クラミジアは性行為の経験があれば、誰でも感染リスクのある身近な性感染症です。
ただ、痛みなどの身体的症状が出にくいことから感染に気付かないケースもしばしば。
このページではクラミジア感染を疑うきっかけになる、"おりもの"の変化について詳しく解説しています。
悪化させないためにも、おりものに違和感を感じたら医療機関に相談してみてください。
クラミジア感染時のおりものの特徴
クラミジア感染時のおりもの
色 | 白~黄色っぽい |
---|---|
性質 | 水っぽい |
量 | 増加 |
におい | 悪臭 |
※個人差があり、症状が出ないこともあります。
おりものは生理周期や体調によって変わるので、健康状態を判断するためのバロメーターになります。
もしクラミジアに感染していればデリケートゾーンの炎症によって、上記のようにおりものに異常がみられることがあります。
ただ、おりものは排卵期に量が増えたり性質が変わったりする傾向があるため、異常に気づくためには生理周期を把握しておくことがポイントです。
クラミジア感染時のおりもの以外の症状
- 不正出血(生理以外の出血)
- 下腹部の痛み
- 性交痛
- 内診時の痛み
感染した菌の量が多いと、下腹部に強い痛みが出ることがあります。
また人によっては、頻尿、排尿時の痛み・不快感、残尿感、etc…、膀胱炎と似た症状が出ることも。
痛みなどの症状が見られたら異常が起こっているサインと捉えましょう。
ただし無症状の場合がほとんど
クラミジアは、感染した人の約8割は無症状とされています。
しかも症状があっても軽いため、自覚できないことも少なくありません。
「一応…」と思って受けた妊婦検査で初めて感染がわかったり、気づかないまま何年も放置した結果自然妊娠が望めなくなったりする可能性もあります。
クラミジアは薬で完治させられるものの、無症状のために感染に気づかないことが多い厄介な病気です。
症状だけを頼りに感染を判断するのはリスクが大きいため、不安がある場合は検査を受けましょう。
特に、感染機会となりうる性行為が多い人は3〜4ヶ月に1回のペースで定期的に検査を受けるようにしてください。
クラミジア以外の異常なおりもの
おりもの異常の原因はクラミジアだけに限らず、他にもさまざまな感染症が考えられます。
最終的には検査で判断する必要がありますが、おりもの異常が医療機関に受診するきっかけにもなるため、違いを知っておくのは大切です。
ここからは、おりものの違いによって考えられる感染症について詳しくみていきましょう。
膿状のおりもの:淋病や子宮頸管炎など
おりものの状態が膿状の場合、淋病や子宮頸管炎の可能性があります。
- 淡黄色や淡緑色
- 膿状
- 悪臭
淋病は、クラミジア感染者のうち20〜30%の人が同時感染していることもあるので注意が必要です。
おりもの以外の症状として、不正出血が見られることがあります。
淋病に感染していた場合は、点滴や注射、内服薬などでの治療が必要になります。
また子宮頸管炎については、淋病やクラミジアといった性感染症が原因で起きることが多い疾患です。
ただし以下のように性感染症以外の原因で起こることもあります。
- アレルギー(ラテックスアレルギーなど)
- 萎縮(加齢、卵巣機能不全など)
- 刺激(ペッサリーなど)
このように子宮頸管炎にはさまざまな原因が考えられ、それぞれで治療方法も異なります。
ぽろぽろしたおりもの:膣カンジダ
膣カンジダは、性的な接触以外によっても発症する疾患です。
誰の膣内にもいる常在菌のバランスが、体調の変化やストレスによって崩れることでも発症します。
おりものの特徴は以下のとおりです。
- カッテージチーズ状、粥状
- 白色
- 増加
最大の特徴は、ぽろぽろとした固形状のおりものです。
おりもの以外の特徴として、かゆみや灼熱感が見られることがあります。
治療は外用薬や膣錠、内服薬で行います。
泡状のおりもの:膣トリコモナス症
古くから知られる性感染症で、無症状な人の割合が20〜50%にもなるのが膣トリコモナス症です。
原虫が膣内に侵入してしまうことで炎症を起こし、おりものには次のような特徴がみられます。
- 多量
- 強い悪臭がすることがある
- 淡膿性、泡状のおりもの
悪臭とは、例えるならアンモニアや魚の腐敗臭のようなニオイです。
また色は異常な黄色をしていることもあるので、おりもの異常にすぐに気づけるケースもあります。
おりもの以外の症状として見られるのが、刺激感や強いかゆみです。
治療については抗原虫薬が用いられ、治りにくい場合や再発を繰り返すようであれば膣剤との併用療法を行うこともあります。
さらさらしたおりもの:細菌性膣炎など
細菌性膣炎は、膣内環境を酸性に保つための乳酸桿菌(ラクトバチルス)が減少し、病原となる細菌が増えてしまうことで起こります。
性行為によって感染するかは詳しくわかっておらず、経験がない女性でも発症し、半数以上は無症状なので注意が必要です。
おりものの特徴は以下のようなものです。
- 水っぽい
- 灰色
- 悪臭
においについては性行為後や生理中に強くなる傾向にあり、かゆみや腫れといった身体的な症状はあまりみられません。
また治療は主に膣錠、または内服薬で行われます。
異常の基準は「いつもと違う」と感じたら
おりものには膣の自浄作用があるため、いつでも多少ある状態が正常です。
個人差もありますが、ここで正常なおりものをおさらいしておきましょう。
正常なおりもの
色 | 透明または乳白色 |
---|---|
性質 | 少し粘り気がある |
量 | おりものシートに収まる量 |
におい | 無臭、少しすっぱい |
また生理周期によって分泌量は変化し、排卵日付近であれば量が多くなっても心配はありません。
クラミジアなどの感染症にかかっていると、おりものの量・色・臭いなどの変化で身体の異常を知らせてくれます。
そのため「いつもと違う」と少しでも感じたら、まずは感染症にかかっていないか検査を受けてみてください。
フィットクリニックでもクラミジアの検査・治療を行っております。
便利なオンライン診療・処方も行っておりますのでお気軽にご予約ください。
クラミジアの検査方法
クラミジアの検査方法には、結果が出るまでのスピードが異なる2つの方法があります。
<即日検査>
結果 | 検査当日 |
---|---|
種類 | イムノクロマト法 |
特徴 | ・すぐ結果が出る ・症状が出ていれば使用できる |
<精密検査>
結果 | 2〜3日 |
---|---|
種類 | PCR法 |
特徴 | ・精度が高い ・無症状でも検査できる |
2種類のうち、特に精度が高いのは精密検査です。
フィットクリニックでは精度が高い精密検査を行っております。
なお、検体の採取については綿棒で膣内の分泌物をぬぐうだけなので、痛みや菌が奥に入ってしまう心配はありません。
また生理中は検査精度が落ちることから、検査は生理終了後に受けるようにしてください。
そして膣内から菌が検出された10〜20%の人は、咽頭(のど)にも感染している可能性があるため併せての検査がおすすめです。
検査キットのみの購入も可能ですので、少しでも気になる方はお気軽にご相談ください。
クラミジアの治療方法
フィットクリニックでは、ジスロマックジェネリックでクラミジアを治療します。
クラミジア治療薬
当院で処方する薬 |
ジスロマックジェネリック 250mg |
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有効成分 | アジスロマイシン |
価格 | 6,980円 / 4錠 |
飲み方 | 4錠を1回経口投与する |
副作用 | 下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症 など |
検査キットとセットの場合は薬価が10%引きになりますので、治療開始前後に検査を行いたい場合は検査キットとのセットをおすすめしております。
クラミジアの治療薬には、他に以下の種類があります。
(フィットクリニックでは取り扱っておりません)
- クラリスロマイシン
- ミノサイクリン
- ドキシサイクリン
これら全て、基本的には1日~7日の服用で完治に至ります。
ただし必ずしも完治するというわけではないため、治療後2週間以上あけてから、必ず再検査を受けるようにしてください。
中途半端に服用してしまうと、"薬剤耐性"といって薬の効かない菌が生まれてしまう原因になります。そのため、自己判断で服用するのは控えましょう。
クラミジアは自然治癒しない?
クラミジアは自然治癒することはなく、放っておけば後遺症が残ることがあります。
不妊症や子宮外妊娠のリスクがあげられ、もし重症化すると自然妊娠が望めなくなるおそれも。
また妊娠中であれば、子宮が収縮してしまい流産や早産、さらには母子感染によって新生児に感染が及んでしまうこともあります。
このように女性のクラミジアはさまざまなリスクを抱えているため、放置するのは危険です。
パートナーの協力を得て予防するのはもちろん、日頃からおりものの変化には敏感になっておきましょう。
まとめ:おりものに不安を感じたらまず検査を
おりもの異常は、クラミジア以外にもさまざまな感染症リスクが考えられます。
菌によって量・色・臭いなどに違いがみられるものの個人差もあり、はっきりしないことも珍しくありません。
また最終的にどの菌に感染しているかは、検査するまではわかりません。
おりもの異常はあくまでも医療機関に受診する1つのきっかけとし、少し不安なだけでも積極的に検査を受けるようにしてみてください。
フィットクリニックのオンライン診療・処方ならだれにも会うことなくスムーズに性病の検査・治療を行うことができますので、ぜひご利用ください。
よくある質問
クラミジアは無症状が8割ともされ、おりものに必ずしも異常が出るとは限りません。
また検査するまではクラミジアとも言い切れないため、気になる症状や不安があるのであれば医療機関に相談するようにしましょう。
その際にはパートナーにも感染を伝え、いっしょに検査・治療を受けるようにしましょう。
どちらか一方が感染していれば、何度も感染を繰り返してしまうので注意です。
ご自身が感染源になってしまうおそれがあり、性器からのどに感染することもあるのでオーラルセックスも同様に控えてください。
そのため治療後の再検査で陰性と出るまでは、性的な接触はできないので覚えておきましょう。
ただ無症状や症状が軽いために自覚できないケースも多く、医療機関に相談する機会を失ってしまいがちです。
放置してしまうと悪化によって後遺症が残るリスクもあるため、早めに治療を受けるようにしてください。