直前に熱が下がっても、2人に1人が「帰省中止」を選択—インフルエンザと帰省に関するアンケート

更新日:2025/12/26
直前に熱が下がっても、2人に1人が「帰省中止」を選択。高齢家族を守るため、予定変更も考える声が多数 - インフルエンザと帰省に関するアンケート

今年はインフルエンザが各地で大流行し、高齢者や基礎疾患のある方を中心に重症化リスクへの不安が高まっています。
特に年末年始は、久しぶりに家族や親族が集まる機会であるため、帰省にともなう移動や会食などで感染が広がる可能性も高まりやすいです。

こうした状況を受けてフィットクリニックでは、帰省する側・迎える側それぞれの立場の方を対象に、「今年の年末年始の帰省」についての意向や不安に関する意識調査を実施しました。

フィットクリニックでは
抗インフルエンザ薬を
自由診療で処方しています。
気になる方はこちらをご確認ください。

アンケート結果まとめ

  • 帰省直前に熱が下がっても、約半数が帰省を中止
  • 感染リスクを最も感じるのは電車・新幹線・飛行機などの長距離移動
  • 帰省先・同居家族に高齢者・基礎疾患がある人は8割以上
  • 予防薬を「使いたい」人は6割超、実際に使った/予定しているのは2割弱

アンケート結果詳細

アンケートの結果を詳しく紹介していきます。

今年の年末年始に帰省する予定の人は7割以上

今年の年末年始、帰省によりご家族や親族と集まる予定はありますか? ある・帰省する:70.5% ない・帰省しない:8% まだ決めていない・わからない:21.5% n=200

今年の年末年始に「帰省により家族や親族と集まる予定がある」と答えた人は70.5%と、多くの人が帰省を予定している結果となりました。

帰省の立場はどちらですか? 帰省する側:76.5% 帰省される(迎える)側:20% 両方の立場:3.5% n=200 今回の調査は、「帰省する側」にあたる人が76.5%を占めており、その意見が多く反映された結果となっています。

熱が下がっても2人に1人が「帰省中止・見送り」を選択

もし自分や家族内にインフルエンザの患者が出て、帰省の予定直前に熱が下がった場合、どうしますか? 帰省を中止する・断る:47.5% 日程をずらす:38% 予防薬を準備して帰省する・迎える:5.5% 特に予定は変えない:7.5% その他:1.5% n=200

自分や家族内にインフルエンザの患者が出て、帰省の予定直前に熱が下がった場合の対応についても尋ねました。
その結果、「帰省を中止する・断る」と回答した人が47.5%と、約2人に1人が帰省そのものを見送る結果となりました。

次いで多かったのは「日程をずらす(38.0%)」であり、全体の約9割が「中止」または「日程変更」という形で予定を見直す意向を示しています。

インフルエンザは解熱後もウイルスを排出している可能性があり、周囲にうつすリスクが残ります。
今回の結果からも、そうした点を踏まえて無理な帰省を控える方が多いことがわかります。

服部院長

8割以上が帰省先・同居家族に「高齢者・基礎疾患あり」

帰省先や同居する家族には、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある家族はいますか? いる:82% いない:18% n=200

帰省先や同居する家族に、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある家族がいるか聞いたところ、82.0%が「いる」と回答しており、多くの人が重症化リスクの高い家族と一緒に年末年始を過ごす可能性があることがわかりました。

インフルエンザは特に高齢者や基礎疾患を持つ方で重症化しやすいことが知られており、今年の帰省は「重症化リスクの高い家族がいることを前提に検討されているケースが多い」と言えます。

帰省する側・迎える側の本音

(帰省する側・両方の立場の方)インフルエンザの状況も踏まえ、今年の帰省はどのように考えていますか? 積極的に帰省したい:18.1% できれば帰省したい:54.4% 迷っている・どちらでもない:13.1% あまり帰省したくない:9.4% 帰省したくない:5% n=160

「帰省する側・両方の立場」の人に今年の帰省について聞いたところ、「積極的に帰省したい(18.1%)」「できれば帰省したい(54.4%)」を合わせて約7割が前向きに帰省を希望している一方で、「あまり帰省したくない」「帰省したくない」という消極派も約1割強いる結果となりました。

家族に会いたい気持ちは強くありながらも、インフルエンザの流行状況を踏まえて迷っている人も少なくないことがうかがえます。

(帰省される側・両方の立場の方)インフルエンザの状況も踏まえ、ご家族や親族の今年の帰省についてどのように感じていますか? 積極的に来てほしい:17% できれば来てほしい:38.3% どちらでもない:12.8% あまり来てほしくない:17% 来てほしくない:10.6% n=47(無回答:4.3%)

「帰省される側・両方の立場」の人に今年の帰省について聞いたところ、「積極的に来てほしい(17.0%)」と「できれば来てほしい(38.3%)」を合わせて、およそ半数が歓迎する一方で、「あまり来てほしくない(17.0%)」「来てほしくない(10.6%)」と答えた人も3割近くいました。

帰省する側の理由(自由回答) 帰省したい派:普段会えないため正月に顔を見たい/感染対策やワクチン接種をしており大丈夫だと思う/流行は毎年なので気にしない/感染していなければ問題ない 帰省したくない派:自分が感染源になるのが怖い/親や子どもなど家族に感染リスクを負わせたくない

帰省する側からは、「普段はなかなか集まれないので、お正月くらいは元気な姿を見せたい」という声が非常に多くありました。
その一方で、「自分が感染源になったら怖い」「親や身内の子どもにリスクを負わせたくない」といった理由から、帰省をためらう意見も見られました。

帰省したい派からは「孫の顔を見せたい」といった声も多く聞かれました。
帰省したい人・控えたい人のどちらも、帰省先の家族のことを思って判断している様子がうかがえます。

服部院長
帰省される側の理由(自由回答) 来てほしい派:年に数回しか会えないので来てほしい/普段は夫婦2人で寂しく、来てくれると楽しい/日頃から来客があり今さら気にしない 来てほしくない派:高齢の両親への感染が不安/感染しやすい時期に混雑した交通機関の利用は避けてほしい

帰省される(迎える)側からは、「年に数回しか会えないので、できれば来てほしい」といった歓迎の声がある一方で、「高齢の両親への感染が不安」「感染しやすい時期に混んでいる交通機関は利用しない方がいい」といった、双方の健康面を気づかう意見も挙がっています。

こうした回答から、家族に会いたい気持ちと、感染させたくないという思いの間で、帰省のあり方を慎重に考えている人が一定数いることがうかがえます。

帰省中で最も感染リスクを感じるのは「長距離移動」

帰省中、どの場面で感染リスクを感じますか?(複数選択可) 1位:長距離移動(電車・新幹線・飛行機)63.5% 2位:親族での会食や食事51.5% 3位:子ども同士の集まり17.5% 4位:祖父母宅での滞在15% 5位:特にない8% n=200

「帰省中、どの場面で感染リスクを感じますか?」と尋ねたところ、最も多かったのは「長距離移動(電車・新幹線・飛行機)」で63.5%という結果でした。
次いで「親族での会食や食事」が51.5%となり、多くの人が「移動」と「食事」の場面で感染リスクを強く意識していることがわかります。

帰省先そのものよりも、密になりやすい交通機関やマスクを外す場面を中心に、慎重な目線でリスクを見ている人が多いことがうかがえます。

コロナ禍と比べた感染症への予防意識の違い

コロナ禍の2020~2023年ごろと比べて、感染症予防への意識は変わりましたか? かなり高まった:19% やや高まった:28% 変わらない:28.5% やや下がった:21% かなり下がった:3.5% n=200

コロナ禍の2020~2023年ごろと比べて、感染症予防への意識がどう変わったかについては、「かなり高まった(19.0%)」「やや高まった(28.0%)」を合わせて47.0%が「意識が高まった」と回答しました。
一方で、「やや下がった(21.0%)」「かなり下がった(3.5%)」を合わせると24.5%となり、およそ4人に1人はコロナ禍のピーク時よりも予防意識が下がっていることがわかりました。

全体としては「以前より予防を意識している」人が多い一方で、日常生活の戻りとともに警戒感が薄れている層も一定数存在しており、感染状況や身近なリスクに応じて意識にばらつきが生じている様子がうかがえます。

現在行っている感染対策は「手洗い・うがい」が最多

現在行っている感染対策は何がありますか?(複数選択可) 1位:手洗い・うがいの徹底91% 2位:マスク着用75% 3位:人混みを避ける49.5% 4位:ワクチンの接種36% 5位:予防薬の投与・準備7.5% 6位:特に対策しない2% n=200

帰省に向けて現在行っている感染対策としては、「手洗い・うがいの徹底」が91.0%と最も多い結果となりました。次いで「マスク着用」が続いており、基本的な感染対策を中心に予防している人が多いことがわかります。

インフルエンザ予防薬の認知・利用状況

インフルエンザ予防薬について知っていますか? よく知っている:28% 聞いたことはある:44% 知らなかった:28% n=200

インフルエンザ予防薬について知っているか聞いたところ、「よく知っている(28.0%)」「聞いたことはある(44.0%)」と、合わせて72.0%が何らかの形で認知しているという結果になりました。

一方で、「知らなかった」と答えた人も28.0%おり、約3人に1人は予防薬の存在自体を知らないことがわかりました。

インフルエンザ予防薬とは、正確には抗インフルエンザ薬を「治療」ではなく「予防」を目的に投与する方法を指します。
タミフルやイナビルなど、治療に用いられるのと同じ薬を使用します。
詳細は以下のページをご確認ください。 インフルエンザ予防薬の詳細

服部院長
今年、予防薬を投与(または家族が投与)しましたか? 投与した:13.5% 今後投与を予定している:4% 投与していない:82.5% n=200

「今年、予防薬を投与(または家族が投与)しましたか?」という質問に対しては、「投与した(13.5%)」「今後投与を予定している(4.0%)」と、合わせて17.5%が予防薬の投与経験・投与予定ありと回答しました。

(「投与した」「投与を予定している」と回答した方)予防薬を使う理由は何ですか?(複数選択可) 1位:帰省中に発症したくない40% 2位:高齢の家族がいる34.3% 3位:休めない予定がある28.6% 4位:基礎疾患がある家族がいる20% 5位:子どもの受験がある2.9% 5位:家族内で感染者が出た2.9% n=35

予防薬を使う理由としては、「帰省中に発症したくない」が最も多い結果となりました。帰省シーズンは人との接触や移動の機会が増え、インフルエンザに感染するリスクも高まることから、事前に予防しておきたいと考える人が多いようです。

一方の「投与していない」は82.5%と大半を占める結果となりました。

インフルエンザを防げる可能性が高まるとしたら、予防薬を使いたいと思いますか? 強く思う:23% やや思う:40.5% どちらとも言えない:24.5% あまり思わない:8% 思わない:4% n=200

インフルエンザを防げる可能性が高まるとしたら、予防薬を使いたいと思うか聞いたところ、「強く思う(23.0%)」「やや思う(40.5%)」を合わせて63.5%が『使いたい』と前向きな意向を示す結果となりました。

一方で、「あまり思わない(8.0%)」「思わない(4.0%)」を合わせた否定的な回答は12%にとどまっています。

前問では実際に予防薬を「投与した/投与予定がある」人は合わせて17.5%でしたが、「使いたい」と考える人は6割を超えており、予防薬への期待と、実際の利用との間に大きなギャップがあることがわかります。

フィットクリニックでもインフルエンザ予防薬を処方しています。
オンライン診療も可能ですので、詳しく知りたい方は以下のページをご確認ください。 インフルエンザ予防の
オンライン診療

服部院長

アンケートを受けて(院長コメント)

今回のアンケートでは、「今年の年末年始は基本的には帰省したい」と考えている方が多い一方で、家族内でインフルエンザの患者が出た場合には、熱が下がっていても帰省を中止したり、日程をずらしたりする方が大半であることが分かりました。
高齢のご家族や基礎疾患のある方がいる世帯が多い中で、「会いたい気持ち」と「うつしたくない不安」のバランスをとりながら、慎重に判断されている様子がうかがえます。

インフルエンザの予防としては、まずワクチン接種が基本となりますが、感染者との接触状況や家庭内の事情によっては、医師の判断のもとで予防薬(抗インフルエンザ薬の予防投与)を併用することで、発症リスクを下げられる可能性もあります。
年齢や持病、家族構成、仕事・受験などの状況に応じて、医師にご相談のうえで選択していくことが重要です。

フィットクリニックでも、オンライン診療を通じてインフルエンザ予防薬のご相談・処方に対応しています。
オンライン診療の場合は、診察日の15時までのご入金確認で即日発送が可能なので、お早めの受診がおすすめです。 インフルエンザ予防のオンライン診療

服部圭太

【アンケートの概要】

調査対象:帰省する・される立場にある方200名
調査日 :2025年12月4日~2025年12月9日
調査方法:インターネット調査

【アンケートの概要】

調査対象
帰省する・される立場にある方200名

調査日
2025年12月4日~2025年12月9日

調査方法
インターネット調査

関連記事

関連記事

インフルエンザ予防薬の詳細

インフルエンザ予防薬について、種類や予防投与の効果・副作用を紹介します。また、予防薬の市販の有無や保険適用、ワクチン(予防接種)との違いについても解説します。

関連記事

インフルエンザの詳細

インフルエンザとはどんな病気なのか、感染の原因や症状、潜伏期間、隔離期間、予防方法について詳しく解説しています。

関連記事

インフルエンザ予防のオンライン診療

当院のインフルエンザ予防薬はオンライン診療で購入できます。タミフル・イナビルに対応し、感染リスクがなく自宅で診察から配送まで完結。

関連記事

インフルエンザ予防外来

フィットクリニックでは、オンライン診療だけでなく、対面診療でのインフルエンザ予防薬の処方を行っています。笹塚駅から徒歩2分、予約は不要で、診察後その場で処方いたします。

関連記事

インフルエンザ予防薬の実態調査

2025年のインフルエンザ流行を受け、予防薬を使用したことがある人にアンケートを実施しました。家庭での利用状況、ワクチンとの併用、使う前後の印象など、インフルエンザ予防薬の実態を詳しく調査しています。