
生理前やストレスが溜まった時のニキビには「ホルモンバランスの乱れ」が関与している場合があります。
ホルモンの変動によって皮脂分泌が過剰になり、毛穴詰まりを起こすためです。
本ページでは、ホルモンバランスの乱れがニキビに与える影響や、その改善方法について詳しく解説しています。適切なケア方法を知り、健康的な素肌を取り戻しましょう。
そのほかのニキビの原因については、以下の記事で解説しています。
ニキビの原因当院でもニキビ治療薬「イソトレチノイン」を用いたオンライン診療を行っております。 フィットクリニックのニキビ治療について見る
ホルモンバランスによるニキビの特徴
ホルモンバランスの乱れによるニキビには「生理前に発生する」「顎や口周りに発生する」などの特徴があります。
特に以下の特徴が当てはまる場合、ホルモンバランスの乱れが原因でニキビが発生している可能性が高いです。
ホルモンバランスの乱れによるニキビの特徴
- 生理前に発生する
- ストレスが溜まった時に悪化しやすい
- 顎や口周りに集中してできる
- 肌のべたつきや乾燥が同時に起こる
- 生活習慣の乱れで悪化しやすい
次の章で、具体的な原因について見ていきましょう。
ホルモンバランスが乱れる原因
ホルモンバランスが乱れる原因としては、以下が挙げられます。
ホルモンバランスが乱れる原因
性ホルモンの変動がアクネ菌のエサとなる皮脂を増やし、肌の状態を不安定にしてしまうことがあります。
それぞれのホルモンがなぜニキビの原因となるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
アンドロゲン(男性ホルモン)の分泌量増加
アンドロゲン(男性ホルモン)の増加は、皮脂の分泌を促します。
皮脂が増えると毛穴詰まりを起こしやすくなり、ニキビができやすい肌環境が作り出されます。
通常、男性ホルモンは自然にコントロールされていますが、以下のような心身の変化や時期によって増加しやすくなります。

- 慢性的なストレス
- 自律神経の乱れ
- 思春期
また、排卵が起こりにくくなる「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」も、男性ホルモンの増加と関連しています。
この症状のひとつとしてニキビが現れるため、女性でも男性ホルモンの増加がニキビの原因となる可能性があることは覚えておきましょう。
プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量増加

女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の増加は、肌のコンディションを不安定にさせることがあります。
女性ホルモンが変化する生理前にニキビができやすいのは、妊娠の準備をするために増加したプロゲステロンが男性ホルモンと似た働きをするためです。
- 皮脂を増やす
- 顔が脂っぽくなる
など
女性は周期的にホルモンバランスがゆらぐため、ニキビや肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなります。
婦人科系の疾患
ホルモンバランスが崩れる原因として、婦人科系の疾患が挙げられます。 特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や子宮内膜症は、女性ホルモンの分泌に影響を与え、皮脂の過剰分泌や炎症を引き起こしニキビの原因となる場合があります。
生活習慣の乱れ
不規則な生活やストレス、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ニキビを引き起こす要因となります。 特に脂質や糖質が多い食事は皮脂分泌を促進し、毛穴の詰まりや炎症を悪化させます。適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠を心掛けることが大切です。
血行不良
血行不良も、ホルモンバランスが乱れる原因のひとつです。血行不良により肌への酸素や栄養の供給が滞ると、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビができやすくなります。冷え性や運動不足が原因で血流が悪化することが多いため、適度な運動や入浴で体を温めることが効果的です。
ホルモンバランスを整えてニキビを治す方法
ホルモンバランスの乱れが、病気や体の異常に直結するわけではありません。
ただ、バランスを整えることで肌トラブルに悩む時間を減らすことができ、ニキビの予防・改善にもつながります。
ホルモンバランスを整えてニキビを治す方法
次の章で、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
サプリメントや漢方、食事で有効な栄養素を摂取する
ホルモンバランスを整えるためには、なるべく多くの食材から、まんべんなく栄養を摂るようにしましょう。
特定の食材だけを摂ればホルモンバランスが整うということありません。以下のような食材や栄養素を、毎回の食事に積極的に取り入れてみてください。
役立つ食事やサプリ、漢方
◾️食事

青魚、大豆食品、野菜、海藻類、きのこ類、ナッツ類
十分な栄養バランスをキープするのが難しい場合には、以下のようなサプリメントや漢方薬を取り入れる方法もおすすめです。
◾️サプリメント

大豆イソフラボン、ビタミンC・D(Lypo-C Vitamin C+D、Lypo-C Vitamin C)
ビタミンB群、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、タンパク質
◾️漢方薬

加味逍遙散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
毎日の食事やサプリメント、漢方薬をうまく活用することで、ホルモンバランスを整え、ニキビの予防や改善につなげていきましょう。
質の良い睡眠をとる
生理前や生理中は、女性ホルモンの変動から体温が上がります。
夜になっても内臓の温度が下がりきらなくなることで、眠りが浅くなったり、なかなか寝付けないといったことが起こりがちです。
また、夜に十分な睡眠がとれていないことで、日中に眠気が現れてしまうことも珍しくありません。
以下の方法を試して、女性ホルモンが変動する生理前や生理中でも快適な睡眠がとれるように工夫しましょう。

- ホットミルクやハーブティーを飲む
- 朝に陽の光を浴びて体内時計をリセットする
- 運動習慣をつけて体温のリズムを整える
- 寝る2時間前に強い光(スマホやパソコンなど)は避ける
など
これらの方法を日々の習慣に取り入れることで、ホルモンバランスが変動しやすい時期でも、質の良い睡眠を保つことが可能です。
睡眠の質を向上させることは心身の健康にもつながります。無理なく続けられるよう工夫しながら、快適な睡眠を心がけてみてください。
ホルモン周期に合わせたスキンケアを行う
ホルモン周期に合わせて、肌の状態も変化します。
いわゆる「ゆらぎ肌」と呼ばれる状態で、特に生理前後は皮脂分泌が増加して肌が脂っぽくなったり、逆に乾燥が進んでしまったりする場合があります。
そのため、時期に応じてスキンケアの方法を変えることが大切です。
◾️生理前のケア

- さっぱりしたテクスチャーのスキンケア製品を選ぶ
- 皮脂や毛穴ケアできるアイテムを使う
- 洗いすぎない(1日2回のやさしい洗顔が目安)
生理前はオイルコントロールを意識したケアが効果的です。
◾️生理中のケア

- 保湿系ケア製品の使用回数を普段よりも増やす
- 顔まわりのムダ毛処理など刺激を与えることは控える
- 紫外線対策をする
- メイクを軽めにする
生理中は肌が乾燥しやすく敏感な状態のため、肌の刺激になる行為はお控えください。
ホルモン周期に合わせたケアを行うことで、肌トラブルを未然に防ぎやすくなり、健やかな肌を保ちやすくなります。
今あるニキビを治したいなら医療機関へ
ホルモンバランスが原因のニキビは、生活習慣を見直すことである程度コントロールできます。
しかし、セルフケアだけでは限界もあり、すでにあるニキビはすぐに治らない可能性があります。気になる場合は医療機関で適切な薬を処方してもらうことで、より早い改善が期待できます。
【外用薬】
名称 | 有効成分 | 効果・特徴 |
---|---|---|
デュアックゲル | クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル | 抗炎症作用・抗菌作用 炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効 |
エピデュオゲル | アダパレン/過酸化ベンゾイル | コメド発生を抑制・抗菌作用・角質剥離作用 炎症性ニキビ(中等症〜重症)に有効 |
ゼビアックスクリーム・ ローション |
オゼノキサシン | 抗菌作用 炎症性ニキビ全般に有効 |
【内服薬】
名称 | 有効成分 | 効果・特徴 |
---|---|---|
イソトレチノイン | ビタミンA誘導体 | 皮脂分泌を抑えてニキビの発生や炎症を防ぐ。 重度のニキビに用いられる。 |
シナール | アスコルビン酸(ビタミンC)、パントテン酸(ビタミンB5) | 肌のターンオーバーを整えて活性酸素を抑制する、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をサポート |
ハイチオール | L-システイン | 酸化ストレスを防ぎ、色素沈着の予防をサポート |
ユベラ | トコフェロール酢酸エステル | 肌のターンオーバーにより色素の排出を促すことでニキビ痕が薄くなる効果が期待できる |
上記の薬剤はニキビの状態に合わせて処方され、必要に応じて併用しながらニキビ治療を進めていきます。
また、生理前後で毎回ニキビトラブルに悩まされているようであれば、ライフデザインドラッグとも呼ばれる「低用量ピル」を使用することもあります。
生理周期をコントロールすることでニキビの発生リスクを抑えられるので、低用量ピルが肌トラブル軽減に役立つこともあります。
フィットクリニックのイソトレチノインニキビ治療
日常のケアではなかなかニキビが治らない方に向けて、当院では
ニキビ治療に有効な「イソトレチノイン」のオンライン処方を行っております。
診察料は無料。オンラインによる診療で来院の必要が無いため、忙しい方でも治療が可能です。
イソトレチノインは頑固なニキビや、保険診療でも治らなかった頑固なニキビにも効果が期待できます。
イソトレチノインには皮脂分泌を抑える強力な効果があるため、治療を始める際には医師と十分に相談し、副作用について理解した上で治療を開始しましょう。
まとめ:ホルモンバランスが乱れる原因を知り、上手にニキビと付き合おう
ホルモンバランスの乱れが原因のニキビは、日々の生活習慣やスキンケアである程度コントロールできます。
しかし、ホルモン周期によって肌の状態も変化するので、これまでのポイントを押さえて上手にニキビと付き合いましょう。
ホルモンバランスによるニキビのまとめ
- 性ホルモンの変動はニキビの発生原因になる
- 生理前後は肌の状態が不安定になる
- 生活習慣の改善はニキビ予防やケアに役立つ
- ホルモン周期に合わせてスキンケアを変えることも大切
- すでにあるニキビは医療機関での治療で早期改善が肝
少ない数のニキビであればセルフケアでも十分改善の余地はありますが、数が増えてきたり、炎症や化膿といった症状を伴う場合は医療機関での治療を検討しましょう。
ホルモンバランスの乱れによるニキビのよくある質問
-
- Q
ホルモンバランスが乱れるとニキビができますか?
- A
ホルモンバランスの乱れは、以下のような理由からニキビができやすくなります。
- 皮脂の過剰分泌
- 乾燥
- 肌のバリア機能低下
- Q
-
- Q
男性ホルモンでニキビができるのはなぜですか?
- A
男性ホルモン(アンドロゲン)は、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促進する働きがあります。
特に思春期は皮脂分泌が盛んになり、毛穴周りの角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなることでニキビができやすくなります。
- Q
-
- Q
ホルモンバランスの乱れによるニキビはどこにできますか?
- A
ホルモンバランスの乱れによるニキビは、顎や口周り、フェイスラインといった顔まわりに現れやすいです。 また、背中や胸など、皮脂腺が活発な部分にもできることがあります。 フェイスラインニキビの原因と治し方 顎ニキビの原因と治し方 口周りニキビの原因と治し方
- Q
イソトレチノインについて | |
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未承認医薬品等であることの明示 | イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。 |
入手経路等の明示 | 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 |
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医薬品副作用被害救済制度について |
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万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |