背中ニキビの原因と治し方!市販薬・処方薬やおすすめの予防法を解説

更新日:2025/2/25
背中ニキビの原因と治し方!市販薬・処方薬やおすすめの予防法を解説

背中は皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位です。
背中ニキビの主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 生活習慣の乱れ
  • 洗い残し
  • 汗による蒸れ
  • 下着の刺激
  • 化学繊維のインナーによる刺激

背中のニキビは普段目につきにくいため、放置してニキビ跡となるリスクもあります。
また「マラセチア毛包炎(真菌による皮膚疾患)」との混同にも注意が必要です。

このページでは、背中ニキビの原因や治し方をご紹介します。効果的な処方薬についても触れていますので、背中の肌トラブルでお悩みの方はぜひご参考ください。

ニキビの場所別 原因・種類・症状

男性に多い背中ニキビの原因

冒頭でご紹介した主な原因のほか、男女特有の(特に多く見られる)原因があります。
男性に多い背中ニキビの原因は以下のとおりです。

筋トレやスポーツ後のシャワー忘れ

運動後にシャワーを浴びず、汗や皮脂が肌に長時間とどまると、毛穴が詰まりやすくなります。汗をかいたらすぐに着替えるなど、背中を清潔に保つことを心がけましょう。

硬めのボディタオルでのゴシゴシ洗い

垢を落とそうとして硬めのボディタオルで繰り返しこすってしまうと、過剰な洗浄が肌のバリア機能を壊し、炎症を起こしやすくします。柔らかめのボディタオル、または素手で優しく洗浄することを意識しましょう。

汗や汚れの蓄積

男性は女性に比べ皮脂の分泌量が多いため、汚れや皮脂が溜まりやすいです。背中が湿った状態でいると毛穴詰まりを起こし炎症を起こします。

女性に多い背中ニキビの原因

女性に特に多いニキビの原因としては、下着やインナーの摩擦、ネックレスの刺激などがあげられます。詳細は以下のとおりです。

下着の圧迫による刺激

ブラジャーの締め付けが強すぎたり、ホックに当たる部分が長時間刺激されることで、ニキビができやすくなります。特に汗をかいた状態でそのまま下着をつけ続けると、汗が皮膚にとどまり毛穴を詰まらせる原因となります。

インナーが化学繊維で蒸れている

化学繊維製のインナーは通気性が悪く汗を吸収しにくいため、背中が蒸れた状態を引き起こします。蒸れは毛穴を詰まらせて細菌の繁殖を助長しますので、特に汗をかきやすい夏場や運動時には、吸湿性・通気性に優れた素材のインナーを選びましょう。

ネックレスやアクセサリーの摩擦による刺激

ネックレスのアジャスター部分や、長時間肌に接触するアクセサリーは、背中の皮膚に摩擦を与え、炎症や肌荒れを引き起こす場合があります。長時間の着用は避け、こまめに皮脂をふき取りましょう。

ホルモンバランスの乱れ

女性は特に生理前になるとホルモンバランスが変化し、皮脂の分泌が増加することで背中ニキビができやすくなります。

ボディケア製品が肌に合っていない

使用しているボディケア製品が肌に合わない場合、かえって肌に負担をかけ、ニキビが発生する原因となります。特に香料や添加物の多い製品は、敏感肌の方にとって刺激が強すぎる場合があります。

背中ニキビの治し方

背中ニキビの治し方には、大きく分けて医療機関での治療とセルフケアの2つです。

次の章で詳しく解説していきます。

市販薬を使用する

背中ニキビの改善には、市販薬を使用する方法もあります。有効な成分としては、以下が挙げられます。

背中ニキビに効果的とされる市販薬の成分
  • クロラムフェニコール
  • フラジオマイシン硫酸塩
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩

など

殺菌成分や抗炎症成分を含む薬は一時的な症状の緩和に効果的です。しかし、市販薬では根本的な原因を取り除くことは難しく、さらに成分量も処方薬と異なる場合(少ない場合)があります。症状が改善しない・再発を繰り返す場合は医療機関での治療をご検討ください。

さらに、背中は薬を塗りにくい部位のため、市販の外用薬よりも医療機関の処方内服薬での治療が適しています。

医療機関で治療する(内服薬・外用薬・サプリメント)

以下は、医療機関で処方される薬の一部です。背中は広範囲で手の届きにくい部位のため、外用薬よりも内服薬での治療が推奨されます。

【背中ニキビの主な治療薬・サプリメント】
製品名 効果・特徴
イソトレチノイン
イソトレチノイン
(飲み薬)
皮脂の過剰分泌を抑制
ニキビの発生を根本的に抑制・再発予防
ハイチオール
(飲み薬)
酸化ストレスの予防
ニキビ跡の色素沈着予防
シナール
(飲み薬)
肌のターンオーバーを整え活性酸素を抑制
ニキビ跡の色素沈着を予防・改善
Lypo-C Vitamin C
Lypo-C Vitamin C

Lypo-C Vitamin C+D
Lypo-C Vitamin C+D
(サプリメント)
活性酸素を抑制してニキビの炎症を軽減
肌のバリア機能向上
エピデュオゲル
(塗り薬)
抗炎症作用・抗菌作用
炎症性ニキビに有効
デュアックゲル
(塗り薬)
毛穴の閉塞を予防
炎症性、非炎症性どちらのニキビにも効果

ニキビ治療薬の詳細

ビタミンCなどのサプリメントは肌の代謝をサポートしニキビの改善を助けます。ビタミンは皮脂の分泌を抑えたり、肌のターンオーバーを正常化したりする効果があります。

ニキビに効果的なサプリメントの詳細

なお、フィットクリニックでもイソトレチノインを用いた背中ニキビ治療を行っております。

イソトレチノインはニキビの改善だけでなく、再発抑制効果も報告されています。ニキビの根本治療に最適なお薬です。

服部院長

オンライン診療のため、忙しい方でも通院の負担なく治療を開始できます。
詳細は以下のボタンからご覧ください。

運動後は必ず汗を拭きとる・シャワーを浴びる

運動後は必ず汗を拭きとる・シャワーを浴びる

運動後は、汗や皮脂が毛穴を詰まらせないよう、早めにシャワーを浴びたり、タオルでしっかりと汗を拭き取りましょう。特に背中は手が届きにくい部分なので、専用のボディブラシなどを使うと効果的です。

シャワーの適した順番
シャワーの適した順番

髪→顔→上半身→下半身の順番で洗うことで、シャンプーやボディソープの洗い残しを防ぎ、毛穴詰まりによるニキビのリスクを軽減できます。

下着・インナーを自然素材のものに変える

下着・インナーを自然素材のものに変える

化学繊維の下着やインナーは通気性が悪く、蒸れが原因でニキビを悪化させることがあります。綿やシルクなどの自然素材のものを選ぶことで、肌への負担を減らしましょう。

髪の毛や衣類、アクセサリーなど外部刺激を避ける

髪の毛や衣類、アクセサリーなど外部刺激を避ける

長い髪が背中に触れることで皮脂が付着したり、ネックレスやアジャスターが肌を刺激することで、ニキビができやすくなります。髪をまとめ、アクセサリーを外すことで背中の肌への負担を減らすことができます。

生活習慣を整える

生活習慣を整える

規則正しい生活習慣は、背中ニキビの改善だけでなくホルモンバランスの調整にもつながります。十分な睡眠をとることで肌のターンオーバーが促進され、ストレスを軽減することで皮脂の過剰分泌を防ぐ効果が期待できます。
バランスの取れた食事や適度な運動も、インナーケアとして意識しましょう。

理想的な生活習慣

●規則正しい食事
良質な動物性タンパク質(鶏肉、魚、卵など)を適度に摂取し、栄養バランスの取れた食事を意識。

●十分な睡眠
できる限り毎日同じ時間に寝起きし、7~8時間のまとまった睡眠を確保する。

●適度な運動
1日20分以上軽い有酸素運動やストレッチを週に2〜3日行う。

●ストレス管理
趣味やリラックスできる時間を大切にし、ストレスを溜め込まない。

背中ニキビと似た症状

背中ニキビと似た症状を持つ疾患として、以下があげられます。

背中ニキビに似た皮膚疾患

●マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎

真菌(カビ)の一種が毛穴で増殖し発生する炎症で、赤いブツブツやかゆみを伴うことがあります。

●毛嚢炎

毛嚢炎

細菌感染による毛穴の炎症で、赤みや膿を持つブツブツが特徴です。

●おでき(せつ)

おでき(せつ)

毛嚢炎が悪化して皮膚の奥深くまで炎症が広がった状態で、痛みや腫れが強いことが特徴です。

背中ニキビとマラセチア毛包炎の違いと見分け方

特に間違えやすいのが、背中ニキビとマラセチア毛包炎です。
違いと見分けるポイントを以下の表にまとめました。

背中ニキビ マラセチア毛包炎
原因 毛穴の詰まりと皮脂の過剰分泌 マラセチアという真菌(カビ)の増殖
見た目の特徴 赤く炎症を起こした丘疹や膿疱 小さな赤いブツブツが均一に広がる
かゆみ ほとんどない、または軽度 強いかゆみを伴うことが多い
主な発生部位 背中全体や上半身 背中、胸、肩など皮脂の多い部位
発生要因 ホルモンバランスの乱れや生活習慣の影響 汗や湿気による菌の繁殖
治療法 ニキビ治療薬や抗菌薬を使用 抗真菌薬や専用の外用薬を使用

大きな違いは、マラセチア毛包炎の場合かゆみが伴うという点です。
症状が続く場合は、医療機関での診察を受けることを推奨します。

まとめ:背中ニキビは目視できないため医師に診てもらうと安心

背中ニキビは自分で状態を把握しづらく、適切な対処が遅れてしまうと悪化したり、ニキビ跡になってしまう場合もあります。

背中ニキビのまとめ
  • 背中ニキビは男女で異なる原因がある
  • 医療機関で処方される薬が背中ニキビには効果的
  • 広範囲にできている場合には外用薬よりも内服薬の方が適している
  • 適切な治療だけでなく、日常生活の見直しも欠かせない
  • 背中ニキビと似た皮膚疾患もあるので、症状が続く場合は皮膚科に受診

背中のできものは自己判断せず、医師の専門的な診断を受けることで早期治療につながります。

服部院長

背中ニキビのよくある質問

  • Q
    背中ニキビを診てもらえるのは皮膚科ですか?
    A
    はい、背中ニキビは皮膚科で診てもらえます。
    皮膚科では背中ニキビの原因を特定し、適切な治療薬やケア方法を提案してもらえます。
    特に、背中ニキビは他の皮膚疾患と間違えやすいため、専門医に診察してもらうことで正確な診断と治療が可能です。
    症状が続く場合や悪化している場合は、早めに皮膚科を受診することを推奨します。 皮膚科に行くべきニキビの詳細
  • Q
    背中ニキビに効く最強の市販薬はありますか?
    A
    背中ニキビに効果的な市販薬として、以下の製品があげられます。
    • オロナインH軟膏
    • セナキュア
    • クレアラシル ニキビ治療薬
    これらの市販薬は、軽度の背中ニキビに対して一定の効果が期待できます。
    ただし、配合されている成分によっては逆効果となる場合があるため、必ず薬剤師と相談の上で購入するようにしてください。
  • Q
    男で背中ニキビがひどいのはなぜですか?
    A
    男性は皮脂腺が特に発達しており、皮脂や汗が背中に溜まりやすいことが主な原因です。
    他にも、化学繊維に使われた衣類による摩擦、生活習慣の乱れなどが影響することもあります。
    ニキビの類似疾患もあるため、背中のブツブツがひどいと感じるようであれば一度皮膚科医に相談することを推奨します。 男性ニキビの原因と治し方
  • Q
    背中ニキビの色素沈着(ニキビ跡)を消す方法はありますか?
    A
    医療機関での治療とセルフケアを併用する方法があります。
    医療機関では、服用治療やケミカルピーリング、イオン導入などの施術治療が効果的です。
    セルフケアでは、トラネキサム酸やビタミンCを含む化粧品や内服薬の使用でターンオーバーを促しましょう。早期の治療が大切なので、早めに医療機関にご相談ください。 スキンマリアの詳細
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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