
ミノキシジルとは、血管拡張作用のある薄毛や脱毛症の治療に使われる成分です。
ミノキシジルには「ミノキシジル外用薬(塗り薬・塗りミノ)」と「ミノタブ(内服薬)」の2種類があり、発毛・育毛を促す働きから世界中で広く使われています。
このページでは手軽に使えるミノキシジル外用薬の効果や副作用、使用方法、フィットクリニックのミノキシジル外用薬について解説しています。
- 薄毛の進行が軽度の方
- 発毛を望む方
- 副作用をできる限り抑えたい方
- 体毛が濃くなるのは避けたい
フィットクリニックでは、成分量8%のミノキシジル外用薬を処方しております。
男女別の処方プランや価格は以下をご覧ください。
ミノキシジル外用薬の効果
ミノキシジルの外用薬は、発毛の効果が認められた医薬品です。抜け毛の予防や育毛にも効果があります。
ミノキシジルの発毛メカニズム

ミノキシジル外用薬は毛母細胞周辺の血管を拡張させ、栄養の供給を増やすことで発毛を促進させます。
さらに、毛母細胞へ直接作用することで、成長因子を増やし髪の毛の成長期を延長させる働きもあります。
髪の毛にはヘアサイクル(毛が生え変わる周期)があり健康な髪に変わるには一定期間が必要となります。
そのため、ミノキシジルの効果発現には約6ヵ月かかります。
臨床試験のデータも公表されており、6か月使用した被験者の9割以上に改善が見られたとの調査結果が報告されています。
ミノキシジルの継続で発毛が期待できますが、使用を中止すると再び薄毛が進行します。
また、ミノキシジル外用薬だけで発毛効果が期待できますが、薄毛の症状は人によって様々です。
脱毛を抑えるフィナステリドやデュタステリドなどの薄毛治療薬と併用することで、より高い発毛効果を実感する人が多いのも事実です。
育毛剤と発毛剤(ミノキシジル外用薬)の違い
育毛剤の中には医薬部外品、化粧品に分類されるものがありますが、すぐに発毛したい方が使用しても望む効果が得られない場合があります。
その理由として、育毛剤と医薬品である発毛剤(ミノキシジル外用薬)との違いの比較をご覧ください。
育毛剤と発毛剤の違い
育毛剤 | 発毛剤 | |
---|---|---|
目的 | 薄毛予防、頭皮衛生改善 | 薄毛治療・改善 |
分類 | 化粧品または医薬部外品 | 医薬品 |
効果 | 生えている髪の健康維持 (薄毛の予防) |
発毛 (薄毛の改善) |
そもそも育毛剤とは、今生えている髪の健康をキープするのが目的のヘアケアアイテムです。
薄毛を治療するものではなく、毎日のお手入れをサポートするものとお考えください。
そのため、すぐにでも新しい髪の成長を望むのは難しいのです。
育毛剤と発毛剤の2つは紛らわしいですが、確実な発毛を望む場合はミノキシジルの成分が入った発毛剤をお選びください。
ミノキシジル外用薬の国内での評価
ミノキシジル外用薬は、「日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で推奨度A(行うよう強く勧める)と評価されています。
男性のAGA治療で使用されるプロペシア(成分フィナステリド)は、胎児への影響が懸念されるため女性は適用外とされていますが、ミノキシジルは女性でも使用が可能です。
ミノキシジル外用薬の副作用
ミノキシジル外用薬では重篤な副作用の報告はほとんどありませんが、頭皮のかゆみ、かぶれといった皮膚アレルギーが最も多く確認されています。
副作用はミノキシジルの含有量が多いほど発生数も増加傾向にあると考えられています。
具体的なデータとして、厚生労働省の報告では、ミノキシジル5%含有の外用薬を利用した3,072例のうち副作用発現症例は271例と、全体の9%弱に副作用が報告されています。
内服薬(タブレット)の場合、体内から全身に作用することで副作用のリスクは高くなります。対して外用薬は、作用が局所的になるため全身への影響は少なくなります。
そのため、安全性を求める場合はミノキシジル外用薬がおすすめです。
以下ではミノキシジル外用薬の主な副作用の詳細について解説します。
皮膚トラブル
ミノキシジル外用薬は肌質に合わない方が使用すると、頭皮が炎症を起こすことがあります。
ミノキシジル外用薬によって起こる副作用の中でも、頭皮のかゆみ、かぶれやフケの発生といった皮膚のアレルギー反応が最も多く報告されています。
過剰な塗布によって上記のような皮膚トラブルが起こる可能性も高くなるため、用法・用量を守ることが大切です。
また、ミノキシジルによって頭皮が炎症を起こすと、薄毛が悪化する可能性があるため、初めて使用する際には手の甲に少量塗布して刺激がないことを確認してから頭皮に使用しましょう。
もしかゆみや赤みがひどくなった場合には、無理せず使用を中止して医師に相談してください。
初期脱毛
ミノキシジル外用薬の副作用には「初期脱毛」があり、一時的に抜け毛が増えることがあります。
初期脱毛はいつから始まるかというと、ミノキシジルによる治療を始めて約10日~1ヵ月後に髪の毛が抜けていくことが多い傾向です。
そしてミノキシジル外用薬による初期脱毛は1ヵ月~3ヵ月ほど続くと言われています。
ミノキシジルの発毛スケジュールは以下の通りです。

初期脱毛は厳密に言うと副作用ではなく、ヘアサイクルを整えてしっかりとした毛を生やすために必要な過程です。
個人差はありますが、初期脱毛で抜けるのは毛量全体の1割弱で、その下から新しい髪が成長していきます。
抜ける髪の毛に耐えられず初期脱毛の段階で治療をやめる人もいますが、途中でやめると少しずつ良くなってきていた状態がリセットされてしまいます。
髪の毛が抜けるのは苦しいですが、強くてしっかりした髪の毛が生えるまでの準備期間ととらえて耐え、その後の効果に期待しましょう。
その他の副作用
ミノキシジル外用薬による副作用は、以下のような事例も少数ながら報告されています。
- 頭痛
- 適用部位のしびれ、痛み
- 手足のむくみ
- 心拍数増加、動悸
- 目の痛み
- 耳鳴り
- 皮膚のつっぱり感
- 腹痛
- 毛髪変色
厚生労働省の平成21年2月23日~平成25年2月22日の調査によると、特に「頭痛」を発症する方が多いです。
しかし、頭痛の発現率は0.33%程度です。
ミノキシジル外用薬では重篤な副作用の報告はほとんどありませんが、万が一のことを考えると、しっかりとしたクリニックで医師の診断のもと治療するのが望ましいといえます。
ミノキシジル外用薬を利用してはいけない人
ミノキシジル外用薬を利用してはいけない人は、以下のとおりです。
- 未成年者
- 妊娠・授乳中の方
- AGA(男性型脱毛症)以外の脱毛症の方
- 肌が弱い方
- 頭皮に傷がある方
- 循環器系の疾患がある方
また、以下の項目に当てはまる方は、AGA以外の脱毛症の可能性があります。
- 頭頂部以外も脱毛している
- 脱毛が急に始まった
- 髪をむしってしまうことによる脱毛
AGA以外の脱毛症の方はミノキシジルが効かない可能性があるため、自己判断せず医師へ相談しましょう。
ミノキシジル外用薬の併用禁忌・併用注意
ミノキシジル外用薬には、現時点で併用禁忌薬・併用注意薬は特にありません。
ただし、飲酒の際には注意が必要です。
なぜなら、ミノキシジルとアルコールにはどちらも血管を拡張して血圧を下げる作用があるためです。
ミノキシジル外用薬を使用している際にアルコール飲むと必要以上に血圧が下がりすぎる恐れがあるため、同時摂取は控えましょう。
フィットクリニックのミノキシジル外用薬

フィットクリニックでも、ミノキシジル外用薬の処方を行っております。
市販品はミノキシジル含有量が1~5%なのに対し、当院のミノキシジルは成分量8%を含んでおり、男女ともに使用することが可能です。
市販と当院のミノキシジル外用薬の比較
市販の外用薬 | 当院の外用薬 | |
---|---|---|
ミノキシジル含有量 | 1%~最大5% | 8% |
医師の診察 | ✕ | 〇 |
他の治療薬の同時処方 | ✕ | ✕ |
薬局・ドラッグストアでの販売 | 〇※1 | ✕ |
1本あたりの費用 | 4,000〜8,000円ほど | 2,400円~3,000円※2 |
※1.薬剤師がいる時以外の購入は不可
※2.男性で月4本、女性で月2本の使用を推奨
自己判断で市販品を購入し続けるよりも、専門の医師に髪の状態を相談することができるので安心感があります。
また、女性、男性ともに他の治療薬やクリニック独自の育毛サプリメントとの同時処方が可能なため、より強力に発毛効果を上げることもできます。
当院のミノキシジル外用薬の価格
製品 | 1ヵ月(4本) の価格 |
都度払い |
---|---|---|
ミノキシジル外用薬 8% 【男性】 |
7,000~9,000円 | 9,000円/月 |
※1か月分の価格はまとめ買いを含む
※都度払いは、クレジットカードの自動引き落としでの支払いが条件となります。
入手の手軽さにおいても、当院ではオンライン診療も行っているため、遠方の方でもお気軽にミノキシジル外用薬を購入することが出来ます。
1日でも早くお手元に届けられる環境を整えているので、高い治療効果を求めている方はもちろん、すぐに欲しいという方もお気軽にご相談ください。
オンライン診療によるミノキシジル処方の流れは以下の記事で詳しく解説しています。
ミノキシジル外用薬の使い方

ミノキシジル外用薬の使い方は、男性の場合は1日2回(朝・夜)、1回1mlを目安に気になる箇所に塗布してください。
- 1日1回の洗髪
- 髪ではなく、頭皮に塗る
- 薄毛が気になるところを中心に満遍なく塗り広げる
頭皮に汚れが残った状態では、ミノキシジルが頭皮に浸透する際に妨げとなる場合があります。
ミノキシジル外用薬の使い方(塗り方)のポイントは、髪の毛ではなく頭皮につけることです。
液だれを起こしたり、効果が弱まるのを防ぐため、乾いた頭皮に塗布しましょう。
薄毛の進行した部分のみ集中的に塗るのも効果が得られにくい原因です。
また、多く塗ったからと言って効果が大きくなるということはありません。
むしろ副作用のリスクを高めるおそれがあるので、必ず正しい用量・用法を守ってご使用ください。
他のAGA治療薬との併用
ミノキシジルには発毛効果があるものの、薄毛を進行させる原因にはアプローチできません。
髪や頭皮の状態によりますが、薄毛が進行した場合は抜け毛を止める他のAGA治療薬との併用が必要です。
- フィナステリド
AGA治療の第一選択とされる薬。Ⅱ型の5αリダクターゼのみに作用する。 - デュタステリド
作用範囲が広く、半減期長い。Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼに作用する。
この2種類の薬は男性のみ使用可能な薬です。
それぞれの成分は、頭皮にあるAGAの原因ホルモンの発生を抑えることで、抜け毛を減らし薄毛の進行をストップさせる効果が期待できます。
共に「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で推奨度Aと高い評価の薬です。
ミノキシジル外用薬のジェネリック
国内では2018年ごろからミノキシジル外用薬のジェネリックが発売されるようになりました。
国内承認済みのミノキシジルジェネリックには以下のようなものがあります。
- スカルプD メディカルミノキ5
- リザレックコーワ
- リグロEX5
- ミノグロウ
- ミノアップ
- ミノキシジル配合外用液5%「FCI」
- ミノキシジルローション5%「JG」
上記ジェネリックの先発薬は「ロゲイン」や「リアップ」です。
ミノキシジル外用薬のまとめ
ミノキシジル外用薬について、これまでの内容をまとめてお伝えします。
- ミノキシジル外用薬による薄毛治療は国内でも推奨されている
- ミノキシジル外用薬は内服薬より効果はゆるやかで、重い副作用が起こりにくい
- 育毛・発毛の効果がある
- 発毛実感には6か月の継続を推奨
- 初期脱毛という一時的な脱毛の時期がある(個人差による)
- 副作用の中で起こりやすいのは皮膚トラブル
- クリニックは市販薬ではできない濃度の処方が可能
- クリニックでのみ処方できる内服薬との併用で発毛効果を上げることができる
ミノキシジル外用薬は、内服薬よりも重い副作用が起こりにくく、使いやすい薄毛治療薬です。
市販で購入することができますが、市販品はミノキシジル成分の濃度が少ないため、クリニック処方を選ぶのがおすすめです。
クリニックのご予約・ご相談は以下より承っております。
ミノキシジル外用薬のよくある質問
-
- Q
ミノキシジル外用薬だけで薄毛治療はできますか?
- A
ミノキシジル外用薬だけでも薄毛治療はできますが、ミノキシジルタブレットと比べるとゆるやかな効果になります。
また、ミノキシジルは発毛を促進しますが、脱毛を抑えることはできないため、脱毛抑制の効果があるプロペシアとの併用がおすすめです。
AGA治療薬の種類と比較- Q
ミノキシジル外用薬が効くのはどのような脱毛症ですか?
- A
AGA(男性型脱毛症)、FAGA(女性男性型脱毛症)、壮年性脱毛症などに効果が期待できます。
それ以外の脱毛症(円形脱毛症や皮膚疾患による脱毛症)は、使用しても原因が違うため期待する効果は得られない場合があります。
- Q
ミノキシジル外用薬はミノキシジル内服薬と併用したら効果倍増しますか?
- A
基本的に併用は可能で、効果も高まります。しかし基礎疾患がある方に関しては、併用すると副作用が強く出る可能性があり危険なため併用不可になります。
- Q
頭皮以外に使用すると毛が生えてきますか?
- A
ミノキシジル外用薬は頭皮のみにご使用ください。それ以外の箇所は適用外となります。基本的に外用薬は塗った部分にだけ作用しますが、内服薬は頭皮以外に発毛することがあります。
- Q
ミノキシジル外用薬で効果なしの場合はどうしたらいいですか?
- A
ミノキシジル外用薬が効かない・効果を実感できない場合も6ヵ月程度は継続し、それ以上継続しても効果が実感できない場合には中止を検討しましょう。
ミノキシジル外用薬で効果がない場合、薄毛の原因がAGAやFAGAではない可能性があります。
ミノキシジルが効かない脱毛症は、皮膚疾患による脱毛症や円形脱毛症などがあり、ミノキシジル以外の治療方法を検討する必要があります。
- Q
ミノキシジル外用薬でアレルギーの不安がある場合、どのように対処すれば良いですか?
- A
アレルギー(接触性皮膚炎)の発生頻度は1%程度といわれていますが、「頭皮や皮膚のかゆみ」「かぶれ」「ふけ」といった皮膚トラブルが現れる場合があります。
ミノキシジルに対してアレルギーの不安があるようであれば、パッチテストを事前に行うと良いでしょう。
- Q
絶対生える発毛剤はありますか?それはどこで買えますか?
- A
髪の毛を新たに生やしたいとお考えの方は、まずはミノキシジル配合の外用薬をお試しください。その際は市販薬ではなく、当院で処方する成分量の高い外用薬をお試しください。市販薬の成分量が1~5%なのに対し、当院ではより効果の高い成分量8%の外用薬を処方しています。
その他よくある質問はこちらをご確認ください
参考サイト
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この記事の監修
服部 圭太
(はっとり けいた)医師【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務
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