もみあげニキビの原因・治し方|効果的な薬やニキビではない可能性も解説

更新日:2024/11/19
もみあげニキビの原因・治し方|効果的な薬やニキビではない可能性も解説

もみあげは、髪の毛や整髪料、帽子などが直接触れるため、外的な刺激を受けやすい敏感な部位です。

加えて、生活習慣の乱れや肌のコンディションが悪化していると、もみあげニキビの発生リスクはさらに高まります。

外用薬や内服薬による治療で改善が期待できますが、繰り返しできるもみあげニキビや、症状が進行している場合には医療機関での治療をご検討ください。

また、もみあげにしこりができている場合は、それがニキビ以外の皮膚疾患である可能性も否定できません。

本記事では、もみあげニキビの原因や効果的な治し方について詳しく解説していきます。

もみあげニキビの原因

もみあげにできるニキビは、日常生活の中で知らず知らずのうちに受けるさまざまな原因が関わっています。

以下に、その代表的な原因を挙げます。

次の章では、これらの原因がどのようにニキビに影響するのかを詳しく解説していきます。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れ

不規則な生活習慣は、肌のコンディションに影響することがあります。

例えば、食生活が偏っていたり、睡眠不足が続いたりすると、肌のターンオーバーが正常に機能せず、必要以上に皮脂が分泌されやすくなります。

この余分な皮脂が毛穴を詰まらせ、それをエサとするアクネ菌が増えてしまうことで、もみあげにニキビができやすくなります。
さらに、ストレスが加わることで体の免疫力が低下し、アクネ菌が活発に繁殖しやすい状態に陥ります。

その結果、もみあげニキビが増えたり悪化したりする原因になってしまうのです。

髪の毛や整髪料による刺激

髪の毛や整髪料による刺激

髪の毛がもみあげ部分に頻繁に触れることで、皮膚に摩擦が生じ、ニキビが発生しやすくなります。

特に、髪が長かったりスタイリングによってもみあげ周辺に髪がかかる場合、この摩擦が繰り返し起こることで炎症を引き起こし、ニキビの原因になることがあります。

また、整髪料やシャンプーの洗い残しが毛穴を詰まらせ、もみあげにニキビが発生することもあります。

特に、強い洗浄成分や油性の整髪料は肌の刺激になります。かゆみや炎症を引き起こし、結果的にニキビの発生や悪化を助けることがあるため注意が必要です。

脱毛・剃毛による刺激

脱毛・剃毛による刺激

自己処理による脱毛や剃毛はアフターケアが不十分になりがちで、毛穴に汚れや雑菌が溜まりやすくなります。その結果、もみあげ部分にニキビができるだけでなく、毛嚢炎という毛根周辺の炎症が引き起こされることもあります。

特に、カミソリで剃毛する際は、刃が肌に小さな傷をつけることで雑菌が侵入しやすくなり、これがニキビや炎症の原因となることがあります。

また、同じカミソリの刃を長期間使用し続けると、雑菌が繁殖しやすくなり、肌にさらに負担をかける可能性が高まります。

その結果、カミソリ負けが起こりやすくなり、時には赤い発疹である尋常性毛瘡が現れることもあるため注意が必要です。

帽子やマスク、眼鏡による圧迫

帽子やマスク、眼鏡による圧迫

帽子やマスク、眼鏡を長時間使用することで、もみあげ部分に圧迫が加わりやすくなります。
この圧迫によって通気性が悪くなり、汗や皮脂がその部分にたまりやすくなることが、ニキビ発生の原因となります。
特に、汗をかきやすい夏場や湿度が高い環境では、さらにリスクが高まります。

また、マスクや眼鏡のフレームがもみあげに繰り返し接触することで、摩擦や刺激が起こり、炎症が発生することもあります。

こうした小さな刺激の積み重ねが、皮膚のバリア機能機能を弱め、ニキビを引き起こす原因となるのです。

マッサージによる刺激

マッサージによる刺激

もみあげ周辺のマッサージは、皮膚に強い摩擦を与えることで、ニキビが発生する原因になります。
強めのマッサージは、毛穴に詰まった皮脂や汚れを取り除くどころか、逆に毛穴を詰まらせてしまうことがあります。

また、手や指が清潔でない場合、雑菌が皮膚に移り、炎症を引き起こしやすくなります。
これが原因で、もみあげ部分にニキビができやすくなるリスクが高まるのです。

さらに、オイルやクリームを使ったマッサージも、肌に合わない成分が毛穴を詰まらせることがあるのでご注意ください。

ニキビの場所別 原因と種類

もみあげにしこりがあるなら別疾患の可能性も

もみあげ部分にできたしこりは、ニキビではなく「粉瘤(アテローム)」である可能性があります。

もみあげにしこりがあるなら別疾患の可能性も

粉瘤は皮膚の下にできた袋状の良性腫瘍で、皮脂や角質などの老廃物が溜まることで形成されます。
皮膚がドーム状に盛り上がり、通常痛みはなく、触れると柔らかいしこりのように感じられます。

粉瘤は皮脂や角質が蓄積していくため、時間が経つにつれて少しずつサイズが大きくなり、以下の特徴が現れることがあります。

◾️粉瘤(アテローム)の症状
  • 皮膚がドーム状に盛り上がる
  • 腫れや炎症が定期的に発生する
  • 強く押すとニオイの強い練り物状の物質が出てくる
  • しこりの中央に黒点状の開口部がある

粉瘤は自然に治癒することが少なく、手術によって除去することが一般的です。
特に大きく腫れたり、しこりが長期間治らない場合は、早めに医療機関で診断を受けることが推奨されます。

また、粉瘤と間違えられやすい疾患として以下のものがあります。

◾️粉瘤と間違えられやすい疾患

脂肪腫:脂肪細胞から形成される良性の腫瘍で、痛みはありません。
毛包炎:細菌感染による毛穴周辺の炎症で、痛みや赤みが伴います。

しこりの正確な診断は、自己で対処せず医療機関で行うことが重要です。

もみあげニキビの治し方

もみあげニキビには、外用薬や内服薬、施術治療など、さまざまな治療法があります。

ニキビの程度に応じて使い分けられるため、次の章でそれぞれの治療法について詳しく解説していきます。

外用薬(塗り薬)

もみあげニキビの治療に使われる外用薬には、さまざまな種類があります。
以下に、治療に使用される代表的な外用薬をまとめました。

【ニキビ治療に用いられる主な塗り薬】

名称 有効成分 効果・特徴 副作用
ベピオゲル 過酸化ベンゾイル 抗菌作用と角質剥離作用により、ニキビ菌の増殖を抑えつつ、毛穴詰まりも防ぐ 表皮のはがれ、肌の赤み、刺激感、乾燥など
デフェリンゲル アダパレン 皮膚のターンオーバーを促進し毛穴詰まりを改善する 乾燥、不快感、肌の赤み、表皮のはがれ、かゆみなど
ダラシンTゲル クリンダマイシン 抗菌作用でニキビ菌を抑制

特に炎症性ニキビで使用されやすい
つっぱり感、かゆみ、肌の赤み、蕁麻疹、刺激感、ヒリヒリ感など
アクアチムクリーム ナジフロキサシン 炎症性ニキビに有効とされ、抗菌作用によりニキビ菌を抑制 刺激感、肌の赤み、丘疹、熱感、乾燥など
ゼビアックスローション オゼノキサシン 抗菌作用を持ち、化膿しているニキビに効果的 乾燥、刺激感、肌の赤みなど

※スクロールしてご覧ください

内服薬(飲み薬)・サプリメント・漢方薬

もみあげニキビの状態によっては、内服薬を使用することもあります。
また、ニキビ治療の補助を目的として、サプリメントや漢方薬なども使われます。

【ニキビ治療に用いられる主な飲み薬・サプリメント・漢方薬】

名称 有効成分 効果・特徴 副作用
イソトレチノイン ビタミンA誘導体 皮脂分泌を抑えてニキビの発生や炎症を防ぐ 全身の皮膚や粘膜の乾燥、頭痛、吐き気、嘔吐など
ビブラマイシン ドキシサイクリン 抗菌作用でニキビ菌を殺菌 吐き気・嘔吐、食欲不振、発疹、発熱、腹痛、下痢など
ミノマイシン ミノサイクリン ニキビ菌を殺菌し炎症を抑える効果もある めまい感、吐き気、食欲不振、腹痛、嘔吐など
ハイチオール L-システイン 酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防にも効果的 吐き気、下痢など
シナール アスコルビン酸(ビタミンC)、パントレン酸(ビタミンB5) 肌のターンオーバーを整えて活性酸素を抑制する、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善 胃の不快感、吐き気・嘔吐、下痢など
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
ケイヒ、シャクヤク、トウニン、ブクリョウなど 血の巡りを改善しニキビ改善をサポート 発心、肌の赤み、かゆみ、食欲不振など
Lypo-C Vitamin C

Lypo-C Vitamin C+D
アスコルビン酸(ビタミンC)、パントレン酸(ビタミンB5)、ビタミンD 肌のターンオーバーを促しニキビによる色素沈着を防ぐ

肌の免疫力を強化し炎症を抑える
下痢、悪心、吐き気、食欲不振など

※スクロールしてご覧ください

施術治療

もみあげニキビが重症化した場合や、繰り返しできる場合には、施術治療が効果的な選択肢にもなってきます。

一部の皮膚科や美容クリニックで施術を受けられますが、自費診療となるので、外用薬や塗り薬などに比べると高額な治療です。

【ニキビ治療に用いられる主な施術治療】

名称 効果・特徴
レーザー 毛穴に詰まった膿や余分な皮脂を熱で溶解し、さらに抗菌作用も期待できる治療

炎症を抑え、皮膚の再生を促進する
ケミカルピーリング 皮膚表面の古い角質を取り除き、毛穴詰まりを改善してニキビの発生を防ぐ
イオン導入 美白や抗炎症成分を肌の奥に浸透させ、ニキビによる炎症を抑えたり、肌回復を助ける効果がある

ニキビ治療について

もみあげニキビのケア方法

もみあげニキビのケア方法

もみあげニキビは、日常のケアや習慣の見直しで予防・改善することが可能です。
簡単な工夫や気を付けるポイントを押さえることで、ニキビの発生を抑えることができます。

次の章で、それぞれのケア方法について詳しく解説していきます。

生活習慣・スキンケアを見直す

もみあげニキビを防ぐためには、以下の3つポイントを意識することが重要です。

◾️生活習慣の改善例
  • 栄養バランスのとれた食事
  • 7時間以上のまとまった睡眠
  • ストレス管理

これらの生活習慣を整えることで、肌の健康が保たれやすくなり、ニキビができにくい肌環境を作ることができます。

また、スキンケアの見直しも欠かせません。
特に脱毛や剃毛後の肌は敏感な状態なので、しっかりと保湿ケアを行い、外部の刺激から肌を守ることが大切です。

セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を含むスキンケアアイテムを使うことで、肌のバリア機能が保たれるためニキビの発生を防ぐ助けになります。

髪の毛や帽子の清潔を保つ

髪の毛や帽子を清潔に保つことは、もみあげニキビの予防において重要です。
もみあげに髪が触れることが多い場合、1日1回の洗髪で皮脂や汚れをしっかり落とすことが大切です。
また、シャンプーやコンディショナーの洗い残しが毛穴を詰まらせる原因となるため、洗髪後はもみあげ部分を十分にすすぎましょう。

さらに、帽子をよくかぶる人は、帽子の清潔さにも気を配りましょう。
内側に汗や皮脂がたまると、雑菌が繁殖しやすくなり、肌に触れることでニキビの原因になります。

定期的に帽子を洗濯し、清潔な状態を維持することがニキビ予防に役立ちます。

もみあげを刺激する装飾品や小物を避ける

もみあげに接触する帽子やサングラス、ピアスなどの装飾品は、摩擦によって皮膚に刺激を与え、ニキビを悪化させる可能性があります。

長時間使用することで、摩擦による炎症が起きやすくなるため、状況に応じて使用を控えることが効果的です。

また、カミソリを使う際は、シェービングフォームやジェルを使用して肌への負担を軽減し、剃り心地を滑らかに保つことが重要です。

剃った後にはしっかり保湿ケアを行い、刃は雑菌が繁殖しないように洗浄・乾燥も忘れずに行いましょう。

むやみに触らない

もみあげニキビが気になるからといって、頻繁に触れることはニキビ症状の悪化につながりかねません。

手には目に見えない雑菌が多く存在し、もみあげ部分を繰り返し触ることで雑菌が付着し、炎症を引き起こす原因となるためです。

そのため、むやみに触らないようにしてください。

ニキビの治し方とニキビケア

まとめ:もみあげニキビの発生原因はさまざま。心配なら医療機関で治療しよう

もみあげニキビの発生には多くの要因がありますが、適切なケアを行うことで予防や改善が期待できます。

以下にここまでの記事の要点をまとめました。

  • 生活習慣や髪・帽子などの外的刺激によって発生しやすい
  • 治療には内服薬や外用薬だけでなく、漢方薬やサプリ、施術などもある
  • 適切な生活習慣の見直しや清潔を保つことで予防可能
  • むやみに触らないことで、雑菌の付着や炎症の悪化を防ぐことができる
  • 症状が長引いたり、しこりがある場合は自己判断せずに医療機関を受診する

もし自己ケアで効果が見られない場合や、ニキビがひどくなるようであれば、早めに医療機関での診断や治療を受けることが重要です。

特に、しこりのような症状が見られる場合は、ニキビ以外の皮膚疾患の可能性もあるため、専門的なアドバイスが必要です。

健康な肌を保つためにも、適切なケアと早めの対処を心がけましょう。

よくある質問

  • Q
    もみあげニキビがしこりになっているのですが病気ですか?
    A
    もみあげニキビがしこりのように感じられる場合、ニキビではなく「粉瘤(アテローム)」と呼ばれる皮膚の下に老廃物が溜まる腫瘍である可能性があります。
    粉瘤は自然に治ることが少ないため、しこりが気になる場合は早めに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが大切です。
  • Q
    もみあげニキビがかゆいのはなぜですか?
    A
    ニキビがかゆくなる理由は、炎症や皮脂の過剰分泌によって皮膚が刺激されているからです。
    また、髪や整髪料がもみあげ部分に触れることで摩擦が生じ、かゆみが引き起こされることもあります。
    かゆみが強い場合でも、爪で引っ掻いたりして皮膚にさらなる刺激を与えないよう注意しましょう。
  • Q
    もみあげニキビが治らないのですが別の疾患ですか?
    A
    もみあげニキビが長期間治らない場合、別の皮膚疾患の可能性も考えられます。
    特に粉瘤や脂肪腫、毛包炎などがニキビと見間違えられる場合があります。
    セルフケアでも改善しない場合は、医療機関にご相談ください。

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