インフルエンザの家庭内感染率- 流行時に家族や受験生ができる対策・予防法

更新日:2025/12/10
インフルエンザの家庭内感染率- 流行時に家族や受験生ができる対策・予防法

インフルエンザは毎年1,000万人前後が感染すると報告されています。

家庭内での感染率がとくに高いとされ、家族間では日常的な接触や共有物を通じて感染が広がりやすい状況です。
同居している受験生にとっては大きなリスクとなるため、流行期には早めに対策をとることが重要です。

本記事では家庭内感染率の実態と、受験を控えた家族が実践できる対策や予防法を詳しく解説します。

当院ではオンライン診療によるインフルエンザ予防を行っています。
詳細を確認したい場合は以下ページをご確認ください。 インフルエンザ予防のオンライン診療

インフルエンザの家庭内感染率

インフルエンザの発症から軽快までの主な症状と感染力について

※画像の内容には個人差があります

インフルエンザの家庭内感染率は、同居する家族の感染状況や個々の生活行動、予防策の実施によって大きく変化します。
特に、家庭内では共有スペースでの接触や飛沫感染の影響により、感染確率が高いのが特徴です。
調査によると、同居家族への二次感染率はおよそ20〜30%で、家庭内感染率は女性が男性と比べて約15ポイント高い傾向が示されています。

なかでも4〜6歳児を育てる母親のうつる確率が高いとされるデータもあります。
これは、子供が保育園や幼稚園など集団生活を行うことでウイルスを家庭に持ち帰る可能性が高いことが一因です。

さらに、育児や家事、仕事の両立による疲労や睡眠不足、免疫力の低下も感染しやすさに影響すると考えられています。
加えて、家庭内での感染拡大には、生活環境だけでなくウイルス自体の強い感染力も関係しています。

■インフルエンザの感染力が強い主な理由

原因 内容
ウイルスの増殖スピード 体内での増殖が非常に速く、感染拡大へとつながる
侵入経路 鼻やのどの粘膜に付着して体内へ侵入する
侵入までの時間 粘膜から細胞内に入るまで約10分と短い
増殖の推移 8時間で100倍、16時間で1万倍、24時間で100万倍に達する

インフルエンザの確定診断は検査キットや医療機関で行います。
インフルエンザについての詳細は以下のページをご覧ください。 インフルエンザとは

受験生の感染確率が高いといわれる理由

受験生は心身の負担が大きく、インフルエンザなどの感染リスクが高い傾向があります。
試験前は緊張が続き、長時間の学習によって睡眠不足や食生活の乱れが起こりやすく、結果として免疫力が低下します。

このような状態が続くと体調を崩しやすくなり、ウイルスの感染確率も上昇するのです。
実際に、ある指導塾の調査では受験生の約8割が「受験本番期の体調管理に不安を感じる」と回答しており、受験期は感染リスクが高まる時期といえます。

受験時期のインフルエンザ対策

受験期におけるインフルエンザ対策では、予防薬の使用で予防効果を高めることが確認されています。
研究によると、インフルエンザ予防薬を服用した場合、発症をおよそ80%以上抑制できると報告されています。

ただし、感染しやすさは生活習慣や環境によっても左右されるため、予防薬の使用とあわせて日常の対策を行うことが重要です。

●受験時期とインフルエンザの流行パターンのモデル

流行時期 受験スケジュール
12月頃流行開始 推薦入試・AO入試・私立高校推薦入試
1月ピーク 大学入学共通テスト・私立大学入試
高校一般入試・公立高校推薦入試
2月ピークから減少 私立大学入試本番・国公立大学前期試験
公立高校一般入試
3月流行終息 国公立大学後期試験・合格発表
公立高校一般入試

受験時期に取り入れたい主な対策は、次の通りです。

インフルエンザ予防の主な対策
  • 1)流行前のワクチン接種
  • 2)受験日に合わせた予防薬の使用
  • 3)外出後の手洗い・うがい
  • 4)定期的な換気と適度な湿度(50〜60%)の保持
  • 5)十分な休養と栄養摂取
  • 6)人が密集する場所への外出を控える
  • 7)マスクの着用
  • 8)インフルエンザ予防薬による発症予防

ワクチン接種の時期を過ぎていても、予防薬の使用や生活環境の見直しは今からでも効果があります。
同居する家族も以下のような行動を心がけることで、受験生を守ることができます。

同居する家族の
インフルエンザ対策
  • ドアノブやリモコン、トイレなど共有部分を消毒用エタノールで拭き取る
  • タオルや食器を共用せず、使用後は速やかに洗浄する
  • 食事の時間や部屋を分けるなど、軽度の隔離を行う

受験本番を健康な状態で迎えるためには、家庭全体での感染予防意識が欠かせません。

入試日に合わせた予防薬の使用が有効

入試シーズンは感染拡大のピークと重なりやすく、受験生にとって万全な体調管理が求められます。
インフルエンザの予防では、入試日の約1週間前から予防薬を使用する方法が一般的です。

予防薬の種類によって持続期間は異なりますが、多くの場合、服用または吸入から7〜10日間は予防効果が持続します。
適切に使用した場合、発症を80%以上抑制できたというデータもあることから、受験期の感染対策として有効です。

なお、投与のタイミングや期間については、処方を受ける医師と相談して決めましょう。

インフルエンザ予防薬の使用方法は以下の通りです。

薬剤名 使用方法
イナビル 1回のみの単回吸入
インフルエンザ患者と接触した後48時間以内に専用吸入器で吸入
タミフル 1日1回、7〜10日間の予防内服を行う
インフルエンザ患者と接触した後48時間以内に内服
ゾフルーザ 1回分を単回投与
インフルエンザ患者と接触した後48時間以内に内服

※ゾフルーザの当院での取り扱いはありません

●受験日に備えた予防薬使用タイミングの図
(参考:イナビル)

受験日に備えたイナビル服用タイミングの図

(参考:オセルタミビル)

受験日に備えたタミフル服用タイミングの図

また、2024年からは高齢者向けの高用量ワクチンも製造販売されています。
ただし、従来型ワクチンの予防効果は40〜60%にとどまると報告されており、ワクチン単独での予防には限界があるのも事実です。

さらに、今シーズンは変異株が流行を始めており、既存ワクチンでは十分な予防効果が得られない可能性も指摘されています。
そのため、受験期にはワクチン接種だけでなく、予防薬を組み合わせた対策が重要です。

当院のインフルエンザ予防薬

フィットクリニックでは、イナビルとタミフルジェネリックを処方しています。
代表者のみの診察で家族全員分の処方にも対応しており、医師の判断のもと安全に使用できます。

当院のインフルエンザ予防薬
  • 【イナビル】
    • 予防投与1回分 20mg×2キット:9,900円
  • 【タミフル】
    • 予防投与10日分 75mg×10錠:7,800円
  • 【イナビル】
    • 予防投与1回分 20mg×2キット
    • 9,900円
  • 【タミフル】
    • 予防投与10日分 75mg×10錠
    • 7,800円
  • ※お薬以外の診察料0円
    ※配送料385円
    (1万円以上の処方で送料無料)
    ※その他内容はお気軽にお問合せください

インフルエンザ予防薬の詳細は以下のページにて詳しく解説しています。 インフルエンザ予防薬について

インフルエンザ感染率は予防行動で低下させる

インフルエンザの感染率は、日常の予防行動によって大きく低下させることが可能です。
流行期における感染拡大は避けられないものの、手洗いや換気、予防薬の使用などを組み合わせることで、家庭内での感染を最小限に抑えられます。

また、ワクチン接種や予防薬の適切な使用は重症化を防ぐだけでなく、受験期の健康維持にもつながります。
感染を防ぐためには、一人ひとりの意識と家庭全体での協力が欠かせません。
受験期を安心して迎えるためにも、家庭全体でできる対策を続けていきましょう。

当院ではオンライン診療・外来診療によるインフルエンザ予防も行っています。
オンライン診療では、通院の負担を減らしながら感染対策をサポートしています。 インフルエンザ予防のオンライン診療 インフルエンザ予防外来

インフルエンザ感染率に関するよくある質問

  • Q
    インフルエンザの家庭内での感染率は?
    A
    家庭内でのインフルエンザ感染率は、およそ20〜30%とされています。
    同居している家族の誰かが発症すると、共有スペースや食器、寝具などを介して感染が広がることがあります。
    とくに、小さな子どもや高齢者がいる家庭では感染確率が高く、こまめな換気や消毒、マスク着用などの予防行動が重要です。
  • Q
    インフルエンザでも入試は受けられますか?
    A
    インフルエンザにかかった場合でも、学校によっては別室受験や追試日を設けていることがあります。
    ただし、発熱や強い咳がある状態での受験は、体調悪化や周囲への感染拡大につながる恐れがあるため避けるのが望ましいです。
    まずは医師の診断を受け、各試験機関の対応方針を早めに確認しておくことが大切です。
  • Q
    受験日にインフルエンザにならない方法はありますか?
    A
    受験日の感染を防ぐには、予防薬の使用と基本的な感染対策を組み合わせることが最も効果的です。
    入試の約1週間前から予防薬を使用すると発症を大幅に抑えられると報告されています。
    あわせてマスク着用や手洗い、十分な睡眠、適度な湿度管理を続けることで、家庭内での感染率も下げることができます。
  • Q
    予防接種でワクチンを打てばインフルエンザにはなりませんか?
    A
    ワクチンを接種しても、インフルエンザに全くかからないわけではありません。
    ただし、発症を抑える効果や重症化を防ぐ効果は高く、接種していない場合に比べて症状が軽く済む傾向があります。
    流行期には予防薬の併用やマスク着用、手洗いなどを徹底することで、感染リスクをさらに下げることが可能です。

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この記事の監修

服部圭太院長画像
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務