しかし、これにより女性が性的感度や興奮が高まることはない上、女性の服用はメーカーの想定外の使用方法で、メーカーが行った大規模な臨床試験でも効果は認められていません。
また、男性と同じ副作用で済むとは限らず、バイアグラには重い副作用のリスクもあります。
女性の性機能障害への効果は認められていないので、女性がバイアグラを服用するのはお控えください。
ED治療薬として有名なバイアグラですが、女性が飲んでも効果があるのでしょうか。
この記事では下記の内容について詳しくまとめています。
最近では海外ジェネリックの「女性用バイアグラ」も発売されており、SNSでも話題になっています。
しかしバイアグラを製造するメーカーであるファイザー(現:ヴィアトリス)は大規模な試験をいくつかおこなったものの、女性への効果はなかったとして試験を中止しています。
バイアグラを女性が服用しても良いものなのか、2024年現在の最新情報を調査した結果をこのページで詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
結論から申し上げると、バイアグラの女性への効果は認められていません。
女性のFSD(女性性機能障害)は男性のEDよりもはるかに複雑とされ、心身のトラブルだけでなく、パーソナルな部分なども絡んできます。
バイアグラは血管拡張作用によって、性的な感度を高める効果が期待されますが、女性がオーガズムに達しやすくなるという確証を得るのは難しいと考えられるでしょう。
またバイアグラの製造元であるファイザー社は、バイアグラの女性への有効性は証明できず承認しないと発表しています。
バイアグラは女性への適用は考慮されていないため、効果は断定できないといえるでしょう。
女性はバイアグラを服用できないのが前提ですが、バイアグラは全身の血流を促す効果が期待できます。
その結果、膣周囲の神経が敏感になり、性的な感度や興奮が高まったり、濡れやすくなったりする可能性もあると考えてしまうかもしれません。
しかし、効果を示す医学的根拠はないため憶測に過ぎず、思い込みによるプラセボ効果も否定できないため治療薬としては使用するのは難しいと言えます。
※プラセボ効果:本来は薬としての効果をもたない偽薬(プラセボ)を服用して得られる効果
バイアグラは媚薬や催淫剤のように、ムラムラした気持ちや性的な興奮を引き起こすものではありません。
ここで1度バイアグラの概要を確認しておきましょう。
バイアグラの概要 | |
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有効成分 | シルデナフィルクエン酸塩 |
効果効能 |
|
製造販売 | ヴィアトリス製薬 |
女性のバイアグラ服用は効果が得られないだけでなく、副作用などの安全性も確認されていません。
上記の副作用はあくまでも男性が服用した場合のものです。
女性の服用によるデータは存在しないため、必ず男性と同じ症状が出るとは限りません。
男性よりも肝臓の小さい女性は、体内での成分濃度が高くなってしまい同じ副作用であっても増悪する可能性も考えられます。
さらに、女性の服用は適正な使用には当たらないため、万が一日常生活に支障をきたすような副作用が起きても「医薬品副作用被害救済制度」が適用から外れてしまいます。
何が起こっても自己責任となるので、女性がバイアグラを服用するのはお控えください。
バイアグラはEDの症状が認められる男性のみが購入できる処方箋医薬品となり、女性は医療機関でバイアグラを購入できません。
購入は「治療が必要な本人のみ」に限られ、女性が病院などの医療機関で相談しても処方は断られます。
その他、以下の方法で入手することも出来ません。
女性の代わりに男性がバイアグラを購入したり、女性にバイアグラを譲渡したりする行為は、薬機法違反になります。
バイアグラは男性専用の薬となり、処方箋医薬品にあたることから処方を受けた本人以外の使用は認められていません。
譲渡した場合、利益を得るための営利目的と判断されてしまうと、「無許可販売」にあたり罰則の対象になります。
※3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらを併科
仮に罰金で済んだとしても前科がつくため、社会的信用を失うなど日常生活に影響がでてしまう可能性もあります。
医師から処方されたバイアグラを安易に譲渡しないよう注意しましょう。
個人輸入でバイアグラや女性用バイアグラを購入する方法もありますが、下記のリスクがあり危険です。
自己判断で薬を選ぶこと自体がそもそも危険です。
なかには認められていない効果効能を謳ったり、国内で認められている用量を超えたりする薬もあります。
仮に個人輸入したバイアグラを服用した場合、副作用が起きた際に適切な対処ができません。
さらに個人輸入で販売しているED治療薬は偽薬の可能性や劣悪な環境で製造されている可能性があります。
そのような薬を服用すれば、効果がないばかりか重篤な副作用を引き起こす危険性があることを理解しなくてはいけません。
偽薬を売っているような悪質なサイトであれば、入力した情報が盗まれるなど詐欺被害に遭う危険性も捨てきれません。
バイアグラの個人輸入は、健康面だけでなくさまざまなリスクがあるため控えましょう。
海外製ジェネリックのなかには「ラブグラ」など、女性用バイアグラとして販売されている製品が見受けられます。
女性用バイアグラは医療機関では取り扱われておらず、一部の個人輸入代行サイト(海外通販サイト)のみで販売が展開されています。
海外製女性用バイアグラ | |
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製品名 | ラブグラ(女性用バイアグラ) |
有効成分 | シルデナフィルクエン酸塩 |
用量 | 100mg |
製造メーカー | アジャンタファーマ(インド) |
上記の「ラブグラ」は女性への効果についての医学的な証明がありません。
加えてラブグラの用量は100mgとなっており、これは日本での治療用量の上限とされている50mgの倍にあたります。
女性用バイアグラと謳ってはいるものの中身はバイアグラと変わらず、用量も上限を超えていることから購入はおすすめできません。
また海外通販では他にも女性の性機能障害を改善する薬として、下記のような薬の販売も見受けられます。
フリバンの先発薬にあたる「addyi」は、2015年にアメリカで承認されたばかりの薬です。
本来存在するはずのないジェネリックになるため、購入はお控えください。
世界では、女性用バイアグラに位置付けられる治療薬の開発が進んでいます。
アメリカでは先駆けて、女性性機能障害の1つであるHSDD(性的欲求低下障害)の治療薬の処方がスタートしています。
addyi(アディ) | vyleesi(ヴィリーシ) | |
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有効成分 | フリバンセリン | ブレメラノチド |
剤形 | 錠剤 | 注射剤 |
効果効能 |
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副作用 | めまい、傾眠、吐き気、疲労、不眠症、口の渇き など | 注射部位の反応、頭痛、嘔吐、咳、疲労、ほてり など |
用法用量 | 1日1回就寝前に100mgを服用 | 性行為の45分前に自己注射(腹部または太もも) |
どちらの治療薬も基本はアメリカのみでの処方となっております。
ただし、国内でも婦人科を併設する自由診療系のクリニックで「フリバンセリン」の処方がおこなわれている場合があります。
なお、日本で認可はされておらず、フィットクリニックでの取り扱い予定はありません。
海外製の医薬品はすべてが危険というわけではありません。
もし海外製医薬品の服用を検討している場合は、次の2つの条件が揃ったクリニックを選びましょう。
先ほどご紹介したフリバンセリンのように、症状によってはQOLの向上に役立てることができる場合もあります。
FSD(女性性機能障害)の原因は複雑なことから、症状にお悩みの方は治療実績のあるクリニックに受診することをご検討ください。
最後に、このページの内容をまとめてお伝えします。
女性の性機能障害は男性のEDとは異なるため、女性がバイアグラを使っても効果を得ることはできません。
効果のない薬の服用は副作用のリスクしか残らず、場合によっては重い副作用が起こることもあります。
興味本位で女性がバイアグラを服用するのは危険であり、処方を受けた本人以外の服用は法律で禁止されていることから、購入は絶対にお控えください。
男性ご自身が悩んでいる場合は、フィットクリニックでバイアグラとバイアグラジェネリックをご用意しています。
オンライン診療であれば、直接クリニックに足を運んでいただく必要もなく、5~10分程度の問診で完了いたしますのでぜひご相談ください。