顔の印象を左右するパーツである眉間や眉毛は、意外にもニキビができやすい場所です。
見た目に影響を与えるだけでなく、痛みや腫れを伴うこともあり、気になる方も多いでしょう。
本記事では、眉間や眉毛にできるニキビの原因や治し方について詳しく解説するとともに、適切なケア方法も紹介します。
眉間ニキビ・眉毛ニキビにお悩みの方や、早く治したいと思っている方は、ぜひ最後までお読みください。
適切な対策を知ることで、肌トラブルを減らし、健やかな肌を手に入れましょう。
ニキビの場所別 原因と種類眉間ニキビ・眉毛ニキビの原因
眉間や眉毛の周辺は、おでこと同様に皮脂の分泌が非常に多い部位です。
このため、毛穴が詰まりやすく、ニキビも発生しやすくなります。
以下は、眉間ニキビ・眉毛ニキビの主な原因です。
◾️眉間ニキビ・眉毛ニキビの主な原因
次の章では、これらの原因について詳しく解説していきます。
生活習慣の乱れ
不規則な生活習慣は、眉間や眉毛にニキビができる原因のひとつです。
睡眠不足や食生活の乱れは、体内のホルモンバランスを崩し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。
また、脂質や糖質は皮脂の原料となり、過剰な皮脂分泌を助けてしまいます。
甘いものや脂っこい食事によって、ニキビがより発生しやすい環境が整ってしまうため摂り過ぎにはご注意ください。
自律神経の乱れ
ストレスによる自律神経の乱れは、ニキビの原因となることがあります。
自律神経が乱れると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、これが皮脂腺を刺激します。
結果として、皮脂の過剰分泌により毛穴が詰まりやすくなり、眉間や眉毛のニキビが発生しやすくなります。
また、ストレスによって血管が収縮するとターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下することもあります。
外部からの刺激に対する守りが弱まるため、ニキビの発生リスクがさらに高まります。
前髪や毛抜き、メイクによる外部刺激
前髪が肌に触れると、髪に付いた整髪料や皮脂、汗が肌に移り、毛穴を詰まらせる原因になります。
特に前髪があるヘアスタイルだと、眉間や眉毛の周辺にニキビを引き起こす恐れもあります。
さらに、毛抜きやカミソリを使った眉毛処理は、細かい摩擦や微細な傷を肌に与え、バリア機能を低下させて毛穴の炎症を招きます。
メイク道具にも注意を払いましょう。汚れたアイブロウやブラシは雑菌の温床になりやすく、それが毛穴に入り込んでニキビを誘発する場合があるためです。
こうした外部刺激が重なると、眉間や眉毛周りに肌トラブルが起こりやすくなります。
整髪料の成分が合っていない
整髪料には、肌に刺激を与える成分が含まれている場合があります。
特に、油分の多いヘアオイルやワックスは、肌トラブルを引き起こす原因となりやすいです。
残った油分が皮脂や古い角質と混ざって角栓ができると、毛穴詰まりを起こしやすくなります。
その結果、皮脂や汚れがうまく排出されず、炎症やニキビの原因になるのです。
眉間周辺はもともと皮脂の分泌が多い部分なので、油分が加わるとニキビがさらにできやすくなります。
汗や汚れの洗い残し
眉間や眉毛周辺は骨格の影響で凸凹があり、他の部分より汚れが溜まりやすくなっています。
洗顔したつもりでも皮脂や汗などの汚れが残りやすく、意外と細かい部分の汚れを見落としがちです。
こうした洗い残しが原因で毛穴が詰まり、アクネ菌や雑菌が繁殖することで炎症やニキビが発生します。
眉間ニキビ・眉毛ニキビは腫れやしこりにも注意
眉間や眉周辺の皮膚は非常に薄くデリケートです。
そのため、ニキビを放置すると腫れが大きくなったり、しこりに発展することがあります。
炎症が進行すれば、痛みや赤みが増したり、治りにくくなるため早期の治療が大切です。
さらに、眉間や眉毛にできるニキビと似た症状には注意しましょう。
以下のような症状は、ニキビと見分けがつきにくいため、自己判断を避け、医師に相談することを推奨します。
◾️毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎は、毛包に細菌が感染して炎症を起こす皮膚疾患です。主に剃毛や脱毛後に、毛が皮膚の中で埋没し、そこに黄色ブドウ球菌などが感染して発生します。小さな膿疱や赤み、痛みが現れ、放置するとしこりに発展することがあります。ニキビと似ていますが、原因が細菌感染であるため医療機関での治療が必要です。
◾️粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚の下に皮脂や角質が溜まり、袋状の腫瘍を形成する良性の疾患です。主に皮脂腺の詰まりが原因で発生し、しこりのように感じられます。通常は痛みがなく無害ですが、感染すると赤みや痛みを伴うことがあります。
炎症や腫れを伴うためニキビと症状が似ていますが、いずれも自然治癒することはありません。
ニキビが悪化したように感じられたり、しこりが大きくなるようであれば、皮膚科医に相談するようにしてください。
眉間ニキビ・眉毛ニキビの治し方
眉間ニキビ・眉毛ニキビを治すためには、症状に合った適切な治療を選ぶことが大切です。
治療法は以下の3つに分けられます。
◾️眉間ニキビ・眉毛ニキビの主な治療法
次の章では、これらの治療法について詳しく説明していきます。
外用薬(塗り薬)
眉間ニキビ・眉毛ニキビ治療では使われる外用薬(塗り薬)は、以下のとおりです。
名称 | 有効成分 | 効果・特徴 | 副作用 |
---|---|---|---|
ベピオゲル | 過酸化ベンゾイル | 抗菌作用・角質剥離作用 炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効 |
表皮のはがれ、肌の赤み、刺激感、乾燥など |
ディフェリンゲル | アダパレン | 面ぽう(コメド)の発生を抑制。 炎症性ニキビ(軽症〜重症)に有効 |
皮膚の乾燥や不快感、皮膚剥脱、肌の赤み、かゆみなど |
クリンダマイシンゲル | クリンダマイシン | 抗菌作用 炎症性ニキビ全般に有効 |
肌のつっぱり感、かゆみ、発赤、刺激感、ヒリヒリ感など |
デュアックゲル | クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル | 抗炎症作用・抗菌作用 炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効 |
乾燥、皮膚炎(接触皮膚炎、湿疹を含む)、皮膚剥脱、かゆみなど |
エピデュオゲル | アダパレン/過酸化ベンゾイル | コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用 炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効 |
皮膚刺激、皮膚疼痛、アレルギー性皮膚炎など |
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外用薬(塗り薬)には、アクネ菌などの最近を殺菌する抗菌成分や、肌のターンオーバーを促す成分が配合されています。
また、炎症を起こしている赤ニキビや化膿した黄ニキビがたくさんある場合、次の内服薬(飲み薬)を併用することもあります。
内服薬(飲み薬)・サプリメント・漢方薬
眉間ニキビ・眉毛ニキビ治療では、内服薬(飲み薬)のほか、サプリメントや漢方薬が使用されることもあります。
名称 | 有効成分 | 効果・特徴 | 副作用 |
---|---|---|---|
イソトレチノイン | ビタミンA誘導体 | 皮脂分泌を抑えてニキビの発生や炎症を防ぐ | 全身の皮膚や粘膜の乾燥、頭痛、吐き気、嘔吐など |
ハイチオール | L-システイン | 酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート | 吐き気、下痢など |
ユベラ | トコフェロール酢酸エステル | 肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕が薄くなる効果が期待できる | 便秘、胃の不快感、下痢、発疹 |
Lypo-C Vitamin C+D Lypo-C Vitamin C | アスコルビン酸(ビタミンC)、パントレン酸(ビタミンB5)、ビタミンD | 肌のターンオーバーを促し、ニキビによる色素沈着を防ぐ働きを持つ。 | 胃の不快感、吐き気・嘔吐、下痢など |
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) | ケイガイ・レンギョウ・トウキ・シャクヤク・センキュウなど | 面ぽう(コメド)に他の治療が無効、または他の治療できない場合の治療として推奨 | 発疹・発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感など |
※スクロールしてご覧ください
内服薬(飲み薬)は、長く続けてしまうと抗生物質が効かない菌が増えてしまい、続けても十分な治療効果が得られなくなることがあります。
そのため、1〜3ヶ月の使用が理想的とされ、ニキビの症状が軽くなった時点で外用薬のみに切り替えて肌コンディションの維持・改善を行います。
また、サプリメントや漢方薬は、インナーケアとしてニキビ治療をサポートしたり、健康状態から薬が使えない場合の代替として使われます。
施術治療
眉間ニキビ・眉毛ニキビの治療は、美容クリニックで行われる施術も選択肢のひとつです。
肌の状態に合わせて専門的な機器や技術を用い、ニキビの改善や再発防止を目指すだけでなく、ニキビ跡や色素沈着の改善も目指せます。
名称 | 効果・特徴 |
---|---|
レーザー治療 | 炎症を抑え、肌ターンオーバーを促進。アクネ菌の除去や皮脂腺の縮小により、ニキビを減少させる。毛穴引き締めにより肌の凹凸改善にも効果がある。 |
ケミカルピーリング | トリクロロ酢酸や高濃度グリコール酸などを用いて、皮膚表面の古い角質を取り除き、毛穴詰まりの改善によりニキビの発生を防ぐ。ニキビ後遺症であるクレーターや色素沈着にも有効。 |
イオン導入 | ビタミンCやアミノ酸など、美白や抗炎症成分を肌の奥に浸透させてニキビ跡や炎症を抑える。肌回復をサポートし、敏感肌にも適した治療法。 |
施術治療は、内服薬や外用薬では得られない効果が期待でき、クレーター肌や色素沈着といったニキビの後遺症に対しても有効です。
また、肌の深層までアプローチできるので、治りにくいニキビの改善にも役立ちます。
ただし、眉間や眉毛は目元に近いため、施術によっては実施できない場合もあるので、カウンセリングなどで医師に相談するようにしてください。
眉間ニキビ・眉毛ニキビのケア方法
眉間や眉毛にできるニキビを予防・改善するためには、日常生活やスキンケアを見直すことが大切です。
ケア方法はいくつかありますが、まずは以下のポイントから見直してみるのが効果的です。
◾️眉間ニキビ・眉毛ニキビのケア方法
次の章では、それぞれのケア方法について詳しく解説していきます。
生活習慣・スキンケアを見直す
眉間や眉毛にできるニキビを予防するには、まず規則正しい生活を心がけることが大切です。
皮脂の過剰分泌や肌ターンオーバーの乱れの改善には、バランスの取れた食事、十分な睡眠、そしてストレス管理が欠かせません。
また、ニキビが気になるからといって、過剰な洗顔や不適切な化粧品の使用は、かえって肌に負担をかけてしまいます。
乾燥が進み、必要以上に皮脂が分泌されてしまうため、ご自身の肌質にあった製品を使って、丁寧なケアを心がけることがニキビ予防に効果的です。
整髪料やカミソリ、化粧品を変える
整髪料やカミソリ、化粧品は、敏感肌用の製品に切り替えることで、肌への負担を軽減し、ニキビのリスクを最小限に抑えることができます。
無香料・無着色、アルコールフリーの製品は、肌に余計な刺激を与えず、肌のバリア機能を守ります。
さらに、保湿成分が豊富な製品を選ぶことで、肌の乾燥を防ぎ、皮脂の過剰分泌を抑えることができるためニキビの予防・再発に効果的です。
また、カミソリの刃はこまめに交換することが重要です。
古くなった刃は切れ味が悪く、肌に負担をかけ、細菌の繁殖を助長する原因にもなります。
処理後はすぐに保湿を行うことで、肌のバリア機能をサポートし、乾燥や炎症から肌を守ることがニキビの予防に繋がります。
保湿クリームやローションを使用する際は、低刺激のものを選び、肌を優しくケアすることがポイントです。
前髪のかからないヘアスタイルにする
眉間ニキビや眉毛ニキビを隠すために、常に前髪を垂らすヘアスタイルは避けるようにしましょう。
前髪がかかることでニキビに刺激を与え、さらにスプレーや整髪料、汗・汚れなどが毛穴を詰まらせ、かえって症状を悪化させかねません。
気になるかもしれませんが、ニキビの改善を早めたり、再発を防ぐためにも、以下のようなスタイルを試してみましょう。
- アップバング
- 髪を束ねる
- ヘアバンドやカチューシャ
自宅にいる時は前髪を上げて、外出時もできるだけ顔に前髪がかからないように心がけることがニキビの予防に効果的です。
お風呂できちんと洗う
眉間や眉毛の部分は凹凸があるため、洗えているようでも洗い残しが発生しやすい場所です。
隅々まで丁寧に洗うことを心がけ、洗顔の際は以下のポイントも守ってください。
- 洗顔は 1日2回
- ゆるま湯(体温に近い温度)を使う
- 指の腹で円を描くように洗う
- ご自身の肌質にあったクレンジングや洗顔料を使う
- すすぎを十分に行う
また、洗顔後はタオルでゴシゴシ拭かず、やさしく押さえるようにして水分を拭き取ると肌を傷めずに済みます。
まとめ:眉間や眉はニキビができやすいためこまめにケアしよう
眉間や眉にできるニキビについて、これまでご紹介したポイントをまとめました。
- 生活習慣や外部刺激によって眉間や眉にニキビができる
- 一向に症状が改善されない場合には毛嚢炎や粉瘤の可能性があるため、医療機関に相談する
- 他のニキビと同様、治療は内服薬と外用薬が基本
- 生活習慣やスキンケアを見直すことはニキビの予防・再発に効果的
眉間ニキビ・眉毛ニキビのよくある質問
-
- Q
眉間ニキビの原因は肝臓ですか?
- A
眉間ニキビの原因として、肝臓の不調が直接的に影響するという医学的根拠はありません。主な原因は、皮脂の過剰分泌、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、外部刺激やスキンケアの問題などがあげられます。
肝臓の状態が肌に影響を与えることもあるかもしれませんが、眉間ニキビの原因としては一般的ではありません。
- Q
-
- Q
眉間ニキビは大人でもできますか?
- A
眉間ニキビは大人でも発生します。
日頃のストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化が原因となることが多く、皮脂の過剰分泌や肌のターンオーバーの乱れも関係しています。
- Q
-
- Q
眉間ニキビ・眉毛ニキビの即効性ある治し方は?
- A
眉間ニキビや眉毛ニキビの即効性のある治し方は、基本的にありません。
治療では外用薬や内服薬を使用し、数週間から数ヶ月かけて徐々に改善していくのが一般的です。
また、早期改善を目指すには、適切なスキンケアと生活習慣の見直しも重要です。
- Q
改善が見られない場合や、炎症が悪化したり、しこりが大きくなるようであれば、早めに医療機関に受診して適切な診断と治療を受けるようにしてください。