 
 | チャンピックスの基本情報 | |
|---|---|
| 有効成分 | バレニクリン | 
| 効果 | 
 | 
| 副作用 | 吐き気、不眠症、異常な夢、頭痛など | 
| 飲み方 | ①1~3日目:0.5mgを1日1回服用 ②4~7日目:0.5mgを1日2回服用 ③8日目~:1mgを1日2回服用 | 
| 注意点 | 
 | 
            チャンピックスは、離脱症状の抑制や喫煙の満足感を減らす効果により禁煙をサポートする禁煙補助薬です。
            チャンピックスを使った際の禁煙の成功率は、65.4%と高い特徴があります。そのため、他の禁煙補助薬で失敗した方や、ヘビースモーカーの方に多く利用されています。
          
この記事では、チャンピックスの効果や副作用、飲み方、注意点などについて詳しく解説しています。
なお、チャンピックスは現在出荷停止中となっているため、服用を希望する場合は同成分のチャンピックスジェネリックが代替薬となります。
当院でもチャンピックスジェネリック0.5mg・1mgを取り扱っています。
当院の禁煙治療は薬の処方のみとシンプルである一方で、医師の診察も受けられるため安全に治療を進めることが可能です。
チャンピックスの効果
            チャンピックスは、バレニクリン酒石酸塩を成分とする禁煙補助薬です。
            効果は主に以下の2つです。
          
- ニコチンを神経細胞の受容体(α4β2ニコチン受容体)に結合させないことで、喫煙の満足感やおいしさを減らす(拮抗作用)
- 少量のドーパミンを放出させ、禁煙による離脱症状やタバコへの欲求を抑える(刺激作用)
2つの効果がタバコを吸いたい気持ちや、禁煙時に起こるイライラ、落ち着かないといった不快な症状を軽減します。
喫煙時に、脳内にある神経細胞のニコチン受容体とニコチンが結合し、大量のドーパミンが放出され、これが快感に繋がります。
            また時間が経つとニコチンが切れ、ドーパミンの放出がされなくなります。
            それにより、イライラや気分の落ち込みなどの離脱症状が現れ、また吸いたくなるを繰り返し辞めるのが難しくなります。
          
喫煙時の神経細胞
 
 チャンピックスを服用すると、成分のバレニクリンが脳内のニコチン受容体と結合するため、ニコチンは結合できなくなります。
成分の作用はニコチンより弱く、結合したニコチン受容体からは少量のドーパミンが放出され、喫煙の満足感や離脱症状が減少します。
チャンピックス服用時の神経細胞
 
 チャンピックスの禁煙成功率
チャンピックスの禁煙成功率は、65.4%というデータがあります。
以下の表は、チャンピックスの有効成分「バレニクリン」を各容量で12週間投与した場合の9~12週目の持続禁煙率(ここでは禁煙成功率とする)です。
| 薬剤投与量 | 9~12週目の 禁煙成功率 | 
|---|---|
| バレニクリン1mg 1日2回 | 65.4% (85人/130人) | 
| バレニクリン0.5mg 1日2回 | 55.5% (71人/128人) | 
| バレニクリン0.25mg 1日2回 | 54.7% (70人/128人) | 
| プラセボ (有効成分なし) | 39.5% (51人/129人) | 
バレニクリン投与群では、どれもプラセボ群より禁煙成功率が高いです。
チャンピックスは、飲み始めた8日目以降は1mgを1日2回服用するので、65.4%の禁煙成功率が見込めます。
さらに離脱症状への対処法などと組み合わせることで、実験データ以上の禁煙成功率が期待できます。
対処法を用意した上で、服用を進めましょう。
チャンピックスとその他の禁煙補助薬との違いについて知りたい方は、以下のページをご覧ください。
禁煙補助薬の種類チャンピックスの飲み方
            チャンピックスは禁煙の1週間前から服用を始めます。
            服用を始めて、1週間後からが禁煙のスタートになります。
          
| 第1週(喫煙OK) | 第2~12週(禁煙開始) | |
|---|---|---|
| 1~3日目 | 4~7日目 | 8日目以降~ | 
| 朝昼問わず   | 朝 夕     | 朝 夕     | 
            チャンピックスは少ない用量から徐々に増やしていく飲み方が特徴です。
            ポイントは、いきなり飲み始めるのではなく禁煙開始日を決めておくことです。
            離脱症状は禁煙2~3日目に強く出るので、それを踏まえ禁煙開始日を設定するのがおすすめです(連休前など)。
          
            7日目までは喫煙OKなので、禁煙開始日から逆算して7日前から服用を開始してください。
            8日目以降1mgを1日2回服用しますが、副作用が強ければ0.5mgを2回に減らしても問題ありません。
            なお、12週間の治療で禁煙に成功しても、その後の禁煙をより確実にするために追加で服用期間を12週間延長することが可能です。
          
ただし、薬の効果には個人差があるため、チャンピックスが効かない人や、効果が感じられるまで時間がかかる場合もあるので、その際は医師にご相談ください。
チャンピックスの注意点
チャンピックスを服用する上で、注意しなければならないことがいくつかあります。
- 
                服用中は自動車を含む危険を伴う機械の操作は行わない
 →服用後に、めまいや眠気、意識障害などの症状が現れ、実際に自動車事故に至ったケースが報告されています。
 服用期間中は自動車の運転や、危険をともなう作業はお控えください。
- 
                精神症状が出る可能性がある
 →因果関係は明らかではありませんが、抑うつ気分、不安、敵意などの精神的変調が起こる可能性があります。
 これらの症状が出た場合には服用を中止し、すぐ医師に相談してください。
- 
                他の禁煙補助薬と併用しない
 →ニコチンを含む禁煙補助剤(ニコチンガム・ニコチンパッチなど)とチャンピックスは併用しないでください。
- 
                テオフィリン、ワルファリン、インスリン等を使って治療中の方は、使用中の薬の用量を調整しなくてはいけない可能性がある
 →禁煙によって身体に生理的な変化が生じることで、治療に影響する可能性があります。
 また、CYP1A2という酵素で代謝される薬(クロザピン、オランザピンなど)も同様です。
ここからは飲み合わせや服用時の注意点について、詳しく見ていきましょう。
服用できない方
有効成分バレニクリンや添加剤にアレルギーがあると、チャンピックスを服用することができません。
アレルギーがある方は、診察時に医師に申し出るようにしてください。
服用に注意が必要な方
以下の人は医師に必ずお伝えください。
-  統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患のある患者
 →精神症状を悪化させるおそれがあり、病状によっては服用ができないことがあります。
-  腎機能障害のある患者
 →腎機能に問題があると薬の代謝が遅れてしまい、必要以上に効果が強くなることや、副作用が出やすくなることがあります。
-  妊婦または妊娠の可能性がある女性
 →禁煙治療のメリットが危険性を上回ると判断された場合にのみ服用が可能になります。
-  授乳中の女性
 →治療と母乳栄養のメリットを考慮しつつ、授乳の中止または継続するか医師の判断が必要になります。
-  高齢者
 →重度の腎機能障害があれば用量の調整が必要になり、一般的に生理機能が低下していることから服用には医師の判断が必要になります。
-  小児等
 →国内では小児等を対象とした臨床実験は実施されていません。診療・処方できるかは医療機関でも異なります。
併用禁忌・併用注意
| 併用禁忌 なし | 併用注意 
 | 
チャンピックスとの併用が禁忌とされている薬の報告はありません。
            胃酸を抑える薬として使用されるシメチジンと併用してしまうと、チャンピックスが身体に取り込まれる量が増えるおそれがあります。
            特に、重度の腎機能障害が認められている方は併用に注意が必要です。
          
また、他のニコチン製剤(ニコチンパッチ・ガム)と併用した場合の有効性はわかっておらず、副作用が出やすくなるおそれもあるので原則併用はできません。
チャンピックスの副作用
            チャンピックスの副作用で、最も現れやすい症状が吐き気です。
            服用量にともなって発生頻度が高まるため、治療開始から用量が変化する第1〜2週目はご注意ください。
            服用の際は、食後に多めの水で飲み、ひどい場合には吐き気止めを併用しても問題ありません。
          
その他、注意が必要な副作用が現れる場合があるため、受診される際には医師に既往や治療中の症状、運転に関わる仕事などあればご相談ください。
- 吐き気
- 不眠症
- 異常な夢
- 頭痛
- めまい
- 眠気
- 傾眠
- 便秘
注意が必要な副作用
- 意識障害(意識低下・消失)
- 皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑
- 血管浮腫(顔や舌、唇、喉)
- 肝機能障害、黄疸
チャンピックが出荷停止中の理由
 
            
            チャンピックスは現在出荷停止中のため、現在取り扱いのあるクリニックはありません。
            出荷停止の理由は、2021年6月、一部の製品に基準値を超えるニトロソアミン(N-ニトロソバレニクリン)が含まれていることが判明したためです。
          
            ニトロソアミンとは発がん性の可能性がある物質ですが、今回は製造過程で混入したものであり、チャンピックス自体には問題ありません。
            なお、これまでチャンピックスで治療を受けられていた方への健康被害の可能性は低いとされています。
          
            チャンピックスの出荷再開については、ファイザー社からの発表によると、2025年の上半期をめどに出荷再開を目指していることがわかっています。
            ただし、まだはっきりとした再開の期日が確定していないのが現状です。
          
そのためチャンピックスで治療したい方は、ジェネリック薬をお選びください。
当院で処方するチャンピックスジェネリック
            当院ではチャンピックスジェネリックの自由診療での処方を行っています。
            禁煙プログラムは以下の2つです。
          
| 製品 | 価格(税込) | 定期配送 | 
|---|---|---|
| 12週間禁煙プログラム | 36,000円 (12,000/月) 1日あたり 429円 | 42,000円 (14,000/月) 1日あたり 500円 | 
| 24週間禁煙プログラム | 64,800円 (10,800/月) 1日あたり 387円 | 75,600円 (12,600/月) 1日あたり 450円 | 
| 各プログラムの要点 | |
|---|---|
| 12週間禁煙プログラム | チャンピックスの基本の治療期間である12週間をカバーできるプログラム。 | 
| 24週間禁煙プログラム | 禁煙の継続をしっかりサポートする24週間の長期プログラム。 1日あたりの費用を抑えられ、コストパフォーマンスにも優れています。 | 
            当院のチャンピックスジェネリックは海外の製薬メーカーと直接提携しているため、安全に安く提供することが可能です。
            また、来院診療に加えオンライン診療も行っているため、通院の時間が取れない方も受診しやすくなっております。
          
            離脱症状を抑えて禁煙したい方は、当院の診察をご予約ください。
            WEB・LINE予約ではカレンダーからご希望のお日にちをお選びいただけます。
          
チャンピックスで禁煙治療の成功率を上げよう
            禁煙する際に離脱症状が出ると、自分の意志だけで禁煙するのは難しい場合もあります。
            そんな時に、チャンピックスは強い味方となる補助薬です。
          
- タバコのおいしさを減らし、離脱症状を抑える
- 12週間の治療が基本
- 服用中は車の運転などはしない
- 副作用の吐き気に気を付ける
- 先発薬は出荷停止中のため、ジェネリックがおすすめ
離脱症状を抑えて禁煙をスムーズに行いたい方は、チャンピックスを活用してみてください。
現在チャンピックスは出荷停止中のため、成功率が高く簡単な方法で禁煙をしたい方は、当院で処方するチャンピックスジェネリックを代用してください。
チャンピックスによくある質問
- 
                  - Q
                      チャンピックスの代替手段は何がありますか?
- A
                      チャンピックスの代替手段として、チャンピックスジェネリックがあります。
 その他、禁煙成功率は劣りますが、ニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン製剤があります。 禁煙の薬について チャンピックスとニコチネルの違い
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      チャンピックスが出荷停止しているのはなぜですか。
- A
                      一部の製品から、基準値を超えるN-ニトロソバレニクリンが検出されたため出荷停止となっています。
 現在は自主回収されており、販売元のファイザーの見解によれば、すでに治療を受けられた方への健康被害の可能性は低いと発表されています。
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      チャンピックスを飲み始めてから、吐き気がひどいです。
 吐き気止めを併用しても良いですか。
- A
                      吐き気止めの併用は問題ありません。
 それでも吐き気によって服用が厳しいと感じるようであれば、医師と相談して1回の服用量を変更するようにしましょう。
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      チャンピックス12週間分で禁煙できるか不安です。
- A
                      チャンピックスは12週間の治療期間が基本となりますが、続けられるか不安、より確実に禁煙したいという方は追加で12週間の延長が可能です。
 その場合は1mgを朝夕食後の1日2回服用する形となります。
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      チャンピックスはどこで入手できますか?
- A
                      現在チャンピックスは出荷停止中のため、チャンピックスの先発薬を入手する方法はありません。
 代替手段であるチャンピックスジェネリックは自由診療のクリニックや、海外通販で入手可能です。
 ただし海外通販はリスクが多いため、クリニックでの処方を推奨します。 チャンピックス通販(個人輸入)は危険
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      ニコチンパッチが体に合わないので、途中からチャンピックスに変更しても大丈夫ですか?
- A
                      可能です。ただし、ニコチンパッチを使用していた期間や患者さまの状態の確認が必要になるため、必ず医師の診断を受けてください。
 
- Q
                      
- 
                  - Q
                      少量ですがドーパミンが放出される薬なので、チャンピックス自体に依存性があるか不安です。
- A
                      チャンピックス服用による依存性については、報告がないのでその心配ないと考えられます。
 
- Q
                      
この記事の監修
 
                                (はっとり けいた)医師
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務

 
                            
 
                                        


服用の途中で「禁煙ができた」と感じても、自己判断での中断はせず治療を続けてください。
途中でタバコを吸ってしまっても、重くとらえず次のチャレンジに失敗を生かしましょう。