ステロイドをニキビに塗ると治る?悪化する?副作用や代替薬も解説

更新日:2025/02/03
ステロイドをニキビに塗ると治る?悪化する?副作用や代替薬も解説

ステロイドは炎症(赤みや腫れ)を一時的に抑える効果はあるものの、長期間の使用や誤った使用によって「ステロイドざ瘡」と呼ばれるニキビの発生リスクもあります。

この記事では、ステロイド薬がニキビに与える影響や主な副作用、代替薬、さらに効果を高めるセルフケア方法を詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

ニキビの治し方

ステロイドとは

ステロイドとは体内で自然に生成されるホルモンの一種で、免疫の調整や炎症を抑える働きがあります。
ニキビ治療では、赤く腫れた炎症性ニキビに対して短期間使用されることがあります。赤みや腫れを一時的に抑える効果が期待されるため、症状がひどい場合に用いられることが一般的です。

ステロイドでニキビは治る?ニキビに及ぼす影響

ステロイド薬は強力な抗炎症作用を持ち、ニキビの赤みや痛み、かゆみを一時的に抑える効果があります。ただし、長期間の使用は肌に負担をかけるリスクがあるため推奨できません。

ステロイドがニキビに与える主な影響は、以下の3つです。

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

ニキビのステロイド薬は効果が高い分、副作用が強い

ステロイド薬は強い抗炎症作用があるため、急性期のニキビ(ニキビができたばかりで、痛みや腫れを伴う状態)の炎症を鎮めるのに効果的です。

しかし、ニキビの悪化や肌のバリア機能低下など重い副作用を引き起こす可能性もあるため、必ずしもニキビ治療に適しているとは言えません。

以下は、ステロイド薬の主な副作用です。

ステロイド薬の主な副作用
  • 皮膚が薄くなる(敏感肌・乾燥肌に傾く)
  • ニキビが悪化する
  • 肌の免疫力(バリア機能)が低下する

薬の吸収率や副作用の発現率には個人差が生じますが、一般的には長期間使用を続けると肌のコンディションが低下し、外部刺激(紫外線など)を受けやすくなるとされています。

ニキビによってはステロイド薬が逆効果になる場合も

ステロイド薬(内服薬・外用薬)の使用によって、「ステロイドざ瘡」と呼ばれるニキビが発生するリスクも指摘されています。

ステロイドざ瘡とは、副腎皮質ステロイド薬が原因で発生するニキビの一種です。
ステロイドには免疫機能を抑制する働きがあるため、その影響で感染症への抵抗力が低下し、ニキビができやすくなるとされています。

さらにステロイド薬の使用を急に止めてしまうと、症状が悪化する「リバウンド現象」が起こる場合もあります。ステロイドざ瘡の疑いがあっても自己判断で使用を止めず、まずは医療機関にご相談ください。

炎症をステロイドで抑えてもニキビの元であるアクネ菌は除去できない

ステロイド薬はニキビの炎症を一時的に鎮めるため、対症療法としては有効です。
ただし、ニキビの元である「アクネ菌」の殺菌や、皮脂の過剰分泌抑制などの効果は期待できません。

アクネ菌の増殖や皮脂の過剰分泌を抑えるには、ビタミンA誘導体などの成分を含んだ薬が効果的です。次の章では、ステロイド薬以外の主な治療薬について詳しく解説していきます。

ステロイド薬以外でニキビに効く治療薬・サプリメント

ステロイド薬以外でニキビに効果的な治療薬・サプリメントは以下のとおりです。
これらの治療薬は主に医療機関で処方されます。

名称 効果・特徴
イソトレチノイン
(内服薬)
イソトレチノイン(内服薬)
皮脂分泌を抑制しニキビの発生や炎症を予防
シナール
(内服薬)
肌のターンオーバーを整え活性酸素を抑制、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をサポート
ハイチオール
(内服薬)
酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート
ユベラ
(内服薬)
肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕を予防
Lypo-C Vitamin C
Lypo-C Vitamin C
Lypo-C Vitamin C+D
Lypo-C Vitamin C+D

(サプリメント)
肌のターンオーバー促進に加え、抗炎症作用によりニキビの悪化を予防
エピデュオゲル
(外用薬)
コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用

抗菌作用
ゼビアックスクリーム・ローション
(外用薬)
炎症性ニキビ全般に有効

ニキビ治療薬の詳細

サプリメントは、間接的に肌の調子を整える働きが期待できます。インナーケアの一環として薬と併用することが、ニキビ予防に効果的です。

ニキビに効果的なサプリの詳細

薬の使用と併せて行いたいニキビ対策・セルフケア

薬の使用と並行して、日々のケアや生活習慣の見直しを図りましょう。
ここでは、セルフケアに取り入れたいポイントを3つにまとめてご紹介します。

丁寧にスキンケアをする、保湿をする

ニキビ対策の基本は、肌を清潔に保ちつつ、過度な乾燥を防ぐことです。
以下のポイントを押さえるだけでも、肌質の変化やニキビの軽減に効果があります。

ニキビを悪化させない洗顔ポイント

◾️洗顔は1日2回を目安にやさし
過度な洗顔や肌をゴシゴシする洗顔は逆効果です。泡でなでるように洗い、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。

◾️クレンジングでメイクを残さない
メイクの洗い残しは毛穴詰まりの原因になります。こすらず優しくクレンジングを馴染ませて汚れを落としましょう。

◾️洗顔後はすぐに保湿
肌質を問わず、化粧水や乳液で水分・油分を補い、肌を乾燥から守るのが基本です。毛穴をふさぎにくい製品(ノンコメドジェニック)を選びましょう。

生活習慣を改める

ニキビケアは肌の表面だけでなく、体の内側からのケア(生活習慣の改善)が重要です。

ニキビケアに理想的な生活習慣

◾️バランスの取れた食事
ビタミンやミネラル、タンパク質などを意識した献立を心がけましょう。特にビタミンB群やビタミンCは肌の調子を整えるのに役立ちます。食事で十分に摂取できない場合は、「Lypo-C Vitamin C」や「Lypo-C Vitamin C+D」などのサプリメントも選択肢のひとつです。

◾️適度な運動
軽いジョギングやウォーキングなど、無理なく続けられる有酸素運動を取り入れると、血行や新陳代謝が促進されニキビの改善が期待できます。

◾️良質な睡眠
夜更かしや睡眠不足はホルモンバランスの乱れを引き起こし、ニキビの原因になります。毎晩6~7時間以上の睡眠を取りましょう。

まとめ:ステロイド薬を検討する前に医療機関への相談を推奨

以下に、本記事の重要なポイントをまとめます。

ステロイドとニキビのまとめ
  • ステロイド薬は、赤く腫れた炎症性ニキビの治療に使用することがある
  • 急に使用をやめるとリバウンド現象が起きるリスクがある
  • 免疫抑制作用により「ステロイドざ瘡(ニキビ)」ができる
  • ステロイド薬の(ニキビへの)長期的な使用は適しているとは言えない
  • 症状に合わせて非ステロイド薬(ニキビ内服薬・外用薬)を使うのが一般的

ニキビ治療にステロイド薬を使うか迷っている方は、まず薬の効果やリスクを正しく理解することが大切です。副作用が気になる場合は、医療機関でノンステロイド薬を処方してもらうこともご検討ください。

ステロイドニキビに関するよくある質問

  • Q
    ニキビ用のステロイド市販薬で最強のものはありますか?
    A
    市販されているステロイド外用薬は種類がいくつかありますが、ニキビに「最強」と言えるステロイド市販薬は存在しません。
    ステロイドは炎症を抑える効果がありますが、誤用や長期使用は逆効果となる可能性があります。ニキビを根本的に治すには、医師の診察を受けて症状や肌質に合った治療法を選ぶことが大切です。
  • Q
    ニキビ跡にはステロイドは効きますか?
    A
    ニキビ跡のタイプによります。肥厚した瘢痕(はんこん)やケロイドにはステロイド注射が有効な場合がありますが、凹んだ跡や色素沈着には効果が期待できません。これらの場合、ビタミンA誘導体やピーリング、レーザー治療が推奨されます。適切な治療法がニキビ跡によって異なるため、医療機関へご相談ください。
  • Q
    ステロイドはニキビに塗っても大丈夫ですか?
    A
    ステロイドは一時的に炎症やかゆみを抑えることができますが、根本的な改善にはつながりません。長期使用や自己判断での使用は、肌のバリア機能を低下させ、「ステロイドざ瘡」を引き起こすリスクがあります。使用前に医師に相談し、適切な治療を進めることを推奨します。

その他よくある質問はこちらをご確認ください

イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示 ・FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
・胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
・妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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