アクネトレントの効果・副作用と好転反応や併用禁忌について解説

更新日:2025/04/17
アクネトレントの効果と副作用について解説

アクネトレントは、通常の治療では効果がみられない重度・難治性ニキビの切り札とも言われる内服薬です。
炎症や化膿を伴うニキビが広範囲に及んでいる場合にも高い効果が認められており、まさにニキビ治療の救世主的な存在です。

ニキビを改善する高い効果が期待できるアクネトレントですが、副作用や好転反応、併用禁忌などについても理解しておくことが大切です。
本ページでは、アクネトレントの基本情報から注意事項まで詳しく解説し、重症ニキビや繰り返すニキビに悩まされている方が安心して治療に取り組めるようにサポートします。

アクネトレント(ジェネリック)の価格 イソトレチノインの詳細

アクネトレントとは

アクネトレントとは

アクネトレントとはビタミンA誘導体の一種である「イソトレチノイン」を主成分としたニキビ治療の内服薬です。
皮脂腺を縮小させて、ニキビの根本的な原因である皮脂の分泌を抑制します。

イソトレチノインは日本国内では未承認薬ですが、米国や欧州のニキビ治療のガイドラインでは重症ニキビの第一選択薬として使われています。

アクネトレントはこれまで色々な治療をしても治らなかった、長年のニキビの悩みを解決できる可能性を持つ治療薬です。

アクネトレントの効果

アクネトレントは、ニキビの根本的な原因にアプローチしてニキビ改善に高い効果を発揮します。

【アクネトレントの効果】

◾皮脂分泌の抑制
アクネ菌のエサとなる皮脂が分泌される「皮脂腺」を縮小させ、過剰な皮脂分泌を抑制する効果があります。この結果、毛穴が詰まりにくくなり、ニキビの発生と悪化を抑えることが期待できます。

◾️抗炎症作用
アクネ菌の増殖に伴って起こる免疫反応を抑えることで炎症の進行を防ぎ、赤みや腫れなどのニキビ症状を軽減する効果があります。そのため、ニキビの悪化を防ぎながら肌の状態を改善していきます。

アクネトレントにより、アクネ菌が増殖しにくい環境へと整えられ、肌のコンディションを改善・維持することが可能です。
新しいニキビの発生を防ぐこともできるため、悪化を予防するだけではなく再発しやすい方にも効果的な治療薬です。

海外の臨床試験では、患者の81%でニキビが90%減少し、治療開始20週後には88.9%の方が治療に成功したというデータもあるほどです。

アクネトレントの効果はいつから

アクネトレントの効果がいつから出るかについては個人差がありますが、目安としては2~3ヶ月ほどで効果を実感できることが多いです。

以下がアクネトレントによる肌の状態の変化の目安です。

肌の状態の変化目安
  • 2〜4週間後:いわゆる好転反応が出る場合がある
  • 2〜3ヶ月後:皮脂分泌の減少、ニキビの改善を実感できる
  • 4〜6ヶ月:アクネトレントによる内服治療終了

アクネトレントの服用開始から1〜2週間は、一時的に症状が悪化するいわゆる「好転反応」と呼ばれる状態になる場合があります。
肌が生まれ変わろうとしているサインなので、自然と落ち着くまで焦らず治療を続けるようにしてください。

4~6ヶ月のアクネトレントによる治療終了後、ニキビの中長期的な予防効果を期待する場合は、2ヶ月間の休薬後に2クール目に進むことがあります。

アクネトレントが適応の方

アクネトレントを使ったニキビ治療が適応とされる方は、以下のとおりです。
ここに挙げられるニキビでお悩みの方に特に高い効果が期待できます。

アクネトレント適応の方
  • 中等症~重症・難治性のニキビの方
  • 一度治ってもすぐに再発を繰り返す方
  • 保険診療の薬や市販薬では改善しない方
  • 顔の広範囲や体にもニキビができてしまっている方
  • 中長期的にニキビの予防を目指したい方

アクネトレントは一般皮膚科によるニキビ治療でも改善が見られない方に対しても有効な治療薬です。
しかし、効果が強い分、副作用のリスクもあるため、たまにできる炎症のない軽症ニキビには向かない治療薬です。

アクネトレントの副作用

アクネトレントの代表的な副作用は「乾燥」です。
頭皮や顔の皮膚をはじめ、鼻の中の粘膜などの乾燥は服用した多くの方にみられます。
その他の副作用としてあげられるのが、以下のような症状です。

アクネトレントの副作用
  • 胎児の先天異常
  • 流産、早産、死産
  • 重い精神症状(うつ、自殺企図・念慮など)
  • 頭痛
  • 目のかすみ
  • めまい
  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢
  • 脱毛
  • 鼻血
  • 筋力低下

など

稀ではあるものの、アクネトレントの副作用が強く現れてしまうこともあります。
いつもと異なる違和感を感じた場合には医師にご相談ください。

アクネトレントの服用方法│期間と量

アクネトレントの服用期間は4~6ヶ月間服用することを推奨しています。
体重1kgあたり1日0.5mg〜1mg/を1回、または2回に分けて食事の有無にかかわらず服用します。

以下が体重ごとの1日の服用量についての目安になりますが、欧米のガイドラインの内容を基に記載しています。
日本人の1日の服用量は20mg~40mgで始めることが一般的です。

症例や副作用など薬への反応によって、医師の判断の上、服用量の調整をします。

1日の総投与量

体重 0.5mg/kg 1mg/kg
40kg 20mg 40mg
50kg 25mg 50mg
60kg 30mg 60mg
70kg 35mg 70mg
80kg 40mg 80mg
90kg 45mg 90mg
100kg 50mg 100mg

飲むタイミングを逃してしまった場合は服用をスキップし、次回の服用で2回分を同時に服用することはできません。

アクネトレント服用中の注意事項

アクネトレント服用中は注意するべきことがいくつかあります。
以下の内容に注意して服用してください。

【アクネトレント服用中の注意事項】

◾️避妊をする
少量かつ短期間であっても、胎児が重い先天異常を引き起こす可能性があります。服用の1ヶ月前・服用中・服用終了1ヶ月後は必ず避妊をしてください。避妊をせずに性行為を行なった場合には服用を中止して医師にご相談ください。

◾️献血をしない
妊娠女性への輸血によって、胎児の命に関わるような悪影響が及ぶリスクが非常に高まります。アクネトレントの服用中はもちろん、服用終了後1ヶ月間は献血を受けないようにしてください。

◾️美容治療は控える
アクネトレントによる治療中および治療中止6ヶ月間は、ワックス脱毛、ピーリング、レーザー治療などの美容治療は控えてください。これらの治療の影響により瘢痕(傷跡)が残る可能性があります。

◾️紫外線対策をする
アクネトレントの服用により、肌が光に対して敏感になることがあります。できるだけ直射日光や長時間の外出は避け、紫外線対策も十分に行なってください。

◾️夜間の視力低下・ドライアイに注意する
アクネトレントの服用中に、夜間の視力低下が報告されています。夜間の車の運転や危険を伴う作業はできる限り控えてください。またドライアイの報告もあるため、治療中や治療後にコンタクトレンズの装着に問題が生じる可能性があります。

アクネトレントの服用ができない方

アクネトレントは、以下のような方の服用はできません。

アクネトレントの服用ができない方
  • 妊娠している方
  • 授乳中の方
  • 妊活中の方(女性・男性ともに)
  • ビタミンAまたはそれに類似する成分にアレルギーを持つ方
  • 精神疾患(うつ病など)の既往歴がある方
  • 大豆アレルギーの方(大豆油が含まれているため)
  • 15歳未満の方や成長期で身長が伸びている方

肝機能や血中脂質に異常が認められている方も、医師の判断によってはアクネトレントを服用できない場合があります。

アクネトレントの併用禁忌薬

アクネトレントは他の病気との関連性や副作用のリスクから、以下を併用禁忌薬としています。

【アクネトレントの併用禁忌薬】

◾️テトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)
頭蓋内圧亢進症(偽脳腫瘍)との関連の一部にテトラサイクリン系の抗生物質の併用が関与しています。そのため、飲み合わせが悪い薬として併用が禁止されています。

◾️サプリメントを含むビタミンAの薬
サプリメントを含むビタミンAの薬との併用により、ビタミンA関連の副作用を引き起こす可能性があるので併用は控えてください。

アクネトレントの併用注意薬

アクネトレントを服用するにあたって禁止はされていませんが、飲み合わせに注意が必要な薬もあります。

【アクネトレントの併用注意薬】

◾️フェニトイン
フェニトインは骨軟化症を引き起こすことがあり、アクネトレントも副作用として「骨密度の低下」がみられる場合があります。相互作用について正式な臨床試験は行われていませんが、併用する場合には注意が必要です。

◾️全身性コルチコステロイド
全身性コルチコステロイドは骨粗鬆症を引き起こすことがあり、アクネトレントも副作用として「骨密度の低下」がみられる場合があります。相互作用について正式な臨床試験は行われていませんが、併用する場合には注意が必要です。

◾️一部の抗てんかん薬
カルバマゼピンなど一部の抗てんかん薬は代謝を促進してしまい、アクネトレントの効果を低下させる可能性があります。

これらの薬をアクネトレントと併用する場合には、必ず医師にご相談ください。

アクネトレントの種類

アクネトレントは、ジェネリック医薬品に位置付けられる薬です。
オリジナルの先発薬は製品名が異なり、国によって呼び方も変わります。

  • アメリカなど:アキュテイン
  • ヨーロッパ:ロアキュテイン

アクネトレントと同様のジェネリック医薬品は様々な製薬会社で製造・販売されています。
いずれも有効成分は変わらないため、ニキビ治療の効果や安全性も同等となっています。
通常4~6ヶ月の服用となるため継続して服用するコストを考えると、ジェネリック医薬品を選択することで金銭的な負担を減らすことができます。

以下が、アクネトレントと同様の有効成分を主成分としたジェネリック医薬品です。

商品名 カプセル
(用量)
製薬会社
アクネトレント
(AKNETRENT)
10mg/20mg レコルダティ(トルコ)
※本社イタリア
イソトロイン
(ISOTROIN)
20mg シプラ
(インド)
イソトレノム
(ISOTRENOM)
10mg/20mg Naiom Healthcare(インド)
ソトレット
(SOTRET)
20mg/40mg ランバクシー
(インド)

アクネトレント通販(個人輸入)について

インドやトルコの製薬会社が製造したジェネリック医薬品は世界でも広く使用されていますが、通販での個人輸入は偽物の薬を入手してしまうリスクがあります。
また商品が届くまでに10日から2週間かかる不便性もあります。

そしてアクネトレントは通販で入手する場合においても処方箋が必要なため、医療機関で医師による適切な管理のもと、処方を受けて購入することが安心です。

イソトレチノインの通販について

アクネトレント(ジェネリック)の価格

当院では、アクネトレントと同じ有効成分を主成分としたジェネリック医薬品を、手に取りやすい価格で処方しています。

日本では未承認薬となるため、先発薬、後発薬を問わず自由診療の薬となるため、ジェネリック医薬品では費用を抑えながらニキビ治療に取り組むことができます。

名称 イソトレノム(ISOTRENOM)
有効成分 イソトレチノイン
メーカー Naiom Healthcare
用量 10mg/20mg/30mg/40mg

当院のイソトレチノイン処方価格は以下の通りです

当院のイソトレチノイン価格表

用量 支払 30錠 90錠 180錠
10mg 一括 7,000円 19,950円
(6,650円/月)
37,800円
(6,300円/月)
定期配送 - 20,475円
(6,825円/月)
39,900円
(6,650円/月)
20mg 一括 8,800円 25,080円
(8,360円/月)
47,520円
(7,920円/月)
定期配送 - 25,740円
(8,580円/月)
50,160円
(8,360円/月)
30mg 一括 15,800円 45,030円
(15,010円/月)
85,320円
(14,220円/月)
定期配送 - 46,215円
(15,405円/月)
90,060円
(15,010円/月)
40mg 一括 17,600円 50,160円
(16,720円/月)
95,040円
(15,840円/月)
定期配送 - 51,480円
(17,160円/月)
100,320円
(16,720円/月)

イソトレチノインの副作用として多くの方に乾燥の症状が現れるため、当院ではクリームとローションタイプのヒルドイドをご用意しています。

当院のヒルドイド価格表

用量 1本 3本 6本
クリーム
0.3%/25g
1,320円 3,960円 7,920円
ローション
0.3%/25g
1,320円 3,960円 7,920円
ローション
0.3%/50g
1,980円 5,940円 11,880円

当院のニキビ治療の流れ

フィットクリニックのイソトレチノインオンライン診療の流れは簡単な以下の3STEPで完結します。

  • 予約・問診表の入力

    STEP 01

    予約・問診表の入力

    WEB・LINE・電話からご予約いただけます。
    WEB・LINE予約の場合は、予約フォームのカレンダーから都合の良い時間を選択してください。
    電話予約の場合は、平日・土曜は10:00~20:00、日曜・祝日は10:00~18:00の間で受付しています。
    予約後、診察開始前までに問診表の入力をお願いいたします。

  • 診察・お支払い

    STEP 02

    診察・お支払い

    ご予約の日時にクリニックからお電話いたします。
    診察時間は5~10分ほどになります。
    診察後、銀行振込み、クレジットカード決済、コンビニ決済、代金引換のいずれかでお薬代をお支払いいただきます。

  • 発送・受け取り

    STEP 03

    発送・受け取り

    お薬代の入金確認後、治療薬が発送されます(15時までの入金確認で最短即日発送)。
    お薬は最短で翌日~3日以内でのお受け取りが可能です。
    ※梱包の中がニキビ治療薬と分からない仕様になっています。

まとめ:アクネトレントを服用する際は医療機関を受診しよう

アクネトレントは、皮脂の分泌を抑え、炎症を鎮めることで、ニキビの根本的な原因にアプローチする内服薬です。従来の治療法では改善が見られなかったニキビや中等症~重症ニキビに対して、高い効果が期待できます。
ただし、副作用や注意点も存在するため、医師の指示のもとで正しく服用することが大切です。
イソトレチノインによるニキビ治療を始めたい方は医療機関を受診ください。

以下のページで当院のニキビオンライン診療について詳しくご紹介していますのでご興味のある方は確認ください。

当院のニキビオンライン診療

アクネトレントに関するよくある質問

  • Q
    アクネトレントとロアキュタンの違いは何ですか?
    A
    アクネトレントとロアキュタンの違いは、製薬会社の商品名の呼び方が違うことによります。アクネトレントはトルコのレコルダティ社の商品で、ロアキュタンはスイスのロシュ社の商品です。
    ロアキュタンは先発薬で、アクネトレントはジェネリック医薬品ですが、いずれの製品も同じ有効成分が配合されているため、ニキビ治療に対しての有効性や安全性は変わりません。
  • Q
    アクネトレントはどれくらい飲み続けると効果がありますか?
    A
    アクネトレント(イソトレチノイン)の効果は、通常15~20週間の服用で現れます。
    治療初期には「好転反応」といって一時的にニキビが悪化することもありますが、これは肌が生まれ変わっているサインです。
    治療を続けていくことで徐々にニキビが改善されてくるので、特別な理由がない限りは治療を継続するようにしてください。
  • Q
    アクネトレントは国内で認可されていますか?
    A
    アクネトレントは、国内では未承認の医薬品です。
    そのため一般的な病院や薬局で処方することはできません。
    もし処方を希望される場合は、国内外のさまざまな治療を取り揃える美容皮膚科にご相談ください。
イソトレチノインについて
未承認医薬品等であることの明示 イソトレチノインは日本国内では未承認医薬品となります。
入手経路等の明示 厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断により輸入しています。
国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
  • FDA(米国食品医薬品局)など諸外国において承認されています。
  • 胎児の催奇形性、鬱、肝機能障害、皮膚や粘膜の乾燥などの副作用のリスクがあります。
  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用できません。
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、日本国における医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

この記事の監修

服部圭太院長画像
服部 圭太
(はっとり けいた)医師

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務

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イソトレチノインを通販(個人輸入)で購入するには危険性とデメリットが伴います。そのため直接医師の説明が聞け、不安なことを相談できるオンラインを推奨しています。