ビラノアは、有効成分ビラスチンを含む抗ヒスタミン薬で、花粉症に伴うアレルギー性鼻炎のほか、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うかゆみなどの治療に使われています。
従来の薬で眠気や効き目に不満を感じている方に選ばれることが多く、日常生活への影響をできるだけ抑えつつ症状改善を期待できます。
| ビラノアの概要 | |
|---|---|
| 成分名 | ビラスチン(Bilastine) |
| 主な効果 | アレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎等に伴う皮膚のかゆみの改善 |
| 主な副作用 | 眠気、頭痛、口渇、下痢など |
| 重篤な副作用 | ショック、アナフィラキシー |
| 用法・用量 | 通常、成人は1回20mgを1日1回空腹時(食後から2時間以降)に服用 |
| 服用禁止 | 成分に対して過去に過敏症を起こしたことがある方 |
| 服用注意 | 腎機能障害のある方、高齢者、妊娠・授乳中の方など |
本記事では、ビラノアの効果や副作用を中心に、正しい飲み方や使用時の注意点までわかりやすく解説します。
- 眠気をできるだけ抑えつつ、花粉症の症状をしっかり抑えたい方
- これまで使っていた薬の効果が弱く感じている方
- 日中に車の運転や集中力を必要とする作業が多い方
- 複数回の服用を忘れがちな方
ビラノアの効果・作用機序
ビラノアは、花粉症などのアレルギー症状の原因となるヒスタミンの働きを抑えることで、くしゃみや鼻水などの症状を改善します。
有効成分であるビラスチンがヒスタミンH1受容体に結合し、アレルギー反応が起こる流れを抑える仕組みです。
そのため、症状が出る前から服用を開始すると、症状を抑えやすいとされています。
花粉症以外にも、蕁麻疹や皮膚のかゆみなど、アレルギーが関与する症状に対して効果を発揮します。
眠気の出にくさと効き目の強さについて
ビラノアは、従来の第一世代抗ヒスタミン薬と比べて眠気が出にくいとされている薬です。
効き目に関しても、他の花粉症の薬に比べて強めの作用が期待できる薬の一つです。
第一世代の薬は、アレルギー症状を抑える一方で脳にも作用しやすく、強い眠気や集中力低下が起こりやすい特徴がありました。
一方、ビラノアは脳へ移行しにくい性質を持ち、必要な部分に選択的に働くよう設計されています。
そのため、日中の仕事や家事、車の運転がある方でも使いやすい点が従来の第一世代抗ヒスタミン薬との大きな違いです。
実際の成人試験では、服用による傾眠は 5〜6%程度(プラセボと同程度〜やや高いくらい)と報告されており、眠気の出る方もいます。
効き目に関しても、他の薬と比べてもしっかりした効果が報告されています。
効果の発現・持続時間について
ビラノアは服用後、比較的早い段階で効果が表れる薬です。
空腹時に服用した場合、およそ1時間前後で効果の発現が期待できるとされ、その後も有効成分が24時間体内にとどまるとされています。
理由として、他の薬に比べ半減期が長いことから長時間持続できるとされています。
そのため1日1回の服用で済み、服用の負担や飲み忘れを防ぐことにも繋がります。
他の薬との比較
ここでは、よく使われる花粉症の薬と比較し、下記のとおり分かりやすくまとめました。
| 薬剤名 | 作用の強さ | 眠気 | 服用回数 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ビラノア | 強い | 出にくい | 1日1回 (空腹時) |
眠気が出にくく、日中の活動への影響を抑えられる 空腹時服用がポイント |
| ルパフィン | 強い | 出やすい | 1日1回 | 効果はしっかりめだが、眠気には注意が必要 |
| ジルテック | 強い | 比較的出やすい | 1日1〜2回 | アレルギー性鼻炎・じんましんに広く使われる。効果は強めだが、眠気が比較的問題になりやすい。 |
| ザイザル | 比較的強い | 比較的出やすい | 1日1回 | 効果はしっかりしているが、眠気が出る人もいるため、就寝前投与が選ばれることが多い |
| アレジオン | 中等度〜 比較的強い |
比較的出にくい | 1日1回 | 眠気は比較的少ない。 花粉症シーズンなどで継続投与されることが多い |
| アレグラ | 穏やか〜 中等度 |
比較的出にくい | 1日2回 |
日中の眠気を避けたい人に選ばれやすい。 市販薬もあり、マイルドな効き目のため、使い慣れている人が多い。 |
| クラリチン | 穏やか | 出にくい | 1日1回 |
1日1回で服用しやすく、眠気が少ない。食後服用、持続性がある。 花粉症から通年性まで幅広く使用される。 |
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眠気と効き目は以下の表を参考にしてください。
ビラノアの副作用
ビラノアの副作用には以下のものが見られます。
| ビラノアの副作用 |
|---|
主な副作用(1%未満)
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まれにみられる副作用(頻度不明)
|
重篤な副作用
|
ビラノアは、従来の抗ヒスタミン薬と比べて副作用が比較的出にくいとされています。
特に、第一世代の抗ヒスタミン薬で問題になりやすかった強い眠気や口の渇き(抗コリン作用)などが軽減されている点が特徴です。
副作用の負担を抑え、日常生活への影響を軽減しながら治療に用いられます。
車の運転や危険機械の作業
ビラノアは眠気が出にくい特徴がありますが、すべての方に同じように作用するわけではありません。
体質やその日の体調によっては、服用後にわずかな眠気や集中力の低下を感じる場合があります。
そのため、服用を開始した直後や体調に不安がある日は、車の運転や危険機械の操作は注意が必要です。
万が一、眠気や判断力の低下を感じた場合は、無理をせず作業を控えましょう。
ビラノアの飲み方
ビラノアは、効果を十分に得るために正しい飲み方を守ることが重要です。
特に食事の影響を受けやすい薬のため、服用するタイミングには注意が必要となります。
下記より、基本的な服用方法をわかりやすくまとめました。
| ビラノアの飲み方 | |
|---|---|
| 用量と回数 | 通常、成人は1回20mgを1日1回服用 |
| 飲み方のポイント | コップ1杯程度の水で服用し、毎日できるだけ同じ時間帯に飲む |
| 食事との関係 |
食後に飲むと効果が弱まることがあるため、空腹時に服用する 服用後も吸収の低下を防ぐため、食事を摂るまで1時間以上あける |
| 服用のタイミング | 眠気が出にくい薬ですが、最初の服用時や眠気を感じる場合は、運転や危険な作業を避けてください。 |
| 飲み忘れた場合 |
気づいた時点で1回分を服用 ただし、次の服用時間が近い場合は飛ばし、2回分を一度に飲まないようにする |
加えて、ビラノアには水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)もあります。
花粉症での服用期間
花粉症でビラノアを服用する場合は、症状が出始める少し前からシーズン終了まで継続して飲む方法が一般的です。
症状が強くなるピーク時だけ飲む方法もありますが、あらかじめ服用しておくことで、症状の悪化を抑えやすくなります。
一方、ダニやハウスダストなどによる通年性のアレルギー症状がある場合は、長期間の服用が推奨されます。
ビラノアの注意点
以下はビラノア使用時の注意点です。
| ビラノアの注意点 |
|---|
|
ビラノアを服用できない人
ビラノアは副作用の頻度は比較的少ないとされていますが、体質や状況によっては服用できない場合があります。
以下に該当する方は、ビラノアの服用を避けてください。
| ビラノアを服用できない人 |
|---|
|
授乳中の方は、原則として使用を避け、医師と相談のうえで授乳を中止するか薬を変更する必要があります。
15歳未満の小児では有効性・安全性が確立していないため、通常は使用しません。
ビラノアの併用禁忌・併用注意
| 併用禁忌 |
|---|
| 現在、報告されていません。 |
| 併用注意 | |
|---|---|
| エリスロマイシン | ビラノアの血中濃度が上昇するおそれがある |
| ジルチアゼム | 併用により薬の作用が強まる可能性がある |
| 一部の抗真菌薬 (例: ケトコナゾール) |
血中濃度が上昇する可能性が報告されている |
以上の薬を使っている場合は、副作用が強く出るおそれがあるため、必ず医師にご相談ください。
グレープフルーツが含まれるジュースやお酒等も、薬の吸収を低下させ効果が弱まる可能性があります。
市販薬からビラノアへの切り替え
市販薬は手軽に入手できる一方、症状が強い場合や長期間続くケースでは十分な改善が得られないことがあります。
そのため、処方薬であるビラノアへの切り替えも選択肢の一つです。
以下のような状態の場合、ビラノアへの切り替えを検討しても良いタイミングです。
ビラノアへ検討のタイミング
- 薬を飲んでも症状が長引いている
- 仕事や家事に集中できず、日常生活に支障が出ている
- 鼻づまりやくしゃみで夜眠れない日が続いている
ビラノアで花粉症に備えましょう
ビラノアは、眠気など日常生活への影響をできるだけ減らし、花粉症のつらい症状をしっかり抑えたい方が検討されることが多い治療薬の一つです。
抗ヒスタミン薬の副作用のなかでも代表的な眠気が出にくく、仕事や家事、車の運転がある方でも使いやすいです。
さらに1日1回の服用で効果が持続するため、服用の負担も軽減できる可能性があります。
また、花粉症の症状は人によって異なり、鼻水やくしゃみが中心の方もいれば、鼻づまりや目のかゆみが強く出る方もいます。
そのため、ビラノア単体での治療だけでなく、点鼻薬や点眼薬などを組み合わせることで、より快適な状態を目指すことも可能です。
ビラノアに関するよくある質問
-
- Q
ビラノア服用後の車の運転はできますか?
- A
ビラノアは、他の一部の抗ヒスタミン薬と比べて眠気が出にくい薬とされており、添付文書上も自動車運転に関する特別な禁止は記載されていません。
ただし、体質や体調によっては眠気や注意力の低下が出ることもあるため、服用直後や体調がすぐれない日は運転を控えることをおすすめします。
実際に眠気を感じた場合は、運転や危険な作業は行わないでください。
- Q
-
- Q
アレグラ(フェキソフェナジン)との違いは?
- A
どちらも眠気が出にくい抗ヒスタミン薬です。
ビラノアは1日1回の服用で効果が持続し、食事の影響を受けやすい点が特徴です。
一方、アレグラは1日2回服用が基本となります。
- Q
-
- Q
ビラノアにステロイドは入っていますか?
- A
入っていません。
ビラノアはステロイドを含まない抗ヒスタミン薬です。
- Q
-
- Q
ビラノアを服用すると太りますか?
- A
通常、体重増加を起こす薬ではありません。
まれに体重増加が報告されていますが頻度は高くなく、生活習慣など他の要因が影響している可能性もあります。
- Q
-
- Q
ビラノアは子供も飲めますか?
- A
ビラノアは原則として成人(15歳以上)を対象とした薬で、小児(15歳未満)に対する有効性・安全性は十分に確認されていません。
15歳未満のお子さんへの使用は原則として避け、別の薬を医師にご相談ください。
- Q
-
- Q
ビラノアと他の花粉症の薬と併用しても良いですか?
- A
併用できる場合があります。
点鼻薬や点眼薬などは併用されることが多いですが、内服薬同士の併用は医師への相談が必要です。
- Q
-
- Q
食後にビラノアを服用してもいいですか?
- A
服用はできますが、効果が弱まる可能性があります。
ビラノアは空腹時の服用が推奨されているため、できるだけ食事と時間を空けて飲むことが大切です。
もし服用前に食事をしてしまった場合は、食後2時間以上空けて服用してください。
空腹時に服用した場合、食事を摂るまで1時間以上あけてください。
- Q
参考サイト
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この記事の監修
(はっとり けいた)
【略歴】
- 平成17年
- 医療法人財団 河北総合病院 勤務
- 平成29年
- ゴリラクリニック 池袋院 管理者
- 令和5年~
- フィットクリニック院長 勤務