保険適用の「ウゴービ」はどんな薬?効果や副作用について詳しく解説

保険適用の「ウゴービ」はどんな薬?効果や副作用について詳しく解説

「ウゴービ」は2024年2月22日に保険適用を受けた、抗肥満薬(GLP-1受容体作用薬)です。

糖尿病治療薬として知られる「リベルサス」や「オゼンピック」と同じ成分を含むことから、肥満症治療の新しい選択肢として注目されています。

適切なダイエットと組み合わせることで体重減少が期待できる一方で、副作用のリスクも考慮する必要があります。

本記事では、ウゴービの効果や副作用、保険適用の条件などについて詳しく解説していきます。

その他の肥満治療薬(ダイエット薬)については以下で紹介しています。

肥満治療薬「ウゴービ」とは

「ウゴービ」は、2024年2月22日から保険適用がはじまった肥満治療薬です。

この薬は、GLP-1受容体作動薬というカテゴリーに含まれ、すでにメディカルダイエットで用いられている肥満治療薬リベルサスやオゼンピックと同じ有効成分を含んでいます。

ウゴービは、主に食欲を抑制し、食事量をコントロールすることでカロリー摂取量を減らすサポートとなります。

特に代謝が落ちはじめて思うように減少できない30代半ばから50代や60代の方にとって、ウゴービはダイエットをサポートする有効な選択肢となるでしょう。

ウゴービのダイエット効果

ウゴービのダイエット効果

ウゴービの有効成分であるセマグルチドには、多彩な効果が期待されます。

ダイエット効果としては、主に以下の3つのメカニズムにより体重減少をもたらします。

  • 食欲抑制
    食欲を司る脳の満腹中枢に働きかけることで、食欲そのものを抑える
  • 胃の運動を遅らせる
    胃の内容物の排泄を遅らせて、食後の満腹感の持続によって食べ過ぎや間食を防ぐ効果が認められている
  • 血糖値のコントロール
    食後の急激な血糖の上昇を抑え、食後の血糖値を安定させることで脂肪を溜め込みにくい体質へと変化させる

これらの作用により、ウゴービは体重を減少させ、さらにダイエット中の無理な食事制限によるストレスを軽減し、長期的な体重管理をサポートします。

また食べる量が減ることで摂取カロリーもセーブできるため、内臓脂肪の減少にもつながり、効率的かつ続けやすいダイエットが可能です。

ウゴービの保険適用の条件

ウゴービの保険適用の条件

保険適用になったウゴービですが、痩せたい人なら誰でも保険適用で処方が受けられるわけではありません。

高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかを有する肥満症が認められ、かつ食事療法や運動療法を試みても十分な効果を得られない人のうち、以下に当てはまる場合にのみ保険適用での処方となります。

  • BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
  • BMIが35kg/m2以上

ちなみに、肥満に関連する健康障害とは以下のことを指します。

  • 耐糖能障害 (2型糖尿病、耐糖能異常)
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 高血圧症
  • 高尿酸血症(痛風も含む)
  • 冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)
  • 脳梗塞または一過性脳虚血発作
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
  • 月経異常または女性不妊
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
  • 運動器疾患
  • 肥満関連腎臓病

少しお腹が出てきたくらいでは保険適用でウゴービの処方は受けられず、健康を害している肥満症にのみ保険適用となります。

ハードルは高く設定されているので、体型維持の目的での使用では使用が認められません。

ウゴービと同じ成分「リベルサス」「オゼンピック」

ウゴービの保険適用条件は厳しく設定されており、治療の必要性が高い肥満症の方のみに限られています。

そのため、単にダイエット目的での処方は難しいのが現状です。

しかし、ウゴービと同じ有効成分セマグルチドを含むリベルサスやオゼンピックなら、メディカルダイエットを専門とするクリニックでの処方が可能です。

これらの薬剤には、ウゴービの発売以前から処方が行われていることから、同等のダイエット効果が期待でき、安全性に関する懸念もありません。

当院では、保険診療を行っていないためウゴービの取り扱いはありませんが、リベルサスやオゼンピックの処方は可能です。

ウゴービの処方が受けられなかった場合にも、体型維持やダイエットのために利用することができます。

またリベルサスについては、注射薬ではなく飲み薬となっています。

自己注射が苦手な方にとって治療のハードルを下げることもでき、使い勝手の良さから処方を希望される方も多いです。

ライフスタイルやダイエット目的に応じて処方できるので、無理なく効率的なダイエットを検討中であればお気軽に当院までお問い合わせください。

ウゴービの副作用

ウゴービは安全性の高い薬ではあるものの、使用中に副作用を起こすことがあります。
報告されている一般的な副作用については、以下をご確認ください。

  5%以上 1~5%未満 0.5~1%未満 頻度不明
感染症 胃腸炎
代謝及び栄養障害 食欲減退
神経系障害 頭痛 浮動性めまい、味覚不全
眼障害 糖尿病網膜症
心臓障害 心拍数増加
胃腸障害 悪心、下痢、嘔吐、便秘、消化不良、おくび、腹痛、腹部膨満 腹部不快感、胃食道逆流性疾患、鼓腸、胃炎、胃酸過多、口内乾燥 胃腸障害 胃排出遅延
肝胆道系障害 胆石症
全身障害及び投与部位状態 注射部位反応、疲労、無力症、早期満腹 倦怠感
皮膚及び皮下組織障害 脱毛症
精神障害 不眠症
臨床検査 リパーゼ増加 アミラーゼ増加

これらの副作用は、身体が薬剤に適応する過程で一時的に現れることが多いです。

ほとんどは使用を続けるうちに徐々に減少または消失しますが、特に投与初期や増量するタイミングで吐き気や下痢などの胃腸障害が現れやすくなります。

副作用の発生頻度や程度は、その日の体調なども含めて個人差があります。

症状が現れた場合には無理をせず、医師に相談することが重要です。

また、副作用が持続したり、日常生活に支障をきたしたりする場合は、速やかに医療機関を受診してください。

ウゴービの重篤な副作用

ウゴービ使用中、まれに以下のような重篤な副作用が報告されています。

これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関での診断と治療が必要です。

低血糖
ウゴービは血糖値を下げる効果がありますが、過剰に作用すると低血糖を引き起こすことがあります。初期症状には、脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常などがあります。

急性膵炎
膵臓に炎症が生じている状態で、嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛が特徴です。急性膵炎は命に関わることもあるので、これらの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診してください。

胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸
胆嚢や胆管に炎症が生じている状態で、右上腹部の痛み、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、発熱などが現れます。

これらの重篤な副作用は、ウゴービを使用したすべての方に現れる症状ではありません。

しかし、発生した場合には命を脅かす可能性もあるので、ウゴービを使用中は副作用に注意し、いつもと異なる症状を自覚した場合にはすぐ医師にご相談ください。

また、治療経過のモニタリングもかねて、定期的に医師の診察を受けることが副作用の早期発見と適切な対処につながります。

フィットクリニックで処方するGLP-1受容体作動薬

フィットクリニックでは、メディカルダイエットの一環として、GLP-1受容体作動薬の処方を行っています。

当院ではウゴービの取り扱いや保険診療は行っていませんが、同じ有効成分を含むリベルサスの処方を提供しています

価格については、以下をご参照ください。

錠数/用量 3mg 7mg 14mg
30錠 8,000円 15,800円 23,000円
90錠 22,800円
(7,600円/月)
45,000円
(15,000円/月)
65,500円
(21,850円/月)
180錠 43,200円
(7,200円/月)
85,200円
(14,200円/月)
124,200円
(20,700円/月)
定期配送 7,600円/30錠 15,000円/30錠 21,850円/30錠

リベルサスの効果を実感するには、服用から2〜3ヶ月が一般的です。

そのため180錠のプランの割引を最大にしていることから、3ヶ月間を目標にダイエット治療を行うことをおすすめします。

またフィットクリニックでは、オンライン診療を実施しています。

ダイエットの悩みをオンライン上で医師に相談でき、リベルサスも郵送にてご自宅などにお届けすることも可能です。

効率的に痩せたいとお考えの方は、お気軽にフィットクリニックへご予約・ご相談ください。
みなさまの健康とダイエットの成功を全力でサポートします。

GLP-1受容体作動薬を個人輸入するのは危険

GLP-1受容体作動薬は、自己判断で海外から個人輸入することが可能ですが、この方法は多くのリスクを伴います

品質保証されない
海外製品は厚生労働省に承認されたものではないため、品質、安全性、有効性が保証されません。何が起きても自己責任となるため、大きなリスクを伴います。

偽造薬や粗悪品のリスク
偽造品や粗悪品である可能性があり、適切な有効成分が含まれていないか、不純物が含まれていることがあります。これにより、使用することで深刻な健康被害を引き起こすリスクがあります。

未知の健康被害のリスク
薬の成分がわからないため、報告されていない副作用や未知の健康被害を引き起こす可能性があります。場合によっては、日常生活に深刻な影響を及ぼすこともあります。

医療機関での処方はこれらのリスクを回避し、安全かつ効果的に治療を進めるための最も確実な方法です。
個人輸入の便利さや価格に惑わされることなく、医師の下で適切な治療を受けることを強く推奨します。

まとめ

ウゴービが保険適用されると聞くと、「誰でも簡単に痩せることができる薬が手に入る」と誤解されがちです。

しかし、実際にはウゴービの保険適用は、重度の肥満に限られ、さらに健康障害を併発しているケースに限られています

このため、保険適用で処方されるハードルは非常に高いです。

一般的な肥満で健康障害がない方、またはより手軽に体重管理を希望する方には、リベルサスのような他のGLP-1受容体作動薬の使用を推奨します。

リベルサスにも同等の体重減少をサポートする効果があり、健康上のリスクが少ない方でも安心して使用できます。

これらの情報をもとに、ご自身に最適な治療方法をお探しの方は、フィットクリニックまでぜひご相談ください。

安全かつ効果的な体重管理をサポートするために、正確な知識と適切な医療サポートを提供いたします。

ウゴービに関するよくある質問

Q1
ウゴービは誰でも処方してもらえますか?
A1
保険適用が可能なウゴービですが、処方にはいくつかの条件があります。
生活習慣病(糖尿病など)を有する肥満症が認められ、食事療法や運動療法をしても十分な効果が得られなかった方のうち、以下の方が保険適用の対象です。
  • BMIが27kg/㎡以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合
  • BMIが35kg/㎡以上である場合
BMIが25以上の軽度肥満では処方が認められないため、通常のダイエットでウゴービを使用することはできません
Q2
ウゴービの主な効果は何ですか?
A2
ウゴービは主に食欲を抑制し、食後の満腹感を長持ちさせることで食事量を自然と減らす効果があります。
Q3
ウゴービの使用中に注意するべき副作用はありますか?
A3
ウゴービ使用中には吐き気、下痢、便秘といった消化器系の副作用が報告されています。
消化器系の副作用は使用を続けることで自然と治りますが、はじめての使用や増量するタイミングで起こりやすいので注意してください。
Q4
ウゴービで保険適用されない場合、ほかのGLP-1受容体作動薬の処方も受けられませんか?
A4
ウゴービで保険適用が認められない場合であっても、同じ有効成分を含んだリベルサスやオゼンピックであれば処方を受けられます。
保険適用とはなりませんが、軽度の肥満や効率的に体重管理を行いたい場合におすすめです。
Q5
ウゴービとリベルサスは同じ薬ですか?
A5
ウゴービとリベルサスは同じ有効成分を含んでいるため、同等の効果が期待できる薬と考えられています。
またリベルサスについては飲み薬になるので、自己注射が苦手な方でも使用しやすいのが特徴です。