禁煙外来とは、禁煙治療薬を使ってタバコをやめるための専門外来を指します。
ただ、禁煙外来があるクリニックでも総じて保険診療に対応しているわけではありません。
そこでこのページでは、禁煙外来で受けられる治療方法や保険適用の条件などについて詳しく解説しています。
また、外来を設けていないクリニックでも禁煙治療を受けることができるため、自由診療でのメリットについてもわかりやすく解説します。
タバコをやめようと考えているのであれば、ここでの内容を参考にぜひ禁煙にチャレンジしてみてください。
禁煙外来とは
禁煙外来とは、自力でタバコをやめるのが難しい、あるいは少しでも楽にタバコをやめたい方が通院する専門の外来のことです。
ご自身の喫煙状況から最適な禁煙プランの提案をしたり、心理的なアプローチも行い治療を進めるのが特徴で、医師の指導のもとで禁煙成功を目指します。
現在、禁煙外来を併設している医療機関は、全国に17,000を超える施設があります。
2020年4月1日に改正された健康増進法によって、望まない受動喫煙を防ぐ取り組みがマナーからルールへと変わり、全面禁煙や分煙にする施設・店舗も増えています。
そのため、社会全体として禁煙の必要性が高まり、タバコをやめたい方の需要が増えているのが外来増加の後押しになっていると言えます。
喫煙は「ニコチン依存症」という病気であり、喫煙をやめようにも肉体的・精神的に依存、あるいは習慣化されてしまい、タバコが手放せない悪循環に陥っている状態です。
喫煙を続けていると他のさまざまな病気のリスクも高めます。
禁煙外来はこうした喫煙者の将来の健康を守るためのサポートが受けられる場所でもあります。
禁煙外来を受診できる方
禁煙外来は、喫煙している方であれば全員が受診可能です。
あくまでも一例ですが、以下のような方が禁煙外来を受診しています。
- 喫煙歴が長く、自力での禁煙がどうしてもうまくいかない方
- 健康上の理由から禁煙を必要としている方
- 妊娠を希望している方
- ニコチン依存度の確認やカウンセリングを受けたい方
なお、禁煙外来は「自費診療」と「保険診療」の2種類があります。
いくつかの条件を満たしていると、健康保険の適用により3割負担で禁煙治療を受けることが可能です。
以下で健康保険の適用条件について解説しているので、禁煙外来の利用を検討されている方は確認してみてください。
健康保険の適用条件
禁煙外来での保険治療は、2006年4月よりスタートしています。
保険適用で禁煙治療を受けるためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
- ①ニコチン依存症のTDS(スクリーニングテスト)が5点以上
- ②35歳以上かつ、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
- ③すぐの禁煙を希望している
- ④禁煙治療を受けることを文章で同意
また、2016年4月からは②の条件が緩和され、34歳以下の方はブリンクマン指数の条件を満たす必要がなくなりました。
条件を満たした喫煙者は保険適用で治療を受けることが可能ですが、喫煙本数は少ないがどうしてもやめられない、という方などは適用条件を満たせないため自由診療を選択しています。
ちなみに2020年からは紙タバコだけでなく、加熱式タバコの利用者も保険対象となっています。
ただし、上記の保険診療の条件は1回目の方が対象です。
すでに保険治療を受けたことがある方が再度保険の適用を受けるためには、「初回診察日から1年以上が経過」していなければ受診できません。
注意が必要な方
保険診療・自由診療に関わらず、禁煙治療は健康状態や体質、タイミングによっては治療薬が使用できない(禁忌)ことがあります。
- 妊娠または妊娠している可能性がある女性、授乳婦
- 不安定狭心症、急性期にある心筋梗塞、重い不整脈または経皮的冠動脈形成術後、冠動脈バイパス術直後
- 脳血管障害回復初期の方
- 使用する薬剤に含まれる成分にアレルギー(過敏症)の既往歴がある方
副作用が強く出てしまったり、持病や術後の経過を悪くするおそれもあるので、治療不可と医師に判断されることもあるので覚えておいてください。
禁煙外来受診の流れ
禁煙外来は完全予約制の医療機関が多いため、いきなり受診しても当日の診療を受け付けていないこともあります。
予約さえ行えば一般的な通院と特別な違いはないため、以下の受診の流れを参考に医療機関にご相談ください。
治療薬の処方のみを受けることができる自由診療と違い、禁煙外来は主に以下のような治療を行ってます。
1回目
予約
↓
受診
↓
禁煙誓約書を記入・禁煙治療薬の処方
2回目
予約
↓
受診・呼気測定(一酸化炭素濃度の検査)・問診・カウンセリング
↓
禁煙治療薬の処方
3回目以降
予約
↓
受診・呼気測定(一酸化炭素濃度の検査)・問診・離脱症状調査や対処など
↓
禁煙治療薬の処方
初回の来院は必須ですが、2回目以降であれば呼気検査をせずオンライン診療を利用して医師の診察を受けるパターンもあり、この場合禁煙治療薬については郵送による受け取りが認められています。
ちなみにオンライン診療を利用するには、対応している医療機関を選ぶ必要があり、病院ごとで「オンライン診療手数料」や「送料」が別途で発生することもあります。
いずれにしても検査やカウンセリングにも時間・料金がかかりますが、これだけの労力があってでも医師のサポートを受けたいという方には禁煙外来は向いていると言えます。
禁煙外来の受診期間
禁煙外来への受診期間は、以下のとおりです。
初回診療:問診によるニコチン依存度のチェックなどを行う
↓
2〜4回目:2週間・4週間・8週間のペースで受診し禁煙治療薬の処方を受ける
↓
5回目(初回から12週間後):治療が完了する
12週間(約3ヶ月)にわたって、合計5回の通院が基本プログラムになります。
スケジュール通りに通院できないと、保険診療での治療は中断となってしまうので注意が必要です。
また、通院ごとに禁煙治療薬の処方を受けるだけでなく、禁煙状況の確認や、タバコを吸いたい気持ちをコントロールする方法についてアドバイスや指導などもあります。
なお、禁煙をより確実にするためには、必要に応じて12週間の追加治療を受けることも可能です。
ただし、追加分については保険適用がされないので、自費での治療となることは覚えておいてください。
禁煙外来の費用相場
禁煙外来の費用相場については、以下を目安にしてください。
■自由診療での禁煙外来 診察代+薬代+管理料=60,000円前後 / 12週間分
なお、自由診療については、処方価格や診察代、管理料などをクリニックが自由に設定できます。
そのため受診するクリニックによって費用が異なるので、上記の料金はあくまでも目安としてください。
フィットクリニックの禁煙治療は、12週間分で49,200円になります。
再診の際の保険適用について
禁煙外来の保険適用は何度でも受けられますが、一度失敗してしまうと期間による条件を満たす必要があります。
禁煙外来での保険適用は一般的な病気の治療と異なり、失敗すると上記期間中の禁煙治療は全額自己負担となります。
ただ、1日1箱(600円として計算)吸うとして、保険適用が認められるまでの1年間にかかるタバコ代は20万円ほどの計算です。
自費診療で受けるよりも遥かに高くつき、タバコによる健康リスクも考えれば、自費であっても禁煙に改めて挑戦する方が安く済みます。
もし通院が億劫で禁煙外来での治療に失敗したのであれば、オンライン診療のみで完結できる自由診療のクリニックで禁煙治療を行うことを検討してみてください。
フィットクリニックではオンライン処方による治療薬の処方を行っております。
診察やカウンセリングは必要なく治療薬のみ購入をご希望する方はお気軽にご相談ください。
禁煙外来がなくても治療薬は処方できる
禁煙治療は禁煙外来のある一般的な病院だけでなく、外来のない自由診療のクリニックでも治療薬の処方を受けることができます。
自由診療はすべての治療が自己負担ではあるものの、禁煙外来で処方されている薬と同等の効果が認められているジェネリック医薬品の処方も可能です。
- ジェネリックを選べば薬代を抑えられる
- 診察料やニコチン依存管理料などの諸経費不要
- 自宅にいながら治療をはじめられる
- カウンセリングや検査なしに禁煙治療を行いたい人に向いている
禁煙治療薬を処方するクリニックのほとんどが、オンライン処方に対応しています。
通院などの手間がかからず、すき間時間を使ってオンライン上で医師とやりとりするだけなので「続けやすさ」も魅力です。
保険適用の条件に当てはまらない方でも、環境や健康上の理由などから禁煙をすぐにでもはじめたい方は、自由診療クリニックでの禁煙治療は選択肢として大変有効です。
自分で禁煙管理する方法
クリニックで禁煙治療薬の処方を受ける場合、禁煙管理は自分で行わなければなりません。
行き当たりばったりでは禁煙成功率は下がってしまうので、日々の禁煙を記録できる「禁煙アプリ」をスマホにダウンロードすることをおすすめします。
- 禁煙時間の把握
- 節約金額
- 体重の変化の管理
禁煙の成果を可視化することができ、アプリの中にはゲーム感覚で楽しめるものもあります。
タバコをやめるモチベーション維持にもつながりやすく、禁煙の孤独感を紛らわせるのにも有効なので積極的にインストールしてみてください。
フィットクリニックの禁煙補助薬
フィットクリニックでは内服タイプの禁煙補助薬「チャンピックスジェネリック0.5mg/1mg」を使った禁煙治療を行っております。
禁煙プログラムに合った各種処方プランに加え、2週間分のお試し購入も可能です。
また、オンライン処方なら忙しい方やクリニックが近くにない患者さんでも、通院のストレスなく禁煙治療を継続いただくことが可能です。
チャンピックスジェネリック(0.5mg・1mg)の処方プラン
処方プラン | 価格 | 1日あたり (12週間分購入した場合) |
---|---|---|
12週間禁煙プログラム | 49,200円 / 12週間 | 585円 |
定期配送プログラム | 17,685円 / 4週間 | 631円 |
お試しプログラム2w | 12,000円 / 2週間 | 678円 |
処方薬 | その他費用 |
---|---|
チャンピックスジェネリック(0.5mg・1mg)
|
0円 (診察料・送料なし) |
※1日あたりの価格は12週間分購入した場合の価格です。
※オンライン・来院診療どちらにも対応しております。
※お試しプログラム2wを継続する場合、残り(10週分)45,000円の一括払いとなります。
※13~24週間までの延長をご希望の際もご相談ください。
※13週目以降の価格:15,800円(4週分1回を都度払い・月単位で解約可能)
服用方法
ご相談・ご予約は以下より承ります。
オンライン処方について
フィットクリニックではチャンピックスジェネリックのオンライン処方を行っております。
オンライン処方とは面倒な通院なくチャンピックスジェネリックを郵送で受け取ることができる診療方法です。
1度の通院も必要ない上、通院時間の削減や、ご希望の場所への処方薬郵送ができるといったメリットがあります。
ED治療薬・AGA治療薬・性病といったプライバシーを守りたい治療ではすでに来院よりも利用者が多い診療方法です。
フィットクリニックでオンライン診療を利用する方法は以下をご参照ください。
平均10分ほどです。
※中身が分からないように梱包しております
まとめ
最後に禁煙外来について、抑えておきたいポイントをまとめてお伝えします。
- 禁煙外来は薬を使った治療が受けられる
- 条件を満たせば保険適用で治療が可能
- 健康状態や体質、タイミングなどによっては治療ができないことがある
- 禁煙に失敗しても何度でも禁煙外来を利用できる(保険適用には期間の条件あり)
- 自費でもクリニックでジェネリックの処方を受ければ治療費を抑えられる
- 自分で禁煙管理するならアプリのダウンロードがおすすめ
タバコをやめられないのは意志の弱さではなく、「ニコチン依存症」という病気のためです。
それゆえに自力での禁煙成功率は10%前後と低く、ご自身の意志だけではどうにもならないことも珍しくありません。
薬の処方を受けることで成功率は70%ほどにまで高められるので、金銭面の節約や将来の健康も考えるなら積極的に治療を受けることをご検討ください。
禁煙外来の利用や自由診療クリニックでの治療薬処方のみでの治療など、ご自身にあった禁煙方法で、なにより継続することが重要です。
よくある質問
保険適用:13,000円〜20,000円 / 12週間分
自費:60,000円前後 / 12週間分
自費については、クリニックでジェネリック医薬品の処方を受けることで薬代を安く抑えられることもあります。
保険適用の条件を満たせない方は、受診先の切り替えも検討してみてください。
こうした症状のピークは禁煙開始から2〜3日で、1週間ほどが経過すれば治ってきます。
禁煙は最初がもっとも辛いので、必要に応じて治療薬で紛らわせていくと禁煙成功率が高まります。
体重の変化が気になるようであれば、適度な運動を取り入れると喫煙欲求やストレスも紛れ、体重もコントロールしやすくなるはずです。
タバコをやめて間もなく現れる辛い離脱症状を抑えることができ、治療薬の種類によっては喫煙欲も抑えられます。
スムーズに禁煙できるようになり、医師のサポートやアドバイスも受けられるので、禁煙の孤独感を解消するのにも効果的です。