エピナスチン点眼薬は、花粉症などによるアレルギー性結膜炎の症状を改善する抗アレルギー点眼剤です。
先発薬はアレジオン点眼薬で、有効成分としてエピナスチン塩酸塩が含まれています。
この記事では、エピナスチン点眼薬の効果や副作用、使い方、先発薬とジェネリックの違いに加え、エピナスチン塩酸塩LX点眼液やアレジオンLX点眼液0.1%との違いも解説します。
エピナスチン点眼薬(アレジオン点眼薬)とは
エピナスチン点眼薬は、有効成分のエピナスチン塩酸塩がアレルギー反応に関与する物質の働きを抑え、目のかゆみや充血といった不快な症状を改善します。
●エピナスチン点眼薬(アレジオン点眼薬)の概要
| 有効成分 | エピナスチン塩酸塩 |
|---|---|
| 主な効果 | アレルギー性結膜炎による目のかゆみ、結膜充血の改善 |
| 主な副作用 | 眼刺激、異物感、流涙、結膜充血など |
| 重篤な副作用 | アナフィラキシーショック |
| 用法・用量 | 1回1滴、1日4回点眼 (LXは1回1滴、1日2回点眼) |
| 使用上の注意 | 他の点眼薬を併用する場合は、5分以上の間隔を空ける |
その他花粉症治療薬(内服薬・点鼻薬・点眼薬)については以下のページで詳しく解説しています。 花粉症の治療薬について
LXは高濃度タイプ
商品名にLXと付く点眼薬は、有効成分の濃度を高めた高濃度タイプです。
通常のエピナスチン(アレジオン)点眼薬よりも作用が長く持続するのが特徴です。
エピナスチン塩酸塩LX点眼液やアレジオンLX点眼液0.1%は、目の症状が強い場合でも効果を感じやすいよう設計されています。
成分や作用の仕組みはアレジオン点眼薬や通常のエピナスチン点眼薬と同じため、症状の強さに応じて使い分けます。
エピナスチン点眼薬とアレジオン点眼薬の違い
エピナスチン点眼薬とアレジオン点眼薬の違いについては、どちらもエピナスチン塩酸塩を有効成分としているため、効果や副作用に大きな違いはありません。
アレジオン点眼薬は先発薬で、その同一成分を用いて製造されたジェネリック医薬品(アレジオンジェネリック)は複数のメーカーから販売されています。
ジェネリック医薬品は先発薬に比べて開発費用が抑えられている分、値段が低く設定されているため、経済的に花粉症の治療を継続しやすい点がメリットです。
エピナスチン点眼薬の効果
エピナスチン点眼薬は2つの作用によって花粉症などによるアレルギー性結膜炎に以下の効果を発揮します。
効果の詳細
- ヒスタミンH1受容体拮抗作用でアレルギー症状の原因となるヒスタミンの作用を抑制する
⇒花粉などのアレルゲンが目に入った際に起こる、強いかゆみや炎症反応を軽減する - メディエーター遊離抑制作用でアレルギー反応に関与する化学物質の放出を抑える
⇒症状の悪化を防ぐ
目のかゆみや充血、涙が出るといった不快な状態に作用し、日常生活への支障を抑える目的で処方されます。
なお、アレルギー性結膜炎については以下のページで詳しく解説しています アレルギー性結膜炎の詳細
効果発現時間と持続時間
エピナスチン点眼薬およびエピナスチン塩酸塩LX点眼液の効果発現時間と持続時間を以下にまとめました。
効果発現時間と持続時間
- 効果発現時間
点眼後、比較的早い段階(15分程度)から、症状抑制効果が確認されています。 - 効果持続時間
【エピナスチン点眼液(アレジオン点眼液)】 1日4回点眼し、点眼後4時間ほど経過しても、症状抑制効果が確認されている - 【エピナスチン塩酸塩LX点眼液(アレジオンLX点眼液0.1%)】
1日2回点眼し、点眼後8時間ほど経過しても、症状抑制効果が確認されている
効果を実感するまでの時間は点眼後、比較的早い段階から効果を実感する方もいますが、個人差があります。
継続使用することで、目のかゆみや違和感の軽減を実感しやすくなります。
エピナスチン点眼薬の副作用
エピナスチン点眼薬の主な副作用は、以下のとおりです。
| エピナスチン点眼薬の副作用 | |
|---|---|
| [発現頻度] 1~5%未満 |
・眼の刺激感 |
| [発現頻度] 0.1〜1%未満 |
・眼の異物感 ・羞明(光をまぶしく感じる症状) |
| [発現頻度] 不明 |
・眼痛 ・眼瞼炎 ・眼のそう痒感 ・流涙 ・結膜充血 ・目のゴロゴロ感(点状角膜炎) ・眼脂 |
これらの副作用は、点眼直後に一時的に感じるケースが多く、時間の経過とともに自然に軽減することがあります。
ただし、症状が長引く場合や、強い痛み、腫れ、かゆみが悪化する場合は、無理に使い続けず、早めに医師へ相談してください。
子供が注意すべき副作用
エピナスチン点眼薬は、12歳未満の小児を対象とした十分な臨床試験が行われていないため、子供に使用する場合はとくに副作用に注意が必要です。
点眼後に目を強くこする、痛みを嫌がる、涙が増えるといった変化が見られた場合は、早めに使用を中止し医師へ相談してください。
エピナスチン点眼薬の用法・用量
エピナスチン点眼薬の、花粉症における用法・用量は以下のとおりです。
| エピナスチン点眼薬(アレジオン点眼薬)の使い方 | ||
|---|---|---|
| エピナスチン点眼液 (アレジオン点眼液) |
エピナスチン 塩酸塩LX点眼液 (アレジオンLX点眼液0.1%) |
|
| 用法 用量 |
1回1滴を1日4回 (朝・昼・夕・就寝前) 両眼に点眼 |
1回1滴を1日2回(朝・夕) 両眼に点眼 |
| 他の 花粉症薬 との併用 |
内服薬や点鼻薬との併用可能 | |
アレルギー性結膜炎は他の点眼薬と併用するケースも少なくありませんが、その場合は5分以上の間隔を空けて使用します。
他の花粉症治療薬とも併用できますが、それぞれの効果や副作用、使用上の注意点などは必ずご確認ください。
エピナスチン点眼薬の併用注意
エピナスチン点眼薬は、他の点眼薬との併用や体質によって注意が必要となる場合があります。
以下に当てはまる方は、使用前に医師へ相談してください。
- 他の点眼薬を使用している方
複数の点眼薬を併用すると、目への刺激が強く出る場合や、効果に影響を及ぼすことがあります。 - アレルギー体質がある方
過去に点眼薬や医薬品で、かゆみや腫れなどの症状が出たことがある場合は注意が必要です。 - 妊娠中または授乳中の方
安全性が十分に確立されていないため、使用前に医師の判断が必要です。
なお、エピナスチン塩酸塩の成分に対してアレルギー反応を起こしたことがある場合は使用できません。
点眼の際の注意
エピナスチン点眼薬を使用する際は、以下の点を確認してください。
- 点眼前に石鹸などで手を洗い、清潔にする
- 指で下まぶたを軽く引っ張り、容器の先端がまつ毛やまぶた、眼球に触れないようにする
- 汚染を防ぐため、点眼容器を他人と共用しない
- 他の点眼薬を併用する場合は、薬液が混ざったり効果が弱まったりするのを避けるため、5分以上の間隔をあけて点眼する
コンタクトは外してから点眼する
エピナスチン点眼薬を使用する際は、基本的にコンタクトレンズを外してから点眼してください。
アレルギー性結膜炎の治療中は、コンタクトレンズの使用自体控えることが望ましいです。
もし使用する場合は点眼時にいったん外し、再装着まで5分以上間隔をあける必要があります。
ソフトコンタクトレンズは成分や防腐剤を吸着しやすいため、装着したままの点眼は避けてください。
ハードコンタクトレンズは、多くの点眼薬で装着したまま使用可能とされていますが、アレルギー性結膜炎の治療中は目への負担を考慮し、外してから点眼してください。
エピナスチン点眼薬が効かない場合
エピナスチン点眼薬を使用しても十分な効果が感じられない場合、以下のような原因が考えられます。
効かないケース
- 花粉の飛散量が多く、症状が強く出ている
- 使用回数や点眼方法が適切でない
- 点眼薬の作用が合っていない
- 症状の程度に対して、エピナスチン点眼薬の効果が十分でない
- アレルギーの原因が花粉以外である
症状に対してエピナスチン点眼薬で十分な効果が感じられない場合は、フルメトロン点眼薬など、作用機序の異なるステロイド点眼薬が選択されることがあります。
花粉症の他の症状も併発している場合は内服薬や点鼻薬といった、症状に適した薬を併用すると効果的です。 ビラノアの詳細 モンテルカストの詳細 モメタゾン点鼻薬の詳細
エピナスチン点眼薬の入手方法
エピナスチン(アレジオン)点眼薬はクリニックや眼科や内科などを受診すれば、症状に応じて処方を受けることができます。
一方、市販されていない処方医薬品のため、ドラッグストアや一般的なネット通販では購入できません。
通院が難しい場合でもオンライン診療に対応したクリニックを利用する方法で入手することができます。
エピナスチン点眼薬で花粉症に備えましょう
エピナスチン点眼薬は、花粉症による目のかゆみや充血を抑える効果が期待でき、毎日の生活への負担を軽減できる治療薬です。
- アレルギー反応の原因に直接作用する
- 花粉症内服薬や点鼻薬との併用もできる
- 症状が出てからの対処だけでなく、継続使用によって症状の安定化に期待できる
- 先発薬のアレジオン点眼薬やジェネリック医薬品などの選択肢もある
- 0.05%の成分量のほか、0.1%の成分量のLXもある
- 市販はしていない処方薬のため、クリニックで購入する
花粉症は、症状が強く出る前から対策を始めることが大切です。
早めに準備し、つらい季節を快適に乗り切りましょう。
当院ではオンライン診療による花粉治療を行っています。
エピナスチン点眼薬(アレジオン点眼薬)に関するよくある質問
-
- Q
エピナスチン点眼薬とはどのような薬ですか?
- A
花粉症などが原因で起こる、アレルギー性結膜炎の症状を改善する抗アレルギー点眼剤です。
有効成分のエピナスチン塩酸塩がアレルギー反応を抑え、目のかゆみや充血をやわらげる目的で使用されます。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼薬はアレジオン点眼薬とどのような違いがありますか?
- A
アレジオン点眼薬は先発薬で、エピナスチン点眼薬はそのジェネリック医薬品にあたるため、値段が抑えられている点が主な違いです。
どちらも有効成分が同じエピナスチン塩酸塩のため、効果や副作用に大きな違いはありません。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼液とエピナスチン塩酸塩LX点眼液0.1%は何が違いますか?
- A
エピナスチン塩酸塩LX点眼液0.1%は、有効成分の濃度を高めたタイプで、通常のエピナスチン点眼薬よりも長時間作用するのが特徴です。
成分や作用の仕組みは同じですが、点眼回数が朝夕の2回となります。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼薬はコンタクトを付けたまま使えますか?
- A
基本的には、コンタクトレンズを外してからの点眼となります。
点眼後、5分以上経過してから再装着してください。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼薬は子供でも使えますか?
- A
子供にも処方されることがありますが、12歳未満の小児では十分な臨床試験が行われていないため、使用する場合は副作用に注意し、医師の判断に従うことが大切です。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼薬とアレグラを同時に使えますか?
- A
エピナスチン点眼薬とアレグラは同時に使用できます。
アレグラはフェキソフェナジンが有効成分の内服薬で、作用する部位が異なるため、併用して花粉症の症状を抑える治療がおこなわれることがあります。
どちらの成分に対しても過敏症の既往歴がないことなど、安全に使用できるかの確認は行いましょう。
- Q
-
- Q
エピナスチン点眼薬はどのくらい使い続けたら効果がありますか?
- A
使用開始後、数時間〜1日程度で、かゆみや充血などの症状が軽減することが多いとされています。
ただし、効果の感じ方には個人差があり、症状や重症度によって違いがあります。
花粉症などが原因のアレルギー性結膜炎では、症状がある期間は継続的な使用が推奨されます。
- Q
参考サイト
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この記事の監修
(はっとり けいた)
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務