こちらの記事はフィットクリニック服部圭太院長が監修しています。

メディカルダイエット(医療ダイエット)は、医師の管理のもとで行う医学的なダイエット治療です。
大きく分けて「施術による治療」と「薬による治療」があり、体質や目的に応じて選択されます。
本記事では「本当に痩せる?」「自分に向いている?」とお悩みの方に向けて、メディカルダイエットの効果、メリット、注意点まで解説しています。
無理なく健康的に痩せたい方は、ぜひご参考ください。
※当院では、身体への負担を抑えながら継続できる「投薬(内服薬・注射)治療」をご案内しています。
【薬剤別】メディカルダイエットの効果・使用方法
薬剤別の主な効果と、体重減少の目安は以下のとおりです。
分類 | 体重減少 | 特徴 | 商品名 |
---|---|---|---|
GLP-1受容体作動薬 | 6.7Kg(12週) |
食欲を抑える 基礎代謝が上がる 太りにくい体質になる |
リベルサス、 サクセンダ |
GIP/GLP-1受容体作動薬 | 10.7kg(52週) | 食欲を抑える 満腹感を持続させる 脂肪分解を促進させる |
マンジャロ |
脂肪吸収阻害薬 | 6.19Kg(48週) | 脂質30%カット | ゼニカル |
SGLT2阻害薬 | 2.56Kg(24週) | 糖質30~50%カット | フォシーガ |
血糖降下剤 | 1Kg(54週) | 血糖値を下げる 満腹感が続く |
メトホルミン |
※当院で処方していない薬剤(一部の食欲抑制剤など)は一覧から除外しています。
各薬剤の特徴や仕組みについては、次の章でさらに詳しく解説していきます。
GLP-1受容体作動薬の効果
GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑えて満腹感を持続させる作用があるほか、脂肪の燃焼も促すなど、痩せやすい体質づくりをサポートする効果が期待できます。
- 食欲を抑える
- 満腹感を持続させる
- 内臓脂肪をつきにくくする
- 脂肪燃焼を促す
⇨ サクセンダ / オゼンピック / ビクトーザ など
使い方:1~7回/週
朝食前に太もも、上腕、腹部いずれかに注射
※用量によって使用回数が異なります。
⇨ リベルサス
使い方:1回/日
注射剤・内服薬どちらも2週間~1ヶ月程度で体重の変化が期待できます。
※当院での取扱いはサクセンダとリベルサスのみとなります。
注射・内服いずれも、早い方では2週間ほどで体重の変化が見られるケースもあります。
生活スタイルやライフステージに合わせて選択可能です。
GIP/GLP-1受容体作動薬の効果
GIP/GLP-1受容体作動薬は、食欲抑制、満腹感を持続させる、脂肪分解を促進させるといった働きがあり痩せやすい体質へ導きます。
GLP-1受容体作動薬との違いとして、GLP-1と同様に膵臓でインスリンの分泌を促すホルモンGIPの両方に作用することが特徴です。
■注射剤
マンジャロ(チルゼパチド)
脂肪吸収阻害薬の効果
脂肪吸収阻害薬は食事に含まれる脂質の約30%の吸収を防ぎ、余分な脂肪を便として排出することで、体に脂肪がつきにくくなり、摂取カロリーの抑制による体重減少が期待できます。
- ゼニカル
脂肪吸収阻害剤は脂っこい食事が好きな人が効果を実感しやすく、服用から約2〜3週間で身体の変化が期待できます。
糖質吸収阻害薬(SGLT2阻害薬)の効果
糖質吸収抑制薬は、食事から摂取した糖質の約30〜50%の吸収を防ぎ、1日あたり200〜500kcalをカットすることで無理な制限なしに体重の減少が期待でます。
- フォシーガ / スーグラ / アカルボース など
米やパンなどの炭水化物が好きな人やお菓子が好きな人は治療効果が現れやすい。
食後の血糖値の上昇が抑えることもでき、痩せやすい体質に変化するためリバウンドもしづらくなります。
※当院での取扱いはフォシーガのみとなります。
血糖降下剤の効果
血糖降下剤は血液中の糖分を便の中に排出する効果があります。
血糖値の降下作用がブドウ糖の濃度に依存しないため、低血糖リスクを増加させずに血糖値を下げることが可能です。
- メトホルミン / ブホルミン(ジベトス) / ピオグリタゾン(アクトス)など
米、パン、麵など炭水化物の糖分の吸収を抑えたり、筋肉量の増強効果が期待できるため、体重増加を抑える働きがメインで、他のメディカルダイエット薬との併用も可能です。
※当院での取扱いはメトホルミンのみとなります。
メディカルダイエットが向いている人

メディカルダイエットは、運動が苦手な方や食事制限が続かない方、忙しくて通院が難しい方にも推奨できる治療方法です。
年齢や体質に合わせた薬剤を使用することで、無理なく体質改善を目指せます。
脂肪のつきやすい部位が気になる方には、施術による部分痩せ治療も選択肢の一つです。
施術治療については以下の章で解説します。
部分痩せなら施術治療

二重アゴや二の腕、下腹部、脚などの部分痩せにはダイエット薬ではなく、施術治療が最適です。
脂肪吸引やクールスカルプティングなどの種類があり、脂肪を除去したい部分によって治療方法を選んでいきます。
部位:下腹部や太ももなどの皮下脂肪の厚い部位
治療方法:超音波で脂肪を溶解して吸引
部位:顔まわり(頬・アゴ・フェイスラインのたるみなど)
治療方法:気になる部分に薬剤を注入し脂肪細胞を破壊
部位:お腹や二の腕など
治療方法:脂肪を冷却して脂肪細胞を除去
身体への負担や部位、脂肪の付き方によっても最適な施術治療は異なります。
ダウンタイムも施術によって異なるので、部分痩せを希望する人は医師と相談した上で施術方法を選びましょう。
当院では施術治療は行っておりません。
メディカルダイエットで痩せるメリット

メディカルダイエットは、単に体重を落とすだけでなく、体質や生活習慣にも良い変化をもたらします。
そのほか、継続することで得られるメリットは以下のようなものがあります。
- 見た目に自信が持てるようになる
- 基礎代謝が上がり、太りにくい体に近づく
- 血糖値や血圧など健康診断の数値改善にもつながる
メディカルダイエットの効果を高める方法
メディカルダイエットは、生活習慣を見直すことで効果をさらに高められます。
無理なく続けて、理想の体型を目指しましょう。
- 栄養バランスのよい食事を心がける
- 週に数回の軽い運動(ウォーキング・ストレッチなど)
- 睡眠時間・生活リズムの安定を意識する
- 薬の飲み忘れや自己調整は避ける
- 暴飲暴食や不規則な生活を見直す
メディカルダイエットの注意点
メディカルダイエットは医学的に効果が期待できる一方、注意すべきポイントもいくつかあります。
安心して治療を受けるためにも、事前に確認しておきましょう。
- 自由診療のため保険適用外
- 薬によっては副作用が発現する
- 暴飲暴食を続けると効果が薄れる
- 妊娠中・持病のある方は医師への相談が必要
- 服用量の自己判断や中止は避け、医師の指示に従う
メディカルダイエットに効果的な薬
メディカルダイエットに効果的な医薬品やサプリメント、漢方には以下のものがあります。
GLP-1食欲抑制剤 | リベルサス | 8,000円~23,000円/30錠 |
---|---|---|
サクセンダ | 13,600円~17,000円/1本 | |
マンジャロ | 6,300円~22,500円/1本 | |
脂肪吸収阻害剤 | オルリファスト | 5,130円~6,000円/30錠 |
糖質吸収阻害剤 | フォシーガ | 13,500円~17,000円/30錠 |
血糖降下剤 | メトホルミン | 3,300円~3,500円/30錠 |
漢方 | 防風通聖散 | 3,900円~5,400円/90包 |
サプリメント | BBXサプリ | 7,000円~7,700円/30錠 |
※フィットクリニックで処方している医薬品、サプリメントの例
メディカルダイエット治療(オンライン診療)については詳しくは以下で解説しています。 メディカルダイエット治療について
まとめ:無理なく痩せるならメディカルダイエット
最後に、本記事の重要なポイントを以下にまとめました。
- 食事制限や激しい運動なしで効率よく痩せられる
- 内臓脂肪や生活習慣病の予防・改善にも効果的
- 年代・体質に合わせた薬剤選びができる
- 食事や生活習慣の見直しとあわせるとさらに効果UP
メディカルダイエットでよくある質問
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- Q
効果はいつから現れる?
- A
メディカルダイエットの効果が現れる目安は、2週間〜3ヶ月ほどになります。
お薬の種類や食習慣によっても体重の変化には個人差があります。
治療と平行して食習慣を見直したり、適度な運動を取り入れると、短期間で効果を感じやすくなります。
痩せるルーティンについて
- Q
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- Q
メディカルダイエットにリバウンドはある?
-
A
メディカルダイエットは、一般的なダイエットにくらべてリバウンドしにくいとされています。
ただし、お薬の使用を中止すると食欲の増加、脂質や糖質の吸収も増加するため、乱れた食生活を過ごすとリバウンドする可能性もあります。
リバウンド防止としては、メディカルダイエット中に食習慣の見直しや運動を行う習慣をつけておくと、よりリバウンドしづらい体質になります。
- Q
-
- Q
メディカルダイエットに副作用はありますか?
-
A
メディカルダイエットには、吐き気・嘔吐や便秘、下痢といった消化器に副作用が出ることがあります。
いずれも軽度で、身体が慣れることで治りますが、稀に重い副作用を起こすこともあります。
普段と違う症状を感じるようであれば医師に相談してください。
- Q
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- Q
ダイエットサプリと違いはありますか?
-
A
ダイエット薬
⇨ 体重減少効果が認められている薬
ダイエットサプリ
⇨ ダイエットを補助・サポートする食品
ダイエットサプリはあくまでもサポート食品なので、食事制限や運動なしでは体重が減ることはありません。
メディカルダイエットは科学的根拠に基づいた医療であり、適切に使用することで食事制限や運動を必要とせず、健康的に痩せることが期待できます。
- Q
-
- Q
メディカルダイエットはどこで受けることができますか
-
A
国内クリニックで受けることができます。
フィットクリニックでもメディカルダイエットの処方を行っております。
便利なオンライン診療を利用すれば、ご自宅にいながら医薬品を郵送処方で受け取ることもできます。
- Q
その他よくある質問はこちらをご確認ください
リベルサスに関する注意事項 | |
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医薬品の承認状況について | リベルサスは、厚生労働省により「2型糖尿病治療薬」として承認されていますが、肥満治療を目的とした使用は日本国内では承認されていません。 |
入手経路について | 当院で処方するリベルサスは、国内の正規販売代理店(医薬品卸業)を通じて、法律に従って仕入れたものです。 |
諸外国における安全性情報と副作用 |
リベルサスと同一成分を含む注射剤が、2021年6月4日にアメリカ食品医薬品局(FDA)により肥満症治療薬として承認されています。 副作用として、急性膵炎や低血糖症状(冷や汗、吐き気、手足の震え、ふらつき、脱力感)、嘔吐、腹痛、下痢、便秘などが報告されています。 |
医薬品副作用被害救済制度について |
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肥満治療目的での使用において、万が一重篤な副作用が発生した場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。ご使用にあたっては、慎重にご判断ください。 |
参考サイト
Weight Loss Outcomes Associated With Semaglutide Treatment for Patients With Overweight or Obesity
SGLT2阻害薬による糖尿病新規薬物療法
臨床に関する概括評価 フォシーガ®錠