禁煙の離脱症状別の対処法 - ニコチン中毒と依存度診断も紹介

更新日:2025/05/01
禁煙の離脱症状別の対処法 - ニコチン中毒と依存度診断も紹介

このページでは、禁煙による離脱症状(禁断症状)の症状別の対処法について詳しく解説しています。
今まさに離脱症状に苦しんでいる方は参考にしてみてください。
また、ニコチン中毒についてや、自分でチェックできるニコチン中毒依存度診断も紹介しています。

禁煙の方法や成功率については以下のページで解説しています。

禁煙の方法について

禁煙で離脱症状が起こる原因はニコチン依存症(ニコチン中毒)

禁煙で離脱症状が起こる原因は、ニコチン依存症(ニコチン中毒)によるものです。

ニコチン中毒による離脱症状の仕組み
ニコチン中毒による離脱症状の仕組み

①~④の繰り返しでニコチン依存症に

そのため禁煙すると、脳がニコチンを強く求めるサインとして離脱症状が現れるようになります。

ニコチン中毒について詳しく見る

禁煙の離脱症状の期間とピーク

禁煙の離脱症状の期間とピーク

禁煙の離脱症状は、禁煙開始から2〜3日目がピークとされています。

ピークさえ越えてしまえば、その後は次第に落ち着いてくる傾向にあり、10〜14日ほどでかなり楽になってくるはずです。
その後離脱症状は4週間以内におさまることが多いですが、食欲亢進や便秘などが2ヵ月以上続く場合もあります。

禁煙スタートから2〜3日が踏ん張りどころと思って、吸いたい気持ちをうまくコントロールしながら乗り切っていきましょう。

禁煙の離脱症状一覧

厚生労働省発行の禁煙支援マニュアルによると、禁煙による主な離脱症状は以下のとおりです。

症状 頻度
喫煙欲求 70%
食欲亢進 70%
抑うつ 60%
落ち着きのなさ 60%
集中困難 60%
イライラ・易攻撃性 50%
口腔内の潰瘍 40%
夜間覚醒 25%
便秘 17%
軽度の頭痛 10%

これらはあくまで一般的な症状となり、離脱症状には個人差があります。
中には禁煙の離脱症状が「ふわふわして気持ちいい」と感じる人もいるようです。
つらい症状が出た場合には、症状に合わせて対処しましょう。

【症状別】禁煙の離脱症状の対処法

禁煙時の離脱症状は喫煙者の多くに見られるため、症状ごとの対処方法を身につけることが禁煙成功のカギを握っています。

ニコチン依存度が高い方ほど、「禁煙したい」という心構えだけで禁煙をいきなりスタートさせるのは難しい傾向にあります。

計画的に禁煙を進めるためにも、症状別に離脱症状を乗り越える方法を見ていきましょう。

離脱症状の緩和には禁煙補助薬が最適

喫煙欲求

喫煙欲求

禁煙による離脱症状の中でもっともツラいのが、喫煙欲求です。
喫煙欲求に対する対処法を考えておきましょう。

特に、吸いたくなった時にとる行動を決めておくことが大切です。

吸いたくなった時にとる行動の例
  • 冷水や氷を口に含む
  • 熱いお茶を飲む
  • 体操やストレッチをする
  • ガムを噛む

喫煙欲求はどうしても起こるものなので、事前にどう対処するか考えておくことで、禁煙しやすくなります。

眠気

禁煙すると、それまでニコチンに頼っていた神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌が止まることでひどい眠気が起こります。
ただしアセチルコリンは本来自分で分泌できるため、ニコチンのない生活に身体が慣れれば眠気も収まります。
離脱症状が落ち着くまでは以下のような方法で対処しましょう。

禁煙による眠気の対処法
  • 人の少ないところで深呼吸する
  • 足踏みやストレッチをする
  • 15分程度の仮眠をとる
  • ガムを噛む
  • 耳をマッサージする
  • 車などの運転は避ける

また、普段の睡眠の質を整えることも大切です。
これを機に生活スタイルの見直しもおこなうと、禁煙による健康改善の後押しにもなります。

イライラ・落ち込み・集中困難

体内のニコチンが切れることで、不安やストレスから精神的に不安定になりがちです。
禁煙する人の半数以上が経験するため、前もって心の準備をしておくだけでなく、以下のような自分なりの気分転換の方法を見つけておきましょう。

禁煙によるイライラ・落ち込み・集中困難の対処法
  • 趣味を楽しむ
  • 身体を動かす
  • ガムを噛む
  • マッサージを受ける

禁煙のストレスがひどいと、「やっぱり自分には喫煙が必要だ」と思うかもしれません。
しかし、喫煙によるストレス解消は一時的な思い込みに過ぎないため、禁煙してストレスの元を絶つことが大切です。

食欲亢進

禁煙2日後くらいから、味や臭いの感覚が元に戻り始めます。

普段から食べているものでも「美味しい」と感じるようになり、禁煙による口寂しさも相まって食が進んでしまう傾向にあるため、注意が必要です。

また、マウスを対象とした実験で、禁煙による腸内細菌の変化が体重増加の要因である可能性も示唆されており、2〜3kgの体重増加は仕方ないことがわかります。

禁煙による食欲亢進の対処法
  • できるだけ野菜を多く摂る
  • 間食は干し昆布や梅干しなど低カロリーのものにする

食事制限をしても体重が増えるケースもあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
できるだけ野菜を多くとるようにし、炭水化物や甘いものを控え、食べる量も腹6〜7分目くらいまでに抑えてみてください。

また、間食には低カロリーな干昆布や梅干し、ガムなどがおすすめです。

めまい・頭痛

離脱症状として、めまい・頭痛などの症状が現れることがあります。
それぞれの症状に対する対処方法は、次を参考にしてみてください。

禁煙によるめまいや頭痛の対処法

頭痛
⇨ 深呼吸する。あまりにひどい時は頭痛薬を使用する

めまい
⇨ 急に姿勢を変えたりせず、落ち着くまで安静にする

これらは一時的な症状なので、大きな心配は必要ありません。
ただし特にめまいが起こるときはゆっくりと動いた方が良いため、それに合わせて時間に余裕をもって生活するよう心がけてみてください。

便秘

それまで快調だったお通じが、禁煙を境に悪くなってしまうことがあります。
便秘には次の方法で対処します。

禁煙による便秘の対処法
  • しっかり水分補給する
  • 「の」の字でおなかをマッサージする
  • ウォーキングで血行を促進する

食べ過ぎや食事内容の変化が便秘を招いている可能性も考えられるので、食物繊維を摂るなどして食生活をコントロールすることも心がけてみてください。

覚醒・睡眠不足

禁煙中には、途中で目が覚めたり、眠れないといった一時的な睡眠障害が見られることがあります。
日中の眠気にもつながるので、睡眠の質を改善するための工夫が必要です。

禁煙による不眠の対処法
  • 日中は適度に運動する
  • 寝る2〜3時間までに入浴して体をリラックスさせる
  • 食事は就寝の3時間前までには済ませる
  • 就寝前はスマホの使用を控える

良い睡眠を取るためには、自律神経を落ち着かせて体をリラックス状態にすることが大切です。
上の対処法を行っても睡眠が難しく、日中にも支障が出るようであれば、一時的に睡眠薬の使用も検討してみてください。

離脱症状の緩和には禁煙補助薬が最適

離脱症状の緩和には禁煙補助薬が最適

禁煙の離脱症状を緩和するには、禁煙補助薬の使用が最適です。
離脱症状が抑えられると吸いたい気持ちも軽減できるため、禁煙成功率も高まります。

禁煙補助薬はチャンピックスとニコチン製剤の大きく分けて2つがあります。

チャンピックス ニコチン製剤
  • 毎日服用する内服薬
  • 離脱症状を抑える
  • タバコのおいしさを減らす
  • パッチタイプとガムタイプがある
  • 離脱症状を抑える
  • 少量のニコチンが含まれる

タバコのおいしさを減らす作用があるのはチャンピックスのみのため、基本的にはチャンピックスがおすすめです。
チャンピックスは現在出荷停止中のため、服用する場合はチャンピックスジェネリックを代用します。

禁煙の離脱症状を抑える当院のチャンピックスジェネリック

フィットクリニックでは、離脱症状を抑えて禁煙しやすくするために、チャンピックスジェネリックによる禁煙継続のプランを2種類ご用意しております。
チャンピックスジェネリックの有効成分バレニクリンは、離脱症状を抑えた上でタバコのおいしさを減らす働きがあるため、禁煙成功率を高めます。

各プログラムの要点
12週間禁煙プログラム チャンピックスの基本の治療期間である12週間をカバーできるプログラム。
24週間禁煙プログラム 禁煙の継続をしっかりサポートする24週間の長期プログラム。
1日あたりの費用を抑えられ、コストパフォーマンスにも優れています。

手軽なオンライン診療もおこなっておりますので、処方の詳細は以下のページをご覧ください。

チャンピックスジェネリック処方について

ニコチン中毒について

ニコチン中毒とはタバコに含まれるニコチンが原因でニコチン依存症(中毒)に陥っている状態です。

ニコチン切れによる離脱症状と、ニコチン摂取による一時的な快感とリラックス感を繰り返すことで、ニコチンへの脳の依存度が高まります。
それが長期的な依存サイクルを作り出し、気がつけばタバコをやめようにもやめられなくなります。

ニコチン中毒の対処法は禁煙しかありません。
禁煙中の症状別対処法は以下をご覧下さい。

【症状別】禁煙の離脱症状の対処法

ニコチン中毒依存度診断

ニコチン依存度をチェックする目的で開発されたテストがあります。
以下を診断にご利用ください。

タバコ依存症スクリーニングテスト(TDS)
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがある
禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがある
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがある
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがある
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがある
重い病気にかかって、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがある
タバコのために健康問題が起きているとわかっていても吸うことがある
タバコのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがある
自分はタバコに依存していると感じることがある
タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かある

「はい」の数が5点以上でニコチン依存症の可能性が高いと診断できます。

急性ニコチン中毒

慢性的なニコチン依存症とは別の急性ニコチン中毒についても解説します。
急性ニコチン中毒は、ニコチンの過剰摂取によって中毒症状が現れる状態です。

  • 誤ってタバコを食べてしまう
  • 赤ちゃんやペットのタバコの誤飲(水に浸した液体)

上記が原因で発生するため、ペットボトルを灰皿にするなどは誤飲の危険性が高まります。
液体はニコチン濃度が上がり中毒の危険性も上がります。

急性ニコチン中毒

●摂取量

2~5mg(乳幼児致死量10~20mg・成人致死量40~60mg)

●症状

  • めまい
  • 嘔吐
  • 顔面蒼白
  • 腹痛
  • 下痢
  • 錯乱

など

●対処法

  • 赤ちゃんなどはタバコをかき出して直ちに医療機関を受診する
  • 量によっては胃洗浄が必要

※水分で中和しようとすると成分が溶け出すため、水や牛乳を飲ませたりしない

ニコチン中毒が身体に及ぼす影響

ニコチン中毒はタバコをやめられないという状態を超え、深刻な健康リスクをもたらします。

ニコチン中毒は「サイレントキラー」とも形容され、自覚症状なしにある日突然重大な健康問題が発生するおそれがあります。

ニコチン中毒の影響による病気

ニコチン中毒による病気はタバコを通して摂取した「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」のすべてが引き金となります。

タバコが原因となる深刻な病気
  • がん
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 慢性閉そく性肺疾患(COPD)

など

また、タバコによる健康被害のリスクは喫煙者本人よりも周囲の人が受動喫煙によって影響を受けやすいということがわかっています。
これは主流煙よりも副流煙に有害物質が多く含まれ、その濃度も高いためです。

主流煙と比較した副流煙に含まれる有害物質含有量

●ジメチルニトロソアミン
主流煙1に対し副流煙19~129倍

●ホルムアルデヒド
主流煙1に対し副流煙6~121倍

●アンモニア
主流煙1に対し副流煙46倍

●一酸化炭素
主流煙1に対し副流煙4.7倍

●カドミウム
主流煙1に対し副流煙3.6倍

●タール
主流煙1に対し副流煙3.4倍

●ニコチン
主流煙1に対し副流煙2.8倍

まとめ:禁煙の離脱症状がつらい場合は薬を活用

自力での禁煙が成功する人は1割程度と言われています。
ニコチンは麻薬と同じくらいの強い依存性があるため、自力での禁煙は大変難しいことです。
離脱症状によって何度も失敗すると自己嫌悪にまでおちいることもあるため、早めに禁煙補助薬を使うことを推奨します。

禁煙補助薬の処方はフィットクリニックまでお気軽にご相談ください。

WEB・LINEのご予約は24時間受付

禁煙の離脱症状に関するよくある質問

  • Q
    ヘビースモーカーのほうが禁煙の離脱症状が出やすいのでしょうか?
    A
    ライトスモーカーやミドルスモーカーに比べ、ヘビースモーカーはニコチン依存度が高いため離脱症状が出やすい傾向にあります。
    強い症状が出ることもあるので、禁煙補助薬を有効活用しましょう。
  • Q
    禁煙開始から1ヵ月たっても離脱症状があります。
    A
    禁煙1ヶ月でも離脱症状は残ります。
    しかしピーク時にくらべて症状も軽く、吸いたい気持ちをコントロールできないほどではないはずです。
    タバコを吸いたいと思った時には、それまで行ってきた禁煙対策を改めて実践していきましょう。
  • Q
    禁煙の離脱症状はいつまで続きますか?
    A
    禁煙の離脱症状は、10〜14日ほどで落ち着いてきます。
    その後4週間以内におさまることが多いですが、食欲亢進や便秘などが2ヵ月以上続く場合もあります。
  • Q
    禁煙の離脱症状はIQOS等の加熱式タバコへ切り替えることで軽減されますか?
    A
    IQOSなどの加熱式タバコに切り替えても、禁煙時の離脱症状は軽減されません。
    加熱式タバコには紙タバコと同程度のニコチンが含有されています。
    依存性は変わらないため、離脱症状も軽減されず、禁煙しやすいということはありません。
  • Q
    禁煙の離脱症状によって「気持ちいい」と感じることはありますか?
    A
    人によっては、禁煙の離脱症状によって気持ちよさやふわふわとした感覚を持つ人もいます。
  • Q
    禁煙の離脱症状はどのように起こりますか?時系列で教えてください。
    A
    一般的な傾向は以下とされています。
    • 禁煙2日目に離脱症状が現れ始めます。
    • 禁煙2~3日目で離脱症状がピークを迎えます。
    • 禁煙5日目では離脱症状はほとんど変わりませんが、味覚や嗅覚の変化を感じ始めます。
    • 禁煙1週間目では離脱症状が落ち着き始めます。
    その後禁煙4週間目で離脱症状の多くがおさまります。
    2ヵ月ほど長引く場合もありますが、ピーク時ほど大変ではありません。
  • Q
    ニコチン中毒とはどのような状態ですか?
    A
    ニコチン中毒とはニコチンに対して身体的、および心理的な依存を起こしている状態です。ニコチン依存症とも言われます。
    ニコチン切れによる離脱症状とニコチン摂取による一時的な快感とリラックス感から、タバコが手放せなくなります。
  • Q
    ニコチン中毒の症状を教えてください。
    A
    ニコチン中毒には以下のような症状がみられます。
    • タバコが吸いたいという気持ちが強くなる
    • イライラ
    • 不安
    • 落ち着かない
    • 頭痛
    • 体のだるさ
    • 眠れなくなる
    • 口寂しさ
    など

その他よくある質問はこちらをご確認ください

参考サイト

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この記事の監修

フィットクリニック院長・服部圭太
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務