AGA治療薬を代表するフィナステリドとミノキシジルは、効率的な薄毛改善を目指す人には積極的な併用が推奨されています。
このページでは、なぜ併用が勧められるのか理由について触れつつ、併用によりどんな治療効果が期待できるか詳しく解説していきます。
ただし女性については、フィナステリドの服用が禁止のため併用できません。
こうしたフィナステリドとミノキシジルの併用条件についても、併せてご確認ください。
フィナステリドとミノキシジルは併用が効果的
フィナステリドとミノキシジルのいずれも、AGA治療を代表するお薬です。
治療目的に合わせた単剤での使用によっても効果が期待できますが、それぞれ作用が違うことからAGA(男性型脱毛症)に対してのアプローチが異なります。
そのため併用の意味は大きく、2つのお薬の効果が組み合わさることで相乗効果を発揮してくれます。
AGAを専門とするクリニックでは積極的に併用を推奨しているところも多いため、以下からはフィナステリドとミノキシジルそれぞれの効果について詳しく解説していきます。
フィナステリドとミノキシジルは効果が違う
まず、フィナステリドとミノキシジルのそれぞれの効果について簡単にご紹介します。
●フィナステリド、ミノキシジルの効果の違い
フィナステリド | AGAの原因の発生を防ぎ、抜け毛の進行を抑える効果 |
---|---|
ミノキシジル | 発毛にくわえ、育毛による髪全体の健康を整える効果 |
このように同じAGA治療薬であっても、それぞれ効果には違いがあります。
また、いずれもAGAに対しての有効性が高く評価されており、AGA治療のガイドラインを作成する日本皮膚科学会からも「A(※行うよう強く勧める)」ともっとも高い推奨度となっています。
こうした背景からも、AGA治療には2つのお薬を併用することが望ましいと言えます。
守りの薬フィナステリド
フィナステリドは、5αリダクターゼと呼ばれる酵素の働きを阻害する作用を持っており、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれるAGAの原因が頭皮に増えるのを抑えます。
その結果DHTが次第に減少していき、ヘアサイクルが正常な状態に近づいていくことで抜け毛を減らしたり、薄毛の進行をストップさせることができます。
こうしたフィナステリドの作用から頭皮をAGAから守るという意味で「守りの薬」とも呼ばれ、AGAの進行予防には欠かせないお薬となっています。
攻めの薬ミノキシジル
ミノキシジルはAGA治療では「攻めの薬」として用いられ、AGAの原因にアプローチするのではなく、発毛や育毛といった髪の成長に直接関わる作用を持っています。
外用薬・内服薬と形状が違っても同じ効果を持っています。
内服薬に関しては強い効果を持つことから、世界各国で内服薬が積極的に取り入れられています。
詳しいミノキシジル内服薬(タブレット)の効果については以下動画で解説しています。
髪が成長するために必要な栄養や酸素を多く取り込むために、ミノキシジルが頭皮への血流を促し毛包(髪をつくる器官)を活性化させます。
この作用によって新たな髪の成長はもちろん、AGAの影響によって弱った髪(軟毛)が太く丈夫になるため抜け毛予防にも効果を発揮してくれます。
併用による効果
それぞれのお薬の役割が合わさることでAGAそのものを改善しつつ、さらに髪の成長も促すことができます。
いずれか一方の使用でも問題はないものの、AGAは進行性のため抜けては生えてのいたちごっこになるケースも珍しくありません。
そのため一度の治療で「進行を止めて」・「生やす」を同時に行うことで、効率良くAGAを改善できます。
フィナステリドとミノキシジルの併用による治療を選ぶ人は多いだけに、AGA治療をはじめるならW処方を検討する価値はあります。
フィナステリドとミノキシジルは女性も利用できるのか
フィナステリドとミノキシジルの併用は、男性のみが行える治療方法です。
残念ながら女性についてはフィナステリドの服用が禁止されています。
そのためFAGA(女性型脱毛症)や慢性休止期脱毛症にフィナステリドを利用することはできません。
女性がフィナステリドを使用できない理由にはさまざまあり、男性と女性では薄毛の原因が異なるのもその理由の1つです。
ここからは女性がフィナステリドを利用できない理由について、もう少し掘り下げて解説します。
フィナステリドは女性の服用・使用厳禁
フィナステリド(先発薬プロペシア)の添付文書の禁忌(服用できない人)の欄 には、次の一文が記載されています。
"妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性"
この一文からは女性が服用してしまうと、胎児や生まれてきた赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があることがわかります。
AGAの原因とされているDHT(ジヒドロテストステロン)は成人以降に頭皮に増えると薄毛を進行させますが、活性化された男性ホルモンのため子供の発育には欠かせないホルモンです。
そのため女性が服用してしまうと正常な発育に悪影響を及ぼす可能性があることから、使用は厳禁となっています。
反対に男性がフィナステリド服用中に子作りするのは問題ないとされていますが、精子にも服用量の0.00076%以下と極めて微量が移行します。
影響はほぼないとされていますが、もしパートナーが気になるようであれば男性も服用中止を検討し妊娠後に服用を再開してください。
ミノキシジルは女性にも効果がある
女性の薄毛治療にフィナステリドは使えないものの、ミノキシジルについては女性の使用も認められています。
これは日本皮膚科学会作成のAGA治療のガイドラインにも記載があり、その推奨度も男性と同様に「A※行うよう強く勧める」とされています。
また、ミノキシジルについては濃度がさまざまあり、女性の薄毛は男性と違い進行しても女性ホルモンによって一定の毛量が保たれます。
そのため高濃度のミノキシジルを使うかどうかは、薄毛の状態によりけりです。
まずは医師に相談し、薄毛の状態に合わせた適切な濃度のミノキシジルを処方してもらうようにしてください。
治療薬フィナステリド・ミノキシジルについて
フィナステリドやミノキシジルは効果の違いだけでなく、治療薬としての違いもいくつかあります。
同じフィナステリドやミノキシジルであっても、薄毛の状態によって使い分けられると治療をさらに効率的に進めていくことができます。
ここからは、フィナステリドとミノキシジルそれぞれの治療薬としての特徴について確認していきましょう。
フィナステリドの特徴
フィナステリドの特徴は、国内外を問わずジェネリックが多数登場していることです。
一般的には飲み薬(内服薬)として服用されていますが、最近では塗り薬(外用薬)の成分として頭皮に直接塗布するタイプも出てきています。
また同じフィナステリドでもさまざまな選択肢があります。
- 国内製のジェネリック
- 海外製のジェネリック
- 他の成分も加えたクリニック独自の調合によるオリジナル治療薬
このように、服用のしやすさやコスパ面から選択できるようになっています。
ちなみにフィナステリドは成分名になり、先発薬として処方されているのは「プロペシア」になります。
国内製のジェネリックに限っては「フィナステリド錠〇〇〇(メーカー名)」という商品名になっています。
ミノキシジルの特徴
ミノキシジルの特徴は、剤形(お薬のカタチ)が2種類あることです。
- 飲み薬(内服薬)
- 塗り薬(外用薬)
ミノキシジル配合の塗り薬は市販もされているだけにポピュラーですが、もともとミノキシジルは飲み薬として開発されたお薬になります。
「ロニテン」という降圧剤が元になっており、服用中に発毛が見られたことから後に塗り薬「ロゲイン」の登場へとつながりました。
わかりやすく時系列順にまとめたものが以下です。
●発毛薬ミノキシジルができるまでの沿革
- 1960年代:ロニテン(飲み薬)
- 1980年代:ロゲイン(塗り薬)
- 1999年:リアップ(塗り薬)
また日本ではリアップの特許が切れたため、2018年から現在に至るまでに19のメーカーからリアップジェネリックが登場しています。
ちなみにミノキシジルは世界的にもジェネリックが主流となっています。
市販薬に関しては、低濃度(5%以下)の外用薬でなければ販売できないため、選択肢は多くありません。
一方、ジェネリックは医薬品の形状を変えた製造が認められているため、クリニックの処方薬であれば濃度や剤形から種類を選ぶことができることは覚えておきましょう。
フィナステリド、ミノキシジルどちらも入った外用薬もある
フィナステリドは内服薬による治療が主流ですが、最近では1つのリキッドに「フィナステリド+ミノキシジル」を配合した外用薬もあります。
●フィナステリドを外用薬にするメリット
- ピンポイントで薄毛に作用
- 副作用が少ない
内服薬であれば全身に作用しますが、外用薬であれば局所作用で済むため、薬を飲むことに抵抗がある人にはおすすめです。
ただ頭皮に外用薬の成分が100%吸収されることはないので、内服薬にくらべ効果が現れるまでに時間がかかるというデメリットはあります。
より安全な方法を取るか、生えるまでのスピードを取るか、現在の髪の状態から希望の医薬品を選んでみると良いでしょう。
フィナステリド、ミノキシジルはクリニックで購入できる
フィナステリドは処方薬にあたるため、医師以外から購入することができません。
またミノキシジルについては濃度5%以下は市販薬としても購入できますが、高濃度ミノキシジルはクリニックのみでの処方となります。
AGA治療は髪の成長スピードを考えると、どうしても効果を実感するまでに一定の期間を要します。
そのため「続けやすさ」が治療のポイントにもなるだけに、クリニックでまとめて処方してもらう方が別々に購入するよりも治療が続けやすくなります。
クリニック独自配合のオリジナル治療薬も選ばれている
クリニックには独自配合のオリジナル治療薬もあり、当クリニックにも「Reborn Neo」があります。
「Reborn Neo」男性用は主に3つの組み合わせで処方されています。
- フィナステリド
- ミノキシジル
- オリジナル配合の発毛サプリメント
※ReborNeo女性用はフィナステリド未配合で他の育毛成分により構成されています。
サプリメントについては髪に必要な栄養素である「ビタミンB2」などを調整して配合することで、髪が生えやすい環境を整えるインナーケアを目的としています。
AGA治療はお薬さえ飲んでいれば生えるというわけではなく、髪の成長に必要なエネルギーとなる栄養も欠かせません。
そのためオリジナル治療薬によってトータルケアを施すことで、たとえ生活習慣の改善が苦手な人でも効率的に治療が行えるようになります。
薄毛治療は発毛後も継続する必要がある
AGA治療は対症療法といって、薄毛の進行をお薬によって止める治療です。
もし髪が生え揃ってきた段階で治療をやめてしまうと、時間の経過とともに元の薄毛状態に戻っていきます。
そのため毛量を保つためには継続した維持治療が必要になりますが、そのタイミングでフィナステリドまたはミノキシジルのいずれか、または両方を減薬することも可能です。
このように治療しながらどこまで毛量を保ちたいかを考え、コストダウンも選択できます。
●薄毛治療の減薬や中止を決める人の例
- 子供が学校を卒業するまで
- 周りに薄毛の人が増え、気にならなくなってきた
- 結婚するまで
- など
こうした自分なりのゴールを決めておくと、無理のない治療ができます。
継続治療にはオンライン処方が便利
AGAの内服による治療は、毎日の服用を続けることで一定の効果をキープすることが大切です。
ただ、飲み続けるためには毎回通院して処方を受けなければなりません。
さまざまな通院コスト(移動費、時間、通院の精神的な負担など)を考えると、それだけで継続治療が億劫になってしまうこともあるでしょう。
そんな時に役立つのが、オンライン処方です。
●オンライン診療のメリット
- 全国どこでも受診できる
⇒地域格差のない治療 - 24時間いつでも予約可能
⇒待ち時間の緩和 - 薄毛の継続治療で毎月かかる通院時間も無し
⇒通院時間の削減 - 交通費もかからない
⇒通院コストの削減 - 誰にも知られず受診可能
⇒プライバシー保護
オンライン処方はスマホやパソコンで簡単な診察を受ければ、自宅までお薬を郵送してもらうことができます。
そのため通院にかかる様々なコストを減らせるため、継続治療のハードルも下がり患者さんの負担を大幅に減らせる診療方法です。
「通院が面倒」という人はもちろん、「クリニックへの受診に抵抗がある」といった人でも初診からでも対応可能ですので検討してみてください。
以下のAGA窓口よりご予約いただけます。
よくある質問
このことから併用するのが望ましいですが、薄毛の程度によってはいずれか一方でも問題ありません。
まずは医師に髪や頭皮の状態をチェックしてもらい、今の髪に必要な治療の提案を受けてみてください。
ただし自己判断では行わないようにしてください。
思うような効果が得られなくなることや、誤った服用が副作用のリスクを高めることもあるので、医師と相談しながら検討しましょう。
一方でミノキシジルは第一類医薬品のため、濃度5%までなら薬剤師を介して通販でも購入が可能となっています。
ただし、それ以上の高濃度処方は医師との相談が必要になるので、通販での購入はできなくなるので覚えておきましょう。
AGAの進行が初期の段階(軟毛化:細く短い髪)で気づける人は多くないため、基本的にAGA治療はフィナステリドとミノキシジルの併用が重要と考えておきましょう。
そのため併用はできず、フィナステリドの代わりに育毛効果が認められている医療用サプリメントとミノキシジルを併用するケースがあります。