脂肪吸収阻害薬ゼニカルの効果や油漏れなどの副作用について解説

更新日:2025/05/12
脂肪吸収阻害薬ゼニカルの効果や油漏れなどの副作用について解説

ゼニカルは、食事に含まれる脂質の吸収を抑え、余分な油分を排出する脂肪吸収阻害薬です。
このページでは、ゼニカルの効果や副作用、飲み方、服用上の注意点についても詳しく解説しています。

なお当院ではゼニカルジェネリックであるオルリファスト(約1ヶ月5,300円~6,000円)を処方しております。

ダイエット薬の種類と効果について

脂肪吸収阻害薬「ゼニカル」とは

ゼニカルとは、「脂肪吸収阻害薬」または「脂肪吸収抑制剤」と呼ばれる脂質の吸収を阻害するお薬の1つです。
もともと高度肥満や生活習慣病(糖尿病や高血圧など)といった方のための肥満治療薬として処方されていました。

その際、生活習慣病ではない方にも同じ効果が見られたことから、現在ではダイエット薬としても処方されています
効果や安全性については、FDA(アメリカ食品医薬品局)など欧米諸国をはじめ100カ国以上で認可されています。
日本でも美容クリニックを中心に処方されている安全性・有効性が高いお薬です。

脂肪吸収阻害薬でのダイエットが向いている方
  • 中華・洋食・揚げ物などの食事が中心の方
  • 外食や飲み会が多い方
  • 肥満気味で生活習慣病が不安な方
  • 計画的にダイエットしたい方

脂肪吸収阻害薬の種類

脂肪吸収阻害薬はオルリスタットを成分とする以下のような医薬品があります。

脂肪吸収阻害薬の種類
  • ゼニカル
  • オルリファスト
  • アライ
  • オルリガル
  • ビーファット
  • オベリット
  • ザモカル
  • フォビカル

など

ゼニカルのダイエット効果

ゼニカルのダイエット効果によって減量や体型維持が可能です。

脂肪吸収阻害薬ゼニカルは脂肪分解酵素であるリパーゼの働きをブロックして、脂質の吸収を阻害します。
ゼニカルの有効成分オルリスタットによって食事で摂取した脂質の30%を阻害するとされます。
高カロリーである脂質を阻害することで、ウェイトコントロールがしやすくなるため、計画的なダイエットも可能です。

ゼニカルのダイエット効果

① リパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを弱める

② 脂肪の分解や吸収を抑える

③ 余分な油分は24~48時間で便と一緒に体外へ排出

通常時の脂肪吸収

通常時の脂肪吸収

ゼニカル服用時の脂肪吸収

ゼニカル服用時の脂肪吸収

いつから効果が現れるのか

ゼニカルの効果は、2~3週間ごろから現れることが多い傾向です。
ただし、見た目の変化を実感するまでには少し時間がかかります。

効果を実感するまでの目安

体重の変化:2~3週間

見た目の変化:6~12ヶ月

上記はあくまで目安であり、個人差があります。
体質だけでなく、食事内容・量によっても効果が出るまでの期間が変わります。
特に、ゼニカルは脂肪の吸収を防ぐ薬なので、炭水化物(糖質)が中心の食生活を送っていると、ゼニカルの効果は出にくくなります

毎日服用する必要はないため、油分が多めの食事のタイミングで服用すると効率的です。

ゼニカルをやめたらどうなるか

ゼニカルの服用を中止すると3日程度で油分の排泄は服用前の状態に戻ります。
便中の脂肪含有量も同程度(48~72時間)で通常レベルとなりますが、一時的に下痢のような症状が起こることもあります。

外での用事などで油漏れや便意のコントロールが気になる場合は上記を参考に服用タイミングを考慮します。

ゼニカルの油漏れなどの副作用

ゼニカルの副作用は、油分の排出にともなう症状が多くみられます。

ゼニカルの副作用
  • 油漏れ
  • おなら(放屁)
  • 油性または脂肪便
  • 排便回数が増える
  • 便意をコントロールできない
  • 下痢
  • 脂溶性ビタミンの減少

吸収されなかった脂肪が無意識に排泄されてしまうのが「油漏れ」で、漏れた油は独特な匂いがあり、下着に付着した場合は取れにくいため対策が必要です。

また、稀に重い副作用が出ることもあります。
服用中に次のような症状が出た場合、異変を感じた場合は、すぐ医師に相談してください。

ゼニカルの重い副作用

重い肝機能障害
⇨ 食欲減少、皮膚のかゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、琥珀色の尿、明るい色の便、胃の右上部分の痛み など

腎機能障害
⇨ 脚の腫れ、尿量が少ない・出ない、頻尿または排尿痛、血尿、食欲不振、吐き気、嘔吐、背中・腹部、鼠蹊部の激しい痛み など

胆石症
⇨ 胃の右上部分の痛み、吐き気、嘔吐 など

【準備が肝心】副作用への対策

ゼニカルは、起こりやすい副作用に対して準備しておくことで、安心して服用することができます。
主な副作用への対策は以下のとおりです。

ゼニカルの副作用への対策例

油漏れ・おなら
⇒ 尿取りパットや大人用の紙おむつ、生理用ナプキンなどをつける
⇒ おならが出そうになったらトイレに行く

油性または脂肪便
⇒ 下着についた場合はぬるま湯につけ食器用洗剤等で洗う
⇒ トイレットペーパーを便器内に敷く

排便回数が増える・便意を制御できない
⇒服用3日以内にトイレに行けない状況がありそうな場合は服用しない

下痢
⇒ 市販の下痢止めや整腸薬を使う

脂溶性ビタミンの減少
⇒ マルチビタミンのサプリメントを1日1回服用する
(ゼニカル服用の2時間前または2時間後)

また、油漏れの防止策として、キトサンを含んだサプリメントの摂取も有効とされます。
キトサンの作用は、消化器官内にある脂肪分や糖分を吸着しゼリー状に固めるため、油分が固まり油漏れを起こしにくくします。

ゼニカルを服用できない人

以下に該当する方は、ゼニカルの服用ができません。

ゼニカルを服用できない人
  • ゼニカルに含まれる成分にアレルギー(過敏症)の既往歴がある人
  • 妊娠中(妊娠の可能性がある方も含む)・授乳中の人
  • 慢性吸収不良症候群の患者
  • 胆汁うっ滞の患者

授乳に関してはゼニカルの成分が母乳に移行するかは不明ですが、胎児・小児に悪影響を与える可能性があるため、妊娠中・授乳期の服用も避けるようにしてください。

ゼニカルの併用禁忌薬・併用注意薬

ゼニカルの併用禁忌薬はありませんが、併用注意薬には次のようなお薬があげられます。
服用しているお薬があれば事前に医師に伝えるようにしてください。

ゼニカルの併用注意薬

シクロスポリン
⇨ シクロスポリンの作用を弱める可能性があるため、ゼニカルの服用3時間後に服用

レボチロキシン
⇨ 甲状腺機能低下症を起こすおそれがあるため、ゼニカルの服用から少なくとも4時間以上の服用間隔を空ける

ワーファリンなどの抗凝固薬
⇨ ゼニカルによるビタミンKの不足から出血しやすくなる可能性があるので注意が必要

アミオダロン
⇨ アミオダロンの治療効果を低下させる可能性がある

抗てんかん薬
⇨ 痙攣を起こす可能性がある

抗レトロウィルス薬(HIV治療薬)
⇨ HIVウィルス量が増加する可能性がある

ゼニカルの飲み方

ゼニカルは以下のとおりに服用します。

ゼニカルの飲み方
  • 食事中または食後1時間までに1錠を服用する
  • 服用は1日3回まで
    ※注意:1回の用量を超えた量は服用しない

なお、脂質が含まれていない食事を摂る際には服用をスキップできるため、食事内容によって服用するか判断が必要です。

注意点として、1回の用量を超えた服用はしないでください。
必要以上に量を増やしても、追加で効果を得られるわけではありません。
副作用の面からも、用量を超えた服用はお控えください。

ゼニカルの安全な購入方法はクリニック処方

ゼニカルなどの脂肪吸収阻害薬の安全な入手方法は、クリニックでの処方のみとなっています。
海外の通販で個人輸入するケースが増えていますが、偽造薬や健康被害のリスクが高く推奨できません。
また、副作用が出た際に適切な対処ができなくなる可能性もあるため、安全に服用するためにもクリニックでの処方が確実です。

当院のゼニカルジェネリック「オルリファスト」

フィットクリニックでは、ゼニカルと同成分でより安く購入できるゼニカルジェネリック(オルリファスト)を処方しています。

オルリファスト
  • ゼニカルと同じ有効成分のため同等のダイエット効果
  • 作用の強さが違う60mg、120mgがある
  • 服用は1日3回まで
    ※注意:1回の用量を超えた量は服用しない

120mgは作用が強いため、はじめて服用される方は60mgからスタート、その後身体が慣れてきたら120mgへ増量という選択が可能です。

当院のオルリファストの料金は以下の通りです。

  オルリファスト 60mg オルリファスト 120mg
30錠 5,700円 6,000円
90錠 16,245円
(5,415円/30錠)
17,100円
(5,700円/30錠)
180錠 30,780円
(5,130円/30錠)
26,500円
(5,300円/30錠)

※処方のタイミングによってはNOD社のオルリスタットが届きます

すぐに処方を受けたい方やその他のダイエット薬についても聞きたい方は以下よりご予約、ご相談いただけます。

WEB・LINEのご予約は24時間受付

メディカルダイエット薬の処方については以下のページで詳しく紹介しています。

メディカルダイエット薬の処方について

ゼニカルとメトホルミンの併用

メディカルダイエットでは、他のお薬との併用療法も効果を高める方法の1つになります。
メトホルミンは糖質(お米、パン、麺など)の吸収を阻害するお薬です。
ゼニカルと併用することで糖質と脂質の吸収を抑制することが可能です。

ただし、ゼニカルとメトホルミンの併用治療は十分な研究が行われていないこともあり、自己判断での併用は危険です。

当院のメトホルミンの料金は以下の通りです。

メトホルミン 500mg メトホルミン 500mg 価格 定期配送
30錠 3,500円 3,300円
60錠 6,800円 6,500円

※在庫によって画像とは異なるメーカーの処方となる可能性があります。

ゼニカルと同成分「アライ」

ゼニカルと同じ有効成分の内臓脂肪減少薬「アライ」が、2024年4月8日より薬局にて市販開始となりました。
有効成分は同じオルリスタットになりますが、1カプセルあたりの用量については、医師処方の半分となる60mgです。
また、アライは「要指導医薬品」として販売予定なのでネット購入はできません
加えて購入時には必ず薬剤師の確認が必要となります。
一方、ゼニカルはジェネリック医薬品が開発されており、フィットクリニックでもゼニカルジェネリックの「オルリファスト」を処方しております。

ゼニカルのよくある質問

  • Q
    ゼニカルのデメリットはありますか?
    A
    ゼニカルのデメリットとしては、次のようなことがあげられます。
    • ビタミン(脂溶性)の不足
    • 油漏れ
    脂溶性ビタミン(A・D・E・K)が不足すると身体に不調が起こるため、マルチビタミンとの併用は必須です。
    また、意図せず油が排泄されたり、トイレの回数が増えることがあります。
  • Q
    ゼニカルの1ヶ月の費用の目安はいくらですか?
    A
    約7,000円~13,000円 / 60mg・42錠(1ヶ月分)です。
    ゼニカルは、保険適用外のため十割負担となります。
    また、医療機関ごとに設定された診察料(初診料・再診料・調剤料など)が加算されることがあります。

    対してゼニカルのジェネリック医薬品は先発薬の開発費を削減できることから、上記の金額より安価に提供することが可能です。
  • Q
    ゼニカルをどのくらい続ければいいのでしょうか?
    A
    6~12ヵ月とされています。
    3ヶ月→6ヶ月→12ヶ月と3カ月ごとに様子を見ながら続けてみてください。
    ゼニカルは毎日服用する必要はなく、脂質の多い食事を摂る際に使用してみてください。
  • Q
    脂質の多い食事を増やしてもいいですか?
    A
    ゼニカルで吸収を阻害できるのは食事で摂取した脂質の約30%です。
    脂質の摂取量が増えると阻害できる脂質も増えますが、吸収してしまう脂質も増えるため、ダイエット効果が現れにくくなります。
  • Q
    ゼニカルは通販でも入手できますか?
    A
    ゼニカルは海外通販(個人輸入)でも入手できますが、品質や服用のリスクからおすすめできません。
    すべて自己判断となり、重大な健康被害が起こる可能性もあるため、医療機関で入手しましょう。
  • Q
    ゼニカルの効果がない人はいますか?
    A
    ゼニカルの効果がでない原因として、食べ過ぎや偏った食生活が考えられます。
    ゼニカルを服用していても必要以上に食べていれば効果が十分に発揮できません。
    また糖質は阻害されないため、パンや白米、麺類など糖質の高い食事が多いと効果を感じられない場合があります。
  • Q
    ゼニカルの効果を高めるにはどのような方法がありますか?
    A
    ゼニカルの効果を高めるには、服用と一緒に食生活の見直しと軽めの運動を行うと言った方法があります。
    炭水化物を食べ過ぎると思うように効果が得られない可能性があるため、バランスの良い食事を心がけてください。
    また有酸素運動や筋トレを取り入れるとお腹周りや二の腕の脂肪が落ちやすくなります。
  • Q
    ゼニカルの安全な入手方法を教えてください。
    A
    ゼニカルの安全な入手方法は、クリニックでゼニカルと同じオルリスタット製剤の処方を受ける方法があります。
    ゼニカルやゼニカルジェネリックを個人輸入で海外から取り寄せる入手方法については、偽造薬による健康被害や詐欺などさまざまな危険があるため推奨できません。
  • Q
    ゼニカルは油漏れしますか?
    A
    ゼニカルは吸収されなかった油分が排出されるため、油漏れすることがあります。
    尿取りパッドや大人用の紙おむつ、生理用ナプキンなどで対策しましょう
  • Q
    ゼニカルとアライの違いはなんですか?
    A
    ゼニカルとアライは、用量が異なります。
    ゼニカルの用量は最大120mgですが、アライは60mgとなっています。
    どちらも同じオルリスタットを成分とする医薬品ですので、用量が同じなら作用は同等です。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

参考サイト

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この記事の監修

フィットクリニック院長・服部圭太
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務