フルチカゾン点鼻液(フルナーゼ)の効果・使い方・副作用

更新日:2026/01/23
フルチカゾン点鼻液(フルナーゼ)の効果・使い方・副作用のイメージ

【2月2日より処方開始】

フルチカゾン点鼻液(フルナーゼ)は、花粉症などのアレルギー性鼻炎やそれ以外の鼻炎に使われるステロイドの点鼻液です。
鼻の中の炎症を抑えることで、鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの症状を和らげます。

使用してすぐに変化が出る即効性のあるものではありませんが、継続して使うことで効果が得られる薬です。

フルチカゾン点鼻液50μgの概要
正式名称 フルチカゾンプロピオン酸エステル
先発薬 フルナーゼ
薬の種類 鼻噴霧用ステロイド薬
(局所で炎症を抑える)
特徴 炎症を抑えるステロイドが、鼻づまりなどの鼻粘膜の過敏な反応を根本から鎮める
効能・効果 アレルギー性鼻炎(花粉症など)、血管運動性鼻炎(寒暖差など)
副作用 鼻の刺激感・乾燥感、鼻出血、頭痛 など
用法・用量
(成人)
通常左右の鼻に1噴霧ずつを1日2回(最大1日8噴霧)
併用注意 CYP3A4阻害薬(リトナビル等)
注意点 全身の真菌症(カンジダ等)の方、本成分にアレルギーのある方 など

本記事では、フルチカゾン点鼻液の基本的な効果や副作用、正しい使い方などを詳しく紹介します。

こんな方におすすめ
  • 鼻づまりが深刻で、夜ぐっすり眠りたい方
  • 眠気が出ない点鼻液を探している方
  • ステロイドでも全身への副作用が少ない薬を選びたい方
  • 仕事や勉強のパフォーマンスを落としたくない方

フルチカゾン点鼻液以外の花粉症治療薬も確認したい場合は以下のページをご覧ください。 花粉症治療薬

フルチカゾン点鼻液の効果

フルチカゾン点鼻液は、鼻粘膜で起きているアレルギー性炎症に対して、ステロイド(合成副腎皮質ステロイド)の抗炎症作用により反応を抑えます。

フルチカゾン点鼻液には以下の効果があります。

フルチカゾン点鼻液の効果
改善する症状 くしゃみ、鼻水、鼻づまり
(特に鼻づまりに高い効果)
効果の持続 1日2回の使用で24時間安定した効果を発揮

鼻詰まりを「火事」に例えると、フルチカゾンは火元を消し止める消火剤です。
市販の血管収縮剤が煙を払うだけの応急処置なのに対し、炎症を根本から鎮め、鼻粘膜を火に強い燃えにくい壁へと作り変えるイメージです。

アレルギー性鼻炎だけでなく、温度変化で鼻水が出る「寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)」などの非アレルギー性鼻炎にも有効です。

ステロイド点鼻液の作用機序

フルチカゾン点鼻液作用機序

フルチカゾン点鼻液の作用機序は、鼻粘膜の細胞内で炎症を抑えるタンパク質を増やし、アレルギー反応を抑制します。

1. 炎症を鎮めるタンパク質の合成

細胞の核に働きかけ、炎症を抑えるタンパク質(リポコルチンなど)の合成を促進します。これにより、すでに腫れてしまった鼻粘膜の炎症を鎮めます。

2. 炎症を引き起こす物質の抑制

アレルギー症状の元となるヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が、細胞から放出されるのを強力に抑えます。

3. アレルギー細胞の集結を防ぐ

炎症部位に好酸球などの免疫細胞が集まってくるのを防ぎ、鼻の粘膜が過敏になりすぎるのを抑制します。

ステロイド点鼻液の特徴

ステロイド点鼻液には以下の特徴があります。

ステロイド点鼻液の特徴
  • 即効性よりも「継続」:
    血管収縮剤のように数分で鼻が通るわけではありませんが、数日(1〜3日)使い続けることで効果が安定します。
  • 全身への安全性が高い:
    鼻粘膜に直接作用し、体内に吸収される量はごくわずかです。ステロイド特有の全身性の副作用は起こりにくいとされます。

市販の花粉症薬には、血管収縮剤入り点鼻液がありますが、長期使用には不向きです。

この薬は即効性がある反面、使い続けると効きにくくなる場合があります。
さらに使用を続けることで、鼻づまりの悪化(薬剤性鼻炎)の原因になる場合があります。

そのため、花粉症のように症状が続く場合は、ステロイド点鼻液の方が適しています。

なお、全身性のステロイド剤と比べると可能性は低いですが、長期・大量投与では全身性作用が起こり得るため、定期的な確認が推奨されます。

フルチカゾン点鼻液の使い方

フルチカゾン点鼻液の基本的な使い方と手順は以下のとおりです。

項目 内容
基本 通常、1回 各鼻腔1噴霧(50µg)を1日2回
増減 症状により最大1日4回(計8噴霧)までとする
大事なこと 十分な効果には継続使用が重要
使用の手順
使用前準備
  • 容器を振る
    キャップを外し、容器を上下によく振る
  • 初回は空押し
    最初は数回空噴霧(慣らし噴霧)して霧状になるのを確認
  • 鼻をきれいにする
    軽く鼻をかむ(鼻水が多いと薬が届きにくい)
噴霧方法
体勢は頭をややうつむき加減にし、容器を垂直に立てる
  • ノズルを入れる
    ノズル(先端部分)を鼻の穴に入れ、鼻中隔(鼻の真ん中の壁)に当たらないよう、やや外側に向けて入れる
  • 噴霧する
    止まるところまで押し上げ、1回噴霧する(強く押すと液だれすることがあるので注意)。
  • もう片方も
    もう片方の鼻にも同じように噴霧する
使用後
  • 強く吸い込むと喉に薬が落ちて苦味を感じるため、軽く吸い込む程度にする
  • 容器のノズルを拭いて清潔に保つ

使い忘れ・使用の中止について

使い忘れに気づいた時点で1回分を行ってください。
ただし次の使用時間が近い場合は飛ばして、2回分をまとめて使わないでください。

自己判断での中止はせず使用を続けてください。
花粉症の時期は、症状が落ち着いてもぶり返しやすいことがあります。
さらに、シーズンが始まる前から初期療法として、抗原との接触がなくなるまで続けるのが望ましいとされています。

使用時のポイント

フルチカゾン点鼻液を使用する際は、以下のポイントをチェックしましょう。

フルチカゾン点鼻液の
使用時のポイント
  • 毎日の使用継続により、効きが安定しやすい
  • できれば同じタイミングで使うことで習慣化しやすい
  • 花粉症の症状は鼻だけではないため、他の花粉症薬との併用

フルチカゾン点鼻液の副作用

フルチカゾン点鼻液の主な副作用は、鼻の刺激感、乾燥感、鼻出血などです。
この薬は鼻の中でのみ作用するため、経口薬と比べ全身への副作用の影響は比較的少ないとされています。

副作用の頻度は低いですが、以下の症状が報告されています。

主な副作用 頻度の目安
鼻の刺激感、乾燥感、鼻出血、不快臭 など 0.1〜1%未満
のど 口の刺激感・乾燥感、味覚の違和感 など 0.1%未満
神経系 頭痛、ふるえ など 0.1%未満〜頻度不明
重大な
副作用
アナフィラキシー(呼吸困難、全身紅潮、血管性浮腫、蕁麻疹など) 頻度不明
その他 眼圧上昇、鼻中隔穿孔、鼻潰瘍 頻度不明

鼻粘膜の乾燥や刺激、出血などの副作用は使いすぎによる恐れがあるため、十分に注意しましょう。

症状が強く出る場合や長く続く場合は、使用を中止し医師にご相談ください。

フルチカゾン点鼻液の注意点

フルチカゾン点鼻液を安全に使用するため、注意点を事前に確認しておくことが大切です。
体調や状況によっては使用に注意が必要な場合もあります。

フルチカゾン点鼻液の注意点
  • 本剤でアレルギーを起こしたことがある方
  • 鼻の中に感染症(真菌・結核など)がある方
    ( ステロイドが免疫を抑え、感染を悪化させる恐れがあり)
  • 鼻の中に傷がある、または手術後間もない方
  • 全身性ステロイド剤を併用している方
  • 妊婦・授乳中の方
    (医師が治療の有益性が危険性を上回ると判断した場合のみ処方)

以上に該当する方は、使用前に医師や薬剤師に相談してください。

他の薬との併用について

多くの花粉症用飲み薬(アレグラ、アレジオンなど)と併用可能です。
ただし、CYP3A4阻害作用のある薬剤(例:リトナビル等)を使用している方は、併用する際は慎重な判断が必要です。

併用注意薬
  • CYP3A4阻害作用のある薬剤
    (例:リトナビル等)

    血中濃度上昇、全身性副作用(クッシング症候群、副腎皮質機能抑制など)の報告あり

他の花粉症薬との比較

他の花粉症薬との比較は以下のようになります。

成分名 主な効果 特徴 適した人
フルチカゾン点鼻液
(ステロイド)
アレルギー性鼻炎、
血管運動性鼻炎
標準的で安全性の高い点鼻液
(1日2回使用)
しっかりと鼻づまりを抑えたい方
モメタゾン点鼻液
(ステロイド)
アレルギー性鼻炎 強い抗炎症・アレルギー作用
(1日1回の使用)
回数を減らし、しっかりと鼻づまりを抑えたい方
ビラノアOD錠
(抗ヒスタミン薬)
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚のかゆみなど 効果が高く眠気が出にくい
(空腹時に服用)
花粉症全体の症状を抑えたい方
モンテルカスト
(ロイコトリエン受容体拮抗薬)
アレルギー性鼻炎、気管支喘息 鼻づまりに強く、夜1回で効く抗アレルギー薬 鼻づまりを抑えたい方
ナファゾリン等
(血管収縮剤)
鼻づまり、目の充血 即効性があり鼻づまりを改善
(使いすぎに注意)
すぐに鼻の炎症を抑えたい方

※作用には個人差あり
※横にスクロールできます

比較のポイント
  • モメタゾン点鼻液は、効果が強く使用回数が少ないため長く作用する
  • モンテルカストは鼻炎だけでなく、喘息などほかのアレルギー症状を伴う場合に選択される
  • 鼻の症状に加えて目のかゆみや全身症状がある場合は、内服薬と点鼻液を組み合わせて使用される場合あり

他の花粉症薬については以下のページで確認できます。 花粉症薬の種類と選び方

フルチカゾン点鼻液の入手方法

フルチカゾン点鼻液は医療機関での診察を受け、医師の判断により処方される医薬品です。

一方、同じ有効成分を含む先発薬の は現在スイッチOTC薬として市販されています。

「まずは手軽に」という方は市販のフルナーゼが便利ですが、「しっかり、安全に治したい」という方には、クリニックでの処方がおすすめです。

当院で対応するオンライン診療では、通院の手間を省きながら、フルチカゾン点鼻液を自宅に届けてもらうことも可能です。

当院のフルチカゾン点鼻液の価格

以下フィットクリニックで処方しているフルチカゾン点鼻液の処方価格です。

商品名 用量 料金
フルチカゾン
点鼻液
50μg(56噴霧) 2本 4,180円
(1ヶ月分)

フルチカゾン点鼻液が効きにくい場合

フルチカゾン点鼻液を使用しても効果が得られにくい場合には以下の理由があります。

フルチカゾン点鼻液が
効きにくい場合
  • 使用開始直後
    即効性は弱いため、使用後1~3日かかる場合あり
  • 鼻炎の原因がアレルギーではない
    感染症による鼻炎や薬剤性鼻炎などの場合、効果が得られない場合あり
  • 噴霧の向き・タイミングが合っていない
    患部に薬が届いていない可能性がある

効きにくい場合の対策として、
・医師の判断で別の点鼻薬への変更
・他の原因の特定
・鼻の状態確認
があります。

効きにくいと感じた場合は、医師にご相談ください。

フルチカゾン点鼻液を正しく使って辛い鼻炎を抑える

フルチカゾン点鼻液のまとめ
  • フルチカゾン点鼻液(フルナーゼ)は、花粉症などのアレルギー性鼻炎や寒暖差などによる鼻の炎症を抑えるステロイド点鼻液。
  • 鼻づまり・鼻水・くしゃみの改善が期待でき、1日2回の使用で症状をコントロールできる。
  • 即効性は強くないため、毎日続けて使うことで効果が安定しやすくなる。
  • 主な副作用は、鼻の刺激感・乾燥・鼻出血などで、症状が続く場合は医師・薬剤師の受診を検討する。
  • 他の花粉症薬との併用の際は自己判断は避け、処方時の用法用量を守り使用することが大切。

花粉症は、鼻づまりで睡眠の質が落ちたり、日中の集中力が下がったりと、生活への影響が大きい症状です。
フルチカゾン点鼻液は、鼻の炎症を抑えることで、シーズン中のつらい鼻の症状を安定的にコントロールしやすい選択肢のひとつです。

飲み薬だけでは鼻づまりが十分に改善しない場合でも、フルチカゾン点鼻液を組み合わせることで症状が落ち着くことがあります。

フルチカゾン点鼻液に関するよくある質問

  • Q
    フルチカゾン点鼻液は症状が消えたらやめていい?
    A
    粘膜の炎症はすぐには消えません。症状が治まっても、シーズン中は継続することで、ぶり返しを防げます。
  • Q
    フルチカゾン点鼻液はフルナーゼとどのような違いがありますか?
    A
    フルナーゼは先発品、フルチカゾンはそのジェネリックです。有効成分は同じですが、フルチカゾンの方がお薬代を安く抑えられます。
  • Q
    フルチカゾン点鼻液は1日何回使用しますか?
    A
    通常、成人は1日2回(朝・晩)各鼻腔に1回ずつ噴霧します。
  • Q
    フルチカゾン点鼻液は子供が使用しても大丈夫ですか?
    A
    一般的に小児用の用量があり、そちらが使用されます。成人用の使用はお控えください。
    ※当院では小児用の処方は行っておりません
  • Q
    フルチカゾン点鼻液と併用できる花粉症薬はありますか?
    A
    ビラノアOD錠やモンテルカストなどの飲み薬や、エピナスチンやフルメトロンなどの点眼薬と併用可能です。症状に合わせて医師が調整します。

参考サイト

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この記事の監修

院長名前
フィットクリニック院長
服部 圭太
(はっとり けいた)

【略歴】

平成17年
医療法人財団 河北総合病院 勤務
平成29年
ゴリラクリニック 池袋院 管理者
令和5年~
フィットクリニック院長 勤務