一般的には「膣トリコモナス症」と呼ばれるため、男性は感染しないと思われがちなトリコモナス感染症。
性別問わず感染する性病の1つで、男性の多くは無症状のため厄介な病気です。
このページでは、男性のトリコモナスの症状や原因について詳しく解説しています。
検査、治療や予防方法についても解説していますので、感染が疑わしい場合には今後の参考にしてみてください。
女性も含めたトリコモナスの基本情報については以下ページをご確認ください。
なお、フィットクリニックではトリコモナスの検査・治療を行っております。
便利なオンライン診療・処方も行っておりますので、ご希望の方は以下のボタンよりご予約をお願いいたします。
トリコモナス感染症について
トリコモナス感染症は、ウィルスや細菌ではなく、肉眼では見えない原虫が性器に寄生・繁殖して発症する性感染症です。
トリコモナス感染症の概要 | |
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原因 | トリコモナス原虫 |
原虫のサイズ | 直径0.01〜0.025mmほど |
感染経路 | 性行為やそれに類似する行為、日用品や不衛生な環境 |
感染する年齢層が幅広いのが特徴で、一般的に感染者数が多い傾向にある10代、20代のみならず、中高年世代への感染もしばしば見られます。
また、日本での感染者数は減ってきているとされてはいるものの、世界ではトリコモナス感染症の感染者数は第1位です。
WHO発表のトリコモナス患者数 | |
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トリコモナス感染症 | 1億5600万人 |
クラミジア | 1億200万人 |
淋病 | 8700万人 |
国内人口よりも患者数が多く、今後のさらなる感染拡大が危惧されています。
訪日外国人の数も回復傾向にあることから、ふたたび日本でも蔓延する可能性は十分にあるため、1人ひとりが予防意識を高く持つことが大切です。
男性は4人中3人が無症状
病気にかかると、そのサインとして症状が出るのが一般的です。
しかしトリコモナス感染症については、感染した男性の約80%は感染に無自覚とされています。
次のような症状を感じることもありますが、症状が軽いか、一過性のため、見逃されてしまうことも少なくありません。
男性のトリコモナスの症状
- 排尿時の軽い痛み
- 尿道口から分泌液(無色〜白色)が出る
- 尿道へのかゆみ・熱感・違和感
また、性器周辺から異臭がするといったこともないので、少しでも不安に感じたら検査するのが望ましいです。
症状が進行した場合
トリコモナス原虫は尿道で繁殖しますが、時間が経つと尿道からさらに奥へと感染を広げていきます。
トリコモナス悪化時の感染部位と症状
- 前立腺
⇒ 前立腺炎を起こし、排尿困難や頻尿が生じることがあり、人によっては慢性化します。 - 精嚢
⇒ 精巣上体炎を起こし、陰嚢(陰部の袋)の腫れ・痛み、発熱などの症状が出ます。 - 亀頭・包皮
⇒ 亀頭包皮炎を起こし、赤みや違和感、痛み、白〜黄色のカスなどの症状が出ます。
排尿トラブルを抱えてしまうことや、精嚢は精子の通り道になるので、精子の活動力の低下や炎症によって塞がれてしまうと不妊の原因にもなりかねません。
自覚症状もしづらく、気づかない間に症状が進んでいることもあるので注意が必要です。
トリコモナスの感染経路や原因
トリコモナスの感染経路は、パートナーとの性行為やそれに類似する行為によって感染しますが、次のような心当たりのない感染を起こすこともあります。
認識しづらい感染経路
- 自己感染
⇒ 前立腺や精嚢に寄生している原虫が精液などを介して尿道に感染する - 日用品の共有による感染
⇒ タオルや下着の共有によって感染する - 共有スペースでの感染
⇒ 便座、浴槽、風呂のイスなどに陰部が触れることで感染する。
感染経路が幅広く、性行為をしていない、あるいは経験がない方であっても、稀にトリコモナスに感染してしまうことがあります。
また、男性は性風俗店や、サウナブームも相まってスーパー銭湯を頻繁に利用する方もいると思います。
いわゆるお土産をもらってしまうリスクがあるので、利用方法には十分注意してください。
感染を知る方法
検査方法としては、検体として尿を採取するため痛みはなく、調べる方法によって検査結果がわかるまでの時間もさまざまです。
トリコモナスの検査方法 | |
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鏡検法(顕微鏡検査) | 数分 |
培養法 | 3〜7日間 |
PCR法 | 1〜2日 |
注意したいのが、鏡検法については見落とすことがあり、男性のトリコモナスには不向きとされていることです。
そのため検査精度にもっとも優れ、結果も早ければ翌日にわかる「PCR法」で検査するのが一般的です。
男性のトリコモナスは無症状なことが多いため、外見の変化や症状で判断するのは難しいです。
さらに尿道炎を起こす性感染症は他にもさまざまあり、感染した病原体を自己判断することもできません。
少しでも気になることがあれば必ず性病検査を受け、可能ならトリコモス以外にも性病の検査項目を増やしましょう。
トリコモナス以外の性病については以下ページで詳しく解説しています。
なお、フィットクリニックでは検査キットを取り扱っております。
検査キットをご希望の方は以下のボタンよりご予約をお願いいたします。
トリコモナス感染症の治療方法
トリコモナス感染症の治療方法は、原因となる原虫を駆除するための抗原中虫薬を用います。
残念ながら自然治癒は期待できないので、放置して症状を悪化させたり、パートナーとのピンポン感染を防ぐためにも必ず治療を受けましょう。
以下からは、治療に使われる薬について簡単にご紹介していきます。
フラジール内服錠を服用する
フラジール内服錠は、1クール20錠を10日間で服用するトリコモナス治療の第一選択薬です。
通常は1クールの治療で完治に至りますが、再検査で陽性が出たり、症状の悪化が認められるようであれば追加の治療が必要になります。
アレルギーや脳・脊髄に疾患がない限りは基本的に服用できますが、服用にあたっていくつか注意点があります。
【注意①】治療期間中のアルコール
フラジール内服錠はアルコールとの相性が悪く、誤って併用してしまうと、二日酔いの原因で知られる「アセトアルデヒド」の血中濃度を上昇させます。
お酒の影響を受けやすくなることで悪酔いしたり、次のような症状を起こす可能性があります。
- 腹部の仙痛(キリキリとした痛み)
- 嘔吐
- 潮紅
服用中はもちろん、治療後3日間は飲酒を控えるようにしてください。
【注意②】服用間隔
1クール20錠10日間を超えての服用や高用量による治療では、末梢神経障害や中枢神経障害などの副作用が起こりやすくなります。
医師の服薬指導どおりの服用はもちろん、自己判断で用量の調整は行わないようにしてください。
感染の原因であるトリコモナス原虫には、「フラジール(メトロニダゾール)」が有効です。
フラジール(メトロニダゾール)はニトロイミダゾール系に分類される抗原虫薬で、トリコモナス原虫を感染部位から駆除します。
「フラジール(メトロニダゾール)」はフィットクリニックにて処方しています。
当院のトリコモナス治療薬 | |
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製品 |
フラジール内服薬 |
処方数/日 | 20錠 / 10日間 |
費用 |
10,000円 ※併せて検査キット購入の場合は2,000円引き |
用法用量 | 1回250mgを1日2回、10日間経口投与する |
副作用 | 末梢神経障害 、 四肢のしびれ 、 四肢異常感 など |
フィットクリニックは、オンラインでの診療・処方が可能なため、誰にも知られることなくトリコモナスを治療できます。
フィットクリニック受診のご予約は以下のボタンよりお願いいたします。
治療後は検査を受ける
フラジール内服錠を飲み切ったからといって、100%トリコモナスが完治するとは限りません。
人によっては原虫が残っていることがあるので、再発やパートナーへの再感染させるリスクがあります。
後日、検査精度の高いPCR法(遺伝子検査)による検査を必ず受け、陰性が出れば治療完了となることは覚えておいてください。
ちなみに再検査のタイミングは、「治療完了から2週間以上」となります。
治療後すぐの検査では駆除された原虫を検出してしまうことがあり、治っているにも関わらず陽性の結果が出てしまうことがあるためです。
再検査までが治療となるので、トリコモナスは治療から完治まで約1ヶ月を見ておき、その間の性的な接触は控えるようにしてください。
なお、フィットクリニックでは、トリコモナスをはじめ各種性病に対応した検査キットを取り扱っております。
検査キット | 価格 | クラミジア | 淋菌 | 咽頭クラミジア | 咽頭淋菌 | トリコモナス | カンジダ | HIV | 梅毒 | B型肝炎 | C型肝炎 |
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女性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
女性8項目セット | 29,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
女性5項目セット | 25,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
女性4項目セット | 23,000円 | ● | ● | ● | ● | ||||||
男性10項目セット | 33,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
男性7項目セット | 28,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
男性5項目セット | 25,000円 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
男性4項目セット | 23,000円 | ● | ● | ● | ● |
検査キット2個セット | 10%引き |
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マイコプラズマ検査 | +12,000円 |
送料 | 無料 |
検査キットを2個セットで購入すると合計から10%引きとなります。
もしご自身がトリコモナスに感染している可能性がある場合、パートナーも感染している可能性が高いため、2個セットで購入されることをおすすめします。
ご予約は以下のボタンより承っております。
なお、検査キットに関する詳しい内容については、以下のページをご確認ください。
ピンポン感染に注意
ピンポン感染とは、お互いに病原体のうつしうつされを繰り返すことです。
次のようなケースで起こりうるため、不用意な性行為には注意してください。
- パートナーの片方が未治療
- 検査で陰性の結果が得られる前の性行為
ご自身が治療で治ったからといっても、トリコモナスへの免疫はつきません。
そのため何度でも感染するおそれがあり、一向に完治しないことで感染状態がいつまでも続いてしまいます。
症状を悪くする原因にもなりかねないので、どちらかの感染が発覚した時点で、ペアで検査・治療が必ず必要になることは覚えておきましょう。
トリコモナス感染症の予防方法
トリコモナス感染症を100%防ぐ方法はありませんが、予防を意識するだけで感染リスクは下げられます。
次の予防方法を参考に、パートナーと一緒に実践してください。
■コンドーム
コンドームは性器が直に触れるのを防ぐため、尿道に原虫が侵入するのを止めてくれます。
他の性病に感染しないためにも、妊活中以外は必ずコンドームを装着するよう心がけていきましょう。
■特定の相手とだけ性行為する
不特定多数をパートナーに持ってしまうと、いつ、どこで、誰から感染したかわからなくなります。
「感染経路がわからない=いつまた感染するかわからない」ということにもなるので、性行為は特定の相手とだけ楽しむようにしてください。
■定期的に検査を受ける
トリコモナスは無症状なことが多いので、定期的に検査を受けるようにしてください。
ペースとしては3ヶ月に1回が理想的で、パートナーが変わった時には追加で検査を受けられるとなお良いです。
■生理中の性行為は控える
生理中の膣内はトリコモナス原虫が繁殖しやすいため、感染リスクはより高まります。
終わりかけでも危険であることに変わりはないので、パートナーのタイミングも考えて性行為を行うようにしましょう。
男性のトリコモナスは無症状が多い事についてまとめ
まとめ
- トリコモナスは寄生虫(原虫)によって引き起こされる性病
- 男性の80%は無症状・無自覚
- 悪化すれば不妊の原因にもなりかねない
- 性行為以外にも日用品や公衆浴場などでも感染する
- 自然治癒はしない
- 再検査によって陰性が得られるまでが治療
トリコモナス感染症は感染のサインとなる症状も少なく、知らずに感染させあってしまうこともある厄介な性病です。
場合によっては小さな子供にまでうつしてしまう可能性があるので、必ず治療するのはもちろん、定期的に検査を受けるなどして、感染しないためにできることを1人ひとりが積極的に実践していきましょう。
フィットクリニックのオンライン診療・処方なら誰にも会うことなくスムーズにトリコモナスの検査・治療を行うことができますので、ぜひご利用ください。
よくある質問
男性の約8割は症状がほとんど出ず、あっても軽いか、一過性のため、感染を自覚できないこともあります。
性行為やそれに類似する行為によって感染しますが、日常生活で感染してしまうこともあり、性行為の経験がない子供でも感染するので注意が必要です。
- 排尿時の軽い痛み
- 尿道口から分泌液(無色〜白色)が出る
- 尿道へのかゆみ・熱感・違和感
感染機会から10日前後の潜伏期間を経て上記のような症状が現れますが、無症候(症状がない)の方がほとんどです。
ピンポン感染を防ぐためにも、検査・治療はご自身だけでなく、感染のおそれがあるパートナーとペアで行うようにしてください。
通常はこの期間で完治に至りますが、原虫が残っていたり、治りが悪い場合には、治療後1週間をあけてから追加治療となります。
治療によって原虫の数は徐々に減ってはいきますが、人に感染させるだけの感染力は残っています。
治療後の再検査によって原虫が残っていないことが確認されるまでは、性行為やそれに類似する行為も控えるようにしてください。