
ピルの分類 | 主な用途 |
---|---|
アフターピル | 避妊に失敗した際に緊急的に服用。避妊成功率はかなり高い。 |
高用量ピル | 不正出血や過多月経時などに用いられる。 |
中用量ピル | 月経の移動やヤッペ法に用いられる。 |
低用量ピル | 避妊目的以外に、月経困難症や月経前症候群(PMS)改善目的にも用いられる。 |
超低用量ピル | 月経困難症や月経前症候群(PMS)、子宮内膜症の治療に用いられる(保険適用)。避妊目的での使用はできない。 |
ミニピル | エストロゲンは含まれず、プロゲステロンのみ含まれているピル。毎日同じ時間に休みなく服用する必要がある。 |
主に避妊用途で利用されているアフターピルと低用量ピルにも、利用状況や利用方法、服用回数や服用方法には大きな違いがあります。
アフターピルと低用量ピルの違い
アフターピル (緊急避妊薬) |
性行為後、緊急的に避妊するために用いる薬。薬によって72時間以内、もしくは120時間以内に服用することで高い避妊効果を発揮する。 |
---|---|
低用量ピル | 性行為前から服用し避妊する薬。毎日服用(休薬期間あり)の手間はあるが高い避妊効果が期待できる。 |
アフターピルと低用量ピルは、同じピルですが「使い方」に大きな違いがあります。
アフターピルは常用するものではなく、避妊に失敗した際に緊急時に服用するお薬です。
一方低用量ピルは、連続服用することで避妊効果を発揮するお薬です。アフターピルのように飲んですぐ避妊効果を発揮するものではありません。
両者とも避妊目的として用いることができますが、どのような場合に避妊するかによって使い分ける必要があります。
低用量ピルについて
低用量ピルは、服用し続けることで排卵を抑制し、計画的に避妊できるお薬です。
- 服用1週間で高確率な避妊効果
(生理の第1日目~第5日目の間に飲みはじめる必要があります) - 1日1錠服用の必要(休薬期間あり)、服用時間は厳密ではなくてよい
- 1日程度の飲み忘れは対処可能(一定の避妊効果は持続)
最近は避妊だけでなく、以下の用途で使用する方も多い傾向にあります。
- PMSを抑える
- 生理痛を抑える
- 肌荒れを抑える
- 月経不順の改善
低用量ピルの種類
低用量ピルには第一世代~第四世代まで種類があります。種類によって配合されているホルモンが異なったり、期待できる効果が異なったりと様々な違いがあります。
たくさんの種類があるからこそ、自分の身体に合ったピルを選ぶことが大切です。
第一世代ピル(ノルエチステロン)
第一世代のピルは、日本で初、製造が認可されたノルエチステロンを用いた低用量ピルです。
フリウェル・ルナベル・シンフェーズなどのピルが挙げられます。
第一世代のピルは月経困難症や子宮内膜症への治療効果が高く、ノルエチステロンの作用により生理時の出血量が減りやすいのも特徴的です。
そのほかニキビや肌荒れ改善にも効果的ですが、不正出血しやすいといわれています。
第二世代ピル(レボノルゲストレル)
第二世代のピルは、レボノルゲストレルを用いた低用量ピルです。
第一世代に比べるとエストロゲンの量が少なく、不正出血や血栓症が起こりにくいとされています。
トリキュラー・ラベルフィーユ・ジェミーナ・アンジュなどのピルが挙げられます。
不正出血が起こりにくいことから、生理周期の安定化が図りやすいのは大きなメリットです。避妊はもちろん、月経困難症の治療や生理痛改善にも用いられています。
第三世代ピル(デソゲストレル)
第三世代のピルは、デソゲストレルを用いた低用量ピルです。
ニキビや肌荒れの原因になりやすい男性ホルモンの作用を最も少なくし、黄体ホルモンの働きを強めることで、肌トラブルにアプローチしてくれます。
マーベロン・ファボワールなどのピルが挙げられます。
男性ホルモンの作用を抑制することから、性欲減退の可能性があります。
第四世代ピル(ドロスピレノン)
第四世代のピルは、ドロスピレノンを用いた超低用量ピルです。
他のピルに比べると卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が少なく、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で使用されています。今回ご紹介する低用量ピルで唯一保険適用が可能です。
ヤーズ、ヤーズフレックスなどのピルが挙げられます。
ホルモンの含有量が少ない分、むくみにくく、それ以外の副作用も起こりにくいのがメリットです。
第一世代~第四世代の中で唯一、避妊効果の検証が行われていないため、国内では避妊目的として使用されていません。
アフターピル(緊急避妊薬)について
アフターピルとは、リスクのある性行為後、望まない妊娠を避けるために服用する緊急避妊薬です。
- 性行為後、早く飲むほど避妊効果が高い
- ほとんどのアフターピルが、1回の服用で避妊効果を得られる
- 副作用が出ても通常1日(24時間)以内に治まる
基本的に、緊急時に服用するためのお薬なので、連続服用しないようにしましょう。
アフターピルの種類
アフターピルには、下記の種類があります。
- ノルレボ(レボノルゲストレル錠)
- エラワン(エラ)
- マドンナ など
現在、国内で承認されているものは「ノルレボ(レボノルゲストレル錠)」のみです。
ノルレボのジェネリック医薬品が「レボノルゲストレル錠」となります。
そのほかの「エラワン(エラ)」「マドンナ」「ポスティーノ」などは、国内では未承認の海外医薬品です。
海外医薬品であっても、クリニックで医師から処方してもらえるものであれば安心安全です。
フィットクリニック渋谷笹塚院でも、「レボノルゲストレル錠(72時間)」「エラ(120時間タイプ)」のアフターピルを取り扱っているので詳しくは下記をご確認ください。
※あくまでも緊急用のお薬です。避妊効果は100%ではありません。
ヤッペ法とアフターピルの避妊率比較
緊急避妊法の中には「ヤッペ法」という方法があります。
ヤッペ法は中用量ピル(プラノバール錠)を用い、性行為後72時間以内に2錠服用、もう12時間後に再び2錠服用する避妊法です。
一見アフターピルと似たような避妊法ですが、大きく異なるのは避妊率です。
アフターピルとヤッペ法の服用時間別の避妊率
服用時間 | アフターピル | ヤッペ法 |
---|---|---|
24時間以内 の服用 |
99% | 77% |
48時間以内 の服用 |
98~99% | 36% |
72時間以内 の服用 |
97~99% | 31% |
アフターピルもヤッペ法も、性行為から服用までの時間が短ければ短いほど高い避妊効果を発揮しますが、ヤッペ法は服用時間の経過とともに避妊成功率が如実に下がります。
またアフターピルのほとんどは1回の服用で済むものの、ヤッペ法は時間を分けて2度服用する手間があるほか、副作用の発現率が高いこともデメリットといえます。
ピルの副作用
ピルの副作用として挙げられる症状は下記です。
- 吐き気
- 頭痛
- めまい
- むくみ
- 乳房痛
- 少量の不正出血
- 血栓症
アフターピルの場合、副作用が出ても1日以内に治まることがほとんどです。
低用量ピル・超低用量ピルは服用後数日間は副作用の症状が出ることもありますが、身体が慣れるまでの一時的なもので、長くとも2、3ヶ月で症状は治まります。
もし副作用が長引く場合は、ピルを処方してもらった婦人科・クリニックの受診を推奨します。
またピルは血栓症のリスクを高める可能性もあります。
静脈血栓症の既往がある方、35歳以上で1日15本以上喫煙される方、乳がん・子宮体癌の疑いがある方、原因不明の出血がある方は服用できませんので、注意が必要です。
ピルの服用方法
ピルの服用方法は種類によって異なります。ここでは低用量ピルとアフターピルの服用方法をそれぞれ紹介します。
低用量ピル
低用量ピルの服用方法は、「21日間毎日飲み続け、7日間休薬」です。
そもそも低用量ピルには「21日分」と「28日分」のものがあります。
両者は「7錠の偽薬がついているかいないか」というだけで、どちらも実薬は21錠です。
なぜ偽薬がついているのかというと、休薬期間にも偽薬を飲み続けることで休薬明けに実薬の飲み忘れを防止する効果が期待できるからです。
【21日タイプがおすすめの人】- お薬の服用管理を忘れずにできる人
- シートが小さい方が良い人
- 偽薬を飲むのが面倒な人
- 忘れっぽい性格の人
- 休薬明けの飲み忘れを確実に予防したい人
アフターピル
アフターピルの服用方法は、「リスクのある性行為後、出来るだけ早くアフターピルを飲む」です。
お薬によって服用すべき時間は決まっていますが、多くの場合、性行為後72時間以内、もしくは120時間以内とされています。
早く服用するほど高い避妊効果を発揮するのが特徴です。
フィットクリニックのアフターピル
フィットクリニック渋谷笹塚院では、アフターピルの来院処方とオンライン処方を行っております。
クリニックは、新宿より京王線で1駅(特急は停車しません)、京王新線も停車する笹塚駅より徒歩2分です。
オンライン診療の場合:問診や診察が約5~10分程度、お薬最短即日発送
ご来院の場合は、事前予約は必要ありません。すぐに診察・処方が可能です。
当院で処方しているアフターピルは、「レボノルゲストレル錠」と「エラ」の2種類です。
処方薬の種類 | レボノルゲストレル錠 (海外製) |
レボノルゲストレル錠 (日本製) |
エラ(ella) |
---|---|---|---|
有効成分 | レボノルゲストレル0.75mg | レボノルゲストレル1.5mg | ウリプリスタル酢酸エステル30mg |
服用時間 | 72時間以内 | 72時間以内 | 120時間以内 |
価格(税込) | 7,000円/2錠 | 12,000円/1錠 | 8,000円/1錠 |
副作用 | 吐き気、頭痛、胸の圧痛など | 吐き気、頭痛、胸の圧痛など | 吐き気、頭痛、胸の圧痛など |
正規品と成分は変わらないジェネリック医薬品なので、相場よりも安く処方することが可能です。
特許が認められた期間を過ぎることで、他の製薬メーカーが特許の切れた成分を使用して開発される医薬品。先発薬と同等の効果を持つうえ、開発コストを抑えられるため販売価格も低くすることができる。
すぐにアフターピルが欲しい方はオンライン診療がおすすめ
ピルの中でもアフターピルに関しては、性行為後、服用までの時間が避妊成功率の大きな鍵を握ります。
すぐにアフターピルが欲しいという方は、アフターピルオンライン処方を検討しましょう。
- お薬最短即日発送(診療時間・地域によってはバイク便で当日到着)
- 医師が処方するので安心・安全
- 保護者の同伴・同意書不要
- お薬のお届けはアフターピルだとわからない外装
フィットクリニック渋谷笹塚院では、少しでも効果を高めるためにスピード処方を行っております。
オンライン処方は以下からご予約する必要がありますが、ご予約時間に確実に診察できます。
またフィットクリニックではアフターピルの配送にバイク便を選択でき、診療時間によっては当日到着も可能です。
各種送料や地域別のお届け日の目安につきましては、以下のページをご確認ください。
「とにかくすぐにアフターピル処方の手続きを済ませたい」という方は、以下の予約ボタンからすぐにオンライン診療をお手続きください。
日・祝日10:00~18:00
まとめ
ピルは、ホルモンの含有量や使用用途など、大きく分けて6種類に分類することができます。
たくさん種類があるからこそ、自分に合うピルを見つけるのは大変かもしれません。
このピルは副作用が出るけど、変えてみると出ないということもよくあるものです。
実際に試してみないとわからないので、不安なことや心配なことがある場合は、医師に相談してみることを推奨します。
生理トラブルでお困りの方や避妊できたか心配している方などは、ピルの使用を検討してみてください。
ピルの種類にまつわるよくある質問
アフターピルは、当院であれば7,000~12,000円で処方できます。