ニコチン依存症 - 男性・女性の禁煙のメリットと受動喫煙のリスク

ニコチン依存症とは、たばこに含まれるニコチンへの依存で、やめたくてもやめられない状態です。
このページではニコチン依存症の症状を詳しく解説します。
さらに、男性や女性が禁煙をするメリットと喫煙のデメリットも紹介しているので、禁煙を検討している方もぜひご確認ください。

ニコチン依存症は、世界的にも病気として認められており、依存から抜け出すためには禁煙治療が有効です。 禁煙治療について

ニコチン依存症とは

ニコチン依存症とはタバコに含まれるニコチンによる依存症で、治療が必要な精神疾患です。
喫煙によって依存物質であるニコチンが数秒で脳に到達し快感物質を放出させます。
この快感を再度得るため、次の一本が欲しくなるという喫煙習慣の悪循環に陥ります。

ニコチン中毒(ニコチン依存症)になる仕組み

ニコチン依存症は以下の神経伝達物質が依存症に関わっています。

ニコチン依存症に関わる物質
  • ドーパミン
    ⇒快楽に影響する神経伝達物質
    ニコチンによって放出される。喫煙と快感を結びつける。
  • ノルエピネフリン
    ⇒覚醒や食欲抑制に影響する神経伝達物質
    依存症の離脱症状につながる。
  • セロトニン
    ⇒精神を安定させる働きを持つ神経伝達物質
    ニコチンによる刺激でセロトニンが放出される状態に慣れると、禁煙時に一時的な気分の変化が現れることがある。
  • アセチルコリン
    ⇒ニコチンとアセチルコリン受容体が結合することでドーパミンが放出される。

禁煙によってニコチンの摂取ができなくなると、脳の神経伝達系に変化が生じ、イライラや集中困難、不安感などの離脱症状が現れることがあります。

個人差はありますが、喫煙をやめて2~3時間ほどで離脱症状が起こるといわれています。 離脱症状の期間とピークについて

喫煙によってニコチン離脱に伴うイライラや不安などが一時的に和らぐことがあり、こうした作用の反復が、身体的な依存、心理的な依存、習慣的な依存につながり、禁煙をより難しくさせます。
決して意思が弱いからたばこをやめられないわけではありません。

依存症の基準

ニコチン依存症と判定される正確な本数は算出されていませんが、禁煙治療を健康保険で受ける際の要件の1つとして、35歳以上では「1日の喫煙本数×喫煙年数」で算出するブリンクマン指数が200以上であることが求められます。
例えば、1日1箱(20本)の喫煙を10年を超えて続けていれば、ブリンクマン指数は200を超える計算です。
また、加熱式タバコの場合、さまざまな形状があるため以下のように計測されます。

  • タバコ葉を含むスティックを直接加熱するタイプ
    →スティック 1本を紙巻たばこ1本として換算する。
  • タバコ葉の入ったカプセルやポッドに気体を通過させるタイプ
    →1箱を紙巻たばこ20本として換算する。

出典:日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会「禁煙治療のための標準手順書第 8.1 版」p.12

加熱式たばこの煙では、紙巻たばこと比べて一部の有害化学物質の濃度が低いことが報告されていますが、有害物質への曝露や健康影響がなくなるわけではありません
また、加熱式たばこにはニコチンやタールの含有量を表示する義務がなく、含有量を確認できない点が指摘されています。

依存の強さ

依存性のみでいうと、タバコは大麻やアルコールよりも依存性が高いという報告もあり、嗜好品というより薬物に近い依存性があります。

薬物(合法・非合法)の依存度
薬物名 依存性スコアの
平均値
ヘロイン 3.00
コカイン 2.39
タバコ 2.21
アルコール 1.93
アンフェタミン(覚醒剤) 1.67
マリファナ(大麻) 1.51

【出典】Nutt D, et al. Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse. Lancet 369:1047-53,2007.

この依存性の強さもたばこをやめにくくする原因の1つです。

禁煙のすごい効果

禁煙することで、健康面や経済面など、さまざまなメリットがあります。
さらに、男性や女性特有の病気のリスク低下が期待できます。

健康面の効果

禁煙することで、肺だけでなく、脳、心臓の疾患など、多くの病気のリスクが低下します。

日本人の喫煙者と非喫煙者の平均寿命を比較した調査では、非喫煙者と比較して男性で8年、女性で10年平均寿命が短縮すると言われています。
つまり、禁煙は病気のリスクを下げるだけでなく、結果として寿命を延ばすことにもつながります。

病気のリスクが低下する

禁煙直後からタバコによる体へのダメージは回復に向かい、禁煙後、時間の経過とともに身体への影響は改善し、病気のリスクも徐々に低下していきます。

直後 大切な人の受動喫煙リスクがなくなる。
20分後 タバコによって収縮していた血管が元に戻り、血圧や脈拍が正常値に下がり、体温も上がる。
8時間後 血液中の酸素濃度が上がり、呼吸が楽になる。
24時間後 心臓発作のリスクが低下する。
数日後 味覚や嗅覚、胃の働きも正常になり、体も軽くなる。
2週間〜3ヶ月後 循環機能(心臓や血管)が改善される。
1ヶ月〜9ヶ月後 せきや喘鳴が改善しスタミナが戻る。免疫機能が回復する。
1年後 肺機能の改善がみられる。
(軽度あるいは中等度の慢性閉塞性肺疾患がある人)
2〜4年後 虚血性心疾患のリスクが、吸い続けた場合と比較して35%減少。脳梗塞のリスクも明らかに低下する。
5〜9年後 喫煙者と比較して肺がんリスクが明らかに低下する。
10〜15年後 さまざまな病気のリスクが非喫煙者のレベルに近づく。

イギリスタバコ白書「Smoking Kills」,1998 / IARCハンドブック11巻, 2007より

ご自身の健康はもちろんのこと、身近な人の健康を守ることにもつながります。

見た目の効果

喫煙は老化スピードを早め、次第に見た目にも影響を及ぼします。そのため、禁煙することで以下の見た目の変化が期待できます。

スモーカーズフェイスの改善 喫煙によって老化が早く進み顔が変化する「スモーカーズフェイス」の改善が期待できる
シミ、シワ、たるみ、色素沈着の改善 喫煙によるビタミンCの破壊を防ぐことで、肌にハリや弾力が生まれる
髪質改善・薄毛リスクの低下 禁煙により血流が改善し、髪への栄養や酸素の供給が改善することが期待できる
歯の黄ばみ防止・口腔トラブルの改善 喫煙による歯の黄ばみを防ぎ、口臭の改善が期待できる

最も早い変化として禁煙後2〜3週間から、肌のくすみが改善されトーンアップが期待できるでしょう。

経済面の効果

禁煙による経済効果は、タバコ代の削減だけでなく、時間の節約、保険料の節約になります。

禁煙の経済効果、1日1箱(600円)吸う場合、禁煙したら1年間で219,000円の節約。1本の喫煙に5分かかるとすれば、1年間続けると約25日と8時間の節約になる。
タバコ代
1日1箱600円と仮定すれば、1ヶ月(30日)で18,000円。
1年間(365日)で219,000円の節約になります
喫煙時間
1本の喫煙に5分かかるとすれば、1日1箱計算で100分。
1ヵ月(30日)で、3000分(50時間)になります。
1年間続けると36,500分(約608時間20分)、日に換算すれば約25日と8時間20分の節約になります

年間に換算すると大きな数字になるため、このお金と時間を好きなことに費やせば、生活の豊かさや充実度も大きく変わります。

さらに、保険会社が定める基準のひとつに「健康体」などの区分があり、タバコを吸わない非喫煙者であれば保険料が割り引かれることもメリットのひとつです。
タバコを吸っていると統計的に病気になるリスクが高まり、なかには命に関わる場合もあるため、喫煙者の医療保険・生命保険は非喫煙者に比べ割高になる場合があります。

禁煙で保険料が安くなる理由
  • 非喫煙者料率
    過去1年ないし2年間、タバコを吸っていなければ通常より保険料率が下がる
  • 優良体料率
    BMIや血圧、血液などの数値が正常値となると保険料率が下がる

両方に当てはまれば「非喫煙優良体」として、さらに保険料率が下がります。
割引率は保険会社によっても異なりますが、健康でいること自体が節約につながると言えるでしょう。

男性のメリット

男性が禁煙することで得られるメリットとしては、主にEDや男性不妊に関わるリスクの軽減が期待できます。

EDのリスクが減る

男性が得られる禁煙の効果として、EDのリスクを減らせる可能性があります。
喫煙は、勃起機能に次のような悪影響を与えることが知られています。

喫煙による勃起機能への影響
血管内皮障害 NO(一酸化窒素)の産生が低下し、血管が収縮しやすくなる
交感神経の
刺激
交感神経が優位な状態が勃起を難しくする
血流障害 陰茎内を十分な血液で満たせなくなる

陰茎の血管は1〜2mmと非常に細い末梢血管のため、血流の妨げが起きると、十分な勃起や維持が困難になります。
このように、喫煙はEDのリスク因子の1つとされ、欧米やアジア各国で行われた研究では、非喫煙者のおよそ1.5倍以上のリスクがあると報告されています。

ただし、喫煙はあくまでもEDの原因の1つとして考えられており、必ずしも禁煙だけで改善するわけではありません。
EDの改善には、禁煙を含め、原因に応じた対策や治療に取り組むことが重要です。

精液の質への悪影響を防ぐ

男性が禁煙をすることで、精液の質への悪影響を防ぐことができます。
喫煙と精液の質に関するメタ解析では、喫煙により精液の質が低下することがわかっています。[1]

喫煙による精子への影響

  • 精子数:平均9.72×10⁶個 /mL 減少
  • 精子運動性:3.48% 低下
  • 正常な形態:1.37% 減少

中程度あるいは重度の喫煙者ほど精液の質の低下が大きくなり、喫煙が生殖能力の低下を招くとされています。
また別の研究では精子の数や運動性だけでなく、DNAの損傷が増えるといった報告もあります。
その結果、精子や胚の発育、妊娠経過などに悪影響を及ぼす可能性があります。
禁煙することで、こうした喫煙による不妊のリスクを下げる効果が期待できます。

女性のメリット

女性が禁煙するメリットとして、主に女性ホルモンへの悪影響の軽減や、妊活・妊娠に関するメリットがあります。

女性ホルモンの悪影響を抑えられる

女性が禁煙することで、喫煙による女性ホルモンへの悪影響を抑えられる可能性があります。
これにより、生理に関するトラブルや、女性ホルモンの変化に関連する健康リスクを軽減できる可能性があります。

具体的なメリット
  • 生理トラブル(生理痛の悪化や生理不順など)が改善につながる可能性がある
  • 骨粗しょう症リスクの低下
  • 喫煙による閉経時期への影響を抑える可能性がある など

喫煙は、卵巣から分泌される女性ホルモン、特にエストロゲンに影響を与えます。
喫煙によってエストロゲンの作用が弱まることで、本来の働きを果たせなくなり、さまざまな病気につながるのです。
また、たばこに含まれる発がん性物質により、子宮頸がんのリスクが高まるとされています。
このような女性特有の病気のリスクを下げられることは、女性が禁煙するメリットといえるでしょう。

不妊や胎児へのリスクが減る

禁煙は妊活や妊娠中の場合にも大きなメリットがあります。

妊活や妊娠へのメリット
  • 受胎待ち時間が短くなる可能性がある
  • 早産や低出生体重児のリスクを低下させる

女性の場合、非喫煙者に比べて受胎待ち時間(妊娠が成立するまでの時間)が長くなることが報告されており、妊娠を望む場合はデメリットになります。

禁煙により受胎待ち時間が長くなるリスクの低下が期待できるため、妊活中の女性にとってメリットといえるでしょう。

さらに、妊娠中であれば、禁煙により早産や低出生体重児のリスクを低下させることができます。
タバコに含まれているニコチンや一酸化炭素は、お腹の中を低酸素状態にし、胎盤が変化することで、早産や低出生体重、周産期死亡の原因になり得ます。

妊娠早期に喫煙していた場合でも、できるだけ早く禁煙することで、これらのリスクの低下が期待できます。 喫煙による妊娠・胎児への悪影響

喫煙によるデメリット

喫煙によるデメリットとして、最も深刻なものは健康面での悪影響です。
さらに、経済面や社会面とさまざまなデメリットがあります。

たばこが原因になり得る病気

厚生労働省の報告に基づき、「科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である(レベル1)」とされる病気は以下の通りです。

がん 肺がん、頭頸部がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、鼻腔・副鼻腔がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がん
肺がん患者の全死因死亡・がん死亡、がん患者の二次がん罹患
循環器 虚血性心疾患、腹部大動脈瘤、末梢性の動脈硬化症
神経系 脳卒中
呼吸器 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、結核による死亡
糖尿病 2型糖尿病の発症
妊娠・出産 妊婦の能動喫煙と早産、低出生体重・胎児発育遅延、妊婦の能動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)、小児の受動喫煙と喘息の既往、小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)
その他 歯周病、ニコチン依存症

上記は喫煙との因果関係が十分であるとされる病気ですが、因果関係を推定するには十分ではないものの、関連が示唆されている病気もあります。

たばこが原因となるその他の深刻な病気として、関節リウマチ、失明、白内障、バージャー病なども報告されており、病気の範囲は全身に渡ります。

がんリスクの増加

タバコには70種類とも言われる発がん性物質が含まれています。
ある研究では日本でがんになった人のうち、男性の約24%と女性の約4%がタバコが原因であると報告されました。
肺がんをはじめ、口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、すい臓がん、膀胱がん、子宮頸がんといったがんは喫煙によりリスクが増大します。

心筋梗塞や脳梗塞の重大な危険因子

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の増加といった作用を起こします。
また、動脈硬化を進行させ血栓ができやすくなることから、心筋梗塞や脳血管障害を引き起こすリスクが増加します。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコの煙や粉塵を長年吸引することで肺に炎症が起き、気管支の通り道が狭くなり呼吸機能が低下する病気です。

慢性閉塞性肺疾患
(COPD)について
  • COPD患者の90%が喫煙者
  • 1日の喫煙本数や喫煙年数が多いほどCOPDリスクは増大
  • 自覚症状がわかりにくいためゆっくり進行する
  • 主な症状は咳やたん
  • 重症化を招く恐れがあり、進行すると呼吸困難、意識障害、最悪の場合死に至る
  • 風邪やインフルエンザウイルスによって症状が急激に悪化する場合がある

喫煙による肺への影響について詳しくはこちらで解説しています。 喫煙者の肺への影響

メンタルヘルスの悪化

喫煙が気分転換や快感につながるのも確かですが、実は喫煙が精神的負担を増加させている可能性が報告されています。

イギリスで行われた40歳以上の約6,500人を対象とした調査では、うつ病や不安障害を抱えている人の割合が、非喫煙者では10%、禁煙を実行した人は11.3%に対して、喫煙者は18.3%に上りました。[2]
たばこで気持ちを落ち着かせているはずが、メンタルを悪化させている可能性があります。

受動喫煙の健康被害

たばこの先端から立ち上る副流煙には、喫煙者が吸い込む主流煙よりも高い濃度で含まれる有害物質があります。

有害物質 副流煙に含まれる量
(主流煙との比較)
一酸化炭素 約3.4~21.4倍
ニコチン 約2.8~19.6倍
タール 約1.2~10.1倍
ホルムアルデヒド 約6.2~121.4倍
アクロレイン 約4.3~29.0倍
一酸化窒素 約15.8~61.3倍
1,3-ブタジエン 約6.3~43.0倍
アクリロニトリル 約10.5~88.6倍
ベンゼン 約8.2~42.0倍
ベンゾ[a]ピレン 約7.6~48.8倍
NNK 約1.9~4.9倍

※市販たばこ7種類について、副流煙に含まれる各成分量を主流煙と比較した「副流煙/主流煙比」の最小値~最大値を示しています。数値が1を超える場合、主流煙より副流煙に多く含まれていることを意味します。 出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「たばこの煙と受動喫煙」(「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」2016年をもとに作成)

受動喫煙による健康被害は、パートナーや子どもにも影響を及ぼします。
以下は厚生労働省による、「受動喫煙との因果関係を推定する証拠が十分である(レベル1)」とされる病気です。

  • パートナーへの影響
    肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、臭気・鼻への刺激感 など
  • 子どもへの影響
    乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息の既往 など

日本では受動喫煙による肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)による死亡者が年間約1万5,000人と推計されています。
喫煙により、大切なパートナーや子どもの命を危険にさらしてしまう可能性があります。

タバコの煙に含まれる有害物質が衣服や家具、壁などに付着し、それが再び空気中に放出されることで非喫煙者が有害物質にさらされることを「サードハンドスモーク(第三次喫煙)」といいます。煙にばかり目が行きがちですが、タバコには見えない健康リスクが隠れています。

服部院長

たばこ代による経済的デメリット

喫煙による経済的デメリットの例を挙げると、代表的なたばこ代で1日1箱でも年間約22万円の損失になります。(1箱600円換算)
これを5年間続けると約110万円、10年続けると約220万円費やしている計算です。
さらに、2026年10月からは加熱式たばこの価格の見直しが検討されており、たばこ代はますます増加していく可能性があります。
経済的損失はタバコ代だけではなく、喫煙を原因とする病気の医療費、タバコからの引火で火災を起こしてしまい莫大な損害が出るといったこともあります。

社会的なデメリット

喫煙はタバコ休憩の離席や体調不良など、労働生産性の低下といった社会的デメリットも指摘されています。
社会の大きな枠組みでも、喫煙に関わる医療費の増加や環境汚染、未成年の喫煙による将来の健康被害の増大、低所得者層の喫煙率の高さも格差や更なる経済困窮へとつながっています。

また、独身男女3,232名の調査では、男性・女性ともに80%以上がたばこを吸う異性に魅力を感じないというデータがあります。

Q.タバコを吸う異性は魅力的ですか?女性:はい15.7%、いいえ84.3%、男性:はい16.6%、いいえ83.4%

出典:マッチアラーム株式会社「<20・30代独身男女の意識調査> 独身男女の8割以上が「タバコを吸う異性」に魅力を感じない」(2014年4月23日)をもとに作成

ニオイや健康面の問題が主な原因となっており、喫煙者かどうかがパートナー選びのポイントになる場合もあります。

妊娠・胎児への悪影響

妊娠中の喫煙は、低出生体重や早産、流産、死産、妊娠・出産時の合併症(胎盤早期剥離、前置胎盤、出血など)など、さまざまなリスクと関係している可能性があります。

喫煙による影響 因果関係の評価
早産 レベル1(十分)
低出生体重・胎児発育遅延 レベル1(十分)
乳幼児突然死症候群(SIDS) レベル1(十分)
生殖能力低下 レベル2(示唆的)
子宮外妊娠 レベル2(示唆的)
常位胎盤早期剥離 レベル2(示唆的)
前置胎盤 レベル2(示唆的)
受動喫煙による低出生体重・胎児発育遅延 レベル2(示唆的)

レベル1(十分):科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である
レベル2(示唆的):科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない
※出典:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」をもとに作成

妊娠中の喫煙は胎児の中枢神経に影響を与える可能性がある

妊娠中の喫煙は、胎児の中枢神経系の成熟に影響を与える可能性があります。

ダラム大学などの研究グループは、妊婦20人(非喫煙者16人、喫煙者4人)を対象に、妊娠24~36週の間に4D超音波検査を行い、計80回のスキャンから胎児の動きを解析しました。
その結果、喫煙している母親の胎児では、非喫煙者の胎児と比較して口を動かす頻度が有意に高いことが確認されました。[3]
研究者らは、こうした動きの違いについて、喫煙による胎児の中枢神経系の成熟への影響が関係している可能性を指摘しています。

※ただし、この研究は対象者20人の小規模なパイロット研究であり、研究者らも結果を確認するためには、より大規模な研究が必要としています。

ニコチン依存度に応じた禁煙方法

自分に合った禁煙方法を知る基準として、「TDS(Tobacco Dependence Screener)」と呼ばれるニコチン依存度テストがあります。
10個の問いに当てはまるものを選択して、依存度を確認してみてください。

タバコ依存症スクリーニングテスト(TDS)
自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがある
禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがある
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがある
禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがある
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがある
重い病気にかかって、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがある
タバコのために健康問題が起きているとわかっていても吸うことがある
タバコのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがある
自分はタバコに依存していると感じることがある
タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かある
合計:0 / 5点

※診断結果はあくまでも予想される疑いであり、依存症を断定するものではございません。
より正確な診断をご希望の方は医師にご相談ください。

5点以上の場合、TDSでは「ニコチン依存症」と判定されます。
自力での禁煙が難しく、1日の喫煙本数が多いほどつらい離脱症状も出やすくなります。

(ニコチン依存症)飲み薬で禁煙

ニコチン依存度が高い場合は、禁煙補助薬による治療が検討されます。
特にバレニクリン(チャンピックス)は、禁煙成功率を高める有効な薬物療法の1つです。
禁煙方法は、ニコチン依存度や既往歴などに応じて選択します。

各禁煙補助薬の相対的な禁煙成功率:チャンピックス3.1倍、ニコチンパッチ1.9倍、ニコチンガム1.5倍プラセボ1

チャンピックスは離脱症状を抑えるほか、ニコチン製剤にはない「喫煙による満足感を得にくくする作用」があり、禁煙がグッとやりやすくなる禁煙補助薬です。

チャンピックスが向いている人
  • 1日1箱以上吸うヘビースモーカー
  • パッチやガムなどの禁煙補助薬で禁煙に失敗した人
  • ニコチンを含んでいない薬を求める人
  • 自力での禁煙が難しいと感じる人

当院ではチャンピックスジェネリックを通販(オンライン診療)にて処方しています。

(軽度のニコチン依存)ニコチン製剤で禁煙

軽度のニコチン依存には、ニコチンパッチ・ガムなどのニコチン製剤による禁煙方法があります。
いずれも市販薬として購入が可能で、手軽に禁煙を始めたい方や1日1箱以下のライト・ミドルスモーカーに選ばれることが多いです。

ニコチン製剤は、ニコチンを少量摂取することで離脱症状を抑えながら禁煙を目指します。
ただし、チャンピックスのような「煙による満足感を得にくくする作用」はありません。

ニコチン依存度が高い場合は、医師や薬剤師に相談のうえ、適切な禁煙治療を検討してください。

※フィットクリニックではニコチン製剤の取り扱いはありません。
ライトスモーカー・ミドルスモーカーの方で、ニコチン製剤を使用してもタバコをやめにくい場合はぜひご相談ください。

(依存症の可能性)自力で禁煙

自力で禁煙に挑戦する場合は、物理的な対策と精神面での対策が必要になります。

自力で禁煙するポイント
  • 離脱症状の対処法を決める
  • 喫煙の代替行動を知っておく
  • 喫煙具を処分する
  • 身近な人に禁煙を宣言する

「薬に頼るほどではない」「まずは自力で禁煙してみたい」という方におすすめです。
ただし、自力での禁煙は成功率約10%と低く、失敗するリスクが高くなります。
ニコチン依存が強い場合は、禁煙補助薬での禁煙も検討してみましょう。

【独自調査】禁煙経験者の失敗した理由

当院が独自に行ったアンケート調査では、以下のような結果が出ています。

禁煙に失敗した理由ランキングを示した図。1位は「周囲の喫煙者の影響」で55.5%、次いで離脱症状、本気度の不足、代替手段の欠如が続く。

禁煙に失敗した人に行った調査では、禁煙の失敗理由として「周りの喫煙者の影響」が55.5%を占め、最も多い結果となりました。
依存性の強さだけではなく、周囲の環境も禁煙の失敗に大きく関わっていることがわかります。

なお、禁煙に成功した人に行った調査では、禁煙に成功した理由として以下の項目が上位となりました。

【独自アンケート】禁煙経験者の成功した理由
1位 自制心が強かった(60.5%)
2位 薬やパッチ、ガムなどのサポート(30.5%)
3位 周りの協力があった(21.0%)

禁煙成功者では、「自制心が強かった」と回答した人が最も多い結果となりました。 禁煙に関するアンケート

フィットクリニックの公式LINEでは、禁煙治療の流れに関する情報を配信しております。
禁煙治療について詳しく知りたい方は、ぜひご登録ください。

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禁煙成功でニコチン依存症を抜け出すコツ

禁煙を成功させる実践的なコツとして、「決心」・「実行」・「維持」の3つのステップを計画的にこなしましょう。

禁煙を成功に導く3ステップ:ステップ1:決心、禁煙計画を立てる、ステップ2:実行、禁煙開始とゴールを決める、ステップ3:維持、「禁煙できる」というイメージをもつ、たばこを遠ざける環境づくり

決心した後は、「禁煙に成功している自分」よりも「禁煙するまでのプロセス」をイメージすることが大切です。

具体的な実践法
  • 禁煙の目的をはっきりさせる
    健康のため、家族のため、貯金のためなど、自分が禁煙したい目的を具体的にイメージしましょう。
  • タバコを吸いたい時の代替行動を身に着ける
    運動や歯磨き、深呼吸、飴やガムを食べるなどが代替行動として挙げられます。
  • 禁煙補助薬を利用する
    禁煙補助薬を利用することで、自力での禁煙にくらべて3〜4倍禁煙しやすくなるとされています。

特に禁煙開始後2〜3日頃は離脱症状が強くなりやすく、このタイミングで挫折する方も少なくありません。 禁煙の離脱症状について

吸いたい気持ちが強いときは、たばこに変わる行動で気持ちを紛らわせていきましょう。
自力で禁煙が難しいと感じていたり、失敗した経験がある方は、医師または薬剤師と相談しながら自分にあった禁煙補助薬を利用してみてください。

ニコチン依存症を改善するなら医療機関へ相談

ニコチン依存症のまとめ
  • ニコチン依存症とはタバコを吸うことで起こる依存症で、治療が必要な精神疾患
  • 「身体的依存」「心理的依存」「習慣的依存」がある
  • 禁煙治療の基準の1つとして、『1日の喫煙本数×喫煙年数』で算出する指数が用いられる

タバコは「百害あって一利なし」と言われており、喫煙歴が長くなるほどニコチンへの依存を強めてしまう場合があります。
ご自身や家族の健康のためにも、早くから禁煙することが大切です。

しかし、ニコチンの依存性は大麻やアルコールよりも強く、自力で改善するのが非常に難しいため、たばこがやめられないことは決して意思の弱さではありません。

少しでも楽に禁煙を進めるためにも、医師や薬剤師に相談のうえ、禁煙治療薬の使用もご検討ください。
当院では、禁煙治療薬の処方を行っていますので、ぜひご相談ください。

ニコチン依存症のよくある質問

  • Q
    成功率の高い禁煙方法はなんですか?
    A
    成功率の高い禁煙方法は、飲み薬(チャンピックス)による禁煙です。
  • Q
    自力で禁煙する方法はありますか?
    A
    例として、以下の方法があります。
    • 吸いたくなった時に代わりに取る行動を決めておく
    • 周囲に禁煙宣言をする
    • タバコやライターを処分する
    ただし、自力での禁煙は成功率が10%程度と言われています。
    そのため禁煙補助薬などと併用して上記の対応をするのが望ましいです。
  • Q
    飲み薬が向いている人はどんな人ですか?
    A
    飲み薬(チャンピックス)が向いているのは、以下の人です。
    • 1日1箱以上吸うヘビースモーカー
    • パッチやガムなどの禁煙補助薬で禁煙に失敗した人
    • ニコチンを含んでいない薬を求める人
    • 自力での禁煙が難しいと感じる人
  • Q
    タバコをやめたら見た目が良くなるって本当ですか?
    A
    本当です。
    タバコに含まれる有害物質は、細胞をサビつかせてしまうフリーラジカル(活性酸素)を発生させたり、コラーゲンをつくるために必要なビタミンCを大量に破壊します。
    それによって肌にはうるおいやハリが失われ、さらに血色が悪くなることで透明感が下がることも。
    年相応の老けこみを禁煙では避けられませんが、タバコをやめれば「喫煙による老化」は食い止めることができます。
    いつまでも若々しさをキープするためにも、積極的に禁煙にチャレンジしてみてください。
  • Q
    禁煙したら、集中力が切れやすくなりますか?
    A
    禁煙して間もない頃は、離脱症状によって集中困難な状態に陥ることがあります。
    ただ、一時的な症状であり、ニコチンがないことに体が慣れてしまえば次第に治っていきます。
    また、「タバコを吸っている時は集中できた」という方もいますが、ニコチンによって錯覚を起こしているに過ぎず、本来の意味での集中とは言えません。
  • Q
    妊娠中でも吸えるタバコやタバコの代わりになるものはありますか?
    A
    妊娠中に安全といえるタバコや代替品はありません。
    ニコチンやタールを含まない電子タバコであっても、妊娠中や授乳中の使用は推奨されません。
  • Q
    受動喫煙はマスクで防げますか?
    A
    タバコにはガスにも有害物質が含まれているため、一般的なマスクで受動喫煙を防ぐことはできません。
  • Q
    男性が禁煙するメリットや効果は何ですか?
    A
    男性が禁煙することで得られるメリットは以下の通りです。
    • 寿命が延びる
    • 健康リスクが減る
    • 喫煙によるEDのリスクが減る
    • 精液への悪影響を減らせる可能性がある など
    喫煙は精液の質の悪化やEDの発症リスクを高めるため、禁煙をすることで男性機能の改善につながる可能性があります。
  • Q
    女性が禁煙するメリットや効果は何ですか?
    A
    女性が禁煙することで得られるメリットは以下の通りです。
    • しみ・しわの改善につながる
    • 喫煙による女性ホルモンへの悪影響を減らせる可能性がある
    • 子宮頸がんのリスクが低下する
    • 不妊のリスクが減少する など
    喫煙は老化やシミ、しわ、たるみに影響するため、禁煙により見た目の改善につながる可能性があります。
    さらに、女性ホルモンへの悪影響を減らすことで、生理や女性特有の症状の改善が期待できます。

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この記事の監修

フィットクリニック院長 服部圭太
フィットクリニック院長
服部 圭太
(はっとり けいた)

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務